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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1893
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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21.  アリータ:バトル・エンジェル 《ネタバレ》 
26世紀の荒廃した未来社会を舞台に、鉄くずの中から拾われたサイボーグ少女“アリータ”の恋と成長、そして世界の存亡を賭けた闘いを壮大なスケールで描いたSFアクション。日本のコミックを原作に、ロバート・ロドリゲスが監督、そしてジェームズ・キャメロンが制作を務めたという本作、けっこう期待して今回鑑賞してみました。結果は……、「うーん、なんか微妙~」ってのが正直な感想です。華奢な身体で屈強な男どもとガンガン戦う大きな瞳のアリータはもちろん魅力的だったし、殺伐としたサイバーパンクな世界観もけっこう好みだし、何より進化した未来社会を緻密に再現した驚異のビジュアル・エフェクトなんて観ているだけで心がワクワクしちゃいます。特に中盤、アップグレードしたハンター相手に苦戦を強いられ、闘うたびに四肢や下半身が欠損してゆき、最後は上半身だけになりながらもまだ戦意を失わないアリータに思わず胸キュンしちゃった僕はヤバいんでしょうか(笑)。でもね~、さすがにこの脚本はしっちゃかめっちゃか過ぎるっしょ。命を狙うハンターたちとの攻防やらかつての敵が遺したバトルボディやらアリータの出生の秘密だとか彼女を救った博士の過去だとか、さらにはアリータの切ない初恋物語だとかいくら何でもエピソードを詰め込み過ぎ!そしてここまで取っ散らかったストーリーをどう締めるのかと思ったら、いつの間にかローラーボールもどきのリアル・マリオカートみたいな競技に参加しててそこで優勝目指して頑張るってなんですのん、それ。見るべきところはたくさんあっただけに、もう少し脚本を練って欲しかった。続編に期待しときます。
[DVD(字幕)] 5点(2022-06-09 05:16:04)
22.  アナと世界の終わり 《ネタバレ》 
彼女の名は、アナ。何処にでもいるような平凡な女子高生だ。数年前に母親を亡くしてから過保護な父親の鬱陶しい過干渉に頭を悩ませ、なんとなく付き合っている冴えない彼氏にも不満爆発、頭の固い学校の校長先生なんて早く死んじゃえばいいと思っている。唯一の希望は、高校を卒業してから旅立つ予定のオーストラリア一周ヒッチハイク旅。そんな彼女が迎えた高校生活最後のクリスマス。だけど、アナは自分でも分かっている。今日もきっと退屈な一日が始まるはずだということを――。だがその日、爆発しそうなエネルギーを何故か歌にして発散していたアナが目にしたのは、ゾンビに支配された世界の終わりの光景だった!原因不明のウイルスによって生ける屍が大量発生した世界を、アナとその仲間たちは持ち前の若いエネルギーと歌だけを武器に乗り越えようとするのだが……。ゾンビ・パニックと青春ミュージカルの奇跡の融合というアイデア一発勝負のそんな本作、「どうせ、イロものなんじゃろ」と大して期待せずに今回鑑賞してみました。なんですけど、え、意外にも僕はけっこう面白かったんですけど、これ。キラキラと輝くようなアナのミュージカルな日常に血みどろゾンビが同居するというマジカル・ポップなこの世界観は個人的にめっちゃツボでした。顔に返り血をつけたままクリスマスツリーの飾りの杖を武器に戦うアナをはじめ、彼女の仲間たちもそれぞれにキャラが立ってるのも大変グッド。あのクリスマスツリーのセーター(スイッチ入れたらイルミネーションつく!笑)を着たアナの彼氏の絶妙のダサさ具合いなんて思わず笑っちゃいました。他にもレズビアンな女の子やマッチョな元カレもみんな個性的で、彼らがそれぞれの方法でゾンビと戦うシーンもテンポが良くて普通に楽しい。全体を通して適度にグロく、適度にシニカル、そして適度にポップ。この絶妙な匙加減なんて監督、なかなかいいセンスしてるんじゃないですかね。そして後半はゾンビ映画としてちゃんと(?)仲間たちが次々犠牲になってゆくのもセオリー通りでいい。お互いゾンビに噛まれたリア充カップルがキスしながら最期を迎えようとするシーンなんてけっこう切なかったですし。後半になるにつれ、どんどんとぶっ壊れてゆく悪役の校長先生もナイスな仕事してます。そして、最後までミュージカルとしてそれぞれの楽曲のクオリティが下がらないのも普通に凄いと思います。うん、賛否両論あるみたいですけど僕はけっこう面白かった。8点!
