1. ボディ・ハント
《ネタバレ》 7点か8点かくらいで迷うくらい面白かった。終盤のどんでん返しまでストーリーがよく練られていて面白いです。 ラストは「妹思いの兄が妹と共に死ぬ」、そんな物悲しいホラーを想像していたのですが、全然違いました。 ヤク中でサイコパスな母に育てられた、サイコパスな兄の、サイコパスなサスペンス。 あるシーンで、「あ、妹は終始暴れているわけではないし、鍵を取るような知恵もあるんだぁ~」と思ったら、まったく違いましたね。そもそも妹ですらないし。部屋に入ってきた兄に襲い掛かったのも納得。そういえばライアン以外の人間に襲い掛かるシーンはひとつもない。よくできてるな~。部屋から抜け出すときに包丁を手にしたのも、ライアンを刺すため?じゃあライアンに見つかって口を塞がれたときに、ライアンを刺すことはできなかったんだろうか?う~ん。 あと、視聴者をミスリードさせるためとはいえ、少女のあの走り方はいただけない。逃げようとする人の走り方じゃないでしょ。なんか獲物に襲い掛かるかのような走り方。少女がなにもしゃべらないのも不自然。エリッサの家まで来たなら、「助けて~」の一言くらいあっても良さそう。 とまあ、振り返ればツッコミどころはわんさかあるのですが、観ているときはもちろん気付かないわけで。 エリッサとライアンのハッピーエンドを期待していた身としては、気持ち良いくらいに騙されました。 両親は女装させられたライアンに殺されちゃったのねぇ~。そりゃ両親が悪いわ。 ・・・・・Σ(゚□゚;) なんか見覚えある女優さんだと思ったら・・・・カットニス・エヴァディーン演ってた人だ~ [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-09-24 22:58:24) |
2. 北北西に進路を取れ
《ネタバレ》 ヒッチコック作品のなかでは一番好きかもしれない。ダイヤルⅯも良かったですが、好みで言えばこちらが上。当時の都会の様子なんかがわかるのも楽しい。なんだかんだ言って、やはり潤沢な予算で撮られた映画ってスケールが大きくて良いもんです。これぞ映画って感じです。 オープニングの拉致シーンはあまりに強引でしたが、『ああ、これはコメディなんだ』とわりきって見る良いきっかけになりました。 ロジャー・ソーンヒルが、最初のほうこそオバカさんでしたが、途中からかっこよく見えだして良いキャラでした。 そしてヒロインのイヴ・ケンドール。この人がとっても素敵。『あ、やっぱりバンダムの愛人だったんかい』っていうのは残念ポイントではありますが。それ以外はパーフェクト。人生最大のピンチで味方が誰もいないときに、あんな美女が助けてくれるなんて夢のようです。 一般人だったイヴを都合が良いからとスパイにしたてあげてたわけですが、素人があんなに上手く立ち回れるなんてご都合と言えなくもない。ロジャーも途中からスーパーマン化して、ロッククライミングみたいなことまでやりだしたときにゃあ笑っちゃいました。 本物のタウンゼントはなぜ殺されたのかなど、不明瞭な点が放置されたまま。最近の映画に見慣れていると、決して完成度が高いとは言えないかもしれません。 ただ、ラストに崖のシーンから列車のなかへジャンプするシーンなど、もしかすると今、映画やテレビ業界で当たり前のように使われている手法の先駆者はヒッチコックだったのかも。そー考えると、やっぱ偉大な監督さんですよねー。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-08-18 02:43:34)(良:1票) |
3. ボーン・レガシー
