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プロフィール
コメント数 127
性別 男性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  うしおととら 《ネタバレ》 
つい最近読み終えたのだけれど、少年時代に読まなかったのが本気で悔やまれる。  とにかく、熱い。うしおはいかにも少年マンガ的な主人公に輪をかけたような性格で、明るくてバカで乱暴で、真っ直ぐで正義感が強くて、絶対にあきらめない不屈の意志を持っている。しかし典型的なキャラクターであるようでいて、不思議と厚みがあり、ひとりの人間としての存在感がある。台詞もまたびっくりするほどきれいごとばっかりなのだが、なぜか鼻で笑ってすませることのできない説得力を持っている。  これはきっと作者が、ほんとうに胸の底から湧き出てきた自分の“声”を作品に乗せているからだと思う。エピソードのなかには明らかにご都合主義のものも散見されるんだけど、それを許せてしまうだけのほとばしるようなエネルギーがある。作者が心血を注いで描いたものだということがはっきりと感じ取れる。  そして何よりラストに向けて収束していく物語展開が素晴らしい。当時全盛だった少年ジャンプの連載が編集部の意向でだらだらと延ばされていったのに対して、本作はあらかじめ予定されていた大団円を迎える。この最終回、涙をこらえるのは難しい。しかも作者があとがきで「このあと登場人物たちはみんな幸せになりました」と断言。これは反則だっ(泣笑)。  明日を信じること、人を信じること、正義を追い求めること。少年マンガのもっとも素朴なテーマを嫌味なく、完璧に昇華させている。こんなに強くてあったかくて、気持ちのいいマンガはない。
10点(2007-10-26 00:37:12)
2.  リバーズ・エッジ
たぶん人生でいちばん好きなコミック。描かれたのは十年以上前だけれど、これほど現代に特有の空虚さ、乾いた絶望感を的確に捉えた作品は他にないんじゃないだろうか。生きているということにリアリティがない感じというか、日常におけるあっけらかんとした絶望を巧みに描き出している。登場する少女、少年達には拠り所にできるようなものがまったくなくて、ただ痛みだけが確かなものであるかのようにすら見える。唐突に引用される詩の効果も抜群で、一度読むと忘れがたい。「平坦な戦場で生き延びること」、その難しさ。きれいごとを一切抜きにして、日々を生きていくことの意味を問う。ポジティヴなメッセージはほとんどないけれども、この切実さが、不思議と読む者に力を与えてくれる気がする。  好き過ぎてあまり語るとわけわかんなくなりそうだからここらへんでやめとくけど、間違いなく、大傑作です。
10点(2007-10-25 00:40:34)(良:1票)
3.  狂死郎2030
徳弘さんのギャグは苦手なんだけど、これに関してはかなり引き込まれた。  たぶんセックスを前面に押し出したことが功をそうしたのだと思う。狂死郎と志乃はバーチャルリアリティの世界で出会って愛し合うようになるものの、どんなに求め合っても結局はバーチャルでしかなく、生身では触れ合うことができない。セックスはできるのに、満たされているようで満たされていない。快楽を重ねるごとに誤魔化せない寂しさと空虚感が積みあがる。お互いにさんざんひどい目に遭っても助け合うわけにも行かず、独りではないとわかっているのにどうしようもなく独りだ。だからこそ死地を乗り越えて志乃に会いにいく狂死郎の愛が、切実なまでに真に迫ってくる。大筋ではお涙頂戴のラブストーリーでしかないはずなのに強い説得力があり、ほとんど息苦しいほどだ。  下品なギャグがてんこもりだから楽しく読めるけど、実はとんでもなく切ないラブストーリー。これでシリアスタッチだったら読むのも辛かっただろう。徳弘正也以外には誰にも描けない、唯一無二の傑作恋愛漫画だ。
