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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2594
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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1.  ナイブズ・アウト:グラスオニオン 《ネタバレ》 
ジェームズ・ボンドから解放されたダニエル・クレイグが名探偵ブノア・ブランに扮するNetflixオリジナルミステリーシリーズ第二弾。 二作目にして、名探偵役がすっかり板についているダニエル・クレイグ。この無骨な俳優が、このウィットに富んだ名探偵役にこれ程ハマるとは思わなかった。 まず言いたいのは、引き続きシリーズ作を展開していってほしいし、クレイグには長くこのキャラクターを演じ続けてほしいと思う。  前作は、大富豪の豪邸を舞台にした血族同士の諍いが、ミステリの王道よろしく描き出されていたが、続編となる本作でも、孤島でのバカンスに集められた旧友たちの確執と復讐が描き出され、これもまたミステリの王道的展開だった。  最新のミステリ映画として、斬新な設定やアイデアばかりを散りばめるのではなく、アガサ・クリスティやコナン・ドイルの推理小説の世界観を引用して、現代劇として描き直すという趣向がこのシリーズの特徴であり、ユニークな点だと思う。 そこにブノア・ブランという新たな名探偵キャラーを創造し、現代的な視点や価値観を盛り込みながら物語を紡いでいくことで、フレッシュな娯楽性を生んでいる。 「古典的」と言ってしまえば確かにそうかもしれないが、それ故のミステリの芳醇さがあり、また一方では単なる古典のリメイクでは味わえない新旧混在の味わい深さがあると思う。  ストーリー上のキーワードでもある“グラス・オニオン”。「天才」という金づるに群がる人間たちの空虚な関係性が、このタイトルと、劇中登場するガラス張りの玉ねぎ型ペントハウスに象徴されている。 人間の虚しさや、愚かさの本質を描き出すに当たって、時代性なんてものは関係なく、古いミステリのフォーマットでこそ際立つものなのかもしれない。  大豪邸、孤島、とくれば次はいよいよ“特急列車”かな。期待大。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-12-25 13:52:14)
2.  ナイル殺人事件(2020) 《ネタバレ》 
梅雨の日曜日。特に天気が悪いわけではなかったが、前夜の深酒がたたり午後になっても二日酔いが辛かったので、部屋に引きこもって映画を観ることにした。 随分前から動画配信サービスのマイリストに入りっぱなしになっていたケネス・ブラナー版の「オリエント急行殺人事件」を鑑賞し、立て続けにその続編である本作「ナイル殺人事件」を鑑賞。 異国情緒溢れる豪華絢爛な映画世界をトータル4時間分堪能して、取り敢えず満腹感は大きい。  「オリエント急行殺人事件」と同様に、本作の原作「ナイルに死す」も過去幾度も映像化された作品。ピーター・ユスティノフがポワロを演じた1978年の映画作品も鑑賞済みだった。ストーリーテリングの細かい部分の記憶が薄れていたので、ミステリが展開していく流れについては新鮮に楽しめた。 がしかし、最終的に残った感想としては、1978年版を鑑賞した時と同じ不満を覚えた。  それは、「さすがに3人は殺されすぎじゃないか?名探偵さんよ」ということ。  無論のことながら、そもそも殺人事件が起きなければ「名探偵」というキャラクターは成立しないわけで、それはシャーロック・ホームズから江戸川コナンに至るまで古今東西の名探偵キャラの宿命であり苦悩であろう。  ただこのナイル川における連続殺人については、ポワロの失態と言わざるを得ない。 “オリエンタル急行”の場合は、殺人が計画されていた車両にあくまでも「偶然」乗り合わせた状態だったろうが、今回の場合は全く異なる。 身の危険を感じていた被害者本人から依頼され、「危険人物」とされる人間の存在も確認していながら、まんまと依頼人は殺され、第2、第3と惨劇は続き、最終的にはそれ以上の死人を生む悲劇へ終着してしまう。  