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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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241.  リディック:ギャラクシー・バトル
『ピッチブラック』がSFファンの間で話題になった後、ユニバーサルのお偉方は「これはいけるコンテンツだ」と判断し、なにをトチ狂ったかその年の最大予算を投じて『リディック』を製作。しかし、そもそも前作がマイナーだったために一般客からは相手にされず、それどころか、前作とはまったく別の映画になってしまったことから『ピッチブラック』のファンからもソッポを向かれ、興行成績は惨憺たるものでした。さらなる続編を匂わせるクライマックスも今となっては虚しいもので、『リディック』は、その製作に関わったすべての人々にとっての黒歴史となったのでした。。。 あれから10年、まさかの続編製作には驚かされました。ネクロモンガーとの一件については「気の迷いでした」という、リディックと監督双方からの言い訳が冒頭でなされた後は、『ピッチブラック』の路線に戻されます。宇宙的な犯罪者とバウンティハンターとの戦いがあって、そこに強力な土着生物が絡んでくるという物語なのですが、今回登場するバウンティハンターは2組であり、それぞれに異なった目的と特徴を持っていることが、一作目との差別化ポイントとなっています。リディック捕獲という共通の目的のために協力関係を結びつつも、実際には反目しあっているこの2組の微妙な関係であったり、意外な人物に悪の本性があったりするというサスペンスフルな要素が本作の特徴となっているのですが、残念ながら、これが本筋であるSFアクションの面白さには繋がっていません。こいつらが内輪揉めをすればするほど、これだけ結束の緩い隙だらけの連中を追い込みきれないリディックの弱さが目立ってしまうし、上映時間の多くをバウンティハンターの描写に充ててしまった結果、土着生物・マッドデーモン(ジェイソン・ボーンじゃないよ)の出番が少なくなってしまい、辺境の惑星でのサバイバルという作品の核心部分がアッサリ流されてしまうという、本末転倒な構成となってしまっています。。。 このシリーズのそもそもの欠点として、リディックが悪人に見えないという点が挙げられます。決して善人ではないが、倫理的に許されないことには手を出さず、観客の側は好感を持ってリディックを見れてしまう。これでは、「毒をもって毒を制す」というシリーズの基本コンセプトが死んでいるのではと感じます。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-08-14 23:52:18)
242.  エージェント:ライアン 《ネタバレ》 
パラマウントはジャック・ライアンシリーズを最重要コンテンツのひとつとして位置づけているようですが、その映画化にはこの20年間、苦戦し続けています。面白かったのは『レッドオクトーバーを追え!』のみであり、その他はすべて駄作。複雑な諜報戦をアクション映画として撮ることは非常に困難なようで、ジョン・ミリアスやスティーブン・ザイリアンといったハリウッドトップの脚本家を雇ってきても、思うような結果を残せていません。。。 そんな中、二度目のリブートである本作でパラマウントがとった作戦は、原作に頼らず完全オリジナルの物語で勝負するというもの。これなら、長大な原作を圧縮するという作業をせず、最初から2時間の映画サイズで話を作ることができるというわけです。新人脚本家によるシナリオを『ミッション:インポッシブル』のデビッド・コープに手直しさせ、それを文芸作品も娯楽作も撮れるケネス・ブラナーに監督させるという鉄壁の布陣で挑んでいます。果たしてその結果はというと、これが見事な失敗でした。トム・クランシーによる原作を採用しなかったために、肝心の諜報戦にまったく面白みがありません。ジャック・ライアンシリーズの醍醐味は最新テクノロジーを駆使した遠隔操作の諜報戦だったわけですが、本作では顔を突き合わせての騙し騙されが中心となっているので、主人公がジャック・ライアンである必然性が極めて薄くなっています。こんな仕事はイーサン・ハントにでもやらせとけばいいのです。