[DVD(字幕)] 8点(2022-06-02 10:49:16)
23.  アルファ 帰還(かえ)りし者たち 《ネタバレ》 
時は今から2万年前、まだ氷河期時代の雪に覆われたヨーロッパ。過酷な環境の中、当時の人類はマンモスをはじめとする獣を狩ってその命を繋げていた。父とともにいつものように狩りをしていた青年ケダは、ある日、獲物からの反撃に遭い崖下へと突き落とされてしまう。目覚めてみると、荒れ果てた荒野に独りっきり。父や仲間たちは彼のことを諦め、泣く泣く家族の元へと帰ってしまったらしい。なんとしても部族の元へと帰ろうと決意するケダだったが、行く手には様々な大自然の困難が待ち受けていた。大雨、嵐、狼の群れ、猛吹雪、飢えと渇き……。そんな彼の孤独な旅路を助けてくれたのは、同じく群れからはぐれた一匹オオカミの“アルファ”だった――。文明誕生以前の古代を舞台に、青年と一匹の狼との種を越えた友情を描いたネイチャー・アドベンチャー。と言う設定を聞いてまず真っ先に思い浮かべるのは、かつてローランド・エメリッヒが撮ったネイチャーおバカ映画の迷作『紀元前一万年』でしょう。でも、主人公たちが皆流暢な英語を喋っていたあちらとは違い、本作では一応当時の言葉っぽい言語を喋っていて、まだリアリティに対する拘りが感じられました。とはいえ、本作で勝っているのはそこぐらい。仲間からはぐれた若者がただ家に帰るだけという、大して中身のない薄っぺらいお話がひたすらダラダラ続くものだから、もう最後まで眠たくって仕方ありません。映像の方も、よくあるネイチャー・ドキュメンタリーで何度も観たことあるような「あー、確かにキレイだね~。大自然マジサイコー。カレンダーにして飾っときたいわぁ」ってレベル。肝心のおおかみ君がけっこうしっかりと演技していたのでなんとか最後まで鑑賞できましたが、わざわざ時間を割いてまで観るべき内容ではありませんでした。
[DVD(字幕)] 4点(2022-05-15 05:13:38)
24.  アイリッシュマン 《ネタバレ》 
アメリカ裏社会にその名を轟かせた大物マフィア、ジミー・ホッファ。しがないトラック運転手をしている時に見出され、その容赦のない仕事ぶりで瞬く間に彼の右腕にまでのし上がった男の半生を実話を基に描いた伝記ドラマ。監督を務めるのは、もはやハリウッドの伝説と言っても過言ではないマーティン・スコセッシ。そしてキャストを務めるのも、ロバート・デ・ニーロ&アル・パチーノと言うこちらもレジェンド・コンビ。という訳でかなり期待して今回鑑賞してみたのですが、ちょっと僕の期待が高すぎたのか、そこまで心に突き刺さるものはなかったですかね。まず言わせていただきたいのが、とにかく長い!!この内容ならきっと3時間内に絶対収まったはずだと思うのですが。これは映画館での回転率を気にしなくていい最近のネット配信映画全般に言えることなのですが、いかんせん長くなりがちです。三つの時代を行き来するストーリー自体もなかなかよく出来ていたし、登場人物たちもそれぞれに皆魅力的だったと思うのですが、上映時間が長いせいでどうにも散漫で冗長な印象になっちゃいました。もっとキレのいい演出を心掛けて欲しかったです。とはいえ、デ・ニーロとパチーノの重厚な演技合戦は充分見応えありました。特にアル・パチーノの高圧的で自信家のジミー・ホッファ像は非常に魅力的ですごく良かったです。それだけにもっと削るべき部分はバッサリ切って、ちゃんと構成を考えてほしかった。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-04-22 07:37:17)
25.  アウトサイダー(2018) 《ネタバレ》 
ねえ、この入れ墨の意味を知ってる?鯉はね、滝を登り切ると龍になるの――。1954年、まだ敗戦の影響が色濃く残る大都市、大阪。罪を犯し、この地の刑務所へと服役していた元アメリカ軍人ニックは、そこでヤクザ組織の幹部を務める大物、清と出会う。身寄りもなく、アメリカ軍からも見捨てられたニックは、出所後、この清の組織に目を掛けてもらうように。米兵からの銃の横流し、売春組織の用心棒、地下カジノの運営など、裏の仕事で次第に頭角を現すニック。大きな仕事を幾つも成功させた彼は、やがて親分と盃を交わし義兄弟の契りを交わすまでになるのだった――。へまを犯し何本か指を失いながらもすっかり闇の世界の住人となったニックは、そこで清の妹美由と恋仲となる。背中には同じ鯉の入れ墨。一生一緒に居ようと誓いあうニックと美由。当初は交際に反対していた清もいつしか二人のことを認めてくれるように。だが、古いしきたりを重んじる親分の組織運営に反発した若頭の裏切りによって、二人は哀しい運命に翻弄されてしまう……。敗戦後の混乱した大阪を舞台に、アメリカ人でありながらもヤクザ組織の幹部にまで上り詰めた男の栄光と挫折を描いたクライム・ドラマ。主演を務めるのは、ハリウッドのオスカー俳優ジャレッド・レト。ヤクザ組織の幹部を迫力たっぷりに演じるのは、浅野忠信や椎名桔平と言う豪華な面々。内容的には日本のVシネマでもお馴染みのいわゆる仁侠ものなのですが、その手の作品にありがちな日本的泥臭さとハリウッドのスタイリッシュさがいい感じで中和されて、なかなか見応えのある佳品に仕上がっていましたね、これ。完全アメリカ資本の映画でありながら、ヘンテコ日本描写もほとんどなく、当時の大阪の猥雑な空気もけっこう忠実に再現されていたと思います。何より、日本語の台詞に全く違和感がなく、ちゃんとヤクザっぽい怒鳴り方なのがいい。浅野忠信も椎名桔平もけっこう渋くて格好良かったですし。主人公とヒロインとの悲恋もベタながら、最後まで惹き込まれて観ることが出来ました。ただ、脚本の細かいところに「?」が多いのが惜しい。特に主人公を脅す元戦友のエピソードはバッサリ切っても良かったんじゃ?とはいえ、アメリカ側から描かれたヤクザドラマとしてはなかなかよく出来ていたと思います。ちなみに、安田大サーカスのヒロくんがけっこう重要な役回りで出ていたことも最後に記しておきます(まかり間違ってクロちゃんにならなくてホント良かった!笑)。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-04-22 07:14:01)