しかも、大富豪御用達の豪華客船とはいえ、それほど巨大とは言えない船内での事件なので、ご自慢の“灰色の脳細胞”をフル回転させれば、惨劇を最小限に食い止める方法はいくらでもあっただろうと思ってしまう。  更に今回のリメイクでは、原作からの改変により、第3の被害者がポアロ自身の友人に変更されている。 目の前で殺人が行われた上に、大切な友人まで失う始末。嗚呼、なんと不憫な名探偵だろうか。  ケネス・ブラナー監督自身が、エルキュール・ポアロを演じるという大車輪の活躍を見せるこの新シリーズは、過去の作品よりもより一層ポアロという人間そのものの内面を抉り出そうとしている。 また人種問題をより浮き彫りにさせたり、ジェンダー問題を想起させるキャラ設定の追加をしたりと、決して小さくない改変に挑んでいる。 現代においてリメイクするにあたって、その意欲的な試み自体は評価したいところだけれど、それが作品世界の中で効果的に作用しているとは言い難い。 改変箇所が単なる「違和感」と感じてしまう部分は少なくない。   当初は計画していたエジプトロケが叶わず、シーンの大半をCG合成に頼らざるを得なかったことなど、作品全体から垣間見える「歪さ」は、製作における苦労は多分に物語っている。 そんな中でも、この原作に相応しい絢爛豪華な「雰囲気」だけはきっちりと保って、娯楽性を保っていることは、ケネス・ブラナーの堅実な尽力によるものだろう。  次作のプロジェクトもまだ残っているようなので、“髭”を蓄え直してどうか頑張ってほしい。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-06-26 23:22:43)
3.  ナポレオン・ダイナマイト
推しの“アイドル”が、自身がボーカル&ベースを務めるバンド名に「PEDRO」と名付けた理由が、今作に登場する主人公の唯一の友人の名からとったと知り、鑑賞。 ああ、なるほど、彼女がその名を付けた意味がよくわかった気がする。  さえない容姿、さえない友人、さえない家族、さえない生活、人生は往々にして“クソったれ”だけれど、それでも人生は、何かささやかなきっかけで、いくらでも光り輝く。 その輝き方は人それぞれで、他人の“眩しさ”と比べてみたって意味はない。  決して劇的な存在でなくとも、自分にとってはかけがえのないモノは必ず存在する。 それは、気になる同級生かもしれないし、転入してきた友人かもしれないし、下手くそなマンガかもしれないし、荒削りな音楽かもしれない。  そう、人生に必要なのは、ささやかだけれど何にも代え難い心の“拠り所”なのだ。  この青春コメディ映画は、国籍や年齢、性別にとらわれない普遍的な人間の馬鹿馬鹿しさと、それに伴う愛らしさをオフビートなユーモアの連続の中で、ワリとストレートに伝えてくる。  スクールカーストの底辺で、日々フラストレーションを溜めつつも、自分の“在り方”をブラさない主人公は、決して格好良くはないけれど、不思議な魅力を備えていた。 そして、前述の友人“ペドロ”をはじめ、主人公の周囲を取り巻くキャラクターたちも皆独特でクセが強い。 彼らが織りなすおかしな人間模様は、アメリカの片田舎の開放感と閉塞感が入り混じったような何とも言えない空気感も手伝って、どこか哀愁めいたものも感じる特異な喜劇を構築していた。  久しぶりにこの手のアメリカンコメディを観て、何だかフレッシュな気持ちにもなり、満足度は高い。 明らかにお金がかかっていないチープな映画だけれど、ランチの皿で表現したオープニングクレジットの愛らしさからも伝わってくるように、愛着を持たずにはいられない作品だった。  「VOTE FOR PEDRO」のTシャツ欲しい。アレを着て、「PEDRO」のLIVEに行きたい。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-02-23 00:12:33)
4.  ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