《ネタバレ》 ジェイソン・ボーンの遺産ということか。ジェイソン・ボーンが前3部作で好き勝手やったから、ほかの工作員たちが証拠隠滅のために消されちゃうストーリーという認識でまちがってないですか?前3部作を断片的なシーンでしか覚えていないので、ボーンが何やらかしたのか全然覚えていないんですけど・・・。 今作のストーリーは組織の追手をかわしながら、薬、もしくは薬の代わりとなるワクチンを手に入れるというもの。だから逃げの一辺倒。アクションのレベルが高いので、逃げながら戦うスタンスでも、それはそれで面白い。面白い・・・んだけど、やはりそれだけだと物足りないですね。カタルシスに欠けます。 アーロンVS他の工作員、という夢の対決もなし。 さすがに面白味に欠けるので、美人研究員という華でも添えておくか、といった感じ。 それから、個人名がたくさん出てくるだけでも大変なのに、トレッドストーンとか、ブラックブライヤーとか、アウトカムとか・・・もうパニックです。私が前作見たとき、まだこの映画公開されていなかったので、見るのがこんなに遅くなってしまって・・・。もう覚えているわけない・・・。 え?なぜ復習しないのかって? え?いつから映画は復習しておかないといけなくなったの?娯楽なのに? [ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-06-21 03:01:58) |
4. ホビット/決戦のゆくえ
《ネタバレ》 3作の中では一番面白い。そりゃそうです。きっちり決着をつけたわけですから。 もちろん、言いたいことは山ほどあります。 前作からさんざんひっぱってきたのに、竜スマウグの最期あっけなさすぎない? お化けミミズは穴ほるだけ?サウロンの出番それだけなら出てこなくていーよ。 ラストは最終決戦みたいな感じで始まったのに、気付けばトーリンたちの戦いばっかりだよ。他の人たちの戦いはどーなったの?あれだけいたオークやトロールはやっつけたの?退散したの? 財宝は結局どーなったの?エルフの王は欲しかった宝はもらったの?港町の再建はどーなったの? 助けに来てくれたラダガストや獣の人はほったらかしなの? ドワーフの王国エレボールは結局どーなったの?次の王は誰がなるの? これだけの長尺にも関わらず、そーいった大事なことは何一つ教えてくれない。 気づいたら、ビルボとガンダルフはホビット庄に着いちゃってる。 で、ビルボは死んだことにされてて、家の家具が競売に・・・って、そんなどーでもいいことに尺を使うんだったら、もっと大事なことに・・・まあ、いいや、どーでも。 それにしても闇の軍勢は騎士道精神にあふれていましたねー。 人間とエルフとドワーフが同士討ちするのを待ってから叩けば絶対勝てたのに。わざわざみんなが集まっているところに正面から正々堂々と戦いを挑んで・・・。ドワーフとエルフと人間の諍いを止めたのは他ならぬオークたち。感謝せなあかんで、ほんま・・・ [ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-05-18 15:26:32) |
5. ホビット/竜に奪われた王国
《ネタバレ》 おいおい、まじかよ。すげー途中で終わるじゃん。ここまで当然のように途中で切り上げられると、逆にすがすがしいと言えなくもない。 樽に乗っての急流下りバトル。ラストのVSドラゴンバトル。この2か所は見所と言っていいと思います。蜘蛛とのバトルも悪くはなかったですね。 要所要所は面白いんですが、やはり1本の映画としては盛り上がりに欠けます。「ドキドキ」も「ハラハラ」も「ワクワク」もしない。 登場人物たちの感情が見えてこないのも、没入感を阻害している一因かも。 まず、旅に出るのを一番渋っていたビルボに、最も重要で危険な任務をまるなげし、ビルボもそれをすんなり受け入れるっていうのがよくわかりません。 終盤、アーロン石をめぐってトーリンとビルボに確執みたいなものが生まれるシーンがあるんですが、それは放置のまま映画が終わっちゃう。そりゃ竜に襲われていたらそれどころじゃないのかもしれないけどサ。せめてこの映画の中で、その確執に一応の決着はつけましょうよ。こんだけ尺長くとってんだからさ・・・。 ガンダルフは時間守らないし。トーリンはガンダルフとの約束守らないし。 なんか中心人物のトーリンがどーにもいけ好かないやつなのが問題なんだろーなー。 そしてガンダルフ。原作を知らないから仕方ないのかもしれませんが、今回のガンダルフはいったい何がしたかったのかまったくわからなかった。いったい、どーなっていたら正解だったの?おしーえてー、おじいーさんー。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2023-05-16 14:56:14) |
