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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2526
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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241.  セッション 《ネタバレ》 
 これはこれで見世物としては面白かったんですけど、でも、そうかなぁ? 違うんじゃねえかなぁ? とか思いながら見てたのも事実で。   もっとストイックで研ぎ澄まされた映画だと期待していたのですが、ワリと下世話。なんかエゴとエゴがぶつかり合ってガリガリいってて、ノイズだらけでうるさい映画って感じ。ノイズってのはもちろん音響の話ではなくて、遅刻だの事故だの自殺だの辞任だの告げ口だののゴタゴタした話。そういう人間の生の部分から音楽が生まれてくる、にしたってこの映画は相当にうるさいっしょ、みたいな。   もちろん、努力がとても重要なのは確かなのですが、むしろ、こういう生き方からはそういう音しか生み出されないんじゃね?という感じもして。実際、そのサウンドはそういう音に聴こえて、それは決して耳に心地よい素晴らしい音楽とは違うモノのようで。  なんだか結構一面的なモノを見せられちゃったなぁ、という感じ。こうなるともう自己陶酔、自己完結の世界ですよね。そこにあんまり感情移入はしたくないなぁ(笑)   もっとも、私にそういう拒否の感情を抱かせたのもこの映画なりの強い個性が存在していたからこそなんでしょうけれど。良いか悪いかは別として、見ておいて損は無い映画でした。
[映画館(字幕)] 6点(2015-05-04 13:50:04)(良:1票)
242.  ワイルド・スピード/SKY MISSION 《ネタバレ》 
 「ポール・ウォーカーの死がなければ、ラストの感動も無いから作品の評価も変わる」とすれば、それはポールに対して非常に失礼なワケで、だからあくまで映画は映画として。   5作目が頂点で、あとはまたちょっと下降線辿ってるかなぁ、という気がします。  CGを多用する事で(そもそも最初からCGに頼る事を前提としたプロットになっている事で)画から説得力が欠けてしまっているのは4作目のクライマックス同様。  細かい事はどうでもいい娯楽大作と言っても、脚本の穴は大き過ぎ。見せ場の終わりがエピソードの終わり、だけど車ごと降下してラムジーを救出した後、どうやってあの国から脱出できたの? ビルからビルに飛んだ後、散り散りになっていたメンバー全員どうやって外に出られたの? 結局、見せ場を乱暴に繋いでるばかりなんですよね。  そういう雑な作りだから「仲間ではなく家族だ」とか言ってるわりにハンの死の扱いは軽いですし、せっかくのカート・ラッセルやトニー・ジャーにしても、物語に重要な作用をしておらず勿体ない状態。マイケル・ベイの映画みたいな大味さではあります。「クルマ・おっぱい・お尻・キャットファイト!」みたいな中学生レベルの稚気もマイケル・ベイっぽいですが。  そういうガキっぽさと、ヘンに深刻ぶったドラマと、ビッグバジェットの超大作化とが不協和音を奏でている感じですが、それこそが『ワイルド・スピード』の魅力なのかもしれません。予算タップリな分、見せ場もタップリですし。   ディーゼルは相変わらずの大根ですが、5作目から参戦のドウェインと、今回の悪役ステイサムとで3大ハゲ・アンサンブルを奏でているところはステキ。ドウェインがガトリング銃を手にする画なんて「待ってました!」って感じで。   シリーズを重ねるごとに、どんどんクルマへの拘りが薄くなってしまって(だからこそ空を飛ばそうって発想になるのでしょうけれど)、そこは不満かな。もう少し走りのサスペンスを見せて欲しいところで。今回は徹底して飛翔・落下・破壊で構成されていて、だけどそれはクルマが持つ基本性能と、それが醸す魅力とは全く別のものですからねぇ。   あれこれ文句書きましたが、元々「んなアホな」ってツッコミ入れながら楽しむタイプの映画なので、できればこれからも楽しませて欲しいな、と思います。
[映画館(字幕)] 7点(2015-04-30 20:54:52)(良:1票)