“ミステリ”好きには堪らなく楽しい映画だった。 現代に蘇った“アガサ・クリスティー”的なストーリーテリングを、オールスターキャストで織りなす映画世界は決して華美ではないが芳醇で、多様な娯楽性が満ち溢れていた。 “007”のダニエル・クレイグと、“キャプテン・アメリカ”のクリス・エヴァンスが、それぞれ代名詞である人気キャラクターとは全くイメージを違えた登場人物を好演しており、殊更に映画ファンとしての充足感は高まった。  ミステリーというジャンルは、古今東西問わず映画史においても、文学史においても、描きつくされていて、新たな傑作を生み出すことが最も難しいジャンルではないかと思う。  今作にしても、ミステリーのネタ自体が抜群に新しいということはなく、ストーリーの形式そのものは、前述の通り“アガサ・クリスティー”が描いた推理小説の基本構成をベースにしていることは間違いない。  ただ、その“オールドスタイル”を丁寧に磨き上げ、きちんとオリジナル要素を盛り込み、現代的なアレンジで仕上げているからこそ、この映画はちゃんと面白いのだと思う。  気鋭の映画監督であるライアン・ジョンソンが、本人によるオリジナル脚本で今作を描き出した意義もとても大きい。 シリーズものやリメイクが横行するハリウッドの映画産業において、オリジナリティをもった脚本を書いて映画化することができるこの監督の存在感は、今後益々大きくなるのではないかと期待している。(「最後のジェダイ」も僕は大好きだ!)  キャスト陣においては、やはり前述の通りダニエル・クレイグとクリス・エヴァンスの両スター俳優が、長年演じ続けてきた代名詞的なキャラクターのイメージを脱ぎ捨てて、新境地を開拓していることが興味深く、フレッシュだった。 特に主人公の名探偵を演じたダニエル・クレイグは、彼にとっての「007」最終作の公開を前にして、また新たな人気キャラクターを獲得したのではないかと思える。  秋の夜長、上質な推理小説を読み終えた時のような充足感に包まれる。 こういう王道ミステリーは最近少なくなっていたので、ぜひともシリーズ化してほしい。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-10-25 00:07:59)
5.  ナイスガイズ!
ライアン・ゴズリング&ラッセル・クロウの主演コンビのキャラクター性はユニーク。 ライアン・ゴズリングのクソ野郎ぶり、ラッセル・クロウの無頼漢ぶり、それぞれがこれまでの数多の主演映画で見せてこなかった“顔”を喜々として演じており、愛すべきキャラクター像を表現している。 そして、彼らのキャラクターとしての立ち位置も、過去の“バディもの”映画にはないスタンスで、絶妙なバランスを見せてくれている。 バディものとして世の好事家たちから好評を得た要素は理解できる。  けれど、ノワール調のストーリーテリングがとっ散らかっており、語り口があまり巧くない。 加えて、主演コンビが結束するに至るプロセスも今ひとつ曖昧で、軽妙な掛け合いに乗り切れなかったというのが、正直なところ。 結果彼らは“チーム”となるわけだが、次回作製作に向けての期待感や高揚感が、個人的に殆ど得られなかったことは、この手の娯楽映画として痛い。  オーストラリア出身の若手女優アンガーリー・ライス演じる娘ちゃんは大変キュートだったけれど。 主人公コンビは勿論、敵役、脇役含めて登場人物たちのキャラクター性は総じて魅力的だっただけに、映画全体のチグハグ感がつくづく残念な仕上がりだった。
[インターネット(字幕)] 5点(2018-01-08 15:02:55)(良:1票)
6.  ナイトクローラー 《ネタバレ》 
冒頭、軽犯罪に手を染める主人公のギョロリとした両の目が暗闇の中に爛々と浮かぶ。 その目を見た瞬間に、「ああ、こいつはちょっとフツーじゃないな」と感じ取れ、同時にこの映画自体の特異性を予感せずにはいられなくなる。  食いっぱぐれ、社会の底辺に潜んでいた主人公が、“ナイトクローラー”と呼ばれる報道スクープ専門の映像パパラッチ業に辿り着くことから、このある種悪夢のような“サクセス・ストーリー”が転がり始める。 こんなにも胸クソ悪いサクセス・ストーリーを未だかつて見たことがない。 と、自分の中の表向きの倫理観は、この主人公の存在そのものを真っ向から否定する。 けれど、それと同時に、外道そのものである彼の成り上がりぶりに対して、一抹の高揚感を感じてしまっていることにふと気づき、とてもじゃないが胸中穏やかでいられなくなる。  果たして、この映画の中で本当に間違っていることは何で、本当に正しいことは何なのか。 この映画は、衝撃的でおぞましいストーリーテリングの中で、その正体が何なのかということを観客に問うてくる。  