26.  ある少年の告白 《ネタバレ》 
その施設の名は、「愛の導き」。アメリカ南部の自然豊かな郊外にあるその建物には幾つもの厳しいルールが決められていた。入所した本人しか施設内には入れず、外部との接触は一切禁止、当然のように携帯も没収される。さらには中のデータも逐一チェックされ、毎日登録された電話番号の中から無作為に電話されやましい関係はないかまで確認されるのだった。喫煙・飲酒・ドラッグも一切禁止、休憩時間も指定された場所に居ることを強要され、そればかりかトイレもスタッフの監視下でしか使用できない。ポルノの閲覧も禁止、自慰行為などもってのほか。入所者たちは誰であれ軽い握手以外、互いの身体に一切触れてはならない。何故ならここは、神によって禁じられた同性愛を矯正する目的で創られた施設だから――。本作は、そんな施設へと入所することになったある少年の葛藤の日々を、実話を基に描いた作品。敬虔な牧師としての立場からやむなく息子を施設へと送り込む父親役には人気俳優ラッセル・クロウ、息子を愛していながらも世間体を気にしてそんな施設への入所を容認する母親役に同じく人気者のニコール・キッドマン、同性愛を絶対悪とみなす横柄な施設長役には本作の監督でもある才人ジョエル・エドガートン。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、この施設のなんとも非人間的な内情には、見れば見るほど反吐が出そうになりますね。このような前近代的な施設が実際に存在し、しかもいまだ全米に何か所も存続しているというのだから驚くほかありません。入所者たちを前に、神が与えたもうた男らしさ・女らしさを滔々と説く施設長のそのいびつな論調にはもはや戦慄させられてしまいます。このような非人間的で差別的な施設の実態を世間に告発するという点では、作品として成功していると言えるでしょう。ただ、物語の面白さという部分では正直物足りない。事実を基にしたから仕方ない面もあるのでしょうけど、もう少しドラマティックな見せ方も考えて欲しかった。同性愛者の息子と、同性愛を糾弾する立場の敬虔な牧師である父親との関係性も終始淡々としていてもう少し掘り下げてくれても良かったのでは。自分の信念と積み重ねてきた家族の日々、そして持って生まれた個性とのぶつかり合いの果てに辿りついたであろうこの親子の結論を、僕はもっと見たかった。
[DVD(字幕)] 6点(2022-03-02 10:33:35)
27.  アス 《ネタバレ》 
その日、アデレードは憂鬱な気分で車に揺られていた。夫と二人の子供たちとともに久々に家族水入らずで過ごすバカンスなのに、彼女の気分は一向に晴れることはなかった。何故なら訪れたリゾート地が、サンタクルーズだったから――。彼女は子供のころに、この地でとても恐ろしい経験をしたことを未だに覚えていたからだ。人気のないお化け屋敷の中で、なんと彼女は、自分と瓜二つの姿をした少女に出会ってしまったのだ。しばらく言葉も発せられなくなるほど、そのことがトラウマとなったアデレード。今すぐにでも家に帰りたかったが、夫も子供たちも楽しんでおり、とても言い出せるような雰囲気ではなかった。そして迎えた最初の夜、アデレードの予感は的中することに。いつの間にか立っていた、別荘の外の四人の人影。夫婦とその二人の子供と思しき家族たち。夫の警告も空しく、無言で近づいてくるその影。家の明かりの中で彼らの姿を見たアデレードは再び恐怖のどん底に突き落とされる。なんとそこに居たのは、自分たち家族とそっくり同じ姿をした者どもだったのだ。果たしてこいつらは何者なのか?恐怖と謎に満ちた壮絶な一夜が今、幕をあける……。前作『ゲットアウト』でアカデミー賞の栄誉に輝いたジョーダン・ピール監督の最新作は、そんなミステリアスな雰囲気が濃厚に漂うモダンホラーでした。前作同様、不穏な音楽と充分に間を取った禍々しいホラー描写とで、なんともいや~~~な感じのホラーに仕上がってましたね、これ。もう人の神経を逆撫でするような嫌なエピソードのてんこ盛り。この家族のいわゆるドッペルゲンガーたちが手を繋いでただ突っ立っているという登場シーンから、もう嫌なことしか起こらないことは目に見えていますし。ただ、全編に渡ってここまでたっぷり間を取っちゃうと、必然的にお話の方が単純になっちゃうのは至極当然。前作ではそのシンプルさが巧くいっていてなかなか完成度の高い秀作となっていたのだけど、本作ではどうなんでしょうね。途中まではこの謎が謎を呼ぶミステリアスなお話にぐいぐい引き込まれて観ていたんですけど、ことの真相が明らかにされた辺りでさすがに僕は冷めちゃいましたわ。いや、この真相はさすがに無理があり過ぎるっしょ(笑)。ダメ押しするようなあの大オチに至っては、あまりに無理やりすぎて思わず苦笑しちゃいました。この全編を覆う禍々しい世界観は嫌いじゃなかっただけに、残念!