243.  アナと雪の女王/エルサのサプライズ 《ネタバレ》 
 『トイ・ストーリー』『カーズ』『ラプンツェル』同様、ディズニー&ピクサーものの続編短編のパターン、他愛ないドタバタコメディ。なので点数は本来5点くらいのモンです。   『とびら開けて』のエルサ&アナ版みたいな構成で新曲『パーフェクト・デイ』に乗せて(日本語吹替版ではちゃんと松たか子&神田沙也加のデュエットが聴けます)お馴染みの人々、お馴染みの場所が目まぐるしく次々と登場、でも基本はエルサとアナがただひたすらイチャイチャしてるだけ。  だけどそこがいいの。その後の幸せそうな二人を見られるだけで、うふふあははしてる新たなエルサとアナの姿に触れるだけで、ファンはどれだけ幸せを共有できる事でしょう?  束縛から解放され暴発状態なエルサのはっちゃけっぷり、デレっぷり、ドジっ娘っぷりにアナと共にきゅんきゅんしてナンボ。  新しい歌、可愛い夏服、可愛い新キャラ、あの人、あの場所、あの生物の気になるその後・・・見たかったものが7分の中にぎゅっと(ほとんど二次創作ノリで)詰まってます。唯一の不満と言えば、短すぎって事。   ・・・・・・まあ、今回は『シンデレラ』のオマケみたいなモンだし本当は点数付ける事の意味があるかどうかも判らないレベルなんですけど。でも『アナと雪の女王』にいまだめっちゃハマっちゃってるしね。   って事で次回の続編長編は今回のノリでエルサとアナが延々いちゃいちゃするのを『東京裁判』くらいの上映時間で見せてくれればそれでいいっす(無茶)。
[映画館(吹替)] 10点(2015-04-28 21:58:00)
244.  シンデレラ(2015) 《ネタバレ》 
 この時代、もちろん随所にCGが使われておりますが、アナモフィックレンズを使ったフィルム撮りの画調はまるで50年代の映画のようで、とてもクラシカルな雰囲気。  『魔法にかけられて』や『プリンセスと魔法のキス』あたりから顕著になった(ある種、自虐的とも言える)ディズニーの「脱・いつか王子様が」路線ですが、『アナと雪の女王』『マレフィセント』までエスカレートしたところで今回は一気に原点回帰といった風情で。オーソドックスな王道に戻ってみましたという感じ。  ですが、それは決して不快ではありません。  これはシェイクスピア作品に代表されるコスチュームものを得意とするケネス・ブラナー監督、堂々の演出による天下のディズニー王道の世界。   いじめ描写が嫌いな私なので元々『シンデレラ』は苦手な作品でした。この作品での継母(さすがのケイト・ブランシェットの風格)のシンデレラに対するいじめには、さほど多くの時間と描写を割いている訳ではなく、ヌルめとも言えるのですが、それでもシンドく。  でも、だからこそフェアリー・ゴッドマザー登場からの多幸感ときたら。  カボチャの馬車、馬になるネズミ達、煌びやかなドレス、ガラスの靴。『シンデレラ』の定番キーワードがキラキラと眩いばかりに映像化されていて、これぞディズニーの『シンデレラ』!と直球ど真ん中で勝負してきます。  ドラマ的には王子と王との関係描写や、政略結婚の陰謀などを盛り込んで厚みを与えてある事で定番過ぎるほどの定番ゆえの退屈さを回避しておりますが、一方で父母の死や、解雇された使用人達、継母と継姉達のその後などはごくアッサリ描写で、あまり引きずらないあたり、軽い印象。   キラキラ煌めく映像の中でも特に目を惹いたのはドレス。シンデレラのブルーのドレス、継姉達の軽薄さを表すカラフルなドレスが、フェアリー・ゴッドマザーの白と継母の黒・緑との対比の間で咲き乱れて、シネスコ画面いっぱいに溢れる「色」にうっとり。   『ベイマックス』のようにテクノロジーの未来にも目を向けるディズニーですが、一方でこれまで育んだ伝統の色を存分に堪能できる作品も新作として生まれるあたりがディズニーの懐の深さなのでしょうね。
[映画館(吹替)] 7点(2015-04-27 23:18:07)(良:2票)
245.  マジック・イン・ムーンライト 《ネタバレ》 