「勤勉で志も高く粘り強い人間です お役に立てると思います」 “ゲスの極み”である主人公は、終始一貫してそう言って自分自身を売り込む。 自分の成功のためなら、彼はあらゆる罪も犯罪も意に介さない。 しかし、彼のその言葉自体には、微塵の偽りもない。 彼は自分の立てた成功のためのプランに対して努力を惜しまず試行錯誤を繰り返し実現している。 それは、完璧なPDCAサイクルの実行であり、そのプロセスだけを捉えればあまりに有益なビジネスの手本と言えよう。  主人公は、時間を惜しんでインターネットを貪り、この現代社会において「正論」とされているありとあらゆる理と、資本主義のルールを体現しているいに過ぎない。 故に、この映画は、決して主人公を断罪せず、さも当たり前のように“ハッピーエンド”を与えているのだ。  おぞましくも独創的に社会の病理性を“爛々と”描き出したストーリーとキャラクター造形が見事だ。 ただこの映画を成功に導いた最大の要因は一にも二にも主演俳優によるところが大きい。 ジェイク・ギレンホールの言葉通りに「異様」な存在感こそが、この映画の肝であり、テーマそのものだったと思える。  劇中、殆ど瞬きをしない主人公ルイス・ブルームの異様な眼差しが、脳裏にくっきりと焼き付いて離れない。 ただし、“フツーじゃない”のはこの男ではなかった。決して曇らせることなく彼の目を輝かせ続けるこの社会の暗闇こそが、“フツーじゃない”のだ。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2016-05-04 08:54:30)(良:2票)
7.  ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記
ニコラス・ケイジ扮する歴史学者兼冒険家の主人公が、米国史に隠された陰謀と宝を追い求めるシリーズ第2作。 “当たり屋”覚悟で暇つぶしに観た一作目が意外に面白かったので、立て続けに鑑賞に至った。 もうこうなると、主人公をはじめとする主要キャラクター達に愛着が生まれてしまっていると言ってもいいかもしれない。  一作目では、ニコラス・ケイジ自体が主人公のキャラクターを探っている節が中盤まで見受けられたが、二作目になり“ベン・ゲイツ”というキャラクターをノリノリで演じていることが見受けられる。善し悪しは別にして……(ゴールデンラズベリー賞ノミネート)。 冒頭、バッキンガム宮殿で、ヒロインと罵り合うシーン等では、ニコラス・ケイジらしい過剰な演技プランが個人的にはウケた。  ストーリーは、リンカーン大統領暗殺事件に祖先が関わっていたという汚名を着せられた主人公(一家)が、先住民族の隠された黄金を探し、一族の汚名を晴らそう!というちょっとよく分からない展開が繰り広げられる。 現職大統領にもちょっかいを出しつつ、例によって謎が謎を呼び、主人公チームがことごとくそれを解いていくというくだりの連続。 王道というよりはベタな展開の連続なのだが、そこそこのアクション性と軽妙な台詞回しによって、飽きないつくりにはなっていると思う。  リンカーン暗殺者の日記の切れ端だとか、歴代の大統領に受け継がれた秘密の本だとか、よくありそうな題材ではあるけれど、やっぱり男心がくすぐられてしまう。  続編において主人公の「母親」登場!なんてくだりもベタの範疇だろうけど、必然的に大物女優の登場を期待して、「ヘレン・ミレン キター!」となると、映画ファンのテンションは上がってしまうもの。 前作に引き続き出演のジョン・ヴォイトとヘレン・ミレンによる“老夫婦アドベンチャー”にも、本筋ではない味わい深さがあった。  突っ込みどころはそりゃ満載だが、そんなこと気にしていたら“ニコラス・ケイジ映画”は楽しめないよということをある意味雄弁に語る娯楽大作と言える。
[インターネット(字幕)] 6点(2013-05-07 16:13:55)(良:1票)
8.  ナショナル・トレジャー