[DVD(字幕)] 6点(2022-03-02 10:08:42)
28.  アーミー・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
感染した人々が次々とゾンビになるという謎のウィルス蔓延により、完全に崩壊してしまった眠らない街、ラスベガス。華やかなショービジネスの世界も人々の欲望渦巻くカジノも男と女の駆け引きが繰り広げられる夜の街も全て、人間を喰らうゾンビたちによって阿鼻叫喚の地獄絵図と化すのだった。慌てふためいた政府はとにかく感染を食い止めるため、街全体を強固なバリケードで封鎖してしまう。何とか解決策を探る政府だったが、何一つ有効な方法を見出せぬまま、やがて苦渋の決断を下すのだった。それは、小型の核ミサイルで街そのものを吹き飛ばすこと――。刻一刻とその時が迫る中、かつてその街から逃げ出した元傭兵スコットの前に謎の男タナカが現れる。「カジノの地下にある巨大金庫に残された2億ドルを回収してくれないか」。そんな無謀ともいえる依頼を口にするタナカ。だが、今は疎遠になっている娘のためにスコットはその依頼を引き受けるのだった。命知らずの仲間たちを集め、着実に計画を練ってゆくスコット。タイムリミットは、核ミサイル投下までの32時間。意を決してバリケードの中へと乗り込んだスコットたちだったが、そこには彼らの予想を上回る敵が待ち構えていたのだった……。独自の映像センスで唯一無二の作品を撮り続けてきたザック・スナイダー監督の最新作は、そんな『ドーン・オブ・ザ・デッド』以来となる本格的なゾンビ・サバイバル・アクションでした。いやー、相変わらずこの人の映像への拘りは凄いですね~。ウィルス流出(原因はドライブ中にフェラーリしてたバカップル!笑)からゾンビ大量発生、そしてラスベガス崩壊への下りを冒頭10分でサクサク見せるシーンなんてセンス抜群でテンション上がりまくり!!とにかくこの映像とアクションを見せるために用意されたシンプルすぎる脚本も潔くて大変グッド。反発しあってた父子がひょんなことから一緒にゾンビ渦巻くラスベガスへと乗り込むことになるシーンなんて、あまりにもベタで思わず笑っちゃいましたわ。他のメンバーも男勝りの女傭兵から、チェーンソーを振り回す黒人マッチョ、金庫破りしか出来ない軟弱男、ヘリの操縦にしか興味がないイカれたパイロット、お調子者のユーチューバー、そして何処か信用しきれない依頼主からの同行者ともはやジャンプ並みの分かりやすさ。彼らがゾンビたちをバチクソに殺しまくるシーンはキレッキレでもうサイコーでした。対するゾンビの皆様も知能を持った王と女王にゾンビ化したホワイトタイガーと誰もがキャラ立ちしまくってます。考えてみれば、ゾンビに支配された街へと金を取り返しに行くというこの設定も結構新しいですね。まあストーリーに深みなんて全くありませんが、切れのいいアクションとど派手なバトルシーンを観ているだけで140分あっという間に過ぎ去ってましたわ。うん、やぱサイコーだぜ!ザック・スナイダー!!8点!!
[インターネット(字幕)] 8点(2021-10-11 06:30:04)
29.  アバウト・シュミット 《ネタバレ》 
彼の名は、ウォーレン・シュミット。長年勤めてきた大手保険会社で無事に定年を迎え、この度円満退職したばかりの平凡な男だ。長年連れ添った妻との仲も、いろいろと不満はあるがそれなりに良好。今は離れて暮らす一人娘のジーニーも結婚が決まり、現在式の準備に余念がない。たくさんの友人に囲まれ、平凡ながらも充実した人生を送ってきたと自分でも信じていた。だが、これから妻とともに穏やかな第二の人生を謳歌しようとしていた矢先、彼は急な悲劇に見舞われる。妻が病に倒れ、呆気なくこの世を去ってしまったのだ――。これまで家のことは何でも妻に任せきり、一人娘ともろくに腹を割って話したこともない、とにかく仕事第一だった彼の生活はその日を境に一変することになる。瞬く間に家の中は荒れ放題、身なりも乱れ、酒や食事にもだらしなくなり、娘との関係も次第にギクシャク。唯一の慰めは、アフリカの慈善団体を通して文通している会ったこともない6歳の少年との交流だけ。にっちもさっちもいかなくなった彼は、とにかく娘の結婚式に参列するため、大きなキャンピングカーで一人旅に出ることを決意する。果たして彼は無事に生活を立て直すことが出来るのか?定年退職を迎えたある一人の男の人生の危機を、ほろ苦いユーモアを交えて描いたヒューマン・ドラマ。監督は、この手のしがない中年男のトホホな日常を描くことにかけては定評のあるアレクサンダー・ペイン。彼の代表作として有名な本作を今更ながら今回鑑賞してみました。いやー、相変わらず抜群の安定感でなかなか面白かったですね、これ。よく考えたらけっこう深刻なお話なのに、そこまで重たくならずに描くこの監督のバランス感覚は大したもの。でっかいキャンピングカーで全米各地を巡る彼の珍道中はなんともトホホ感満載で、見ていて思わず苦笑い。特にヒッピー崩れの夫婦の妻に酔っ払って思わずキスしちゃうシーン、女にブチ切れされて慌てて逃げ出すとこは笑っちゃいましたわ。そして、娘の結婚相手の未だ性欲旺盛な母親に裸で迫られるシーンには爆笑。誰得ヌードを大胆に披露してくれた?キャシー・ベイツには拍手喝采ですね。唯一不満だったのは、主人公を演じたジャック・ニコルソンが強面過ぎて若干役に合ってなかったとこくらい。そして最後、主人公が会ったこともないアフリカの子供の絵を見て泣いてしまうシーンは、自身の置かれた境遇を改めて認識した末の絶望の涙だと思うとなかなか深い。人生のやるせなさを暖かな目で見つめたペーソス溢れる佳品でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2020-12-05 00:07:01)
30.  アイアン・ジャイアント 《ネタバレ》 
東西冷戦期を舞台に、ある日宇宙から降ってきた巨大ロボットとそれを発見した少年との交流を描いたファンタジック・アニメーション。何気に有名な本作を今回鑑賞してみましたが、正直、僕はさっぱり嵌まれませんでした。とにかく良くも悪くも、「ザ・王道」。最初から最後までベタ過ぎて家族で安心して観る分にはちょうど良いんでしょうけど、自分には退屈にしか感じませんでした。最後の「戦争は絶対にしたらいけません」と言わんばかりのあまりに説教臭いメッセージに至っては、もはや辟易。こればっかりは好みの問題なので如何ともしがたい。当時のアニメーション技術を最大限駆使したであろう映像はさすがにキレイだったので、+1点!