 毎度の懐古主義的ウディ・アレン作品ですが、あの時代の南仏なんて、それは確かに魅力的なわけで。あの風景、あの陽光の中に置かれて輝くエマ・ストーンの美しさ、もうそれだけで勝ったも同然、みたいな作品で。   だけど今回はさすがにちょっとひっかかってしまいました。  当然のように今回もまた主人公はウディ・アレンを色濃く反映した存在です。厭世的で毒舌で皮肉屋でエセインテリ(ここでは上流階級)嫌い。手品師と映画監督というのも同じような存在。いかにして人を上手く騙すか。だけど、ウディとは似ても似つかないコリン・ファースを以ってしても「そんな男に最終的に惚れるか?」と。  身勝手で嫌なヤツなワケですよ。友達なんていなくて、一切人を立てる事をせず、攻撃的な言葉で周囲の人間を不愉快にさせて得意気になる性格の悪さ。でも金持ちのボンボンなんかよりこっちの方がよっぽど魅力的だろ?とばかりにぐいぐいと押し付けてくる状態で、最後はハッピーエンド。  コレ、結局はウディが若返って見た目だけカッコ良くなって演じるラブストーリーなワケですよね。   「エマ・ストーン、スゲーいいよね! 彼女をモノにしちゃうボクを実現しちゃうもんね!」  そんなホンネがダダ漏れな映画。いつまで経ってもウディは若くてキレイなお嬢さんが大好きなのね、って半ば呆れ気味で映画を見終えたのでした。
[映画館(字幕)] 7点(2015-04-27 21:44:05)
246.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 《ネタバレ》 
 入院して顔の包帯がマスク状態になったリーガンはまるでバードマンのようであり、また、隣りの劇場で上演していた『オペラ座の怪人』のようでもあり。   非常に演劇的な流れを非常に映画的なテクニックで描いた快作。シームレスでどんどんと展開してゆく、まるでナマを捉えたような世界は演劇のようですが、一方でそれを描くのはカメラが自在に被写体を捉えてゆく映画ならではの世界。  つまり、ここに登場する人々はことごとく舞台と映画とで線引きをしたがっているのですが、実際には舞台も映画もそんなに差のあるものではなく、一つのフィールド上に置く事だってできるのですよ、と。そう、この映画そのものがそれを立証するかのように。  そして、現実すらもまた、舞台や映画とどこがどれだけ違うのか?と。  演じる事、生きる事、生なのか、加工されたものなのか、それに優劣を付けようとする、価値の差を見出そうとする、それがそんなに大事か?って。   なので私にはこれが「バードマンで何故悪い?」という話に映ったので、大変に気持ちの良い映画でした。商業主義に対して批判的なように見えつつ、むしろ逆にアメコミ万歳!みたいに感じられて。  飛び出す数々のネタや笑いも含めて、難しい事を考えるよりも単純に楽しんでこそ吉な映画だと思いました。   それにしても相変わらずエマ・ストーン、キレイ。
[映画館(字幕)] 8点(2015-04-14 23:58:15)(良:2票)
247.  君が生きた証 《ネタバレ》 
 息子を亡くしてなかなか立ち直れなかった父が、息子の遺した歌を通して人と触れあい、人間性を取り戻してゆく、そんな感動的なお話しだと思っていたら。   途中でこれ見よがしではなく、さりげなく入ってくる1カットで、それまでの思い込みが根底からひっくり返されます。それまでに心の中にイメージした、死んだ息子や遺された父母のそこに至る経緯、背景、心境に大幅な修正が必要になる、頭の中にそれまで刻んだこの映画の姿を1から書き換えてゆかなければならなくなる、上下動の激しいジェットコースター人間ドラマ。  その構造はその事実に触れた登場人物達の心境にもシンクロします。  人生を狂わされるとはどういうものなのか、そして自分の人生を生きるとはどういうものなのか。他者の影響と自我と。  真実に翻弄される登場人物同様、見ている側も人の生について向き合う事になる、そんな仕掛けを持った作品。   ウィリアム・H・メイシーはこの素材を時にユーモラスに、時にシリアスに、でも決して大仰に盛り上げるような事はせずに誠実に描いていて、ゆえに後半からラストはじわじわと切なく染みてきます。   感動しました、であっさりと終わらせる事のできない、後に様々な思いを残す、一筋縄ではいかない映画でした。
[映画館(字幕)] 7点(2015-04-06 22:56:57)
248.  シェフ 三ツ星フードトラック始めました 《ネタバレ》 
