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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  65 シックスティ・ファイブ 《ネタバレ》 
 見ていて「なんだかネトフリオリジナルにいっぱいある終末の大状況をごく少人数で描く、アサイラムあたりのB級未満映画に比べたら有名な役者さん出てるしそこそこ予算もかかってるけどスクリーンで見るほどではないカンジの映画」みたいねぇ、って。何しろクレジットに登場する役者さんは4人、そのうち2人は回想シーンに登場するだけだし。   この映画、文字でババーン!と時代と場所を説明してくれるのだけれど、それ、むしろ無かった方が良かったんじゃない?って思ったのね。6500万年前の地球ですよ、って説明されちゃうと不時着した宇宙船は6500万年前の宇宙人のものです、ってコトがハッキリしちゃって(映画見る前はタイムスリップものだと思ってたわ)、でもあまりにまんま人間だし英語話してるし。英語に吹替えられてると好意的に解釈するとして、ならば意味不明な言語を話す女の子だってフランス語とか中国語とかで表現したって良かったんじゃない?  で、実は今の人間と変わらないところに秘密があってとか、その時に地球に残されたモノが後世に、とかいう物語上のヒネリは全く無しで逆にちょっとビックリね。隕石落下のタイムリミットが設定されて恐竜(かしら?アレ)とバタバタしながらいかに脱出するかってサバイバル部分がほぼ全てって感じ。   そんな中、主人公の果たせなかった目的、届かなかった願いは切ないエピソードで、だからそれを少女に反映させてドラマとして昇華できていたとしたら、もう少し良かったと思うのだけど、とにかく一発芸的でドタバタしちゃってたからねぇ。残念ね。   むしろ家でゴロゴロしながらテレビで見たい映画だったわね。
[映画館(字幕)] 5点(2023-06-19 19:48:45)
2.  ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 《ネタバレ》 
【注:超ネタバレ】   「ドジスンってあのドジスン? もう全然イメージ繋がんないんですけど? アレ、そういうキャラじゃなかったわよね? 単に偶然の一致?・・・ってシェービングクリームの缶、やっぱりあのドジスンなのね!ドジスン、ネドリーと同じ死に方、ここも1作目に繋いだってコトなのね」  って映画の興味が持続したとこそこだけね。あとはもう何やってんのかしら・・・って感じの映画だったわ。ガッカリもいいところよ。   前作ラストでもう地球大変、一大カタストロフ?みたいなカンジだったワケじゃない。それが今回なんやそれ、『怪獣総進撃』の怪獣ランドかいな、みたいな状況でちっちゃくまとめたところから始まって恐竜そっちのけで007の出来損ないみたいな人間同士の追っかけっこ、世界を股にかけて陰謀を追います!ってジャンル変わってるし。前作では恐竜にぐーっとキモチ寄せてたのに今回は恐竜が障害物みたいになっちゃって前作より扱いが退化しちゃったわ。  さらわれたメイジーとブルーちゃんの子を追うオーウェンとクレア、巨大イナゴの出所を追うグラント博士とサトラー博士との二元状態で進行してゆくのだけど、どちらもキャラがどんどん出てきて入り乱れドタバタして散漫もいいところ。ドジスンはボスとしてはあまりにキャラが弱くてありきたりで抜けていて。シリーズ最弱ボスよ。まああのドジスンだからねぇ。  問題は全キャラ薄いのよ。あちこち立てようとして結果的に全員薄くなっちゃってるの。オーウェンはこれまでのシリーズほど活躍しないし、せっかくの再登場のグラント博士、サトラー博士、そしてマルコム博士もドタバタ要員でしかなくて。ちっともこれまで確立したキャラを活かせてないの。  エピソードの数々は見せ場作りのための『ジュラシック・パーク』らしからぬ画が刹那的に連なるばかり。もっと恐竜見せてよ、恐竜を。  ジアッキーノ先生の音楽すらもジョン・ウィリアムズ御大のテーマ曲を盛り上げるでもなく、自身が前2作で提示したテーマを活かすでもなく、なんかハンパに鳴らしちゃったカンジでジアッキーノ先生のファンとしてこちらも肩透かしだわ。  そりゃ『ジュラシック・パーク』から全作初日に見てるくらいにはリアルタイムで触れてきたがゆえの感動ポイントがないワケじゃないわ。だけどそういうファンの気持ちすらも上手に作品創りに利用できてないのよね。何やってるのかしら?   シリーズ完結、今までのシリーズの総括になると期待したのだけど、こんなドタバタが見たかったワケじゃないわ。唯一の萌えポイント、ブルーちゃんも今回出番が少なくて「あーもー!」ってストレス溜まっちゃったわね。
[映画館(字幕)] 4点(2022-07-29 19:39:01)(良:3票)
3.  SING/シング:ネクストステージ 《ネタバレ》 