6. ホビット/思いがけない冒険
《ネタバレ》 ホビットの冒険。仲間はドワーフ。というより、ドワーフの冒険。その仲間のホビットでした。 ロード・オブ・ザ・リングのスピンオフ的な作品だろうと期待はしていませんでしたが、この手のジャンルは好きなのでつい手がのびちゃいます。満足できる作品に出合えることはめったにないんですけどね。 ってゆーか、この映画長くない? 最初の30分、まるまる削っちゃっても良いよね?もしくは10分くらいに、コンパクトにまとめてほしいです。 ゴラムとのなぞなぞ合戦もひっぱりすぎ。何回なぞなぞ出し合うのよ。映画なんだから。削れるとこは削ってくださいな。 冒頭30分のドワーフたちの来訪が結構イライラしちゃいました。ガンダルフもこんなに図々しいキャラでしたっけ? ビジュアルも地味。みんなチビだし。ホビットとドワーフなんで仕方が無いことだとは思いますが。 でもいざ冒険が始まってみると、これがなかなか面白い。よくできています。 トロールとの戦い。オークとの戦い。ゴブリンとの戦い。ネクロマンサーなんてのも出てくる。 最初は見わけがつかなかったドワーフたちも、『イケメン』『パチンコ』『弓』と、それぞれの個性を発揮して良い感じ。 RPGのような景観や世界観。アトラクションのようなアクション。そーいったものが好きなら楽しめるでしょう。 個人的には冒険ものに欲しい『ハラハラ』『ドキドキ』『ワクワク』はどれもいまいち感じることができず、あと一歩といったところ。 グリフォン?レイブン?なんにせよ終盤、大きな鳥たちが助けに来てくれるわけですが…ガンダルフ、そんな便利な奥の手があるならもっと早く…とか思うのはこのテの映画ではきっとタブー。 ・・・・ってゆーか、この映画、長くない?(2回目) [ブルーレイ(字幕)] 5点(2023-05-15 02:35:18) |
7. 僕のワンダフル・ジャーニー
《ネタバレ》 前作は1つ1つのエピソードに起承転結をしっかりつけ、スピード感がありました。前作と比較すると、今作は全体的にややスローペースでもったりしていたかも。1エピソードの完成度の高さや見ごたえは前作に軍配が上がるかもしれないですね。 こちらの作品が良かった点としては、『CJの側にいて、CJを守ってやってくれ』、このイーサンの言葉をベイリーが守り抜いたこと。この約束を守るという目的を一貫させたことで、大きな1本のストーリーとしてきれいにまとまった印象です。そのぶん、ベイリーはもちろん、CJやトレントに深く感情移入しながら見ることができました。 また、今作ならではの伏線のはりかた、その回収の仕方も素敵だったと思います。 モリーの章でガンの匂いを嗅ぎ分けるスキルを身に着けたベイリー。マックスに転生してから、トレントのガンを発見する。そのおかげでトレントは命拾いする。CJもマックスがモリーでありベイリーの生まれ変わりであるとの確信を得るきっかけになる。トレントに引き合わせてくれたのもおそらくベイリーだとの結論に至る。それが最後の一押しになるなんてロマンチックじゃないですか~。 イーサン達と違って、多少すれ違いはしたけれど、若いうちに二人が結ばれて子供もできて。前半が胸糞展開だっただけに、このハッピーエンドは本当にうれしい。 ただ、これは個人的なワガママなのですが、最後の犬種は大型犬が良かったなぁ。ラブラドールとか。ハスキーとか。ラフコリーとか。もしくは秋田犬や柴犬なんかの日本犬でもいいなあ。 なんで最後ヨークシャー・テリア?いや、かわいいよ、ダメジャナイヨ。でもなんか違うんだよなぁ。 紅白の大トリで10代のアイドル出てきたら変ですよね?・・・つまり、そんな感じ。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-04-16 23:35:28) |
8. 僕のワンダフル・ライフ