 フードトラックに至るまでが長くて、フードトラックのところからは最早クライマックスと言えるので、タイトルでネタバレしてるじゃん、って状態ではあります。  大体、フードトラックを始めるまでには紆余曲折ありますが、始めて以降は快適ロードムービー、それ以前に比べるとそんなに残されたドラマは多くありません。   物語自体、どん底に落ちるのも、そこから這い上がるのも、そんなには重く深刻には描かれず、生々しい人間ドラマが、なんてものではありません。別れた元妻は大変に物わかりが良く、息子は良く出来た子、元同僚は根っからのいいヤツでとても協力的、恋人とも決してドロドロしない。そんな環境では失業もまた夢物語。  でも、そこは元々あまり重要ではなくて、いっぱい出てくる有名スターと美味しそうな料理を眺めているだけで十分、って映画。  料理をしっかりと美味しそうに捉える、そこがキーとも言える感じで(どう見ても脂っこいしつこい味だろうなぁ、っていうものもありましたが)。  Twitterによって窮地に追い込まれる主人公がTwitterによって救済される、その象徴である青い鳥が飛び立つシーンはTwitterで多くの人と結び付いている私には感動的でした。   ただ1つ気になったのは、フランス料理のシェフがタバコ(クサ、葉巻含む)を吸いまくってて勤まるのか?という事。『美味しんぼ』にも描かれていましたが、喫煙は味覚と嗅覚に影響大ですし、生ものには指から匂い移りします(手を洗ってもちょっとやそっとではタバコの匂いって取れません)。私自身、元喫煙者で現在禁煙7年という状態で今は料理人でもあって、その影響を実感しまくっています。大衆料理はともかく、それなりに高級そうなフランス料理だと無理なんじゃないかなぁ。
[映画館(字幕)] 7点(2015-04-06 22:18:57)(良:1票)
249.  ジュピター 《ネタバレ》 
 中学生が考えたような世界の稚気丸出しっぷりは嫌いじゃないです。でも、既視感ある色々なモノを寄せ集めて作り上げました、って、そこから先が見えてきません。   ベースは『マトリックス』と同じで「今の自分は本当の自分じゃない」がスタート地点。そこに『フィフス・エレメント』『砂の惑星』『ジョン・カーター』『銀河鉄道999』『さよなら銀河鉄道999』『不思議の国のアリス』『美女と野獣』『LUCY』『エイリアン2』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を混ぜ合わせた、そんな映画。ほぼそれで語れてしまうレベル。その先の、この作品ならではの個性が感じられないのが残念です。   ウォシャウスキー姉弟ならば、もっとスタイリッシュに、もっと独特な映像世界を創造する事ができるんじゃ?と。でも、どっかで見たような映像ばかり。3Dを駆使したアトラクション的映像は良かったのですが、でも、そんなのも既にいっぱいあって。  前半のシカゴ上空でのドッグファイトシーンなど、乗っ取った戦闘機と敵側の戦闘機との区別が上手く映像で伝えられていなくて(左右で対峙するそれぞれの戦闘機の操縦者の向きが同一方向っていうのは明らかなミスとして)、つまり撃墜されない方が主人公機、っていう見分け方になるのは雑です。  そんな、全体的に雑に作られた映画で、ご贔屓ペ・ドゥナ嬢なんかいつどこへ行っちゃったのか判らない状態で消えちゃうし(ちゃんと見てたつもりですが見逃しました?)。   何か1つ、作品の個性となる突き抜けたアクセントがあれば、それだけでもっと面白くなったと思うんですよね。それはキャラの性格でもいいですし、映像の見せ方でもいいですし。今のCG大洪水時代にはどっかで尖らないと。  以前に比べてフェティズムが希薄になっちゃったウォシャウスキー姉弟、なんだかリュック・ベッソン化してる気が。妙にベッソン臭漂う映画ではありました。
[映画館(字幕)] 6点(2015-03-29 22:30:46)
250.  イントゥ・ザ・ウッズ 《ネタバレ》 
 どこかに「楽しい」「面白い」「素敵な」「明るい」要素を入れておいてくれないと。全編鬱々とした状態で(シンデレラの逃走の繰り返しがシニカルな笑いになってはいますが)、教訓めいた暗い話、画面も彩度低めで暗く、これがディズニーのファンタジー?と残念な気持ち。   まず、主旋律を奏でるのがパン屋の夫婦で、シンデレラ、ジャック、赤ずきんはサブ、ラプンツェルに至っては脇キャラみたいなもので、基本は森の中をひたすらウロウロするだけの物語。  多くのエピソードが「皆様もうご存知でしょうから」とばかりに省略されてゆきますが(舞踏会や天空の巨人の国や)、それは元となった舞台という表現の性質からくるのであって、映画にそのまま持ってくる必要はないんじゃないかと。