9点(2007-11-29 01:45:01)
4.  ザ・ワールド・イズ・マイン
阿部和重、伊坂幸太郎と帯に並ぶ名前が異様に豪華ですが、実際これほど衝撃的な読書体験は小説の世界でもなかなかない。  殺人鬼“モン”の理屈もなにもない狂気じみた台詞が奇妙な魅力と説得力を持って、読むものの倫理観を揺らがせる。殺人鬼をヒーロー扱いする世相の描写もリアルで、現代における倫理の頼りなさを巧みに伝えている。一方で、対するマリアやユリカンの唱えるきれいごとが不思議なほど感動的に響く。類型的な人物やありがちな台詞といったものは皆無に等しく、登場人物は皆尋常ではない人間臭さと存在感をもって話しかけてくる。  賛否両論分かれたラストについてはどちらかというと否定派につきたいが、それを補って余りある内容だと思う。暴力の恐怖と魅力、倫理のもろさと力強さ、命と善悪をめぐる相反する側面が力強く活写されている。終盤には作者の自己陶酔や意味のわからないぶっ飛びすぎた展開が増えてやや残念なところもあるけれど、とくに前半は文句なく素晴らしかった。  名作だと思います。……たぶん。
9点(2007-11-17 23:42:14)
5.  天使な小生意気 《ネタバレ》 
不良が喧嘩ばっかりしてるマンガって苦手なんだけど、これはとっても面白かった。何より笑いのセンスがかなりキてる。旅館のエピソードなんて何度読んでも笑ってしまう。  あとこのマンガってギャグだけじゃなくて、真剣な決めの場面に対しても、「かっこいいぜ…」「決まった…」と突っ込み(客観視)の台詞が入る。たぶん西森さんは自作に対する客観性がものすごく強い人で、まじめなことを書くとすぐ照れてしまうんだと思う。  客観的な視点は創作全般においてはもちろん、一人でボケと突っ込みを兼ねなければいけないギャグ漫画家にとっては絶対に必要な力。そういう意味では西森さんはずば抜けていて、たとえ小ネタであっても全然すべらない安定感を持っている。そして実はすごくかっこいい連中ばかりを描いているのに、全然嫌味がない。この辺りも優れた突っ込み力の賜物だろう。  結末に向けてちゃんと伏線を張っているのも良い。気楽に読める作品でも、やっぱりプロットががっちりしてると満足感が違う。欲をいえば最終話近くが急ぎ足になって、わずかに伏線を拾い損ねているのがもったいないかな(たとえば魔本の起源はほのめかすだけに終わってるし、藤木が闇夜の谷川に飛び込めたのは例の河童のおかげなんじゃないかと思うんだけど説明はなし)。  とはいえ読後の爽快感は最高だった。全体を通して暗い要素は薄く、敵役ですらラストの行動は清々しい。読んでいてすごく気持ちのいいエンターテインメントに仕上がっている。
9点(2007-11-15 00:46:27)
6.  フラグメンツ
正直にいうと山本直樹はたまに――しばしば自分の読解力を超越しているのであまり堂々とは語れないんだけど、『フラグメンツ』に関してはやっぱり好きだ。ファンタジーというのはためらわれるけれど、リアルというのとも違う雰囲気からしてなんともいえない。普通に足を踏み出したつもりなのに、靴底が地面から一センチほど浮かんでいたみたいな、微妙な浮遊感が。収録されている「別章」も無関係なようでどことなく共通した空気が通っている。リアルじゃない場所でリアルなものを探している人たちの寂しさが伝わってくる。
9点(2007-11-08 21:26:43)
7.  行け!稲中卓球部
久々に読み返してこの漫画が現在の自分を形成するかなり重要なファクターとなっていることに気づき、暗澹たる思いになる。前野や田中という主役級キャラのフルネームが明かされないなど、著者のドライっぷりにはびっくりだ。この地獄のようなくだらなさ、今の十代が読んでも普通に笑えるんじゃないかな。  小林よしのり氏がゴー宣で「わしは稲中卓球部に挑戦する」とかいっていたけど、正直大敗というか、誰も挑戦していたことに気づかなかったくらいの圧倒的戦力差があった。よしりんが悪いんじゃないよ、古谷さんが最高すぎたんだよ。  いまだに都合が悪くなると「いいよねどうせ人類なんて滅びるし」とかいっちゃうのはこのマンガのせいです。十点にしようとして理性に止められ、九点。