《ネタバレ》 犬好きな妻と犬好きな自分。2人で鑑賞。 ファンタジーなゆるいホームドラマを想像していたのですが、思っていたよりシビアな展開に妻は泣きっぱなしでした。 DV気味な父親がなにかしでかすのかと思いきや、まさかのクラスメートの凶行で人生変わっちゃうなんて・・・ イーサンもハンナもかわいそうで見ていられなかったです。 『もうずっと遊んでもらって無いよ。』って、農業学校に行くイーサンを追いかけるベイリー。もう、いったい何回泣かせる気なの・・・。 『生活が全部スローペースに。もう遊ぶ元気もないよ。』もう、いったい何回泣かせる気なの。 次の犬生は警察犬。名前はエリー。このエピソードもかなり良かった。最後は大活躍なんですが、そのせいで帰らぬ犬に・・・もう、いったい何回泣かせる気・・・ 次の犬生はコーギー。ここが一番ほっこりしているかも。 飼い主さんは、ベイリーがキューピッドになって結婚まですることになるし。生まれた子供と遊ぶコーギーが最高にかわいい。こーゆー幸せなエピソードをこのタイミングで差しはさんでくれるのは気が利いています。 そしてラストエピソード。とんでもない飼い主たちに拾われたかと思いきや、まさかの展開。 ラスト2つのエピソードが幸せなオチで本当に良かった。 まあ、失われた時間が戻ってこないことを考えると、多少複雑ではありますが・・・ ゴールデン、シェパード、コーギー、セントバーナード? 犬はどれも最高にかわいかったです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-04-05 01:26:39)(良:1票) |
9. ホット・ゾーン
《ネタバレ》 愛すべきザ・B級映画。低予算。田舎町。見たことのない出演者たち。でもそれが良いんです。 ストーリーも演出も、どれも使い古されたものばかり。でもそれが良いんです。 チャチな演出ばかりですが、パニックものとしてはきれいにまとまっているほうじゃないでしょうか。住民の不満をきちんと描く丁寧さは大事。脱出しようとして軍に始末される住人のエピソードも大事。蛇も怖いが暴走した権力も怖い。 あ、それからこの映画では蛇がそれなりに怖く描けている気がします。蛇がたくさんいるときの気持ち悪さは言わずもがなですが、どこに潜んでいるかわからない恐怖、そこから生み出されるドキドキ感はなかなか良かったとおもいます。 予算をかければもっと壮大なスケールで派手な演出盛り沢山のスペクタクルなパニックムービーとなっていたかもしれません。 でもこのこじんまりとした感じ。これに何とも言えぬ味わいを感じてしまいます。 [DVD(字幕)] 6点(2021-07-08 05:24:17) |
10. ボルト
《ネタバレ》 これは『犬版トゥルーマンショー』ですね。 好みでいくと、正直そんな好きなタイプではないです。勘違い系って、見ている間ずっともやもやしちゃうんですよね。 個人的にはこの作品のピークはプロローグ。予備知識なしで見たので、ボルトが本当にスーパードッグって思ってました。『実は違います』って言われたときの落胆。もしかするとボルトの気持ちに一番共感できたのは私かもしれない。 むしろ、スーパードッグっていう設定で、SFアクションまっしぐらのほうが面白かったんじゃないかと思えるほど、プロローグが素晴らしすぎましたね。現実世界に投げ出されたボルトがヒートビジョンやスーパーボイスを使おうとするたびに、なんか痛々しくて見ていられませんでした。 トイ・ストーリーのバズも勘違い系ではありましたが、あちらは楽しく見られたんですよね。この違いはいったい何でしょう。 ネコのミトンズは良いキャラクター。一番好きかも。最初のジャイアンみたいな登場の仕方がいただけません。あれのせいで、『弱者を虐げ、強いものに媚びる』というヤなイメージが途中まで抜けなかったのです。 ミトンズが自分の過去を告白。ボルトと自分の寝床を作り、暗に一緒に暮らそうと示唆するシーン。このけなげさと切なさは何気にぐっと来ます。この辺りから感情移入しまくっちゃって・・・そこからラストまでは素直に面白かったです。 ペニーのために火の中に飛び込むボルト。最後の力を振り絞ったボルトの遠吠え。あれはまぎれもなくスーパーボイスでした。ボルトを最後にホントのスーパードッグ、スーパーヒーローにするディズニー。こーゆー王道の演出をさせたらディズニーの右に出るものはいませんね。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2020-03-16 00:55:16)(良:1票) |