後半部分は諜報戦ですらなく、新人であるジャックの勘を頼りにして事態を収集していくという、何ともつまらない話になってしまいます。ジャックの勘に頼りっきりのケビン・コスナーが間抜けに、ジャックにしてやられるケネス・ブラナーがバカにしか見えなくなる始末で、この方向性は完全に失敗でした。。。 また、キーラ・ナイトレイをウザいだけの女にしてしまった罪も重いです。諜報員とテロリストが多くを占める中で、唯一とも言える民間人キャラが彼女であり、彼女こそが物語と観客とをつなぐ架橋となるはずだったのですが、そんな彼女にまったく感情移入できないのでは問題外です。ジャックがCIAであると聞かされた時に驚きもしないなど、そのリアクションにリアリティがないために観客の視点の役割を果たせていません。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2014-08-11 00:52:43)
243.  トランスフォーマー/ロストエイジ 《ネタバレ》 
IMAX-3Dにて鑑賞。『4』製作開始のアナウンスがあった時には、「『3』で締まった話の続きをどうやって作るんだ」と心配したのですが、考えてみればこのシリーズには話も設定もあってないようなものなので、本編には何の問題もありませんでしたね。心配した私が愚かでした。。。 そもそも適当なこのシリーズですが、本作の適当ぶりは映画史上屈指のレベルに達しています。オートボッツが何のために戦っているのかわからない、そもそも誰と戦っているのかわからない、ロックダウンが地球で何をしているのかわからない、冒頭の恐竜絶滅に何の意味があったのかわからない、ラストで突然オプティマスが空を飛んでビックリetc…基本的な話がまったく理解できません。また、人間パートも同様の手抜きぶり。『アルマゲドン』でやったことを繰り返してるだけですから。主人公は貧乏発明家。SF映画における発明家といえば『ゴーストバスターズ』のようなオタク臭い面々を連想しますが、本作でこれを演じるのはマーク・ウォルバーグなので、出来ちゃった婚で高校を中退した元アメフト選手のムキムキ男という設定が加えられており、どうやっても発明家には見えません。実戦においても専ら使うのは頭脳ではなく肉体であり、素人とは思えない素晴らしい戦闘スキルでオプティマスの援護をします。その娘は、テキサスのド田舎の女子高生にはどうやっても見えない超ゴージャスなルックス。どんなに激しい戦闘の中でも、決して顔は汚れません。。。 以上、映画としてはガタガタなのですが、これが欠点となっていないのが本作のすごいところ。カーチェイスとロボットバトルをゲップが出るほど見せられる中では、ドラマとか設定とかはどうでもよくなってしまうのです。さらには、見せ場は多いもののきちんとバリエーションがあるので、同じようなアクションを何度も見せられるようなことはありません。また、「ロボットの区別がつかない」という前作までの欠点がきちんと修正されている点にも感心しました。3Dの使い方も素晴らしく、3D効果を実感しやすいショットが意図的に入れられているのでアトラクション映画として上々の仕上がりです。本作の上映時間は『ウォッチメン』や『ダークナイト』をも超えているのですが、それだけの長丁場を見せ場のコラージュだけで見せきったベイの絶倫ぶりには心底驚かされます。バカをやりきって偉業の域に達したような映画でした。
[映画館(字幕)] 8点(2014-08-10 23:55:28)(良:1票)
244.  MUD -マッド- 《ネタバレ》 
本作の紹介にあたっては『スタンド・バイ・ミー』がしばしば引き合いに出されますが、その含蓄の深さは名作『スタンド~』をも凌駕しています。まず、少年のひと夏の冒険物語があって、その周りに男女関係の難しさへの考察があって、さらにその外側には普遍的な人生哲学がある。噛めば噛むほど味の出る、多層構造の素晴らしいドラマです。。。 主人公・エリスの両親は離婚寸前の状態にあり、もし離婚すれば、住み慣れた家は取り壊されてしまう。傍から見ればボロ家であっても、エリスにとっては思い出の詰まった大事な我が家です。また、マッドの求めに応じてエリスは他人の敷地に放置されていたボートのエンジンを盗み出します。エリスにとっては盗んでも問題のないガラクタにしか見えなかったそのエンジンも、所有者にとっては大切な生活の糧であったことが後に判明します。