[インターネット(字幕)] 5点(2020-12-04 03:01:21)
31.  アド・アストラ 《ネタバレ》 
『インターステラー』の超絶劣化版映画。とにかくつまんなかったです。映像はキレイだったので、ぎり4点!!
[DVD(字幕)] 4点(2020-10-10 17:30:58)
32.  アップグレード 《ネタバレ》 
科学技術が高度に発達した近未来。アンティークな車を専門に扱う整備士グレイは、キャリアウーマンの美しい妻とともに充実した日々を送っていた。そんな彼をある日、悲劇が襲う。謎の暴漢に襲撃され、愛する妻を無残にも殺されたばかりか、グレイ本人も一生車椅子を手離せない後遺症を負わされてしまったのだ。突然のことに自暴自棄になるグレイ。そんな彼を救ってくれたのは、旧友でハイテク技術を専門に扱う大企業のオーナー、エロンだった。エロンは、彼に驚くべき朗報を告げる。「社で開発したばかりの最先端AIチップである、この〝ステム〟を使えば、君は再び歩けるようになるだろう」。半信半疑でグレイは、チップを自らの体内に埋め込む手術を受けることに。無事に成功し、自分の足で歩けるようになったグレイだったが、しばらくすると今度は謎の声が脳内に直接聞こえてくるのだった。どうやらこのステムは自らの意思を持ち、彼の承認があれば、グレイの身体を自由にアップグレードすることが出来るらしい。ステムの力で驚異的な身体能力を手に入れたグレイは、妻を殺した犯人を求めて危険な夜の街へと繰り出してゆく……。アイデア一発勝負の明らかにB級なそんな本作、これがキレのいい演出とそこそこよく出来た脚本の力で最後まで楽しんで観ることが出来ました。とにかくこのダークでグロテスクな世界観が素晴らしい。一向に晴れ間が見えない陰鬱な街の情景、体内に直接武器を埋め込んでいる犯罪者集団、荒廃した雑居ビルのそこかしこでは現実から逃れ仮想世界で生きることを選んだ世捨て人たち…。いやー、見事なまでに退廃的で大変グッド。肝心のアップグレードされた主人公もその徐々に強くなっていく描写が丁寧で、荒唐無稽ながらなかなか楽しい。ステムに操られた主人公がカクカク動きながら敵を倒してゆくとこは、映像的にもけっこう斬新だったんじゃないでしょうか。後半、開発者や犯罪集団の追跡を逃れ、ハッカーの元へと駆け付けようとするシーンは緊迫感抜群!まあ設定に突っ込みどころ満載なのはご愛敬ですけど(笑)。さすがに未来社会とはいえ、事件を捜査するのが黒人の女性刑事一人だけと言うのはおかしいんじゃないですかね。ラストは捻りが効いていて良かった。だって客観的に見れば主人公はバットエンドですが、本人は幸せな夢の世界で生きていけるんですから。うん、なかなか面白かった!7点!