 吹替版、字幕版の両方見てからのレビュー。   前作の方が物語としては面白かったのね。前作はどん底なひとびと(全員、人じゃないけど)が這い上がって自分の居場所を勝ち取るサクセスストーリーだったのだけれど、今回は前作で既に成功してそれなりの地位、それなりの立場から始まる物語なワケで。その苦悩やジレンマも多くはもう一段上へ、というもの。田舎芝居から一流のブロードウェイミュージカルへ、という状態、プロフェッショナリズムについてのハナシになっていて、ちょっと遠い存在へと昇っていっちゃったねぇ、って感はあるのね。相変わらず山師なコアラはヤバいヤツだけど。   だけど今回は1つの大きな舞台を創り上げるという流れで物語が組み立てられていて、そこに向ってゆく様々な力、完成された舞台の魅力で前作以上に盛り上がりを見せてくれるわ。裏方のひとびとの仕事にもスポットライトが当たっていてスケールの大きな群像劇になっているの。  キャラが増えた分、ひとりひとりの扱いは小さくなった感があるわ。キャラの振れ幅が小さくなった分、ドラマチックな要素は薄まったし、新キャラで重要なポジションなハズのクレイ・キャロウェイですらそのくらいで心変わりしちゃうんだって程度のドラマの量だし。  そうしてまで描かれる群像と、同時進行してゆく多数のエピソードで形作られてゆく大きな流れ、そしてたっぷりと時間を取って魅せるクライマックスのステージが圧巻なのね。一流のショウを見ている気分になれるの。その背後で展開する、舞台を阻止しようとするジミー・クリスタルとの攻防のサスペンスがジャマなくらいには。  個人的に特に良かったのは新キャラでジミーの娘のポーシャのステージね。お金持ちのワガママ娘から一転、父親の呪縛から離れて飛び立つ舞台、しなやかなデザインと動きも伴って、とてもキモチいい、爽快な歌と映像だったわ。   前作はそれなりに字幕版と吹替版とにデキの差があった、吹替版はそこまででは・・・って印象だったのだけれども、今回はプロ意識の物語に合わせるような感じで吹替がグレードアップしていてとても成長したものになった、字幕版との差をあまり感じないものになったと思うの。歌唱シーンが前作よりもテクニカルな、難度の高いものを要求されてる状態なのだけどみんな見事にこなしていて。それに初参加のアイナ・ジ・エンドさんはキャラにぴたっとハマってまるでポーシャは彼女のために作られたキャラみたいにすら思えるし。稲葉さんは声優としてはアレだけど歌はさすがだし。   前作からのキャラも今回登場の新キャラもみんな好きで、そんなキャラたちが織り成す世界が大好きで。でも今回最大の功労者はイグアナのミス・クローリーかしらね。
[映画館(吹替)] 8点(2022-04-10 18:44:23)(良:1票)
4.  シャドウ・イン・クラウド 《ネタバレ》 
 予告編を見た時には「大戦時に活躍した女性パイロットの話?・・・ってそっちかーい!」って心の中でツッコミを入れたのだけど(いきなりグレムリン襲撃だものね)、本編を見たらもっとずっとツッコミの量は沢山だったし、そしてもっとずっと色々な意味で複雑な映画だったわ。   予想していた映画と違って始まってわりとすぐにワンシチュエーション映画のようになるのね。狭い空間に閉じ込められたクロエの一人芝居がずっと続くの。そこは無線から流れてくる男達のホモソーシャルとセクハラと男尊女卑の世界。クロエが大量に浴びるハラスメントのストレスはハッキリ言ってとてもシンドいのね。その上、グレムリンと日本軍の戦闘機が登場して、だけど誰も信じない。頭のおかしなバカな女の戯言など誰が信じるか、って。見ているこちらはクロエがひた隠しにしている秘密まで加わってストレスたっぷりになってゆくわ。  そして「秘密の任務」で運んでいるモノの中身が判明した瞬間から映画はガラリとカラーを変えるの。ここから別のジャンルに突入しました、くらいに。『未来少年コナン』の巨大機ギガントみたいな世界よ。逆さだからもっと大変かしら。もうツッコミの嵐みたいな世界に突入するのだけれど、ここからクロエの逆襲大暴走とばかりにこれまでクロエを抑圧してきたモノたちへの反撃が繰り広げられるのね。役立たずな男たちを越え、脅威や災難を越えてゆくの。  ラストは人間パワーローダーね。『エイリアン2』のリプリーとパワーローダーが生身のクロエひとりに集約されて、周囲は畏怖の念におののくという。映画はエンドクレジットの写真と共に高らかにフェミニズムを謳いあげ、見終ってなんだか凄いモノを見ちゃったわ、って。   危機的状況下で男と女は共闘しなければならない、とかじゃないのね。とりあえず男なんてどうでもいいの、女は女で生きる意志と力を持ってる、って感じでホモソーシャルを仕方なしに許容したりとかしない。それがいっそ痛快で清々しいわ。  83分と短いけれど(エンドロールを除いたら75分ちょっとくらいかしら?)ほぼ出ずっぱり、繊細な演技から大々的なアクションまでこなすクロエの奮闘っぷりをたっぷり堪能できる映画。あくまでB級感覚のバケモノが出てくるツッコミだらけのヘンな映画、だけどね。
[映画館(字幕)] 7点(2022-04-10 12:56:01)
5.  シャン・チー/テン・リングスの伝説 《ネタバレ》 
 主人公が魅力に欠けてしまうのよね。華がないというか同じアジア人の目から見たら冴えない普通の平凡なおっちゃんみたいというか。それはどうにもこうにも、なのだけれど、でも楽しめたわ。   ワイヤーアクションとCGを駆使した武侠映画的優美さや、ジャッキー映画みたいに高低差を立体的に活かしたアクション、ファンネルか波動拳かかめはめ波か、みたいなテンリングス、それに怪獣映画的なスペクタクル。東洋趣味ごった煮なマーベル映画と言った風情ね。『ヒックとドラゴン』な展開になってからはCG感が出過ぎてアニメーション映画っぽくなってたケド。  ベテランのトニー・レオンとミシェル・ヨーと売れっ子オークワフィナの競演もスター映画らしいワクワク感で。特にご贔屓オークワフィナは意外なくらいスクリーンに映ってる時間が長かったし、活躍してたしで嬉しかったわ。オークワフィナ、お肌つるつるでキレイ。   ただちょっと長かったかしらねぇ。もう少し削れたと思うのよね。過去の回想シーンなんか全部ご丁寧に映像化して見せてくれるけれど、それ全部語る必要ないかも、みたいな。そのせいで中盤ダレ気味になってたカンジ。  あと出てくるのが世界中に暗躍する闇組織みたいな設定だけど『ブラック・ウィドウ』も別にそういう組織が存在してたワケで、どっちもお互いの存在を認識してたのかしらねぇ? 色んな悪がいっぱいあってアベンジャーズは結構放置気味だった?   東洋的なるモノで『ドクター・ストレンジ』とのリンクを見せてくれるのだけど『ブラックパンサー』や『ミズ・マーベル』などと共にマーベル・シネマティック・ユニバースが多国籍っぷり、多様性っぷりを示してゆく、その足がかりのひとつとして、これからの展開に期待したいわね。シャン・チーおじさん(というのは可哀想?な32歳のお兄さん?)、どうも冴えないケドね。