9点(2007-11-06 01:38:02)
8.  えの素
読んだ先から脳内で新しいシナプスがぷちぷち繋がっていく、前代未聞の快作。普段何を考えてたらこんなものができるんだろうか? 底なしの下品さと、漫画的ならではの手法の結晶ともいうべき不条理さが相俟って、とんでもない高みにまで達してる。こんなこといったら笑われるかもだけど、もはやアートの一歩手前だ。とくにクライマックス長編の弾けっぷりは常軌を逸している。空想力が、あまりにもアクロバティック。数え切れないほど笑かしてもらった。葛原さんや田村さんなど、名キャラクターにも事欠かない。ある意味ギャグマンガの頂点でしょう。っていうか、同じ物差しの上で測れるものが他にない。
9点(2007-11-01 22:37:14)
9.  神戸在住
スクリーントーンを使わずに多様な斜線を利用するなど、かなり個性的な手法にのっとった絵柄で、淡くやわらかく、温かみのある雰囲気を持っている。かと思うと阪神大震災を題材とした回では、淡々としているだけに確実に心に食い込んでくるので油断ならない(読後しばらく地震恐怖症になってしまった)。大仰さのない徹底的にリアルな、エッセイ風のフィクション。スローペースな語り口の本が大好きなんだけど、これはその系統の最上の部類に入る。心の機微や人間関係をじっくりと追っていく過程がとても味わい深く、疲れ切ったときなんかに読み返したいと思う。余談だけど、主人公の桂さんは本の趣味がとてもよいですね。
9点(2007-11-01 22:15:41)(良:1票)
10.  ハッピーマニア
Amazonの紹介文に「一家に一本!読むユンケル!」なんて書いてあって笑っちゃうけどわからんでもないなと思う。  重田加代子、というもっそい普通の名前の主人公なのだけれど、行動力がすごいというかイっちゃってるというかもはやポジティヴとかそういう次元なの? という強烈な性格の持ち主。自分の寝た男がろくでなしだとわかったときの、「ギャー最悪! 走ってくる! ちょっとあたし走ってくる!」という台詞に笑った。凹んで部屋にこもるとかじゃなくて、走るのかよ。  すべてにおいてこんな調子なので、読んでいるこっちまで元気になってくる。なにしろダメ男を渡り歩く話なのに、タイトルが『ハッピーマニア』だもんな。同じような題材でも『だめんず・うぉ~か~』とは明るさが違う(後者も面白いけど)。ダメ男にひっかかるのを「不幸」じゃなくて「幸せを探すこと」としてとらえるなんて、常人の感覚じゃないって。   テーマが前向きなだけの作品ならいくらでもある。だけどこのマンガはひとつひとつのコマ、台詞に、太陽のように明るいエネルギーがごく自然に満ちていて、それがページを開けばあふれ出してくる。読んだだけでこんなに元気になれる作品なんて、そうそうできるもんじゃない。安野モヨコという人はほんとうに素敵な才能に恵まれていると思う。
9点(2007-10-30 17:10:18)
11.  ヘルタースケルター 《ネタバレ》 
岡崎作品は暗いものが多いけれど、とりわけ読み進めるのが辛いのがこれ。ほんとうは何もかもが崩壊寸前だとわかっているのに、平気な顔を取り繕いながら綱渡りの生を歩む。やがては破綻するであろうことが明らかなだけに、全編に渡って剥き出しの神経を掻き毟られるような心地がした。  他作品でも同様だが、突如差し込まれる見開きがすごく効果的だ。しかも大抵は直線ばかりで構成されたうら寂しい都市の風景。あるいはオーブンに頭を突っ込んだ死体という、読んでいる者をぶん殴るような絵。面白いから本を閉じるまではいかないんだけど、この読んでいてぎりぎりまで追い詰められるような焦燥感は、すごい。  ところがこの悲劇的な物語は、ラストで思わぬ着地をみせ、突き抜けたような不思議な明るさを漂わせる。続編なんてなしに完結させてほしかったという気もするけど、これも悪くないのかな。絶望的な虚無を描きながらもどこかしら切ない美しさがある、痛ましい傑作。