「インディ・ジョーンズ」と「ダヴィンチ・コード」をごちゃごちゃと混ぜ合わせて、“ニコラス・ケイジ印”でベタンと押し潰したような感じの映画だった。 と言うと卑下しているようにも聞こえるが、個人的には充分楽しめた。 二番煎じ、三番煎じだろうと、「お宝探し」という題材は、いつの時代も娯楽の本流であり、いくつになっても男心はくすぐられるものなのだと思った。  ビジュアル的にも、キャラクター的にも今ひとつ頼りになるのかならないのかよく分からないニコラス・ケイジ扮する主人公だが、なんだかんだとピンチを迎えいつもの“困り顔”を終始携えつつも、次第にキャラが立ってくる。 常に綱渡り状態でありながらも、極めてスムーズに、そして「独立宣言書を盗み出す!」など意外な程にアグレッシブに「謎」を解いていく様が、馬鹿馬鹿しくて良かったと思う。  ニコラス・ケイジが主演で、ジェリー・ブラッカイマーが製作の映画なのだから、そこに「ダヴィンチ・コード」のような下手な神妙さなどは不要であり、大仰に馬鹿馬鹿しく突っ走ったことは正解だ。  必要以上に穿った見方をしなければ、謎が謎を呼びアメリカ建国の歴史をも巻き込んだ巨大な陰謀に繋がっていくメインストーリーも充分に楽しいものだったと思う。 主人公にインディアナ・ジョーンズのようなスター性はないけれど、ある意味現代的なキャラクターだったと思うし、彼の脇に付くキャラクターらによるチーム感が、スター性の不足を補い小気味良かった。  ジョン・ヴォイト、クリストファー・プラマー、ハーヴェイ・カイテルと意外に豪華なベテラン俳優の顔ぶれも娯楽性を助長している  「観る価値なし」と完全にスルーしていたけれど、観てしまえば、すぐに続編が観たくなったのだから侮れない。
[インターネット(字幕)] 7点(2013-05-07 15:29:21)
9.  9-ナイン(2007)
レンタルショップで何気なく陳列されていたパッケージを手に取り、何気なくレンタルしてみた。 意外な“掘り出し物”だったと思う。日本では劇場未公開だったようだが、個人的には断然好きな映画だと言える。  「SFサスペンス」とジャンル分けされていたが、果たしてこの映画が「SF」であるかどうかは懐疑的だ。確かに捉えようによってはそう言えなくもないが、やはりそれよりはもっと超越したものを対象とした話だったと思う。 サスペンスであることは間違いないので、ストーリーの詳細は避けなければならないが、そういうジャンル分けが難しい部分が、観る人によっては面白味にもなるし、逆に陳腐に捉えられてしまうかもしれない。 おそらく、そういったハリウッド映画には珍しい“不確かさ”が、日本で劇場公開に至らなかった要因かもしれないなと思う。  決して完璧に完成している映画ではない。説明不足な点も非常に多いし、整合性に欠ける部分もある。 しかし、それこそがこの映画の中で終止描かれる「9」の概念であるように思える。つまりは、ほぼ完璧ではあるが、「10」に対して絶対的に完全ではないという存在性。 サスペンスフルな展開の中で徐々にあらわになっていくその哲学に近いSF性にぐいぐいと引き込まれていった。   先日観た「SUPER8/スーパーエイト」から個人的に俄然注目株となったエル・ファニングが出演しており、姉ダコタ・ファニングに劣らないその子役ぶりは圧巻だった。  また、劇中で偶然を演出する誕生日の設定が僕の誕生日と同じだったりして、何となく“運命”を感じる作品だった。  端的に表現するならば、「藤子・F・不二夫のSF短編と、バーチャルリアリティを売りにしたオンラインゲームと、モンスターエンジンの“神々”コントをごちゃまぜに足して割った感じの映画」といったところか…………分かりにくいな。  全編に散りばめられたピースを一つ一つはめ込んでいきながら、たどり着いた「真相」に対して自分が構築した完成図がマッチしているかどうか、あれやこれやとイメージを繰り広げて楽しむべき映画だと思う。 
[DVD(字幕)] 8点(2011-07-12 15:12:47)
10.  ナイト&デイ
長年映画を見続けていると、面白い映画と面白くない映画の判別は大概的確に出来るつもりになっている。 トム・クルーズとキャメロン・ディアスという、“今更感”たっぷりの「二大スターの共演」というアピールポイントに対して、まるで新鮮味が感じられず、劇場公開時には完全に「面白くないだろう」とスルーしてしまった。  そんなわけで、レンタルショップの新作コーナーにパッケージが並び始めてから数週間経ってからようやく鑑賞。  いや、参ったね。大雑把で馬鹿馬鹿しい映画だが、きっぱりと面白かった。 自分の判別能力の未熟さを痛感するとともに、これだから映画は面白いと再確認させてもらった。  ストーリー展開に特筆するほどの驚きはない。