[映画館(字幕)] 7点(2021-09-06 21:03:02)(良:1票)
6.  ジョーカー 《ネタバレ》 
 『タクシードライバー』と『キング・オブ・コメディ』が、つまりスコセッシとデ・ニーロが存在しなければ、この映画も“決して”存在し得ない(だからこそのデ・ニーロのあの役柄なワケだし)って考えると、ちょっとひっかかってしまうのが正直なトコロね。この映画は完全オリジナルなモノとして成立してるワケじゃないのよ、アレもコレも影響受けまくっているのよ、っていうのが見えてしまうから。  でも、ダークな寓話として見応えは十分だったわ。この映画をどう見るか、どう解釈するか、それは受け手に委ねられていて、色々と考えを巡らせることができる深さを持っていて。  コレってホントにあのジョーカーのハナシ? ジョーカーって実はこの人ではない他の誰か? っていうかゴッサムシティって存在したの? この世界で本当にバットマンって生まれるの? っていうかもしかして全部作り話? っていうか映画ってそもそも全部作り話だけど・・・みたいな。これってアメコミ映画っていうよりもむしろ『バロン』や『ビッグフィッシュ』『ユージュアル・サスペクツ』に近いかしら。   そこに堕ちる瞬間、ギリギリの境界を越えるその刹那。それは今この世界を生きる人がなんとなく理解できてしまう、甘美な恐怖。アタシはそこへは行かないわ、とは断言できなくて痛いわ。
[映画館(字幕)] 7点(2019-10-25 20:53:00)
7.  シュガー・ラッシュ:オンライン 《ネタバレ》 
 ディズニーによる脱プリンセス映画。   前作はテレビゲームの知識があってナンボな、ディズニーにしてはやたら敷居の高い作品だったけれど、今回はその前作の知識に加えてネットとディズニー作品、更にディズニーって企業の知識まで求められるっていう、とっても敷居の高い作品になってるわ。  その上、前作との矛盾を抱え、かつて『シュレック3』でドリームワークスアニメーションがやってみせたシニカルなプリンセスネタまで盛り込んで、果たしてコレを「今」「ディズニー」が「『シュガー・ラッシュ』」って題材でやるべきだったのかどうか、甚だギモンなのよね。   言いたいコトは判るのよ、なりたい自分になる、ってのはね。それがプリンセスって立場にある存在であったとしても。最近のディズニーが描く独立した女性像を更に進めて表現しようとしたんでしょうよ。でもね、そのためにディズニー自体が歴史を重ねてきた過去のプリンセスをバカにする必要ある?(彼女達もそれぞれの時代で闘争してきた存在でしょうに) 前作の色々なコトを変更したり矛盾させたりして(ヴァネロペ、普通にシュガー・ラッシュの外側に出られてるわよね、っていうか今回ターボしまくってて前作のルールからしたら悪として扱われるハズでしょ?)ブチ壊す必要ある? ソレを描きたければ、もっと別の作品を選ぶべきだったんじゃないかしら?   大体、ヴァネロペが「ココこそが自分が生きる世界」って認識する場所が、なーんの魅力も感じさせないのよね。荒廃した、ならず者が跋扈する空間をシュガー・ラッシュを捨ててまで選択する理由がただスリルとスピードのみ、みたいな状態で。それってただの破滅型な生き方に思えて、表現としては無責任じゃない?   それにネットを表現するのに明らかな悪を悪として描けない、ポップアップ広告からの悪質サイトへの誘導もオークションサイトの適正価格を超えた高額化もウィルス作製も、ネットの世界なんてそういうものだ、って表現に留まらせているのは何かを恐れてるワケ?って勘ぐっちゃうわよね。下手コイたらディズニーのサイトやサーバーが攻撃されちゃう? 最初からネットなんか題材にしなきゃ良かったんじゃない?   ネットの世界を映すように混沌とした作品で明快さを欠き、『レディ・プレイヤー1』に激しくネタカブリしたかと思ったら、クライマックスは『ニンジャバットマン』とあまりにモロなネタカブリ。ディズニーアニメーションにしては長い上映時間のクセに何度も訪れるダレ場。アチラコチラからの借り物が多過ぎて肝心な部分はありがち、オリジナリティから世界を創造するチカラを無くしちゃったような作品になってしまってとても残念ね。   で、そのワリに点数高いのはアタシがなんだかんだそれでも楽しんじゃえる程度のオタクでした、ってコト。プリンセス達なんか、ちゃんとオリジナルのボイスキャストを起用してたりするでしょ。色々細かいネタをいっぱい仕込んであるでしょ。そういうのはどうしたって楽しいのよね。ネタ頼りなんてモンはココロザシが低いのだけどね。映画としては4点程度、オタク的に8点、だから間取って6点ってコトね。
[映画館(吹替)] 6点(2018-12-26 18:58:16)(良:1票)
8.  ジュラシック・ワールド/炎の王国 《ネタバレ》 