11. ボディ・スナッチャーズ
《ネタバレ》 この作品は、『街』が凄く似合うシリーズだと思うんですよね。 『日常』がすり替わる恐怖。『隣人』が『隣人』でなくなり、『家族』が『家族』でなくなる恐怖。それがこの映画のミソ。舞台が『街』から『軍事施設』に変わっちゃえば、その恐怖感ってどうしても薄れちゃいます。 また、この映画ではすり替わられる前の描き方がちょっと足りないです。父や弟や女友達はまあいいでしょう。でもそれ以外の人たちは、会ったときからすでに変。そうじゃないんですよねー。どうもこの作品はこのシリーズの良さってのをちゃんと理解できていない気がする。 マジョリティからマイノリティになってしまう恐怖というものをもっと描けていたならば、ガブリエル・アンウォーに頼らなくとも、もっと高い評価を受けていたかもしれません。『SF/ボディ・スナッチャー』や『インベージョン』に比べると、あらゆる面でワンランク劣ります。3作品の中では『インベージョン』が一番面白いかな。 [DVD(字幕)] 5点(2019-09-23 00:22:21) |
12. ポセイドン(2006)
《ネタバレ》 正統派パニックムービー。オリジナルは未見。だからなのかもしれないですが、素直に面白かったです。 ビッグウェーブにより豪華客船が一瞬にして転覆。CGによるビッグウェーブの映像は圧巻。CG、特殊効果、大好きな私としては「これこれ!」って気持ちになります。豪華客船転覆のパニックが、まず最初の見所でしょう。 船がさかさまになって、きらびやかな世界が一転。これぞパニック映画の醍醐味。栄華が崩れ去る瞬間ってのは、ある種のカタルシスさえもたらしてくれます。これは一部のゾンビ映画なんかにも共通する感覚です。 後半は豪華客船からの脱出。船はさかさまになっているのでまともなルートはなし。つまりここからはアドベンチャーになるわけです。パニックムービーながら、広い豪華客船からの脱出はある種のわくわく感があります。広くて高さのあるエリアでの、奥行きのある映像は美しささえ感じます。 脱出メンバーが子供も含め、老若男女全員揃っているのが良い。エレベーターや排気口のルートは、手に汗握る難所。何度も水中に閉じ込められるシーンがあり、こちらまで息苦しさを感じる臨場感。ディランがややスーパーマンすぎるきらいはあるが、それをふまえてもスリルに満ち溢れたA級エンタメパニックムービーです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-05-30 01:11:39)(良:1票) |
13. ホステル
《ネタバレ》 問答無用の殺戮ゲーム。かなりグロい上に悪趣味。だから人格を疑われそうで嫌なんですが、このハラハラドキドキ感は本物なので高得点。この作品はもう『脱出劇』として最高にスリリング。また、自分達を騙し、罠にはめた人間たちに逆襲するラストの展開は、爽快感さえあり胸のすく思いです。つまり、基本はスプラッタ要素の強いサスペンスホラー作品に違いない。ですが、ラストのバイオレンスアクション的ノリは、元来やられっぱなしで終わりがちなホラーの常識を、ちょっとだけ爽快なものに変えちゃっているわけです。 だらだらした前半も、『これから何が起きるのか』っていう不穏な空気を纏っているためそれなりに見れます。そしてオリーがいなくなった辺りから、俄然緊張感が増していくわけですが、その種明かしが『人間ハンティング』っていうのは、あまりにも安っぽかったですね。もっと意味のわからない狂気。もしくは国家権力がらみの狂気を想像していたので、少々肩透かし。 また、パクストンが助かるのであれば、パクストン以外の生贄の見せ方が大事だろうと思うのですが、そういった意味ではオリーやジョッシュといった数少ない登場人物を瞬殺しちゃうのはもったいない。 そういえば、ホステルの従業員は明らかにグルなんでしょうが、あの人達は何も制裁受けていないですね。 [DVD(字幕)] 9点(2017-08-14 12:03:18)(良:1票) |
