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《ネタバレ》 OPから霧が広がっていくまでのテンポが良く、不穏なサイレンと、霧の中にいる「何か」を想像、期待させる演出が上手い。その正体は、良くも悪くも意表を突くものでした。しかしこの映画の見どころはその状況下で起こる人間の心理と行動の描写だと思います。本当に恐ろしいのは、外にいる異次元の怪物ではなく、それを神の裁きだと受け入れ、生け贄を差し出そうと言い出す人間ではないか。カーモディの言う「神の裁き」とはこの映画の中で、人間の愚かな行為に対する罰、代償に見たてていると思います。この原因になったのは人間が行った行為の結果で、カーモディのエスカレートする言動も、単純に彼女の異常なまでの宗教論かもしれないが、もしかすると町の人々の彼女に対する態度だったり、思いやりの無さが招いた苛立ち、孤独感からなのかもしれない。あくまで解釈に過ぎませんが、劇中でカーモディの性格は分かるし、好きになる人はいないのでは?最後にカーモディは生け贄に差し出すどころか、「みんな殺せ!」と明らかに個人的な怒りを露わにします。そういう人間の気持ちの無さが招いたのかもしれない。ラストは原作と大きく違う様です。デヴィッドは子供の為に一人外に出た女性と子供達の無事な姿を目にします。デヴィッドが犯した最大の罪は、生きる事を諦め、死を選んだ事でしょう。彼はこの先その事を後悔して一人生きていかなければならない、それが「神の裁き」なのかもしれません。神の裁きは人間には過酷でとても計り知れない。ラストに流れる音楽とあまりにも悲痛な結末の余韻に、しばらく席を立てなかった。
【miki】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2012-04-07 13:15:49)
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