 「科学を悪用し神を騙った人間が、その手で甦らせた恐竜によって罰を与えられる」っていう、マイケル・クライトンの原作から続く『ジュラシック・パーク』のテーマが、ここまできたって考えると、映画としての成長を感じられたりするのね。だって、今回は映画の心が恐竜側に移ってるから。   恐竜達が火山の噴火によって安住の地を追われる事から始まる受難の物語は啓示的。  抑圧、隷属、そして売買と人間の歴史の中で繰り返されてきた愚行を経て、最後は解放へと至るのだけれども、それを手助けしてゆく善の側のように見えた人間達が、でも最終的には彼らとの共存を望まないワケ。自分達とは別モノとして彼らの絶滅もやむなしと判断しちゃう。  そして、その意志に背いて最終的に彼らを解放する女神は恐竜達と同様に驕った人間の手によって生まれた存在。  これまで従順な存在として人を護ってきた闘士のブルーちゃんは、最終的に支配からの解放を選択する。前作のラストシーンを繰り返すようでいて、でも、全く逆の意味を持ってるの。支配する側の許しを得て去ってゆく前作と、支配する側の意志に背いて去ってゆく今作と。  ブルーちゃんに感情移入して見てきた人間からすれば、このラストはハンパでも、投げっぱなしでも、もにょるものでもない、最高のラストシーン、ラストカットなワケね。   前作は進化した映像以外に見るところはあまりなかった感じがしたけど、でも、今作に繋がる芽を仕込んであったのだとしたら(ラプトル四姉妹の存在ね)、少し見直したかな。  あと、絵的なセンスがだらーっとしていた前作に比べて格段に良かったのね。後半の恐竜館のホラーっぷりなんかはおんなじような絵が多かったシリーズの中では特異な面白さで。   ラプトル界のアイドル、ブルーちゃんと、貫録のレクシー姐さん、悠々自適のモササウルスさんの魅力はもちろん、頭突き恐竜スティギモロクちゃんのいいキャラっぷりや、埠頭のブラキオサウルスの悲しさ、人工的な能力が表出しまくり化け物状態インドラプトルの悲哀等々、モブまで含めて恐竜の個性を強調しまくった今作、アタシにとってコレは今までとは別物(ついでにこれまでビスタサイズを通してきたのに今回シネスコサイズになったのもね)。
[映画館(字幕)] 8点(2018-07-15 09:25:41)(良:2票)
9.  シェイプ・オブ・ウォーター 《ネタバレ》 
 ・送り手の映画愛をこれ見よがしに披露されるのって見てる方が恥ずかしくて。   ・ジュネが剽窃だと批判していてデル・トロは「皆テリー・ギリアムに借りがある」とかえしているけれど、でもこの映画はやっぱりギリアムよりはジュネ風味強いよね。コンセプトカラーは緑地に赤って明らかに『アメリ』と共通してるし。   ・印象としてはデキが良かった時のキング作品、或いは上記に関連するけれど、お上品な『エイリアン4』。   ・マイノリティ、社会的弱者の物語的な感じに見えるけれど、彼女達、彼等は決して受動的ではなく、自己主張しまくっていて、インチキな事も迷惑な事もするので、別にそこにキモチは動かないなぁ。つーか手を握るのは普通にセクハラでしょ。同性に対してなら健気なの?   ・おっぱいとか毛とかクリーチャーのチンコ話とか必要なんかね?   ・延々鳴り続けるクドい音楽がアカデミー賞ですか・・・   と、そんな感想をまとめると、デル・トロ監督って即物的で奥ゆかしさとかさり気なさとかと無縁な人に見えてしまうんですね。随分とこってりギトギトした作品を見せられた、って気分。つまらなくはなかったんですけどね。   もし半魚人がニューヨーク出身で饒舌で神経質で演じてるのがウディ・アレンだったらさぞかし面白かったでしょうけれど。
[映画館(字幕)] 6点(2018-03-12 19:21:44)(良:1票)
10.  ジョン・ウィック:チャプター2 《ネタバレ》 
 前作が思ってたのと違ってたので、今回は期待値低めで臨んだ分、それなりに楽しめました(点数一緒ですが)。   前作の「裏社会へようこそ」な部分は小さくなって、ジョン・ウィックのバタバタとした、ちょっと泥臭いアクションが中心になっていて、キャラものとしてのスタイルが確立しました、という感じ。伝説の殺し屋は、結構撃たれるし撥ねられるし血まみれになっちゃうしで、でも死なないので伝説、みたいな。個人的にはもっとスマートで圧倒的な強さのキャラが好きなんですが、こういうのもアリでしょう。  アクション自体は増量してるけれど同じような画が続いてワンパターンだったかな。  今回の女殺し屋も魅力的で、だけどラブストーリーとか無し、そしてそんな彼女に対してジョンは一切容赦無しっていうのが潔く。  ローレンス・フィッシュバーンの登場によって、ネオとモーフィアスの再会を見せてくれたのはファンサービスって感じ。   今回はカンフー映画リスペクトが顕著で、クライマックスの『燃えよドラゴン』っぷりはかなり楽しませて頂きました。でもアレCG屋殺しですね。一体どれだけ写り込んだカメラをCGで消す作業が必要だったのでしょう?   ただ、今回の作品が『帝国の逆襲』ポジションつーか『リローデッド』ポジションだったのは、ちと肩透かし食らいましたねぇ。なんか終わっちゃいそうだけど、まさかそれで終わり?って思ったらやっぱり終わっちゃった。  次があるのならば(無いと消化不良)、どうかワンコは生かしておいて欲しいものです。ジョンはともかく。
[映画館(字幕)] 6点(2017-07-11 21:27:32)
11.  SING/シング 《ネタバレ》 