ほぼ森から離れない世界は単調で、しかも位置関係も明確にはならないために登場人物全員がただ右往左往しているだけに見えます。  しかも各キャラクターが最初からそれぞれにエゴを持った人間として描かれ、魅力的な面を全く見せる事がないために誰にも心が動かず、そんな人々が混乱し続ける話はひたすら苦痛。  弱い人間、悪い人間であっても魅力的な面が描かれるのがディズニー作品であると思うのですが、ここにはそれがないのですよね。   ミュージカルナンバーは聴かせる曲もありますが、一方で物語の流れからはみ出している曲も多く、映画を間延びさせる要因になっている感じで。   子供が見て楽しい映画ではなくて、でも大人が見ても楽しいのかどうかは疑問で。それぞれのエゴが生むそれぞれの悲劇とその反省は空々しく、最後に再構築される「家族」の姿には驚くほどに感動が無いのでした。
[映画館(字幕)] 4点(2015-03-15 22:32:53)(良:1票)
251.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 
 イーストウッドの映画はいつも簡潔。ただそこにあった戦争を描く、それだけ。  そこには政治や国家や思想の姿も見えず、見えるのは人間だけ。正解なんて無くて、人間同士が殺し合いをしているという現実があるだけ。  子供が人殺しをしようとする現実、その子供を殺す現実。  160人を殺し英雄となった現実、その英雄を殺したのは、イラク人ではなくアメリカ人だった、それも現実。   果てる事のない戦いの中にはためく星条旗、その積み重ねられた歴史の背後にあるのは英雄達の築いた栄誉なのか、それとも戦争の名の元に失われていったものの悲劇なのか。   そこに答えを求めたところで、答えなんて元からありゃしません。   エンドロールの無音部分に、どんな音が聴こえたか。この映画にもし正解や答えがあるとするならば、その音の中にあるのかもしれませんね。この映画を見た人、個々人の中の答え。
[映画館(字幕)] 9点(2015-02-22 00:24:43)(良:5票)
252.  ドラフト・デイ 《ネタバレ》 
 ライトマンってここまで魅せる人だったっけ? なんかバカっぽい大味なコメディばっかり撮ってる人って印象が強かったんですけど。   日本でNFLがブームになったのって今から40年ほど昔の事で、その頃に私も多少ブームに乗っかりはしたものの、当時とはチームもかなり変わっているようですし、ドラフトのルールなんてモノまでは知る由もなく、でも、そこが判らなければこの映画の魅力は半減どころの騒ぎじゃない訳で、映画が始まる前の解説はとても重要でした。   ドラフトの日のGMの混乱劇を追った映画で、銃撃戦も死人も殴り合いもありませんが、スリリングなサスペンスに溢れた娯楽映画となっております。  GMに襲い掛かる数々の難題は、ちょっと盛り込み過ぎな感もありますが(ドラフトの駆け引き、自分の意志と周囲との摩擦に加えて、恋人の妊娠や母との確執や初勤務の使えない見習いや・・・大切な日だって事は判ってると口では言いながら判ってないとしか思えない人達ばっかり!)、それら大問題を全て抱え込んだ上でのクライマックスの盛り上がりっぷり、そして逆転の爽快さときたら。   駆け引きのシーンで頻出する分割画面は会話をスピーディに切り取ると共に、その意外に複雑な画面の構造によって(被写体が画面からハミ出し、重なり、横切り、さて、その多層構造は今どういう構えになってるかな?)そこから状況を読む面白さが加味されています。   結果的にそれはトクだった、んだよね? オーナーはそれで満足、なんだよね? みたいな事をちと考えないとならないくらいにはややこしかったりもするのですが(最終的にトレード条件チャラ+αにした時点で十分トクなんですけどさ)、それまで翻弄されてきた人々がそれぞれ納得のゆくところへピタッと収まってゆく、そのまとめっぷりの気持ち良さに面白いものを見たと満足。   結局、獲得した選手達がどんな成績を上げたのか?というのが気になりますが、それはまた別の話。
[映画館(字幕)] 8点(2015-02-19 22:36:10)(良:1票)
253.  チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密 《ネタバレ》 