人は、それぞれ大事なものを抱えて生きており、それは他人の価値観では測りきれない場合もあるのです。。。 しかし、大事なものに執着し続けると、その人は壊れてしまう。過去を捨てられなかったトムおじさんは変人となり、マッドは人殺しになりました。また、マッドへの復讐に固執しすぎた被害者の父親は、もう一人の息子までを失ってしまいました。人生を進めるためには、何かを捨てねばならないのです。ラスト、エリスは住み慣れた家の取り壊しを見届け、親友と父に別れを告げて、母の待つ知らない土地へと旅立ちます。エリスにとってはまったく不本意な展開ですが、到着した新居では近所の美少女に挨拶されて、ちょいとテンションが上がります。愛着ある古いものを捨てることは辛くて苦しいが、その先に待つ変化には良いことだって含まれているのです。。。 以上の趣旨は素晴らしいのですが、前作『テイク・シェルター』と同じく、この監督さんの演出はひとつひとつのシーンが微妙に長いため、全体としては間延びして感じられるのが難点でした。あと、絶対何かやらかすだろうと思ってた悪人顔のマイケル・シャノンが、最後まで何もしなかったという点にも、妙にガッカリさせられました笑。「人生とは何かを捨てることだ」というテーマの本作において、川底のゴミを拾うことで生計を立てる彼の役どころには何らかの意味があると思ったんですけどね。そして最後に、TSUTAYA傘下のアーススターエンターテイメントによるDVDの画質・音質は何とかならんもんですかね。 
[DVD(吹替)] 7点(2014-08-06 19:58:06)(良:1票)
245.  アメリカン・ハッスル 《ネタバレ》 
俳優達にオスカーを獲らせまくってるデヴィッド・O・ラッセル、本作でも俳優をうまく使いこなしています。精悍なイメージの強いクリスチャン・ベールをぶくぶくに太らせ、おまけにハゲ頭全開という衝撃的な冒頭で一気に観客の心を掴み、その後は華も実力もある俳優達を続々と登場させて、まったく目を飽きさせません。普通に考えれば、市長役はクリスチャン・ベール、詐欺師役はブラッドリー・クーパー、FBI捜査官はジェレミー・レナーだろと思うところですが、各俳優の得意とする役どころを微妙に外してきているのが本作のミソ。汚職政治家が人間的には物凄く良い奴だったり、詐欺師が良心の呵責に苦しんだり、ハミだし刑事を気取るFBI捜査官がお母さんと同居中だったりと、単純な善悪に縛られない人間の二面性が本作の大きな構成要素となっているため、各俳優のパブリックイメージを裏切ったキャスティングが見事に功を奏しているのです。この辺りのレイアウトのうまさには驚かされました。特にクリスチャン・ベールはハマり役。登場時には「なんだ、この汚いオヤジは」と思ったものの、2時間眺めているうちに、女性にモテて当然の良い男に見えてきてしまうのです。本来は二枚目というベールの個性が、抜群のサジ加減でキャラクターに反映されています。。。 また、突然のデ・ニーロ投入によって映画の空気をガラっと変えるという演出も素晴らしいと感じました。前半部分はややコミカルだったものの、デ・ニーロ演じるマフィアのボスの登場により、少しでも判断を誤れば殺されるという緊迫感あるサスペンスへと豹変するのです。ここ10年ほどは仕事を選ばなくなり、その存在にもはや何の有り難みも感じなくなっていた御大ですが、本作のように効果的な使い方をすれば、まだまだ光るものはあるようです。
[ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-08-06 19:56:53)(良:2票)
246.  キック・アス ジャスティス・フォーエバー 《ネタバレ》 
前作はジャンル映画の傑作でした。子供が悪党を殺して回るというアメコミものの異常性を炙り出してジャンルの破壊活動を行いつつも、クライマックスでは空前のカタルシスを生み出してヒーローものとして王道の着地点に降り立つという離れ業をやってのけたのですから。第一作で完璧にまとまっていた話の続きを作るという点については期待よりも不安が大きかったのですが、案の定、本作の前半部分はグダグダでした。。。 前作において登場人物達の年齢ははっきりと言及されていませんでしたが、キックアスとレッドミスト(続編ではマザー・ファッカーと改名)は高校生、ヒットガールは小学生という設定だったように見受けました。