 潰れかけた劇場のオーディションに集う、それぞれに悩みや問題を抱えた者たち。その、ありがちな群像劇がCGアニメーションによって擬人化された動物で描かれる事でなんて魅力的に輝くのでしょう。   様々な動物がごっちゃに暮らす社会というと『ズートピア』を連想させますが、この作品世界では特に種の違いによる差別や摩擦を描いてはいません。サイズ差や生態によるネタこそ存在するものの、各動物の特徴はあくまで個性を際立たせるために機能しています。キャラのデザイン的な特徴によって、それぞれに紡がれるドラマが大きなメリハリを持って伝わってくる感じ。決してハイレベルとは言えない、同時期に公開している『モアナと伝説の海』に比べてしまえば結構チープなCGだったりするのですが、個性的な外観に、人間的な、細かな表情を組み合わせる事で(単純な喜怒哀楽だけではなくて、微妙なニュアンスを持たせようと試みています)、そこに血の通ったキャラを見出せます。  私が好きだったのはロジータとアッシュ。この二人、結構複雑な表情を見せてくれるんですよね。ムーンとマイクは登場時点での印象が大変悪くて「この映画、大丈夫かいなぁ」と思ったものの、そのキャラなりのドラマを見せてくれますし。   魅力的なキャラ造形によって、夢を諦めない、殻を破る、人に流されない、底辺から抜け出す、そういう、よくあるメッセージが、嫌味なく素直に伝わってきました。何より、クライマックスの怒涛の盛り上がりはとてもエキサイティングでしたし。   最初に字幕版、次に吹替版を見ましたが、個人的には字幕版の方がいいと思いました(IMAXの12.1chと小さめなハコの5.1chという差はありましたが)。吹替版は演技と歌とを両立できている人が限定的だったり(長澤まさみは見事に両立していました)、字幕版に比べるとやはり歌のインパクトが薄くなってしまったり。山寺宏一はいい加減海外アニメーションの吹替をし過ぎているでしょ、って思いましたが、喋り自体は個性的で良かったです。でも、『マイ・ウェイ』の字幕版のシナトラっぷりに比べてしまうと、やっぱり物足りなくて。また、ミーナ役をMISIAが演じているという事で、これは凄いコトになってるんじゃないかと思ったものの、実際に聴いてみるとMISIAは唯一無二、どう聴いてもMISIAにしか聴こえないという。MISIAが上手いのは当たり前だものねぇ。
[映画館(字幕)] 9点(2017-03-21 22:34:44)(良:2票)
12.  ジェーン 《ネタバレ》 
 予告編のイメージだとナタリー・ポートマンが家族を守るために勇ましく銃を取る西部劇って感じだったのですが、実際のところは会話シーンと回想シーンばっかりのジミな映画で。   ナタリー自身は大して強くないというか、元婚約者に頼りっぱなし。クライマックスの対決に向けて『ホームアローン』的逆転劇を見せるように思わせながら、なんとも大雑把な展開で肩透かしを食らいますし。そんな見せ場なんて要らない、重要じゃない、大切なのは切ないドラマと情感溢れる風景描写、そう言ってるような感じだけれど、やっぱり大人数と少数との対決のシチュエーションはキチンと見せて頂きたいもので。   多用される回想シーンによって徐々にドラマの輪郭が浮かび上がってくる構成になっていますが、その構成ゆえに逆になかなか人物像が見えてこない、思わせぶりな時間ばかりが続く感じで、むしろそれって逆効果では?  そしてそのドラマも男頼りのやたらヒロインが弱い『キル・ビル』みたいな状態で新しいものを見ている感覚の薄いこと。   短尺ながら心動かされる瞬間がほとんどない(娘のところだけかなぁ)がゆえ、やたら冗長な映画に思えてしまうのでした。キャスティングからアミダラVSオビ=ワンなんてのを期待しちゃうと、もう全くまるで全然な、そんな世界なのでした。
[映画館(字幕)] 5点(2016-11-01 21:48:51)
13.  ジェイソン・ボーン 《ネタバレ》 
 1作目を見逃すと当然2、3作目も見れなくて、そんなこんなでシリーズを最初にスクリーンで見たのが『レガシー』っていう。1~3はBSだかCSだかで一挙放送したのをゴロゴロダラ~っと見た程度。で、シリーズ通しての印象は1作1作の物語のカサがあまり無いって事と動かし過ぎのカメラワークがウザいって事。今回も印象はあまり変わらず。マンネリ度が更に増したけれど「それで終わりかよ!」って感じは少し軽減したかな?   とにかくあのカメラワークはもう要らないんじゃないかと。ひたすら見辛いだけです。前世紀末に流行ったのをいまだに引っ張ってる状態で、それこそがこのシリーズのアイデンティティだと言われるかもしれませんが、カメラが意思を持って存在をアピールしちゃうとね、それは一体誰の視線、もしくは誰の持ってるカメラよ?って事になっちゃう。いや、臨場感を出すために観客の視線を作ってあげてるんですよ、って事なんでしょうけれど、大きなスクリーンと対峙してるこちらにとっちゃ、そりゃ余計なお世話。せっかくのスタッフとキャストの仕事がガチャガチャな状態でしか記録されてませんっていうの、勿体なくないかなぁ?   それから念押しするような映像がクドくて。冒頭のギリシャのデモシーン、後半のカーチェイスシーンは不要なショットがかなりありますし、父親が殺害される回想シーンを何故あそこまで繰り返す必要があるのやら。これもまた親切心から?の余計なお世話ね。   物語はジェイソン・ボーンのごくパーソナルな話ですよ、っていうのが明らかになると共に底が見えて中盤以降は退屈気味。   せめてアクションやサスペンスに独自性があればいいのですが、なんかもうシリーズだけでなく、このジャンルの見せ場の繰り返しですね、っていう。その上、クライマックスの大事なところでモタモタと弱みを見せちゃうあたりはかなりガッカリ。続編をなんとなく意識したのか、微妙にボヤかしたエピローグも含めて、この程度の続編作っちゃったのねぇ、って印象。  もっとスゴい状態に成長したジェイソン・ボーンを見せて欲しかったのですが、むしろ退行してなかった?