 新宿ピカデリーで見たらビスタサイズのスクリーンに上下黒帯入った状態の映写でした。家でブルーレイ見てるわけじゃないっての。   さて、これは、ジョニデ、グウィネス、ユアンと「毎度仕事選ばな過ぎ俳優」が顔をそろえた、本当にもう少し仕事選びましょうよ映画。まるで『志村けんのバカ殿様』を映画館で見ているようなレベルの緩い笑い(っていうか笑えない)が延々と続いてゆくっていう。  ジョニデはバカキャラ、下ネタばかり、物語は申し訳程度にある状態と、大人の鑑賞に耐えるレベルのものではありません。いや、子供だってキツいですが。大体、キャラ作りがあまり上手くいっていないようで、延々滑りまくり。   それでも、眠くなりながらも、なんとなく最後まで見られてしまったのは昔の『ピンクパンサー』のノリを思い出したりしてたから。アレも大して笑えないネタと申し訳程度の物語を延々と繰り広げていた映画で。ジョニデがクルーゾー、ベタニーがケイトーだと思うと、その雰囲気が懐かしくもあり。そのセンを狙ったのかな?みたいな。ヨーロッパを舞台としたのんびりとした雰囲気は嫌いじゃないです。   大スター達のお笑い演技が見られるのはいいんでないかと。まあ、面白くはないですが。  あと、お願いだからゲロネタやめて。モルデカイと同じで貰う体質だから。
[映画館(字幕)] 4点(2015-02-18 23:27:36)
254.  愛犬とごちそう 《ネタバレ》 
 「ジャンクフードばかりの生活をしている男に自然食志向の彼女が出来て、二人は一度は仲違いをしてしまうけれど、それぞれの価値観を受け入れて結ばれ、新たな価値観が生まれてゆく」という話を男の飼い犬(元々は野良犬)ウィンストンの視点から描いてます。   セリフが殆ど無く(意味を持った単語は唯一「WAIT」だけだったと思います)、犬の目の高さから描かれる世界は断片的でありながら、彼の前に差し出される料理と、その背景に描かれた男女二人の空気から見事な流れを感じる事ができます。  すれ違っていた二人を結びつけるウィンストン、そのクライマックスでの距離を縮める二人の足元がそのまま時間を跳躍する見事さ、落ち着くところへ落ち着いたように思えたところで昇る朝日のように姿を見せる新たな生、とても上手くてつい感動させられます。   映像は3DCGで作られていますが、手描き風なトゥーンレンダリングの、更に新しい技術を使っているように思います。輪郭線ポリゴンの代わりにエッジに細かな凸凹が描かれ、それはまるで紙の上に描かれた絵のようで。  そういう表現法の模索とそれに伴う技術の革新は単純に素晴らしい事だと思います。   ちなみに私はこれを見て「じゃあウチの猫達にも人間の食べ物を思う存分食べさせてあげよう」とか思ったりする訳はないので、ウィンストンの飽食っぷりも「1つの幸せのカタチ」だと思って別に気になりませんでした。もちろん現実に存在する犬にアレやってたら問題ですけど。
[映画館(字幕)] 8点(2015-02-12 23:02:58)
255.  6才のボクが、大人になるまで。 《ネタバレ》 
12年かけて撮られたそれはフィクションでありながら、一方で少年と姉の成長と周囲の人々の変化がリアルに刻まれ、観客は虚構とリアリスティックの狭間で不思議な感覚を抱きながら、一人の人間の生に寄り添ってゆきます。   少年が大人になってゆくまでの道のりは波瀾万丈ですが、それは主に大人達の言動の影響によるもの。別れた父親に新しい父親、新しい兄弟、そしてまた離婚。そのたびに環境が変化し、少年と姉は波風にさらされます。  子供はただ大人の都合によって翻弄される、それがとても痛く、創作なのに本気で心配しちゃったりして。特に2人目のダンナの連れ子が可哀想で。あそこまでで描写は終わってしまいますからね。   大きくなるにつれて自分の意思から物事が動くようになって、それが自我が芽生える、大人になるという事、だけどそれが必ずしも上手くいくものではない、親という人間も、その失敗の理由も見えてくる、と。   『ハリー・ポッター』やiPhoneといった時代を映す要素を盛り込んでその生を身近に感じさせてゆく、彼の人生のひとときに触れる映画でした。   ただ、そりゃ12年もかければ当たり前に撮れるモノってのがあるわけで、それは映画のマジックとは別のものですから、映画ってモノの力を意外と信じてなかったりする側面があったりするのかなぁ?という気もしました。その有無を言わさない姿勢に天邪鬼な私としてはちとケチを付けたくなったり。