一方、続編ではキックアスとヒットガールが同じ高校で勉強しており、成長したクロエ・グレース・モレッツに合わせてキャラクターの設定が操作されたらしい点にまず萎えました。前作でマフィアを壊滅させ、ヒーローとして覚醒したはずのキックアスが再び弱々しい存在に戻っていたり、前作のラストでキックアスへの復讐を誓ったはずのマザー・ファッカーが、本作でもキックアスへの復讐心を抱くに至る描写を加えられたりと、前作との重複が目立つ点もマイナスです。ストライプス大佐をはじめとした新キャラ達の印象も薄く、前半は二番煎じ以下の酷い出来でした。。。 しかし、マザー・ファッカーによるキックアスへの復讐が本格化する後半部分になると、映画は突如として息を吹き返します。ナイト・ビッチがレイプされたり、キックアスの父親が惨い殺され方をしたりと、物語は凄惨を極めます。ここに来て映画はアメコミものという領域を離れ、コテコテのバイオレンス映画と化すのです。マザーロシアが警官隊を返り討ちに遭わせる場面や、ヒットガールが囚われた主人公を救出するカーアクションなど、見せ場の出来も絶好調。前作と比較すると落ちる出来ではあるものの、アクション映画としては水準以上の作品だと感じました。
[ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-08-04 01:22:13)
247.  ウルフ・オブ・ウォールストリート
いかにもオリバー・ストーンが扱いそうな題材から経済ネタをスッパリと削ぎ落し、下品な男が成り上がり、そして破滅するまでを描く簡単な物語とした脚色が絶品でした。舞台は変わるものの、やってることは『グッドフェローズ』や『カジノ』とまったく同様であり、スコセッシは自分の得意とするフィールドに題材を寄せて来ているのです。『ソーシャル・ネットワーク』や『マージン・コール』等、出来の良い経済映画というものは経済そのものを扱わず、これを観客にとっても馴染みのある別の物語に置き換えます。本作もその点で成功を収めています。。。 本編で起こることは予告編で描かれた通りのことであり、あっと驚くサプライズや、後半での方向転換等は一切ありません。これほどシンプルな話でありながら、179分という大変な長尺を一瞬の緩みもなく見せ切ったスコセッシの絶倫ぶりには恐れ入りました。上映時間の8割を占めるのは成金による下品なドンチャン騒ぎであり、そこにはアクション映画のような視覚的興奮も、ドラマ映画のような深い含蓄もないのに、それでも観客の目を画面に釘付けにしてしまうのです。この演出のパワーは本当にトンデモないものだと思いました。。。 もちろん、締めるべきところは締めてきます。普段は愚かであっても、社員の前で演説をぶつ時の主人公の表情や言葉には大変な魅力と牽引力があって、「確かにこの人は成功するだろう」という説得力を持たせているし、その主人公が破滅に至った道についても、「ここで引いていれば助かっていたのに」という運命を分けたラインを観客にもはっきりとわかる形で提示したことで、諸行無常の世界を描き出すことに成功しています。。。 以上、本編は文句なしでしたが、ボカシ入りまくりの日本公開版の無惨な有様は何とかならなかったのでしょうか。本来、スコセッシは映画におけるヌードを嫌う監督です。「裸が映った途端に物語がピタっと止まってしまう」との理由から、『タクシードライバー』や『エイジ・オブ・イノセンス』のようなセクシャルな題材にすらヌードを登場させてこなかったのですが、本作ではその主義を曲げており、ここで登場する裸には明らかな演出意図があるのです。にも関わらず、これをボカシで勝手に隠してしまった日本の配給会社の判断には納得がいきません。18禁という厳しい年齢制限を設けているのだから、その規制で十分ではありませんか。
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2014-08-04 01:21:14)(良:2票)
248.  ソフィーの選択 《ネタバレ》 