[映画館(字幕)] 5点(2016-10-10 14:39:59)(笑:1票) (良:1票)
14.  シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 《ネタバレ》 
 アクションシーンがカメラ動かし過ぎで見辛くて仕方ないのですが(視界いっぱいのIMAX3Dじゃ頭クラクラ来ます)、ダレ場少な目で冒頭からラストまで突っ走ってて楽しめるのはとてもいいと思います。もはや『アベンジャーズ』を超えてるのではないか、ってくらいに豪華メンバーが次々と登場して楽しみどころいっぱいですし。  脚本的には、もう少し発展的なお話の方が良かったかな、と。ほぼ内輪モメというか内紛に終始して、それもスッキリと片付くような話にはならない状態で。   で、あとは見る側のメンバーの好みの問題かなぁ。これまで私はキャプテンの言動とか性格とかあんまり好きじゃなかったんですよね。スターク社長の方が好きで。今回の映画でキャプテンの事がハッキリと嫌いになっちゃいました。社長寄りで見てるとどうにもストレス溜まる話で。だからアントマンをそっち側にするなよ、とかブラック・ウィドウまで嫌いにさせる気か、とかイライラする要素満載で、社長派にとっては胃に悪い映画。  キャプテンは正義とか真実とかのためなら多少の犠牲も厭わないって状態を暴走させ過ぎだと思うんですよ。かつての仲間相手にもう命取りに来てるんじゃないかくらいの戦いっぷりですし、最後の刑務所だって罪のない刑務官達をみんな倒しちゃってたわけですし(まさか死んじゃいないんでしょうけれど)。結局は彼の言動もまたエゴなんですよね。そういうキャプテンのエゴイストっぷり、独善っぷりがどうにもこうにもイヤで、主役なのに自分の目には悪党にしか映らないっていう。  同調しちゃう仲間も含めて、そこら辺、上手く納得させるだけの脚本にはなってなかったと思います。人物関係のゴチャゴチャっぷりを整理しきれてませんでしたしね。   前作『ウィンターソルジャー』にもスッキリしない点はありましたが、今回は数々のわだかまりを残しちゃった感じで、コレで平然と『アベンジャーズ3』出してこられるんかいな?ってちょっと心配になっちゃいました。   ちなみにマーベル映画お得意のエンドクレジット中~後の映像は今回も2回なので1回目で席を立っちゃうと損しちゃいます。
[映画館(字幕)] 6点(2016-04-29 22:24:53)
15.  ジョン・ウィック 《ネタバレ》 
 私にとってこれは出来不出来以前に「思ってたのと違う」ってギャップが最大の問題点で。   冒頭の、妻を失った男の心の色が映るような映像はいい雰囲気でした。だけどキアヌの元にワンコがやってきてから予告編にあったガソリンスタンド~夜の襲撃でワンコ死亡までがわずか1日半、ワンコが実はほんのちょっとの存在。  その上、キアヌは伝説の殺し屋みたいな扱いなハズが、なんかワリと弱いというか雑なヤツで。  そう、これは私が期待していたセガール映画のような、リーアム兄さん映画のような、「愛するワンコを殺された伝説の殺し屋が圧倒的パワーで組織を壊滅させる話」じゃなかったのでした。  ワンコは単なるきっかけに過ぎず、伝説の殺し屋が悪いヤツをボコりまくる痛快アクションではなく、この映画が描くのは「裏社会へようこそ」。  ロシアンマフィア、死体処理屋、事情を知っていて見て見ぬフリをする警官、裏に通じるホテルに集う人々、そんな裏社会に生きる色々な連中の世界、犯罪者の不思議の国のお話。  だから女殺し屋の末路などはキアヌとは別の流れの中にあったりしますし、肝心の復讐相手を倒すシーンではあっさりと辿り着いた上にロングで相手の表情すら見せずにさっさと片付けて復讐話をはぐらかしています。  期待とは違ったそれが、それでも面白かったかと言うと、うーん、そこそこ?   キアヌの行き当たりばったりな行動はとてもデキる殺し屋には思えません。ヘッドショット基本はいいとして、すぐ格闘に持ち込まれて苦戦しますし、対象の眼前まで迫りながらドタバタを繰り広げた上に逃げられたりしてますし、何と言っても突撃状態の後に敵に捕まって縛られるって状況に陥った時点で失格でしょ。本来は殺されているハズなので、ここで実質的には終了、って状態。  で、そこを救うデフォー、しかし思わせぶりな過去の関係を匂わせつつも、実際にどんな間柄であったのか不明なので、クライマックスの更なる復讐劇もまた盛り上がらず。   でもワンコなんですよねぇ。問題は。ワンコ視点で見てたものだから。ええ。このテの映画で「妻が」とか「娘が息子が」とか言われてもワリとフーンって感じですが、「ワンコが、ニャンコが」ってなるとそりゃ許せん!って。それが実はあんまり重要じゃないなんて、浮かばれませんて。っていうかキアヌ、アンタ何ラストで浮気してんの?