[映画館(字幕)] 7点(2015-02-12 22:36:07)(良:1票)
256.  エクソダス:神と王 《ネタバレ》 
 ドラマ的には微妙な感じで。兄弟のように育ってきた二人の対比、その愛憎があーんまり見えてきません。二人ともただ状況に流されてゆくだけのように見えて、ある意味、哀れな存在のようにも思えます。  まあ、それもあんまり感情移入できないレベルなんで、むしろ「馬が~仔山羊が~」ってとこに感情移入しちゃってましたが。   それにエピソードもブツ切れの飛び飛びで、ヘブライ人の子だ!~追放~放浪~結婚~9年後、って怒涛の展開に「早っ!」みたいな。後半になるともう神の力を免罪符に更に展開が強引になっちゃいますしね。   でも、ヘンな意味で面白かったです。中盤に訪れる天罰シーンで70年代のB級パニック映画群を思い出しちゃって。『スウォーム』とか『世界崩壊の序曲』とか『世界が燃えつきる日』だの『吸血の群れ』だの『巨大生物の島』(SFが付かない方)だののノリを思い出して、リドリー・スコットは現代に甦ったアーウィン・アレンか?みたいな。  でもやっぱりどうせなら「海が割れるのよ~道ができるのよ~」って映像が見たかったかな。ヘタに「津波です」って事にしちゃってるので物理的にそれってどうよ?って画になっちゃって。   映画が進むにつれ、チャンベルがどんどんヘストン似になっていったのは御愛嬌?   でも、どんなに真面目に生きてようが信仰心が厚かろうが、所属する国のトップがダメだと思いっきりとばっちり喰らいますってのはしっかり現代に繋がりますね。恐い恐い。
[映画館(字幕)] 6点(2015-02-11 22:17:13)(良:1票)
257.  アップルシード アルファ 《ネタバレ》 
 『ベイマックス』を見て「日本のアニメ終わった」って書いた人が話題になりましたが、私は「だったらそれ以前にとっくに終わってるんじゃ?」みたいに思いました。『ベイマックス』は日々進化する洋アニメーションの単なる1つの到達点で通過点ですもんね。日本のアニメは日本のアニメなりの市場を作ってて。でも、じゃあ日本のアニメそのままでいいのか?っていうと。   最近の日本のアニメは「設定や状況をひたすらキャラが喋りまくって説明するだけ」で物語は古臭い、変わり映えしないものがおざなりにくっついてるようなモノばかり。作る側と見る側が閉塞された世界でオナニーしてる状態。そんな中ではこの映画は物語がまだ、少しはあるだけマシ。   日本のアニメって原案の作者や脚本家と声優が作ってるんですね。アニメーターはアニメーション作ってない。日本のアニメの表現形式はこうですよ、っていう定型フォーマット状態で記号化されたキャラを描いているだけ。大して表情が変わらない、固定された顔で表現され、感情は全て声優が表現してます。音声消すとキャラの感情見えないっていう。能や文楽は動きで感情表現してますから別ですね。   この映画はフルCGで描かれていますが、シリアスな物語だとこういうCGです、っていうそこからはあまり魅力を感じられません。なんでこういうモデリング方向にしか行かないのかなぁ? 不思議で仕方ないです。やっぱり表情は固まっていて結局ドラマ作りは声優頼りになっているんですよね。  物語の鍵を握る少女の存在が切ないドラマを作っていて、そこは良かったのですが、でも、絵で見せてくる感じは薄くて。   声優の力に頼らず動画の力を見せるという点において宮崎駿や高畑勲は正しいのだろうな、と思うのですが(個々の作品の出来やその手法はともかくとして)、アニメファンがそれを求めず、現状がいいというのでは、まあ、やっぱり傍から見たら死んだと思われても仕方ないのかな。
[映画館(邦画)] 5点(2015-01-25 22:14:33)
258.  ANNIE/アニー(2014) 《ネタバレ》 