純朴な青年がほろ苦い大人の恋愛を垣間見て成長するというオーソドックスな青春映画なのですが、そこに壮絶なキ〇ガイ演技を絡めることで、相当にインパクトの強い作品となっています。なかなかブレンドの難しい素材だったと思うのですが、これを違和感なくまとめてみせたアラン・J・パクラはさすがの手腕を見せています。。。 物語の成否は、主人公・スティンゴの行動をどう合理的に説明するかにかかっていました。ソフィーとネイサンは、常人ならば絶対に関わり合いになりたくないカップルです。決して変わり者ではないスティンゴが、そんな彼らと深い親交を結ぶに至る経緯の説明は困難だろうと思うのですが、映画は、その辺りを実にうまく処理しています。ある時は強引に連れ出され、ある時はプレゼントで友情を示され、そのうちにスティンゴはこの三角関係の一員になるのですが、その過程にまるで違和感がありません。出色なのは、ヤれると思っていた女の子とヤれずに悶々としていたスティンゴが、その代わりに、あわよくばソフィーとヤれればと親切な男ぶって話しているうちに、思いがけず彼女の壮絶な過去を聞いてしまうという件。ここから物語は核心部分へと突入していくのですが、正義感や人道主義ではなく、男のスケベ心をその発端とした語り口は面白いと感じました。。。 ホロコーストが主題となる後半パートは、見事な出来だった前半と比べるとイマイチでした。ナチスシンパの父親の元で育ち、その後は一転してレジスタンスの男と交際してアウシュビッツに送られたというソフィーの半生は波乱万丈すぎて作り物感全開だし、収容所のドイツ人達は鬼畜すぎて、かえって生々しさから遠ざかっています。どうすれば普通の人間が殺戮者へと変貌するのかという点までを考えて人物造形がなされていた『シンドラーのリスト』と比較すると、本作のアプローチは表面的すぎて訴求力に欠けます。。。 メリル・ストリープの演技はとんでもないことになっています。業を背負いぶっ壊れてしまった女を、押しの演技と引きの演技を巧みに使い分けながら完璧に演じています。うますぎて嫌味に感じてしまうほど。ただし、魅力的な年上美女というソフィーの設定をストリープが具現化できているかという点には、少なからず疑問符がつきますが。容姿やエロさまでを考慮すると、同年のオスカーを争ったジェシカ・ラングの方が役柄にマッチしたように思います。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2014-07-30 21:04:03)(良:1票)
249.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
IMAX-3Dにて鑑賞。全世界ほぼ同時上映から日本公開まで2ヶ月もお預けを喰らわされ、期待をパンパンに膨らませて映画館に駆け込みましたが、そんな上がりまくったハードルを楽々越えてきた本作の完成度には感動しました。子供の頃にゴジラにハマった私としては、これこそが夢にまで見たハリウッド版ゴジラです。。。 怪獣映画は、怪獣を出しすぎるとただの怪獣プロレスになってしまう。怪獣そのものよりも、怪獣が出現したことで混乱に陥る文明社会をどこまで克明に描けるかという点にこそ成功の鍵があるのですが、この点、ギャレス・エドワーズは前作『モンスターズ』でも怪獣が存在する世界をほぼ完璧に創造しており、本企画の監督には最適任者であったと言えます。シナリオは理詰めで考えられているし、歯が立たない相手を目の前にした人類の絶望感の演出も見事なものであり、怪獣映画に必要な空気感を作り上げています。また、この監督は怪獣を出しすぎてはいけないという点も熟知しており、溜めて溜めてテンションが最高潮に高まったところで怪獣をドーンと出すという演出も決まっています。。。 東宝ゴジラは破壊者とヒーローという二つの性格の間で耐えず彷徨っていましたが、本作では、その相矛盾する性格を破綻なく折衷することに成功しています。第1作だけに仁義を切るのではなく、駄作も含めたすべてのゴジラ映画を総括するキャラ造形としており、この点に、東宝ゴジラに対する最大のリスペクトを感じました。一方で、その設定には大胆な変更が加えられています。放射能怪獣という最大のアイデンティティを奪ったことをはじめとして、オリジナルではゴジラ自身が担っていた役回りの大半をムートーに譲っているのです。人類との接点は専らムートーに任せることで、ゴジラは人類程度には及びもつかない超越的な存在として描かれているわけですが、このアプローチによって、かえってゴジラはオリジナルに近い存在感を獲得するに至っています。この判断は見事でした。。。 本作の欠点としては、ムートーのデザインは線が細く、どう見てもゴジラには勝てそうにないという点がまず挙げられます。もっと強そうなデザインにするか、ゴジラを追い込むような特殊な必殺技を持たせるべきだったと思います。あとは、核兵器の扱いが相変わらず雑。覆いもかけず剥き出し状態の核弾頭を列車で輸送する場面には失笑するしかありませんでした。
