トイ・ストーリー4 の サムサッカー・サム さんのクチコミ・感想

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トイ・ストーリー4 の サムサッカー・サム さんのクチコミ・感想
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《ネタバレ》 これ以上ない形で幕を下ろした「トイ・ストーリー」、まさかの続編。
なぜ今更かとも思いつつ、しかし実際に見てると、今だからこそのメッセージが詰め込まれた素晴らしい傑作だ。

まず、本作はファミリー映画として、とても良質。
トイの性質を活かした見せ場は目を見張るものがあり、洗練された脚本と相まって異次元の面白さに昇華している。

大人の観客にとってはドラマパートも骨太で見ごたえがある。
様々なキャラが、おもちゃの人生(?)の多様さを浮き彫りにし、ウッディの「内なる声」に影響を与えていく。

おもちゃの一般的な幸せを改めて提示するギャビー。さらには、価値観のまるで違う新入り・フォーキー、そしてワイルドな変貌を遂げたボー。
奇しくもシリーズと一緒に成長してきた僕は、今では平々凡々と仕事をこなしてきたわけだが、本作の彼らには見覚えがあるような気もした。

世の中にはいろんな人がいて、色んな道がある。
会社の主力として実直に頑張る人もいるし、世代の異なる新人が風変りに見えたこともある。
独立したり、まったく別のことを始めたりした人もいた。


ときおり、別の生き方が頭をよぎることもある。
自分は、自分が思うよりももっと別の人生を送れたり、思いもよらないような別の生き方もあるのではないか。
今まさに人生の岐路に立っているわけではないけども、人にもおもちゃにも選択の瞬間は訪れるものなのだと思う。

だからこそ最後のウッディの決断は、胸にこみ上げるものがあった。
今度は離さないと、最愛のボーの手を取ることがウッディの答えなのである。
「好きな人といたい」。小さな子供にもわかるようなアプローチだが、シンプルで、優しくて、感動的だ。

その決断に戸惑いながらも、ウッディの背中を押して送り出したギャングたち(ウッディの仲間たち)の一幕も心に残る。
悲しい別れもあるが、人生には、希望と幸福に満ちた「旅立ち」という別れもあるということだろうか。

さらにギャビーが見せるドラマも、大人のお友だちにとっては勇気づけられるメッセージとなっているのも良い。
おもちゃにとっての普通に焦がれること。
「普通」と言うとなんだか当たり前なこととして受け取られがちだが、おもちゃにとっての「普通」とは何だろうか。
もしそれが、子供たちを楽しませ、心に寄り添い、勇気づけてあげることだとしたら、「普通」でいることはどれだけ素晴らしく、素敵なことなのだろうか。

この物語は、特別とは違う皆に向けた優しさをも内包しているのだ。
普通でもいい、できることをやっていけばいい。
自分が何者かは置いといて、何になりたいのかに耳を済ませればいい。
「何で生きてるの?」なんてその時まで分からないのだから。


繰り返しになるが、本作はシリーズの例に漏れない最高に楽しいファミリー映画だ。
そして、あの素晴らしい前作から数年を経た今だからこそ、僕にとって本当に観て良かったと思える作品になっていた。
サムサッカー・サムさん [映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2019-07-10 18:13:53)
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