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《ネタバレ》 普通の現代人をサム・ワーシントンが演じるのを初めて観た。それでもわりと早い段階でいつもの「いぇ~っ!!」という独特の叫びが出てきたので、やっぱりサム・ワーシントンだなぁと思った。
どうでもいい話から入ってしまったが、鑑賞中はとても楽しめた。突如ニューヨークの摩天楼に脱獄囚が現れるという斬新でミステリアスな切り口だが、ふたを開けてみれば堅実な造りの金庫破り映画ではないか。濡れ衣と復讐、難攻不落の金庫、奇想天外な方法で盗まれるありえない大きさのダイヤなど、何度も使われてきた映画要素のマンネリ感を、奇抜な導入方法を用いることで上手く緩和している。この辺りのバランスはさすがだ。キャラクターについても、オッチョコチョイでお調子者の弟や、お色気担当の女の子、いい所を持っていくモブキャラまでもしっかりキャラ立ちしており、適材適所の配役で、違和感なくまとまっている。 脚本についてはリアリティ面に関して所々「こんなんで大丈夫なの?」と思うところもあったが、まぁ個人的にはギリギリ許容範囲内か。ネゴシエーターと話しつつ、共犯者に指示を送るシーンなどは、理に適った緊張感を出せる場面なので、もっとスリリングに見せて欲しかった。観客も思わず舌を巻く程のやり取りを期待したが、あまり深く描写されずにもったいなく感じた。しかし、この映画の見せ場というか、出発点というかよくわからないが「飛ぶの?飛ばないの?」って所は、とても映画らしく盛り上げて回収され、なかなか爽快な後味だった。深みはあまりないが、妙に難しくしたりせずに娯楽作品に徹したところが良く、純粋に楽しいという感想を持った。 【サムサッカー・サム】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-07-13 22:05:08)(良:1票)
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