9点(2007-10-28 17:33:00)
12.  百鬼夜行抄 《ネタバレ》 
ほぼ一話完結で、毎回毎回入り組んだプロットを組み上げているのがすごい。マンガなのに叙述トリックまで取り入れているという巧みさ。幻想ホラー風味ではあるけれど、個人的には恐怖のツボが合わない感じなので純粋にミステリとして楽しんでます。凛とした風情の画もなかなか。作者の浮世離れを反映してか、現代を舞台にしているのになぜか全然そんな気がしないという独特の空気感が面白い。
8点(2008-04-14 13:44:53)
13.  ハネムーンサラダ
完成度がどうこうというよりも、絵や台詞に通う血の熱さが半端ない。仕事や恋愛に対して、社会常識すら無視してただ“ほんとうのこと”だけを求める男女三人が織り成す、異色の恋愛ドラマ。普通に考えれば男にとって都合のいいはずの状況も、二人の女性キャラクターそれぞれが持つなんとも手に負えない感じがリアリティを生んでいる。二宮ひかるという人は、めんどくさい女を描かせたら天才じゃないかと思う。  掲載誌がヤングアニマルなのもあってかエロい描写も多いんだけど、二宮さんの作品を読むと、セックスを抜きにして恋愛を語ることのほうが不自然なんじゃないか、と思わせられる。テレビドラマとかにするのは難しいだろうけど、下手な恋愛ドラマよりかはずっと重みがある。作者自身の心血を注ぎ込んだからこその、代表作でしょう。
8点(2007-12-16 18:55:00)
14.  さよならみどりちゃん 《ネタバレ》 
一時期女性作家のマンガをたくさん読んだんですけど、これはとりわけ記憶に残っている作品のひとつ。南Q太さんのマンガって短い台詞と大ゴマ(手抜きとかじゃなく)で、独特のテンポでもって進むのが面白い。さくっと描いているのにとても繊細で、暗いネタなのに能天気でユーモラス。  ダメ男に引きずられるように曖昧な関係を続ける主人公。いっちゃあなんだけど、ダメ男にはまる女の人って、自分自身もダメ女な部分があるよね。自身の根元がしっかりしてないから、自分に負けないくらいダメな男を見つけてよっかかりたがる。これはそんな主人公が一皮向けて、新たな一歩を踏み出すまでの物語。  理想が入る余地のまったくないリアルな作風で、でもそれだけにポップコーンを振りまくシーンの突き抜けた明るさが、とても爽快だ。  映画化作品は怖くて未見。シネマレビューの方を見ると平均は低いのにけっこう点数が散らばってたりして、悩ましいところだなあ……。
8点(2007-12-12 02:56:56)
15.  ドロヘドロ
スタイリッシュな独自の絵柄と世界観がかっこいい。ものの肌触りまで伝わってくるかのような厚みのある画。かなり暴力的な描写も多いんだけど、ブラックなユーモアとキャラクターの愛嬌のよさが、殺伐とした空気を相当に和らげている。トカゲ頭のカイマンは強さよりもかわいらしいし、女性キャラがみんな驚くほどごつくてガンダムみたいに強いんだけど、なぜか普通にかわいく感じられる。アクションシーンは迫力があるし、心臓を象ったマスクなど、作者独特のセンスが随所で光る。作者が普通の少年マンガに影響を受けたというだけあって、普通にわかりやすくて一般受けしそうだと思うんだけど、そんなにメジャーでもないのかな? もっと知られてもいい作品だと思う。
8点(2007-12-03 00:54:08)
16.  敷居の住人
途中から作者の意識が変わったのが明らかに見て取れます。序盤は多田由美のものまねなどが見られて少々苦しかったりするんだけど、中盤からは俄然面白くなってくる。わかりやすく成長するでもなく、あーでもないこーでもない、とぐだぐだ悩んだり凹んだりする主人公を見ていると笑ってしまうんだけど、いたたまれなくもある。ああ、こういうのって思春期だよなあ。何気に自己中心的な女性陣の振る舞いにもリアリティがある。そうそう、精神不安定な女の人って本人は悪気はないんだけど、かなり残酷なことするんだよね。著者の出世作、まだ青い部分はあるとしても、やっぱり面白いです。