14. ホリデイ
《ネタバレ》 良く言えば丁寧な作り。悪く言うと丁寧なだけの作品。 『恋愛が上手くいかなかった二人の女性。傷心旅行を兼ね家を2週間交換。その2週間のうちに新しい出会いがあり、恋をする。』 たったこれだけのことを延々2時間以上。このスローテンポでいくのであれば、もっとドラマ性を持たせて欲しい。コメディ調で楽しくしたいのであれば、もっとテンポ良く、メリハリを利かせてほしい。この作品は、キャストの知名度、魅力、演技力におんぶにだっこ。それを巷では『手抜き』って言うんじゃないの? キャメロン・ディアスもケイト・ウィンスレットも好き。だから見たといってもいい作品です。結果は期待はずれ。 出てくる人達は皆良い人。好感が持てる人達ばかり。逆を言えば、その好感度だけで2時間を押し切ろうとしている風にも見えます。 好きなシーンは結構あります。アマンダがグレアムの家を初めて訪ねるエピソード。娘達との交流。アイリスがロスにやってきたジャスパーを追い返すシーン。この辺は結構好き。素直に良かったと思えます。それぞれの人物の魅力が最大限に描かれている良いシーンです。 やっぱストーリーのつまらなさでしょうね。 根本的な解決がされないまま迎えるラスト。雰囲気だけで盛り上がるハッピーエンド。この作品に相応しい、中途半端な終わり方です。 全然関係ありませんが、ラブコメを敬遠される方って、『食わず嫌いな人』が多いと思っています。そんなラブコメと疎遠な方には、逆にウケるかもしれないですね。ラブコメ好きな方は目が肥えていらっしゃるので、今更この作品じゃ盛り上がれないんじゃないかなー。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-06-16 11:20:14)(良:2票) |
15. ドゥーマ
《ネタバレ》 ドゥーマとの出会い。父親の病気、死別。母親との新しい生活、新しい学校。 ドラマ性が強い序盤、正直面白いのはここまでだと思います。 主人公の男の子がドゥーマを自然に帰しに行ってから物語は失速。 そこから先は男の子一人とチーター一匹のロードムービーなわけですから、当然人間ドラマなんてないわけです。 ようやく出会った旅人、っていうかバイクドロボー?目的不明、素性不明で怪しさ満点。これはちょっとテイストが変わってくるぞ、と期待します。いったい何者?善人?悪人?ってね。で、結局どっちかつーとただの善人で凡人です。 つまり、序盤の人間ドラマから、中盤以降はアドベンチャー形式のロードムービーと移行するわけですが、このアドベンチャーがどうにも弱いんです。『ファミリー向け』という大きな壁が、この作品から『スリル』『緊張感』『刺激』、そういったものを根こそぎ奪っています。 よって映画としてはとても中途半端。腰が引けてると言い換えても良いでしょう。 友情や家族愛を訴えるドラマとしては浅く、アドベンチャーというにはあまりにもつまらない。 『激流』『ワニ』『ライオン』、危機という危機がすべてだだすべり。 唯一主人公パーティーをわかりやすく窮地に陥れたのは『虫』。虫か・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2017-05-24 02:55:27) |
16. ポリーmy love
