1. はだしのゲン
原爆の実態を初めて教わった作品。 小説などの文字だけのメディアでなくマンガというメディアでなしえる、情報伝達力であり、だからこそ、当時、小学生で有った私にも原爆の恐ろしさを十分に理解することができた、単にマンガと言えない作品である。 だからこそ、マンガであるが、小学校の図書館とかにも置かれている名作である。 作品自体は、その時代に生きたゲンの成長劇であり、原爆の恐怖が如実に書かれた部分は前半の3分の1程度で、その後は、戦後の混乱期を中心とした物語である。 その前半部分がインパクトが異常に強くどうしても後半部分地味目なのが残念な作品である。 ただし、日本人で有ったら一度は目を通して欲しい作品である。 8点(2008-01-30 16:55:36) |
2. はじめの一歩
少年マンガの王道的作品だと思う。 『主人公の成長劇』『敵→練習→決選→敵・・・の展開』『恋愛面は進歩なし』『サブチャラ担当の適度な笑い』『見やすくしっかりした作画』・・・・ スタンダードな良作でそのクオリティーがしっかり維持されているのもすごい!! しっかりしたストーリー構築なため、話自体は実は地味目な部類な作品なので、いずれ来るであろうエンディングが唯一の楽しみであり不安的な部分でもある・・・ (この作品の内容だと、派手なエンディングは違和感が有りそうだし・・・) 名作ではあることは依存はないが、あとはエンディングで少年誌の歴史に残る作品になるかどうか・・・であろう。 8点(2008-01-30 16:44:22) |
3. ハレンチ学園
今の若い人には『ハレンチ』という言葉は、死後のような気がするが、私の年代における『破廉恥』は、漢字ではなくカタカナ字の『ハレンチ』であり、また、今現在日本の漫画発行部数の記録を持つ『ジャンプ』も当時は後発漫画誌で状況は苦しかったらしい。その中で、『ジャンプ』を成長させたのは、当時新人の本宮氏の『男一匹ガキ大将』とこの『ハレンチ学園』であるという。 当時PTAが大騒ぎし、作者は自虐的に作品の中でPTA対ハレンチ学園の戦争を起こし、最後は主要キャラがすべて死んでしまう様と、ギャグマンガを超えた劇画調のタッチは、これまでのギャグマンガの枠を破った革新的な作品であったと思われる。話が盛り上がり最後は破壊による終局という手法はこの後の永井氏の定番となっていくのだが、間違いなく日本の漫画史を語る上では避けられない作品の一つだと私は思う。 また、氏の作品としてハダカの女の子は、隠微ではなく、健康的でとても明るく決して過度にエロクはないのは定番であり、この作品の十兵衛も同様であり、先に触れた『ハレンチ』私語と思われるが、今の流行の『エロカッコイイ』で有ると私は思う。 8点(2008-01-19 12:42:25) |
4. バイオレンスジャック
《ネタバレ》 作者のこれまでの作品の主役級を描く話のモチーフに取りながら、関東における終末的世界を舞台に展開する終末バイオレンス作品は各作話3~400ページの中篇にまとまり、引き込まれる。 近年に渡り日本の漫画界の大ヒット作品の一つである『北斗の拳』の世界観は個人的には間違いなくこの作品のパクリではないかと感じているほど、終末におけるバイオレンス世界のその世界観はこの作品以降に生まれた各作品に影響与えた重要な位置づけをなす作品だと感じる。 しかし・・・結局最後は『デビルマン』の世界に繋がる・・・てのがどうも・・・・(笑) 8点(2008-01-19 12:25:48) |
5. 番長惑星
リュウ三部作の最後に書いた作品で、『リュウの道』は未来、『原始少年リュウ』は過去、そして、この『番長惑星』は現代を舞台とした作品である。 石ノ森氏の作風は、1960年代後半から1970年前半にかけ、絵のタッチは当時こぞって発刊された成人コミックへの意識から劇画タッチで緻密化され、また、ストーリーも重厚さをまし、絵と同様にストウィックかつ、哀しみに満ちた作品が主流となった。このリュウ三部作の先の2作はこの時期に作成された作品である。 しかし、1970年中盤から、そのタッチは、緻密化は残しつつもキャラクター的には丸みを帯び、少年作品への回帰が感じられる作風に戻ってきている。また、ストーリー的にもそれまでの暗さが、急に明るくある意味主人公も能天気に変貌している。 まさに、この作品はその後年の作風の中で執筆された作品の代表作であると言える。 近年石ノ森氏のタッチをそのままアニメ化出来る作家として有名になった紺野直幸氏は、その作品の大ファンで有るとのコメントを雑誌等で見受けた記憶がある。 私的にはそうしても、この作品以前の石ノ森氏のストウィックな重厚さに大作的感覚を感じるために、この作品はこの点で・・・・ 7点(2008-01-22 16:26:59) |