[映画館(字幕)] 6点(2015-10-22 21:48:02)(良:3票)
16.  ジュラシック・ワールド 《ネタバレ》 
 ジャパンプレミアで鑑賞。   予告編時点でイヤな予感はしました。その映像や設定から連想されるのが『ジョーズ3』だったり『ディープブルー』だったり。  で、実際に見てみたら見事にそこら辺の感じと言うか、もう少しレベルダウンして『ジュラシック・ランド』とか『ダイナソー・パーク』とかいったタイトルが付いてるような、ビデオスルーの低予算亜流映画みたいなお話し(実在する作品的には『シャークトパスVSプテラクーダ』に設定や話が近いです)。そういう映画のCG部分がチャチじゃなくて超豪華仕様になってます、って感じ。   ここ一番ってところのキメの演出、パシッと決まった画で飾るってのが、もう全然出来てないの。恐ろしいもカッコイイもなんだかダラーンと繋がった画の中に呑み込まれちゃっていて、そんな中ではキャラクターの感情もメリハリが薄く感じられて、存在感のない、軽い登場人物ばっかりのB級感。初代『ジュラシック・パーク』は今見ると大仰な演出が目立ちますが、あのくらいやってくれるからこそ人間も恐竜も際立って見えたわけで。  テーマパークのスケール感やリアリティは格段に上がっていて、大ゴトっぷりも今までの比ではない筈なのに、なんでみんなそんなに呑気に喰われちゃってるの?みたいな。  2万人もの観客が危機に陥る中で、パークの人間達の行動には疑問符付きまくりですし、クリス・プラットの人間的魅力が描かれていないので恋愛描写も子供達の信頼も取って付けたような状態。子供達に与えられた設定が最終的にちっともドラマに昇華されていかないもどかしさ。   それでも点数がいいのは子供目線でワクワクする恐竜ランドの世界をハッキリと視覚で見せてくれたから。これまで部分部分でしかなかった、あの島に広がるテーマパークが完成されていて実際に大勢の観客がいて、その中でみんなと一緒にドキドキの体験をするような感覚。それは一作目の『ジュラシック・パーク』の、観客を島内ツアーに誘う作りに見事に則っています。  最近大活躍のマイケル・ジアッキーノ担当の音楽も手伝って、その世界のワクワク感は『トゥモロー・ランド』と似ていたりしますが、両作ともこれまでは成し得なかった子供の夢の具象化が今の技術で表現可能になったという点で感慨深いです。   あと、恐竜にこれまでは殆ど無かった性格・個性・意思を与えている点は賛否あると思いますが恐竜がキャラ立ちする事で怪獣映画っぽくなって個人的にはそれはそれで心ときめく感じで。クライマックスなんか、色々な不満をねじ伏せる気持ち良さ。   なのでこれは大画面、大音響で楽しんでこその映画。シリーズに則ってビスタサイズなので通常のスクリーンよりもビスタサイズを大きく表示できるIMAXの方がより効果的かもしれません(TCXならフルサイズがシネスコの日本橋、新宿、六本木よりもビスタの船橋ですね)。アトラクション要素が強いので4DX、MX4Dでも存分に楽しめるでしょう。   正直なところ、映画としてはツッコミどころ満載なのですが、細かい事は気にせずに、その見世物映画っぷりを味わうのが吉という映画でした。
[試写会(字幕)] 7点(2015-07-16 23:11:05)(良:4票)
17.  シグナル 《ネタバレ》 
 「あなたのSF脳が試される」とかなんとか言ってますが、そんなモノに踊らされる必要はありません。これ、難解なのではなくて、単純に独りよがりなだけ。だって結末は色々な解釈があるとかではなくて最初から決まっているのですから。そこに至るまでのプロセスをそれっぽい雰囲気で覆い隠してるばかりで。基本は70年代の永井豪や諸星大二郎が描いていたような話。   冒頭のアメリカン・ニューシネマみたいなロードムービーの映像は良い感じです。男2人に女1人っていう構成もアメリカン・ニューシネマっぽいですしね。  でも、事件が起きて隔離されてからはひたすら単調で変化の少ない、思わせぶりなばかりのシーンが続くばかりで映画のテンション、ダダ下がり。このシーン丸々カットしても話としては成立しちゃう、っていう。  で、クライマックスらしきところで、ちょいと花火一発上がる程度で終了。意外なラスト!とかでなくて「あー、こんなモン見せられちゃって、もー」みたいな。   映画が始まる前にTOHOシネマズ新宿限定で見られる『アニメガタリ』という短編アニメでヒロインが「『攻殻機動隊』が『マトリックス』に似てる」と発言して思いきり先輩にツッコまれるシーンがありましたが、それがなんとも皮肉に思えてくるような映画で。   売り込む側はデヴィッド・リンチとかキューブリックとか『第9地区』とか『クロニクル』を引き合いに出してみたりしてますが、せいぜい懐古主義的なオタクが自分の嗜好するものを集めてひけらかしてみせたスノッブ映画程度のモノにしか思えませんでした。
[映画館(字幕)] 3点(2015-05-21 21:13:22)
18.  シンデレラ(2015) 《ネタバレ》 