8点(2007-11-29 01:17:34)
17.  ラブマスターX 《ネタバレ》 
『脂肪という名の服を着て』に並ぶ、安野モヨコ氏初期の秀作のひとつ。さまざまな登場人物が有機的に絡みつく複雑な展開が見もの。主役の少女はもちろん、その両親まで恋愛に突っ走る。なぜかおじいちゃんと小学生の弟君がいちばんの決め台詞を吐く。恋に酔ったり病んだりしている連中よりも、恋愛に距離のある人間がもっとも適切な判断力を持っている、ということか。かと思うと意識的に冷静さを捨てることで最大限に恋を楽しむキャラもいる。どちらとも、違った意味でラブマスターなのかもしれない。……「ラブマスター」って素の文で書くと異様に恥ずかしいな。
8点(2007-11-20 02:40:56)
18.  幕張サボテンキャンパス
気楽に楽しめる大学を舞台とした四コマもの。各タイトルがオチに繋がっているのが絶妙に上手い。マンガ内での時間の経過がいったんは停滞するもののちゃんと卒業まで続くので、ゆるゆるとドラマ性も生まれ、さりげなくいい台詞があったりして軽く感動してしまう。『ここだけのふたり!』や『あずまんが』でもそうだけど、登場人物がきちんと年をとっていくのを見ると、少し寂しい半面で登場人物へのいとおしさがいや増していく。地元ではまったくないけど千葉のローカルネタも楽しく、読み終えたあとではマザー牧場とピーナッツに妙な愛情すら持っていた(笑)。  ちなみに無駄にインパクトが強かったのはファンレターに対する著者の返答コーナー。津田沼さんと結婚したい、という女性ファンを「こんなもん言ってみりゃ紙とインク。現実見なさい」とあっさり切り捨てていた。いや、そうだけど、それをあんたがいったらお終いでしょうが。
8点(2007-11-18 20:28:21)
19.  なるたる―骸なる星、珠たる子 《ネタバレ》 
バカバカしいラストを別にすれば、面白かった。  愛らしい絵柄にはまったくそぐわない凄絶な内容で、茫然とさせられる。目を背けたくなるものばかり見せてくれたあげく、ラストでは世界をリセット。こんな醜い世界は消えてしまえばいい、ということだろうか。他にも似たような結末の作品はいくつかあるが、素直にいいと思えたことがない。これだけ長いこと付き合わせといて、結局いいたかったのはそんなに子ども地味たことなのかと思う。人間ドラマにしても娯楽性にしても(あざといのがたまに瑕だけど)相当な力を持った作者だとわかるだけに、この結末は残念。  もっとも、多少の欠点があるにしても、ありふれた凡作よりはこういった問題作のほうが好きだ。
8点(2007-11-18 20:12:07)
20.  ガンスミスキャッツ
銃器に対する強い愛情と知識に裏打ちされた、秀逸なガンアクション。  銃を使ったアクションは星の数ほどあるけれど、大抵はヒーローは百発百中なのに敵の弾は足元を抉るだけというしょうもないファンタジーに終わる。それに比べると、本作も主役が凄腕であるのは変わりないとしても、武器についての豊かな知識を利用して敵の裏を掻く過程が説得力をもって描かれている。常に読者の意表を突いた展開が心憎い。ハリウッドのアクション映画の作り手たちはこれを読んで勉強するべきだろう。  ただ、ちょっとHなのはご愛嬌だとしても、さすがにミニーメイの設定には引いた。露骨にロリコンの願望充足のためのキャラクター。主役の設定にもどうかと思うところはあるけれど、これはあんまりだ。  銃と車と、美少女。良くも悪くも、男性のためのマンガだろう。
8点(2007-11-15 01:22:51)
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