《ネタバレ》 なぜ出会ったばかりのポリーにそこまで夢中になれるのかがわからないため、ルーベンにまず共感できません。 寂しさを紛らわすためだけに、次の女に手を出しているように見えて仕方がないのです。 つまりは、ポリーである必然性が感じられない。もし会場で偶然出会ったのがポリーではない誰か別の女性であれば、その人にも同じようにアタックしたのではないでしょうか。 で、個人的には、ポリーにもそこまで魅力を感じることができません。 つまるところ、ヒロインには魅力が足りず、ルーベンには共感できないのです。 コメディとしてはどうでしょう?私は過剰な演出があまり好きではないので、この作品のコメディは肌に合いません。 下ネタも多く、下ネタが苦手な人にはウケないと思います。 これは作品の出来の良し悪し以前に、完全なる好みの問題です。 ちなみに、私の嫌いなシーンベスト3。(本当は10くらいあるのですが・・・) 3位。サンディがルーベンの代わりに会議で熱弁をふるうシーン。 2位。ルーベンがサルサを踊るシーン。 1位。ルーベンがトイレをつまらせるシーン。 もちろん、面白い部分もあるのですが、大筋のストーリーや全体のバランスを見ると、この作品は大して面白くないと思います。 ラストは一応ハッピーエンドなんでよかったのですが、なんとも煮え切らないまま終わったのでやや消化不良です。 [DVD(字幕)] 5点(2017-03-26 12:06:29) |
17. ボーン・アルティメイタム
《ネタバレ》 シリーズの中で、一番ついていくのが大変でしたね。 疲れた頭にムチうって、頑張ってついていった結果、『え?それで終わり?』っていうのが率直な感想でしょうか・・。 スパイ系アクションとしては見所満載で高水準。常に相手の一歩上をいく、爽快な頭脳戦は健在。 『記者と接触を試みようとする前半。』 『ニッキー・パーソンズ(ジュリア・スタイルズ)と行動を共にする中盤。』 どちらも記者やニッキーを守りながらピンチを脱するという展開が今までにないパターンで面白い。 ジェイソン・ボーンはもう無敵感丸出しなので、『ボーンが守るべき対象を守りきれるのか?』というシチュエーションは、新たな緊張感を生み出すことに成功しているようです。 ただ、今までのシリーズと違い、後半からクライマックスにかけてが今いち盛り上がりません。 『迫りくる危機をどう回避するのか?』の1作目。 『最愛の人を奪った者達への復讐』の2作目。 それに比べると、この3作目の動機はパンチが弱い気がするのです。 正直言うと、3作目ともなると、『ボーンはいったい何者なんだ?』っていうのに、・・・そもそも興味が湧かない・・・。 前菜、メインディッシュは凄い良かったんですけどね!やはり〆のデザートも大事っていうことです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-01-30 04:14:02)(良:1票) |
18. ボーン・スプレマシー
《ネタバレ》 まず冒頭でマリー(フランカ・ポテンテ)が射殺されちゃうのにびっくり。 自分を狙っているのは誰なのか。ボーンに罪をなすりつけようとしているのは誰なのか。 前作より明らかにミステリー色とドラマ性が強い。そして展開が早い。アクションも速い。カーチェイスは凄い。 少年漫画のようなノリはナリを潜め、完全なる『映画』になっていますね。 カメラワークの臨場感も前作を凌いでいる気がします。 手ぶれ撮影が平気、むしろ結構好みな私にとっては、迫力が感じられてとても良かったです。 特にカーチェイスのリアル感は凄い。 今までのカーチェイスであれば、『ありえないでしょ』の神業連発で、なんだかんだ言って切り抜けちゃうのがセオリーっちゃあセオリー。 ところがこの作品は違います。ぶつかる。ぶつかる。 いや、そりゃ急に道路に飛び出したり、車線変更すれば、そりゃそーなるのが普通なんですが、映画ではそーならないのが普通なのに、あえてそれをやっちゃうっていうね。あれ?何を言っているのかよくわからなくなってきました。 個人的にはカーチェイスであんま熱くならないのです。車やレースに興味が無いっていうのもあるんですが。私にとってカーチェイスって、どちらかというと退屈なシーン。であることが多い。 ところがところが。この作品ではもう目が離せません。 すべてのアクションが最高級のレベルで仕上がっていて、それでいて前作の雰囲気を少しも損なっていません。サスペンスアクションの最高級と言ってもいいくらいです。 恋愛要素が完全に排除されたのも、個人的な好みと合致しました。 トレッド・ストーン最後の生き残りとニッキーの使い方が、おいしいけど、ちょっと出番少なくてもったいない気がします。 そしてブライアン・コックス演じるアボット。唯一サプライズ演出をできたかもしれないのに、ステレオタイプの黒幕で悪いやつってのがばればれ。これじゃあダニーが殺されちゃうシーンだって全然驚けません。まさにダニーは無駄死にですね。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-12-31 03:13:58)(良:1票) |