[映画館(字幕)] 9点(2014-07-29 00:48:43)(良:1票)
250.  ムカデ人間2
『1』のレビューでは、映画としての完成度の高さは評価するが、エログロへのこだわりが足りないと書きましたが、『2』は一転して容赦のないエログロ祭りとなっております。これはもはや、ホラー映画界の『エイリアン2』。文字通り出血大サービス状態であり、「いくらホラー映画でも、これ以上やってはいかんだろ」という壁を平気で越えてきます。当方、ホラー映画への免疫を持っているつもりですが、それでも本作は見てられませんでした。。。 『1』と『2』を両方見れば、『1』製作時点ですでに『2』の構想があったことは明らか。描写を控え目にした『1』で幅広い客層に本シリーズを周知させ、そして『2』でネジの飛びまくったスプラッターを見せる。この豹変ぶりには度肝を抜かれたし、トム・シックスなる監督の周到さにも感心させられました。イベントの仕掛け人としてはピカ一ではないでしょうか。また、『1』とはまったく違う作風ながら相変わらず映画のクォリティは高く、この監督の引き出しの多さにも驚かされました。モノクロ映像には『イレイザーヘッド』を思わせる何とも言えない薄気味の悪さがあって、そこにあるのは、ただスプラッターを見せるだけの単純な芸当ではありません。。。 作風の転換の一方で、無名俳優でキャストを固めることで不気味さを高めるという『1』のポリシーは本作にも引き継がれています。誰がどんな目に遭わされるのかわからないというサスペンスは健在だし、無名俳優から渾身の演技を引き出すという点では、本作は引き続き成功を収めています。そして本作最大の功績は、ハゲ・チビ・デブの三拍子揃った怪人マーティンを生み出したこと。「この俳優は、今までどこで何をしていたんだ」と思わず気になってしまうほどのアクの強さですが、『1』のハイター博士とはまた違ったベクトルで強力な悪役を生み出し、映画への出演経験のない無名俳優にここまでのインパクトを与えられる監督はそうそういません。現在製作中の『3』はホラーを離れ、政治的性質を帯びるとのことですが、もし『3』が監督の意図する方向性で成功を収めることができれば、本シリーズはカルト映画史上に残るだろうと思います。。。 絶賛の嵐となってしまいましたが、10年後には、トム・シックスは誰もが知る有名監督になっているのではないかと、私は結構本気で思っています。第2のサム・ライミはこいつで決まりです。
[DVD(吹替)] 7点(2014-07-22 22:36:40)(良:1票)
251.  エージェント・マロリー
インテリぶったソダーバーグがコテコテのB級アクションを撮るということで、本作についてはもしかしたら意外な化学反応が起こっているのではないかとの期待がありました(文芸映画の専門家・ケネス・ブラナーが『マイティ・ソー』をとっても楽しい娯楽作に仕上げたという前例もあるし)。しかしフタを開ければ、純粋娯楽に対してソダーバーグが抱く照れが如実に表れた、何とも中途半端な映画に仕上がっていてガッカリでした。10年前に『オーシャンズ11』でやった失敗を繰り返してどうすんの。。。 美しすぎて、しかも実力もある格闘家ジーナ・カラーノが、ソダーバーグの顔で集められた一流俳優達をボコボコに殴るということが本企画のコンセプトだったと思うのですが、実際にカラーノと対戦するのは若い俳優ばかりで、大物は参戦しません。まず、これがマズかった。観客が期待するのは、ダグラスやバンデラスが完膚なきまでにぶちのめされる姿でしょ。おまけに格闘シーンは意外と少なく、さらにはカラーノの身体能力の高さを誇示できるような見せ方にもなっていません。監督も脚本家も、要らん手を加えすぎてせっかくの素材を台無しにしているのです。この手の映画の語り口はシンプルでいいのに、結果をみせた後で過去の経緯を振り替えるという回りくどい説明が2度もあってうんざりさせられるし、黒幕は一人いれば充分なのに、二人も置いたことで話の勢いが失われています。観客は謎解きをしたいわけではありません。序盤のバルセロナ作戦は効果音を排し、音楽と編集により美意識を強調した見せ方となっていましたが、これは完全にソダーバーグの自己満足。アクション映画を見に来る人間は、四方八方で鳴りまくる銃声や、腹に響く爆発音が三度の飯より好きなんだよ。見せ場のクォリティはクライマックスに向けて尻すぼみに落ちていき、ラスボス戦を迎える頃には映画のテンションは海の底。ソダーバーグには二度と娯楽作を撮らないことをオススメしたくなるような仕上がりでした。