 『アニー』の基本フォーマット部分は楽しめますが、現代版としてアレンジされた部分に魅力が薄く。   まずはミュージカル映画としての基本がつまらなくなっちゃってるのがキツいです。歌をちゃんと聴かせてくれない、踊りをちゃんと見せてくれない、って。  プロモーションビデオの如く映像は編集で細かくコラージュされ、カメラは動きまわり、踊りはなんだかずいぶんとお手軽。歌っている表情がちゃんと捉えられていない部分だらけで、ミュージカルのキモが抜かれているような感じ。ロケで大ロングなんかで歌ってると、ミュージカルである事の不自然さまで醸し出されてしまって、あー撮影大変ねえ、なんて妙に褪めて見ちゃったりして。  お馴染みナンバーの微妙なアレンジ(いや、ハッキリ改悪と言うべきですか)まで含めて、なんとも安っぽい現代語訳されちゃったねぇ、という印象。   ニューヨーク市長選に立候補する携帯会社の社長という設定も映画を安っぽくする要因で。選挙の支持率アップのためにアニーを利用していたけれど、っていう部分はドラマを作るには悪くないと思うのですが、ハイテクに囲まれてハイテク駆使して、みたいなのが必要だったんでしょうかねぇ。映画を構成する要素そのものにハイテクを組み込んでますが、クライマックスでのSNSの脳天気な描写なんか、それでいいの?と疑問に思ったり。製作会社がソニーじゃ仕方ないのかな。   それでも役者は魅力的で、特にジェイミー・フォックスのコミカルな感じが良くて。アニーよりも彼がこの映画の主役になっちゃってましたが。  あと、個人的にはサンディの扱い軽すぎ!って。もっと大切に扱ってよ、サンディ。   広告では『レ・ミゼラブル』『アナと雪の女王』に並べる形で売り込んでいましたが、ミュージカルとしてはかなりキビシい出来。エンドロールの平井堅が更に映画をキビシいものにしちゃってて。  あの~、日本版主題歌って吹替版だけに入れておいてくれませんかね? 字幕版はなるべくオリジナル通りにして欲しいのですが。よくやるソニーやディズニーも含めて各配給会社さん、再考お願いします。正直なところ、あれ、すっげーウザいっす。
[映画館(字幕)] 5点(2015-01-25 21:35:27)
259.  シン・シティ 復讐の女神 《ネタバレ》 
 タッチは前作と同じノリですが、お話しは前作よりもシンプルになったかな?  あちこちエピソードが飛びまくる前作と違って、今回は1つの話を幾つかの視点から描いてる感じで。  でも、ノワールな素材なワリにコミック原作のせいかなんか、物語は単細胞的であまり面白くないんですよね。薄っぺらいの。   ジョセフ・ゴードン=レヴィットのエピソードなんか、ただのバカのように見えて、と思ったらマジでただのバカで、その上、彼の最期はその後のエピソードに何のフォローもないので、ただの自己完結状態になってしまっていて。彼女を殺されるところまで全くの無能で、ただ不快なだけで終わってしまった感じがします。   ミッキー・ロークは前作と違って殆どドラマを抱えてなくて、もはやキャラものとしての顔になっている状態ですし、ブルース・ウィリスはただのネタみたいな存在ですし。  ミホは前作のデヴォン姐さんの方がヴィジュアルが圧倒的に良かったなぁ。  それでも最近すっかりおっぱい要員と化してるエヴァ・グリーン姐さんの悪女っぷりは楽しませて頂きました。   だけど、私はこの陰鬱な世界を楽しめたりしないので、ここから更に続編が作られたとして、それを積極的に見たいとは思えない感じで。このコントラストきついモノクロに部分的に色付けたタッチも飽きましたしねぇ。デヴォン姐さんのミホの外伝でも作られれば、また話は別ですが・・・
[映画館(字幕)] 5点(2015-01-25 19:59:42)
260.  ビッグ・アイズ 《ネタバレ》 
 カラフルな映像の中からやがて浮かび上がってくるのは2つの色。青と赤。  青は冷たく赤は熱い、というイメージですが、ここでは青は孤独の象徴であり、だけど一方でヒロインの創作の源となるヒロインの世界の色。赤は陽性ではあるけれど、その青の世界に浸食してくる、ヒロインの世界を様々な形で乱す色。  画面の中の青と赤の置かれ方がとても気になる映画です。   サラリサラリとした軽い語り口の中に織り込まれたヒロインの芸術に対する思い、繊細さ、弱さ。芸術の価値を辱めてゆく無遠慮な俗物。ティム・バートンがシンパシーを抱くのも当然という感じで、心が色彩という形に表現されて映画に昇華されているのがとても沁みてきます。   白塗りジョニー・デップもヘンなテンションのヘレナ・ボナム=カーターも出てこない、久々にその世界を堪能できるティム・バートン作品でした。
[映画館(字幕)] 8点(2015-01-25 19:21:07)
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