19. ボーン・アイデンティティー
《ネタバレ》 ストーリーはともかくとして、アクションは好き。 『静』から『動』へのシフトが鮮やか。アクションで大事なのはこのメリハリかも。 プロの殺し屋同士の戦いというのは、理屈抜きでワクワクします。少年漫画に慣れ親しんできた者であれば、この作品に心ときめく部分があるはず。 4,000万$(でしたっけ?)かけて作られた人間兵器。その強さの度合いも、比較対象があって初めてわかるというもの。その意味では、ジェイソン・ボーンと戦ったプロの殺し屋たちの強さは合格点と言えるでしょう。また、得意科目に個性が感じられるのも◎ですね。『異種格闘技戦』はこうでなくては。 よって、個人的には、この作品は『ヒーローもの』ではないかと思うわけです。少年漫画で使われても面白そうな題材。こーゆーシチュエーションは、いくつになってもわくわくしちゃいますね。 また、前半から中盤にかけての緊張感は、ミステリー要素が強くてここも◎。この辺りは一級品のサスペンス映画を見ている興奮が味わえます。中盤以降はジェイソン・ボーンの強さがはっきりしちゃって、爽快感は増すのですが、緊張感は半減。要は、『ボーンがこの連中にどう落とし前をつけるのか』ってのが後半最大の見所になるのでしょうが、その点に関しては『賛否』の『否』の意見が多いのもわかる気はします。ただこれは前半の面白さによる期待値の膨れ上がりも要因になっていそうですけどね。確かに大作映画としての深みはそれほどでもないかもしれません。 ですが記憶を亡くした超強い主人公が、機転とずば抜けた戦闘力で次々とピンチを切り抜け、敵を撃破していく。単純だけれども、それだけで映画は十分面白いと感じさせてくれる作品です。 マイナスポイントはやはり恋愛パートかな。個人的にフランカ・ポテンテという女優にあまり魅力を感じません。 だから彼女とのラブシーンも『はあ。』 お金を渡して『逃げろ』って言うシーンも『はあ。』 最後再会できたときだけは、ハッピーエンドで『良かったね。』とは思いましたが、それ以上の感情は湧かず。残念。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-12-25 14:49:43)(良:1票) |
20. ボイスレター
《ネタバレ》 小粒な人生を送る、小粒な自分にとって、小粒なサスペンスこそ最良の友。この作品はスマッシュヒット。これぐらいの規模だからこそ、逆にハラハラできるし、臨場感を味わえちゃうんですね。 ミスリードさせてやろうという空気、なかなか好きですよ。もちろん『ミスリードされるかー。』って思うんですが、それ以前に、これだけ怪しい人たちがたくさんいると、そもそも誰が犯人かなんてわかりません。結局は消去法で、ラスト二人になったときにはじめて誰が犯人かピンときます。それまではもう全然わかんないですよ。それに、展開がわりと速いので、考える間もないです。 こーゆー小粒ながらもしっかりとストーリーを練ってあり、緊迫感もスピード感もあるサスペンスは良質です。意外にも指を切っちゃう視覚的に痛いシーンなんかもちゃんと用意してあります。特に、あの人の指が切られるときが、結構な迫力です。 欲を言うならば、4人から2人に減らすのがちょっと早すぎちゃった気もしますね。ジュディ(でしたっけ?)なんか、もう少し泳がせても面白かったかもしれません。 まあ何にせよ、ラストまでノンストップで盛り上がれるオススメのサスペンスです。 [DVD(字幕)] 8点(2015-04-30 20:01:19) |