[ブルーレイ(字幕)] 3点(2014-07-22 22:30:36)(良:1票)
252.  クイック&デッド
本作の製作当時、シャロン・ストーンはキャリアの絶頂期にあったし、ジーン・ハックマンは言わずもがなの名優だし、ディカプリオはネクストブレイク俳優の筆頭だった。そんな中にオーストラリア出身のよく分からん俳優がいることには当時大変な違和感を覚えたのですが、これが後のグラディエーターなのですから、本作のキャスティングセンスには恐れ入ります。また、初のハリウッド大作というアウェイな環境下、高い知名度を誇る共演者に囲まれての仕事でありながら、きちんと存在感を発揮してみせたクロウの心臓の強さにも感銘を受けました。。。 本作ではラッセル・クロウのかっこよさが光りまくっているのですが、その他の要素は見事にグダグダ。ハックマンは3年前の『許されざる者』とまったく同じ演技をしているし、ディカプリオもやる気なし。一方でプロデューサーも兼ねたシャロン・ストーンのみ演技に力が入りまくりで、これはこれで変な感じになっています。同年公開の『カジノ』で得た高評価をこれ一本で帳消しにした破壊力ある演技ですから、ある意味見ものではありますが。。。 監督を担当したサム・ライミも、本作では持ち味を発揮できていません。この題材であれば、遊び心溢れる見せ場と独特のユーモアで自分のフィールドに持ってくることも可能だったと思うのですが、キャリア初の大作、おまけに名優に囲まれているという重圧や、空回り気味のストーンからの指示に右往左往してなかなかペースを掴めなかったのか、ただ撮ってるだけという状況になっています。早撃ち前のキリキリとした緊張感などはホラー監督であればうまく演出できるような気がするのですが、そういった要となる演出も落としているので、これでは評価できません。おまけに、脚本も変です。この題材であれば、女だからと舐められていた主人公が、物凄い腕前を見せて男たちに目に物見せるという点に最大のカタルシスがあったと思うのですが、主人公は技術的にも精神的にもかなり脆いのです。すぐに動揺するし、すぐに泣く。最初の決闘で雑魚相手に緊張しまくっている描写なんて、必要なかったでしょ。。。 さらに、今回見たDVD版には、昔見た時には確かにあった、ストーンとクロウによる濡れ場が入っていませんでした。ストーンの意向によりカットされたようなのですが、見るべきものの少ない本作において、あの濡れ場こそが最大の見せ場だったんですけどね。
[DVD(字幕)] 4点(2014-07-22 22:28:45)
253.  NEXT-ネクスト- 《ネタバレ》 
最近は仕事でもプライベートでも頭を使わされることが多かったため、趣味の映画くらいはバカなのが見たいということで、ディック映画化作品中最低との悪評高い本作をチョイス。確かにバカでしたなぁ。あらゆる点で外しまくっています。。。 「能力を隠し、目立たぬように生きていくのだ」という処世術が主人公自身のナレーションにより説明されるも、その数分後にはカジノの守衛と派手なトラブルを起こし、挙句の果てには車を盗んでお尋ね者になるという、何とも理解に苦しむ冒頭からフルスロットル。主人公の能力にはFBIが目を付けており、さらには海外のテロ組織までがその能力を認識しており、どうやらそのスジではかなりの有名人であることが伺えるのですが、だったら冒頭のナレーションには何の意味があったんだよとズッコケてしまいました。FBI捜査官ジュリアン・ムーアは、核攻撃が数日内に迫っているという状況下にありながらまともな捜査をせず、超能力者を捕獲して爆弾探しに利用するということに全精力を注いでいます。同様に、海外のテロ組織も、アメリカへの核攻撃という重要なイベントの直前だというのに、現時点では捜査に関与もしていない主人公を暗殺することに多くの人員を割いており、こちらもバカとしか言いようがありません。。。 主人公は、警察やFBIから逃走中の身でありながら、意中のジェシカ・ビールをナンパしてドライブデート。