サウンド・オブ・サンダー の 墨石亜乱 さんのクチコミ・感想

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サウンド・オブ・サンダー の 墨石亜乱 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 サウンド・オブ・サンダー
製作国,,チェコ
上映時間102分
劇場公開日 2006-03-25
ジャンルSF,アドベンチャー,パニックもの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 すべてが中途半端なタイムパラドックスSF

2055年そう遠くない未来が舞台。TIME SAFARI社の時間旅行ツアーで白亜紀を訪れた客が小さなミスを犯す。それを始まりに、生物進化の歴史変革が波のように押し寄せ 人類滅亡の危機が訪れる。という壮大な話…だが色々と中途半端。

まず、未来描写の映像センスがない。
CGレベルが低いのは予算の問題でやむ無しかも知れない。が、リアルに見せようとする工夫が皆無。
CGが無いハンディを撮影の工夫で克服して革命を起こした『ブレードランナー』の未来描写から何も学ばなかったのだろうか?
未来の街角をただ会話しながら歩く背景合成のシーンがあるが、役者がその場で足踏みして歩いて無いのがバレバレ。信じられない。
製作サイドは極めて真面目なのだが…これは陳腐なB級映画ですと、自ら宣言してるようなものだ。

そして、SF的な設定ミス。
フィクションを描く場合、自ら設定した基本ルールに矛盾を生んではサスペンスが成立しない。この映画のルールは以下の通り。
「過去と現在は一つの時間軸上にあり、過去の変化が現在に影響する(違う歴史に上書きされる)」
「時間の上書きは、変化が生じた時間を起点にし段階的に起きる」となる。
もし、過去に影響を与えると違う時間軸が新たに生じる設定(=並行時間軸が生じる)場合は、時間旅行から帰った時点で歴史は変わっている事になる。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のように。
で、どこが設定ミスかと言うと、時間旅行ツアーが矛盾している。
白亜紀で恐竜をハンティングするこのツアーは、旅行者がその時間・場所に一時的に存在する訳なので “前回のツアー客もその場所にいる” ことになるが、この映画に前回のツアー客は存在しない。本当はツアーをくり返すたびにキルゾーン内の人数は増え過密になる筈だ。ちょっと笑えるが、そもそもの部分でルールを無視している。更に物語の解決のキーがこの「前回の旅行者がその時間にいる」前提なのだから、もうムチャクチャでSF映画としての価値はゼロだ。

ただ、うちの奥様はこの映画がお気に入り。DVDで繰り返し観ている。深く考えなければ案外 飽きずに楽しめる娯楽映画なのかも知れない。
墨石亜乱さん [DVD(吹替)] 5点(2017-11-19 16:41:07)
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