[DVD(字幕)] 7点(2020-08-24 03:11:13)(良:1票)
33.  アウトロー・キング スコットランドの英雄 《ネタバレ》 
舞台は、血で血を洗う争いが続く中世イギリス。イングランドの支配下にあったスコットランドの民は、長い苦難の日々を強いられていた。そんな中、王位継承を主張する若き王ロバートは、独立を求めて立ち上がる。圧倒的に不利な状況の中、手段を選ばぬ手法で徐々に勝利を収めていった彼は、次第に民衆の支持を得てゆくのだが…。史実を基に、圧政に苦しむ若き王が反旗を翻し自由を取り戻すために戦う姿を描いた歴史スペクタクル。そんな勝利のためなら手段を選ばぬ無法者の王を演じるのは、人気若手俳優クリス・パイン。監督は彼と前作でもタッグを組んだデヴィッド・マッケンジー。犯罪サスペンスの秀作『最後の追跡』コンビの新作ということで今回鑑賞してみたのですが、これが期待に違わぬ良質の作品に仕上がっておりました。とにかく脚本がよく出来ておりますわ。史実を基にしていながら、この分かりやすいストーリー展開はナイス。領地と名誉を奪われた王が苦難の旅の末、再びのし上がってゆくっていうのはベタながらやはりテンション上がりますね~。クリス・パインも意外にそんなシリアスな役に嵌まっておりました。それにしてもこの時代のイギリスってホント血腥い……。こんな時代に生まれてなくて良かったと平和ボケ日本のありがたみを再確認いたしました。まあジャンル的にそこまで好みではなかったですが、迫力満点の戦場シーンや役者陣の熱演等々、満足度は充分高い。うん、面白かった!7点!
[インターネット(字幕)] 7点(2020-08-18 23:54:33)
34.  雨の日は会えない、晴れた日は君を想う 《ネタバレ》 
都会の高層ビルの一画にオフィスを構える投資会社で、エリート金融マンとして働くデイヴィス。美しい妻にも恵まれ順風満帆な生活を送っていた彼を、ある日、悲劇が襲う。一緒に乗っていた車が交通事故に遭い、目の前でその美しい妻を一瞬にして失ってしまったのだ。病院の待合室でその事実を聞かされたデイヴィスは茫然となってしまう。だが、次の瞬間、彼はあることに気付いてしまうのだった。「僕はちっとも悲しくない」――。それよりも空腹感が勝ったデイヴィスは、待合室の片隅にあった自販機でチョコレートを買おうとするのだが、故障で一向に出てこなかった。何もかもが嫌になった彼は、そのことや亡き妻のことをクレームの手紙に書き、自販機の管理会社へと四通も立て続けに送り付けるのだった。しばらくは何の音沙汰もなかったが、何日かすると顧客担当だというシングルマザーから個人的に話がしたいと電話が掛かってくる。彼の手紙を読んで泣いたという彼女の言葉から、デイヴィスは自らの失われた結婚生活を見つめ直そうとするのだったが…。妻の死をきっかけにこれまでの生活の空しさに気付いてしまった男が、困窮した生活を送るシングルマザーとその子供である聡明な少年との出会いを通じて過去と決別する姿を描いたヒューマン・ドラマ。主演を務めるのは実力派俳優ジェイク・ギレンホールとナオミ・ワッツ。監督は、手堅い人間ドラマを撮ることにかけては定評のあるジャン=マルク・ヴァレ。確かにテーマへの取り組み方も演出力も俳優たちの演技もある一定の水準に達していることは僕も認めるところなのですが、ちょっと自分はそこまで合わなかったですね、これ。この作品の主要テーマである、主人公の自分の人生の「解体」とシングルマザーの親子との偶然の出会いが、なんだか最後まで有機的にうまく絡み合っていないような印象を受けてしまいました。それに人生の曲がり角に迷い込んでしまい、どんどんと迷走してゆくこの主人公にいまいち共感できず…。ただ映像は終始美しく、また都会の片隅で必死に自らの人生を模索するこのシングルマザーの親子のキャラクターはすこぶる魅力的だったので、その点は凄く良かったと思います。要はこの主人公のうじうじっぷりが、僕はあまり好きになれなかったってことですね。
[DVD(字幕)] 6点(2020-06-15 13:23:27)
35.  アースクエイクバード 《ネタバレ》 
聞こえる?これは〝地震鳥〟の鳴き声。いつも地震の後に聞こえてくるの――。辛い過去から逃れるように日本へとやって来たアメリカ人、ルーシー。大学時代から学んできた日本語という特技を生かし、日本で暮らすようになってはや5年。翻訳関係の仕事もそれなりに順調、アメリカや日本の友達ともぼちぼちいい関係を築いている。何より、蕎麦屋で働きアマチュア・カメラマンとしての顔も持つ日本人の彼氏、禎司と深い仲になっていた。そんな折、ルーシーはアメリカから着の身着のままでやってきた奔放な女性、リリーと出会う。ほとんど日本語も喋れず、明確なプランもない彼女をルーシーは何かと面倒を見てやるのだった。一緒に飲みに出かけたり、仲間のライブに参加したり、さらには彼氏の禎司と3人で旅行にまで出かけるほどの関係になった彼女たち。だがある日、しばらく消息を絶っていたリリーが急に東京湾で死体となって発見されるのだった。重要参考人として日本の警察へと連行されるルーシー。警察に問い詰められた彼女は驚くべき告白を始める…。日本を舞台に、ミステリアスな日本の彼氏と奔放なアメリカ人女性との間で揺れ動くある一人の女性を描いた心理サスペンス。人気若手女優アリシア・ヴィキャンデルが主演を務めたという本作、これがまあ近年稀に見るダメな映画でした。