概ね、予想されたストーリー、そして予想されたエンディングが映し出される。にも関わらず、「面白い」と断言出来ることこそが、良い映画である証明だと思う。  ピークは過ぎたと言わざるを得ないスター俳優を強引に共演させて、見慣れた派手なアクションと都合の良いストーリー展開でハッピーエンドを迎える程度の映画だとばかり思っていた。  しかし、実際に映し出されたのは、予想を遥かに超える痛快さと愉快さと愛すべき馬鹿馬鹿しさを携えた、長年ハリウッドの娯楽映画に親しんできた映画ファンにとって“ハッピー”なアクション映画だった。  中盤までは、もっと若くて生きの良いスターを起用した方がもっとアグレッシブな映画になるんじゃないかなどとも思った。 でも、ラストシーンの頃には、それぞれの哀愁も含めて、主人公の二人のことが大好きになっている。 終始追いつめられた状態で突き進む彼らの姿が、次第にトム・クルーズ、キャメロン・ディアスの俳優としての存在性に重なってきて、「もう後戻りは出来ない」という思いがやけに生々しく伝わってきた。 それは、“スター俳優”の力量であり、彼らの意地だったように思う。  ラストの顛末は、ベタなハッピーエンドのようにも見える。 けれど、強大な追っ手から逃れるように何も持たない二人が、ひたすらに南米の最南端に向かっていく姿には、刹那的な幸福を求める儚さも感じられた。   “粗”なんて数え上げれば切りがないけど、面白いんだからそんなものどうでもいいじゃないか。 と、ある意味、心から「安心」してみられる「安全」な映画だ。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-06-25 02:43:03)(良:3票)
11.  9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~ 《ネタバレ》 
タイトル通りに、“奇妙な人形”の「奇妙」な映画だった。ただし、その「奇妙」さが、決して映画としての“深み”に直結しているというわけではなく、想像以上に「淡白」な映画と言わざるを得ない。  ふと目覚めたつぎはぎの奇妙な人形、背中には意味深な「9」と文字。「荒涼」と化した世界に降り立ち、謎に溢れた冒険が始まる。 オリジナリティに溢れたクオリティーの高い映像は冒頭から圧巻で、印象的なイントロダクションに期待感は益々深まる。  しかし、そこから繰り広げられるストーリー展開は、王道的というよりもチープ。 破滅した世界に残された9体の人形と、世界を破滅させたマシンとの攻防は、アクション性が想像以上に高い反面、プロットに工夫が無い。  映画としては成立しないだろうが、台詞やモノローグ一切無しで、クオリティーの高い映像をひたすらに流しっぱなしにした方が、よっぽど「面白い」と思わさせるような、中身の無い勿体ない映画だったと思う。
[DVD(字幕)] 4点(2011-02-26 10:35:27)(良:1票)
12.  渚にて 《ネタバレ》 
終末戦争の果て、確実に「滅亡」に突き進む顛末を描きながら、この映画では、爆弾が爆発するシーンも無ければ、人が絶命するシーンすら無い。 残された人間たちの、“最後の時”を迎えるまでの僅かな日々を、淡々と描き連ねる。 「悲劇」に対する悲壮感も、感動も努めて排除されているように思う。  だからこそ、異様とも言える「恐怖」をひしひしと感じる。  この映画に“救い”は無い。 核戦争により滅亡を決定づけられた人類。かろうじて直接的な被害を逃れたオーストラリアにて、残された日々を生きている。 すがるように追い求める幾つかの「希望」は、次々と儚く崩れさっていき、全世界を覆い尽くそうとしている放射能汚染により、着実に滅亡に突き進んでいる。  「希望」を失った人類たちに残された道は、ただただ淡々と“その時”まで生きること。 その人間模様をそのまま淡々と描き、ラスト、無人となった街のカットで締める潔さに、映画としての多大な説得力と、テーマに対する真摯さを感じた。  冷戦の最中、核の脅威を描いた幾つかの名作に共通することは、決して安直なハッピーエンドを描かないことだ。 人類が直面する「危機」に対して、極めて真剣に問題提起を試みている結果だと思う。  今、そういう映画はほとんど無い。 冷戦という時代背景はもちろん過去のものだが、だからと言って、“脅威”が消え去ったわけでは決してない。 今日のニュースでも“となり”の国の半島で起こった「愚行」を延々と伝えている。  “脅威”に対する危機感の薄れ。 そのことこそが、今の時代に最も恐怖すべきことのような気がしてならない。