 この時代、もちろん随所にCGが使われておりますが、アナモフィックレンズを使ったフィルム撮りの画調はまるで50年代の映画のようで、とてもクラシカルな雰囲気。  『魔法にかけられて』や『プリンセスと魔法のキス』あたりから顕著になった(ある種、自虐的とも言える)ディズニーの「脱・いつか王子様が」路線ですが、『アナと雪の女王』『マレフィセント』までエスカレートしたところで今回は一気に原点回帰といった風情で。オーソドックスな王道に戻ってみましたという感じ。  ですが、それは決して不快ではありません。  これはシェイクスピア作品に代表されるコスチュームものを得意とするケネス・ブラナー監督、堂々の演出による天下のディズニー王道の世界。   いじめ描写が嫌いな私なので元々『シンデレラ』は苦手な作品でした。この作品での継母(さすがのケイト・ブランシェットの風格)のシンデレラに対するいじめには、さほど多くの時間と描写を割いている訳ではなく、ヌルめとも言えるのですが、それでもシンドく。  でも、だからこそフェアリー・ゴッドマザー登場からの多幸感ときたら。  カボチャの馬車、馬になるネズミ達、煌びやかなドレス、ガラスの靴。『シンデレラ』の定番キーワードがキラキラと眩いばかりに映像化されていて、これぞディズニーの『シンデレラ』!と直球ど真ん中で勝負してきます。  ドラマ的には王子と王との関係描写や、政略結婚の陰謀などを盛り込んで厚みを与えてある事で定番過ぎるほどの定番ゆえの退屈さを回避しておりますが、一方で父母の死や、解雇された使用人達、継母と継姉達のその後などはごくアッサリ描写で、あまり引きずらないあたり、軽い印象。   キラキラ煌めく映像の中でも特に目を惹いたのはドレス。シンデレラのブルーのドレス、継姉達の軽薄さを表すカラフルなドレスが、フェアリー・ゴッドマザーの白と継母の黒・緑との対比の間で咲き乱れて、シネスコ画面いっぱいに溢れる「色」にうっとり。   『ベイマックス』のようにテクノロジーの未来にも目を向けるディズニーですが、一方でこれまで育んだ伝統の色を存分に堪能できる作品も新作として生まれるあたりがディズニーの懐の深さなのでしょうね。
[映画館(吹替)] 7点(2015-04-27 21:19:38)(良:2票)
19.  シェフ 三ツ星フードトラック始めました 《ネタバレ》 
 フードトラックに至るまでが長くて、フードトラックのところからは最早クライマックスと言えるので、タイトルでネタバレしてるじゃん、って状態ではあります。  大体、フードトラックを始めるまでには紆余曲折ありますが、始めて以降は快適ロードムービー、それ以前に比べるとそんなに残されたドラマは多くありません。   物語自体、どん底に落ちるのも、そこから這い上がるのも、そんなには重く深刻には描かれず、生々しい人間ドラマが、なんてものではありません。別れた元妻は大変に物わかりが良く、息子は良く出来た子、元同僚は根っからのいいヤツでとても協力的、恋人とも決してドロドロしない。そんな環境では失業もまた夢物語。  でも、そこは元々あまり重要ではなくて、いっぱい出てくる有名スターと美味しそうな料理を眺めているだけで十分、って映画。  料理をしっかりと美味しそうに捉える、そこがキーとも言える感じで(どう見ても脂っこいしつこい味だろうなぁ、っていうものもありましたが)。  Twitterによって窮地に追い込まれる主人公がTwitterによって救済される、その象徴である青い鳥が飛び立つシーンはTwitterで多くの人と結び付いている私には感動的でした。   ただ1つ気になったのは、フランス料理のシェフがタバコ(クサ、葉巻含む)を吸いまくってて勤まるのか?という事。『美味しんぼ』にも描かれていましたが、喫煙は味覚と嗅覚に影響大ですし、生ものには指から匂い移りします(手を洗ってもちょっとやそっとではタバコの匂いって取れません)。私自身、元喫煙者で現在禁煙7年という状態で今は料理人でもあって、その影響を実感しまくっています。大衆料理はともかく、それなりに高級そうなフランス料理だと無理なんじゃないかなぁ。
[映画館(字幕)] 7点(2015-04-06 22:18:57)(良:1票)
20.  ジュピター 《ネタバレ》 
 中学生が考えたような世界の稚気丸出しっぷりは嫌いじゃないです。でも、既視感ある色々なモノを寄せ集めて作り上げました、って、そこから先が見えてきません。   ベースは『マトリックス』と同じで「今の自分は本当の自分じゃない」がスタート地点。そこに『フィフス・エレメント』『砂の惑星』『ジョン・カーター』『銀河鉄道999』『さよなら銀河鉄道999』『不思議の国のアリス』『美女と野獣』『LUCY』『エイリアン2』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を混ぜ合わせた、そんな映画。ほぼそれで語れてしまうレベル。その先の、この作品ならではの個性が感じられないのが残念です。   ウォシャウスキー姉弟ならば、もっとスタイリッシュに、もっと独特な映像世界を創造する事ができるんじゃ?と。でも、どっかで見たような映像ばかり。3Dを駆使したアトラクション的映像は良かったのですが、でも、そんなのも既にいっぱいあって。  前半のシカゴ上空でのドッグファイトシーンなど、乗っ取った戦闘機と敵側の戦闘機との区別が上手く映像で伝えられていなくて(左右で対峙するそれぞれの戦闘機の操縦者の向きが同一方向っていうのは明らかなミスとして)、つまり撃墜されない方が主人公機、っていう見分け方になるのは雑です。  そんな、全体的に雑に作られた映画で、ご贔屓ペ・ドゥナ嬢なんかいつどこへ行っちゃったのか判らない状態で消えちゃうし(ちゃんと見てたつもりですが見逃しました?)。   何か1つ、作品の個性となる突き抜けたアクセントがあれば、それだけでもっと面白くなったと思うんですよね。それはキャラの性格でもいいですし、映像の見せ方でもいいですし。今のCG大洪水時代にはどっかで尖らないと。  以前に比べてフェティズムが希薄になっちゃったウォシャウスキー姉弟、なんだかリュック・ベッソン化してる気が。妙にベッソン臭漂う映画ではありました。
[映画館(字幕)] 6点(2015-03-29 22:30:46)
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