とにかく全編に渡って変な演出が延々と繰り返され、見れば見るほど失笑を禁じ得ないというダメっぷり。まず主人公が日本人の彼氏と付き合い始めるきっかけがそもそもおかしい。道を歩いていたら急に見ず知らずの男に写真を撮られ、怒るのかと思いきや、主人公はそのままその男と蕎麦を食べに行き、あろうことかその足で家まで付いてゆくんです。え、この主人公はビッチなの?と言うと特にそんなわけでもなく、その日は写真を撮られて終わり。いや、いったい何がしたかってん?終始こんな感じで、急に知り合いの日本女性が階段から転落死したり、主人公や彼氏の過去の話が急に出てきたりするのですが、それが物語の重要なキーになるかと言えば特にそんなこともなく…。タイトルにもなっている地震鳥のエピソードに至っては、もはや何の意味もなしてません。監督はきっとソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』みたいな映画を狙ったんでしょうけど、才能が遠く及ばず、出来上がったものは最後までまったく意味不明の退屈極まりない作品でありました。あと、最後にこれだけは言っておきたい。アリシアちゃんの日本語があまりにカタコト過ぎて、日本人としては聞けば聞くほど苦笑するほかありませんでした。周りにいた日本のスタッフはこのことに関して何も言わなかったのでしょうか?監督が「こんなもんでいいだろ」と判断したのであれば、あまりに日本を舐めた制作姿勢だったと言わざるを得ません。
[インターネット(字幕)] 2点(2020-06-07 00:11:32)
36.  アンカット・ダイヤモンド 《ネタバレ》 
エチオピアの鉱山で発見された、七色に光り輝くダイヤの原石。ニューヨークで宝石商を営むユダヤ人のハワードは、長年の借金生活から逃れるために自らのコネを最大限駆使して、何とかその原石を手に入れることに成功する。少なく見積もっても100万ドルはくだらない。オークションに掛け、莫大な額で売り抜けようとした矢先、店にたまたまスピリチュアルにかぶれたNBAのスター選手がやって来る。その原石を見た瞬間、彼はハワードに一晩だけこの宝石を貸してほしいと訴えてくるのだった。今夜の大事な試合のために何としてもこの宝石のパワーが必要だ、と。「これは絶対金になる!」。そう確信したハワードは、彼の高価な指輪と引き換えにそのダイヤの原石を貸し出すことに。そして、その足でハワードが向かった先とは、質屋――。そう、彼はNBAのスター選手の指輪と引き換えに大金を借り入れ、その金を全額、バスケット・ボール賭博につぎ込むのだった。妻にせがまれ、娘の劇の発表会に参加しながらも、試合の行方が気になって仕方ないハワード。そこに彼の長年の愛人や借金の取り立て人なども現れ、事態はますます混迷の度を深めてゆく。果たして賭けのゆくえは?アダム・サンドラー主演で送る、口先だけでこれまで生きてきた宝石商の狂騒の一夜をスラップスティックに描き出すクライム・ドラマ。率直な感想を述べさせてもらうと、僕はさっぱり楽しめませんでした、これ。考えられた脚本や緻密な構成などはなから度外視、役者のアドリブを最大限重視して、ひたすら行き当たりばったりで最後まで突っ走るこの撮影手法(違うのかな?でも僕はそんな印象を持ちました)はきっと好きな人には堪らないんでしょうけど、僕は全然無理でしたね。分かったような分からないようなこのストーリーがあまりにつまらな過ぎて、もうひたすら退屈!たくさん出てくる登場人物たちも誰が誰やら分かりづらいし、しかも皆自分のことしか考えていない俗物のバカばかりで魅力なんて欠片もありません。そんな彼らが最後までただひたすら悪態ばかりつくのを見せられるのは、もう苦痛以外の何者でもない。好きな人には申し訳ないですけど、自分には時間の無駄としか言いようのない作品でありました。
[インターネット(字幕)] 2点(2020-05-27 13:56:33)
37.  ア・ゴースト・ストーリー 《ネタバレ》 
交通事故で死んだ夫が幽霊となって、遺された妻を時空を越えて見守る姿を幻想的に描いたファンタジック・ラブ・ストーリー。率直に言ってさっぱり面白くありませんでした、これ。役者たちの台詞を極力排除したり、極端に動きの少ない画をひたすら長回しするシーンなんて、まあ意図してやってるんでしょうけど、普通にセンスがないんでもはや観られたもんじゃありません。あまりに退屈過ぎて開始10分で早々と襲い掛かってきた睡魔と闘いながらなんとか最後まで観ましたが、残念ながら得られたものは特に何もなく……。雰囲気ごり押しで全く中身がないくせに、変に芸術を気取ったこの監督の独り善がりなナルシズムがとにかく鬱陶しくって仕方なかったです。うーん、観るだけ時間の無駄の駄作としか僕には思えませんでした。
[DVD(字幕)] 3点(2020-02-12 12:28:12)(良:1票)
38.  アメリカン・アニマルズ 《ネタバレ》 