[DVD(字幕)] 8点(2010-11-23 23:03:38)(良:2票)
13.  ナイト・オン・ザ・プラネット
自分自身もすっかり大人になってしまい、深夜のタクシーに乗る機会も度々あるようになった。  大概の場合酔っ払っていて、繁華街から自宅までのせいぜい20分間程度の道のりなので、特に何があるということはないけれど、タクシーの中というものには独特の雰囲気があると思う。  その雰囲気は、全く見ず知らずの運転手と客との間に生じるその場限りの「空気感」によるものだと思う。  地球という惑星のあちこちで、全く同時刻にひっそりと織りなされたタクシー運転手と客らによる5つのショートストーリー。 ジム・ジャームッシュらしい淡々とした語り口で繰り広げられるこのオムニバス作品には、本当に何気ない人間同士の関わり合いにおける素晴らしさが溢れている。  それぞれのストーリーの登場人物たちが、その束の間の出会いによって、何かが変わったということは決してない。 ただそれでも、その一つ一つの出会いが、次の瞬間の人生を築いていくということを、この映画は、深夜の静寂の中でしっとりと伝えてくる。  とても良い映画だと思った。
[DVD(字幕)] 8点(2010-08-13 13:02:33)
14.  NINE(2009)
劇中、ジュディ・デンチが言う。「映画には歌がなければ」と。そして、御年75歳の大女優が惜しげもなく歌って、踊る。このシーンがこの映画のハイライトというわけではないけれど、その様には映画というエンターテイメントが持つ本質的なエネルギーに溢れていて、彼女が言ったことは正しいと思える。  「シカゴ」のロブ・マーシャル監督が、アカデミー賞受賞俳優たちを豪華に揃えて描き出した渾身のミュージカル映画。それは、ミュージカル映画好きとしては、たまらなく魅力的なイントロデュースだった。  仕事を終えた週末、公開されたばかりの今作をレイトショーで観に行った。  名優ダニエル・デイ=ルイスが演じる主人公の映画監督が苦悩する様を取り囲むように、7人の女たちが入れ替わり立ち替わり現れては、彼の妄想の中で歌い踊り消えていく。 新作映画の制作を目前に控えて、アイデアが枯渇した映画監督の脆く弱々しい優柔不断な様を延々と描いていると言えばそれまでだが、繊細な男の悲哀と葛藤を、ミュージカルという形できちんと描き出していると思う。  主演のデイ=ルイスをはじめ、主要キャストが織りなすミュージカルシーンは、とても丹念に作られ魅力的だ。 ただし、残念だったのは、それらのシーンがあくまで「舞台」上でのミュージカルを撮影という手段で切り取ったという範疇を出なかったことだ。 今作は、ブロードウェイミュージカルの名作を映画化した作品であり、それならば映画化する必要はあまりなく、ブロードウェイのライブの迫力に勝ることは到底不可能だ。  映画化するのであれば、映像世界だからこそ出来るミュージカルの表現を追求してほしかった。  豪華女優陣の“競演”も、それぞれが単独で挑んだミュージカルシーンを付け合わせただけという印象にとどまり、映画としての一体感が無かったように思える。  ただそれでも、冒頭でも記している通り、豪華で実力者揃いのスターたちが歌って、踊る様には、圧倒的な力強さがあり、それだけで充分すぎるエンターテイメントであることは間違いない。
[映画館(字幕)] 7点(2010-03-22 02:28:15)
15.  7つの贈り物 《ネタバレ》 
主人公のベンは、見ず知らずの他人7人に対し、“ある計画”の上で各人の運命を変える“贈り物”を与えていく。 主人公を演じるウィル・スミスの瞳の中に在る決して消えることのない“愁い”が、とても印象的な映画だった。  主人公の「行為」が本質的な意味で正しいかどうか、それを判断することはとても難しい。 別の方法を選択すべきだったとも思うし、本人にとってはそれ以外無かったという決断も理解できる。  自らの中で膨張する思いに耐えきれず、断固たる意志のもとに下した"決意”は、その正当性を度外視して、心が揺さぶられる。 そして、その一連の行動の中で、残酷にも恋に落ち、愛の元で最後のプロセスを実行する様に、涙が溢れた。  この映画は、観客それぞれの価値観において、大いに是非が分かれると思う。 ただ僕は、一人の男がひたすらに苦悩し、不器用で愚かな決断をする姿に、人間の人間らしい部分を感じずにはいられなかった。 物語の美徳的な部分ではなく、そういう人間の不完全さを目の前にし、感動した。
