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《ネタバレ》 興奮した。とても楽しかった。「ファイナル・ディシジョン」のスペクタクルと、「ファースト・ジェネレーション」のドラマを足したような究極の「X-MEN」に仕上がっていたと思う。
冒頭、初登場のミュータント達が、能力を駆使してセンチネルに立ち向かう。多彩な技の連携でこの場を乗り切るのかと思いきや、全滅。古株のアイスマン、コロッサスも全く歯が立たずに撃沈。強い、強すぎる。そう、今回の敵には誰も勝てないのである。だからこそ過去で叩かなければならない。 未来に起きる危機を過去で食い止めるというプロットは、SF映画においてはよく見かける気もするし、それを題材にした傑作も既にある。この古典的な導入口を振りかざせば、「何を今さら…」と、ハリウッドの深刻なネタ不足を呆れられるだろうが、「X-MEN」に限ってはそれはない。このシリーズには過去にも、未来にも魅力的なヒーローが存在するからだ。そうなればもう、世代を超えたオールスターの集結は必然。伊達に14年間、本作含め7作品も作ってきたわけではない。 非常に多くのキャラクターが入れ乱れる本作だが、大味なアクション大作にすることなく、「X-MEN」の命でもあるドラマ面を描ききっている点を評価したい。塞ぎ込んだチャールズと、幽閉されていたエリックに与えられた二度目のチャンス。再開した二人は、共に希望を見出し、再び違う道を歩んでいく。過去と未来の同時進行で生まれる緊張感の中にも、シンガー監督らしいヒューマンドラマが息づいている。 14年前に制作された1作目で、「希望を探している」とチャールズは言っていた。14年未来に制作された本作でも、チャールズはフューチャーパストの自分に「もう一度希望を持ってくれ」と言って導いた。チャールズの再生を促す感動的な場面であると共に、本シリーズの歴史を感じさせる感慨深い一幕だった。シリーズを生み、育て上げたシンガー監督の下に、オールスターキャストが集まった本作は、ある種「X-MEN」の集大成。映画の枠を超えた桁違いのパワーを感じさせられる、まさに究極の「X-MEN」だと言える。次回もこれを超える「X-MEN」を期待したい。 【サムサッカー・サム】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-05-28 19:14:02)(良:3票)
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