2004年12月16日木曜日、その日ケンタッキー州立トランシルヴァニア大学の図書館に、老人に変装した四人の若者たちが向かった。目的は、19世紀に出版された、オーデュボン著『アメリカの鳥類』初版本をはじめとする幾つもの希少本を強奪すること。闇のブローカーに売り渡せば、それだけで1000万ドルもの大金を得ることが出来るのだ。『レザボア・ドッグス』や『オーシャンズ11』など幾つもの犯罪映画を参考に綿密に計画を練った彼らは、人生を賭けた一大勝負を決行する。だが、完璧だったはずの彼らの計画は初っ端からつまずき、次から次へと問題が発生することに。やがて、仲間割れや些細な裏切りから彼らの計画はどんどんと破綻してゆくのだった……。実話を基に、そんなずさんな犯罪によって人生を狂わせてしまった四人の若者たちを描いたクライム・サスペンス。本作の新しい点は、その強奪計画を実行した元犯罪者たち本人が登場し、彼らの当時の回想を随所に差し挟みながらストーリーを紡いでゆくところにある。リアリティをより強調する効果ももちろんあるのだが、それ以上に彼らの後悔と悔恨の念が痛いほど伝わってきて、「いったい何故に彼らはこんな、成功する確率がほぼゼロに近いような計画を実行に移してしまったのだろう」という率直な疑問が観客の好奇心を駆り立てる効果を生んでいる。なかなか考えられた、優れたアイデアだ。でも、映画の中の当時の彼らは誰もがこの計画は成功すると信じ切っているのが観ていて痛々しい。一度は中止したものの、彼らは次の日再び実行に移しているのだから愚かとしか言いようがない。そして、肝心の決行の日。当然のように次から次へと計画は綻びを見せはじめ、本を持って逃走を図ろうとするシーンなど滅茶苦茶すぎてもはや目も当てられない。映画の前半で彼らが妄想の中でスマートに計画を実行するシーンとのギャップが激しすぎて、思わず笑ってしまった。タランティーノよろしく、お互いを色のニックネームで呼び合うところなんてもはや馬鹿としか言いようがない。でも、若気の至りと言ってしまえばそれまでだが、青春って多かれ少なかれみんなこんなもんなんじゃないだろうか。やらないで後悔するよりやって後悔する方がいいなんて何かの歌の歌詞ではないが、彼らを単なる馬鹿と切って捨てられないのが本作の巧いところ。決して真似したくはないが、それでもこの無謀な若さは若干羨ましくもある。この先の人生の総てを、この一日に懸けた彼らのひりひりするような緊張感はそれでも本物だったし、これもまた一つの青春の形なのだ。今までにないタイプのクライム・ドラマとしてなかなか見応えのある逸品であった。
[DVD(字幕)] 8点(2020-01-03 13:53:23)(良:1票)
39.  アメリカン・サイコ 《ネタバレ》 
アメリカの金融街で充実した毎日を過ごすエリート・サラリーマンでありながら、その裏では心の奥底に暗い衝動を抱えた殺人鬼でもある男。彼の倒錯した狂気の日々を乾いたユーモアを交えて描いたサイコ・スリラー。なんだかんだでけっこう有名な本作を今さらながら鑑賞してみました。うーん、正直さっぱり面白くなかったんですけど!映像的にはときおり印象的なシーンがあるものの、肝心のストーリーの方がだらだらしててもう見られたもんじゃありません。肝心の殺人シーンも添え物程度にときおり出てくるだけで、それもストーリーにうまく絡んでこないですし。最後のオチにいたっては投げっ放しの酷い代物で、もはや怒りさえ感じてしまいました。本作がいまだに曲がりなりにもその名を残しているのは、きっとクリスチャン・ベールの選民意識丸出しのいけ好かないエリート・サラリーマン役が見事に嵌まっていたからでしょうね。そんな彼が血まみれ全裸でチェーンソー片手に女を追いかけまわすシーンは、良くも悪くも印象に残ります。でも、本作の価値はそこぐらいでしょう。この現代に、わざわざ時間を割いてまで観るべき価値は全くありません。
[DVD(字幕)] 4点(2019-12-08 22:54:07)
40.  アルカディア 《ネタバレ》 
人里離れた森の中で自給自足の生活を送るカルト教団「キャンプ・アルカディア」。そこから逃げ出した兄弟が、10年ぶりに現地を訪れるところから物語は始まる。そこには何故か、10年前と変わらぬ姿で生活している信者たちがいて、彼らを温かく迎え入れてくれるのだった。兄は過去の忌まわしい記憶から不信感をあらわにするが、まだ子供だった弟は反対にこのカルト教団に戻りたいと思うようになる。次第に心が離れてゆく兄弟。だが、やがて理屈では説明できない不可思議な現象が兄弟を襲うようになる。同じところをぐるぐると走り続ける男、湖の底に蠢く怪しげな生物、いつの間にか空に浮かんでいた三つの月、そして自殺した自分の死体と一緒に暮らす謎の男――。いったい何が起こっているのか。兄弟はこの不可解な現象からなんとか逃げ出そうともがき始めるのだったが…。怪しげなカルト教団を巡るサスペンス・スリラーと思いきや、途中から最近流行りのループ物へと変貌するエキセントリックな物語。正直に言って全く面白くありませんでした、これ。とにかく前半無駄なシーンが圧倒的に多いのに、お話自体がかなりつまらないので、もう退屈で退屈で仕方なかったです。あの森の中の謎の何かと綱引きをするシーンはいったい何の意味があったのでしょう?途中からようやくループ物として物語が動き始めるのですが、これがまあトホホな仕上がりで失笑するしかなかったです。どうやら森のあちこちで小さなループが繰り返されているらしいのですが、これが非常に分かりにくい!こういう設定勝負の映画ってどれだけルールや法則がしっかりと練られているかがポイントとなるものだけど、本作はそこらへんがあやふやというかかなり適当なので観ていてさっぱり面白くないんですよね~。これではただ単に奇を衒っただけの凡作というしかありません。
[DVD(字幕)] 2点(2019-08-01 21:20:04)
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