[映画館(字幕)] 7点(2009-02-21 20:19:02)(良:1票)
16.  ナンバー23
ジム・キャリーが本格的なダークサスペンスに挑む。これはとても期待が大きかった。 ジム・キャリーといえば絶対的なパフォーマンス能力に優れたコメディ俳優であるが、独特の風貌と、存在から発散される特異な雰囲気は、ダークサイドでも輝くと思っていた。 事実、「23」という数字に惹かれ、支配され、崩壊していく主人公を実に妖しく演じきってみせたと思う。  映画自体の雰囲気も非常に妖しく、美的かつ悪魔的な映像世界を創り上げている。 「23」という数字そのものに人間が支配されていくという発想はユニークで、シンプルだからこそ破滅的なストーリー性を持っていると思う。  ただ、そこまで主人公らがひとつの数字にこだわり、呪われていくそもそもの理由が今ひとつ明確ではないため、リアリティという面では事欠いた部分がある。 が、当たり前であるが、これは映画であり、根本的に創りものである。 描き出された世界に一貫したテーマ性と、空気感があれば、それで問題はない。 
[映画館(字幕)] 6点(2007-11-24 09:50:45)
17.  ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
あんなガリガリの骨の化け物青年の人形に、これほどまでに“人間性”を植え付けるとは。この映画は、実写なのか、アニメなのか、もちろんそんなことはどーでもいい。ただただ奇妙で可笑しい世界の住人たちが繰り広げる唯一無二の世界観を楽しめばいい。 ティム・バートンの新作「コープス・ブライド」の後に観た。「コープス~」と比べて映像的な完成度はそりゃ低い。だけれど、その秀逸なチープさが尚更に心をくすぐる。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-01 23:09:50)
18.  NARC ナーク
期待していたよりも、ストーリーとキャラクターの設定がありきたりだったという感は否めない。あまりにもストーレートな展開には、“隠された真相”を探る秀逸なサスペンスを期待していた者としては少々物足りなかったというのが正直なところ。しかし骨太な刑事ドラマを最初から想定していたのなら、その圧倒的な重量感には満足できたであろう。レイ・リオッタの好演者ぶりは予想できたが、驚かされたのはジェイソン・パトリックである。全米で最もセクシーな俳優として(ほんの一瞬だけ☆)騒がれ、あわよくばスターダムにのし上がろうとした瞬間に見事にその階段を踏み外し、転落していったこの俳優のこれほどまでの豹変ぶりを誰が予想しただろうか。もしかしたら、彼の俳優としての怒涛の反撃をこれから先、幾度となくあびることになるのかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 6点(2004-09-17 02:17:25)
19.  ナインスゲート
導入部をはじめとする映画的な雰囲気は非常に味わい深い怪しさに包まれ引き込まれたけど、ストーリーが進むにつれどんどんシラけてゆき、どうしようもなく陳腐なラストの顛末には興ざめもいいところだった。一部ではあるが目を見張るところもあっただけに、あまりに弱い詰めに落胆する。
2点(2003-12-24 01:42:52)
20.  ナチュラル・ボーン・キラーズ
タランティーノの原作とオリバー・ストーンの作風とが合っているようで微妙に違和感があった。タランティーノらしいバイオレンスストーリーであるが、そこにカラっとしたセンスの良さはなく、ストーン調のギトギトした空気感が気持ち悪かった。オリバー・ストーンから持ちかけた企画かもしれないが、彼が監督をする意味はなかったように思う。
3点(2003-11-08 11:19:31)(良:1票)
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