この状況でそんなことするかというツッコミと同時に、主人公は二枚目設定であることにここでようやく気付き、「ケイジよ、お前がこれを演じるのか」という点にもツッコミを入れたくなりました。ジェシカ・ビールはインディアン居留地で教師をやる貞淑な女性という設定でありながら、会って数分の主人公と長旅に出たり、「寝室は別々よ」と言いながら、翌朝にはバスタオル1枚の姿で主人公の前にノコノコ現れたりと、やる気マンマンのバカ女にしか見えないという点が素晴らしかったです。。。 作品全体の構成も歪なもので、核テロという背景が序盤で示された以上は、その阻止が作品のメインテーマになるのかと思いきや、わずか90分の上映時間のうち60分は主人公の生温い逃亡劇。残りの30分はジェシカ・ビールの救出がメインであり、序盤で大風呂敷を広げた意味がなくなっています。「あ、間違えた!」という前代未聞のオチの破壊力も素晴らしく、間抜けな映画を見たければ本作をどうぞ。
[DVD(字幕)] 3点(2014-07-20 01:39:39)
254.  スルース(2007) 《ネタバレ》 
【注意!激しくネタバレします】 オリジナルは未見です。同じ女性を愛した男同士の諍いから話は始まり、その後は若さと美貌、地位と名声という自分にはない物を持つ相手に対して「俺は負けてないぞ」という意地の張り合いとなり、最終的にはお互いの魅力に飲まれて同性愛的な方向へと流れ込んでいくという物語。以上のお話にはそれなりに筋が通っているし、役者の演技も素晴らしいのですが、なぜこんなに面白くないのかと思うほど面白くなくて困ってしまいました。。。 舞台劇だった原作を映画に持ち込んだものの、映画ならではの工夫が足りていなかったことが、その原因ではないかと思います。序盤こそ、監視カメラの映像等を交えながら映画的な視点を作ろうとする工夫があったのですが、中盤以降は役者の演技をただ映し出しているのみ。さらには、演出も演技も終始同じテンションで推移するため緩急というものがなく、前半はそれなりに緊張感を持って見ることができたのですが、後半はダレてしまいました。せっかくマイケル・ケインを出しているんだから、たまにユーモアを交えながら英国らしいペースを作っていっても良かったと思うのですが、アメリカ資本が入ったことの弊害かタイトな密室劇を目指しすぎて失敗したようです。
[DVD(吹替)] 3点(2014-07-17 01:48:28)
255.  ブレーキ・ダウン 《ネタバレ》 
東宝東和によって意味不明な放題をつけられたり(ブレーキダウンって何?)、実は共通点の少ない『激突!』と無理やり関連付けられたり、ジョナサン・モストウが驚異の新人扱いされたりと(モストウは1989年に監督デビュー済)、日本公開時にはやや過剰な宣伝がなされていた本作ですが、肝心の中身は、小細工に走らず一気に見せる、竹を割ったようなサスペンスアクションとして仕上がっています。90分、本当にハラハラドキドキさせられました。。。 本作の構成は極めて秀逸で、『バルカン超特急』のようなミステリーものと見せかけておいて、実は『悪魔のいけにえ』の流れを汲むテキサスものの変種でしたという本編には嬉しくなりました。奥さんがいなくなるミステリー部分にしても、『フライトプラン』のようなおかしな引っ張り方はせず、設定のボロが出る前にさっさとネタバラシをして第2幕へ入ってしまうという思い切りの良さには感動しました。第2幕はノンストップのサスペンスアクションとなるのですが、上記の通り、根底にはテキサスものの精神が横たわっているため、通常のサスペンスアクションにはない不快感が作品のスパイスとなっています。また、犯人像もよく考えられています。この手のサスペンスアクションでは、どれほど不気味な人間にするかという方向性で犯人像が作られていくものですが、本作はそれとは正反対のベクトル、家庭を持ち、意外と良いパパだったりもするという設定を置くことで、その一方で部外者に対してはいくらでも凶暴になれるという残酷性をより強調することに成功しています。これを演じるJTウォルシュのねちっこい存在感も素晴らしく、私が心から死んで欲しいと思った悪役トップ5に名を連ねるほどの印象を残しています。。。 もうひとつ評価すべきは、カート・ラッセルの演技の幅の広さです。従来より多様な役柄を演じてきたラッセルですが、本作ではそんなラッセルの個性が作品に大きく貢献しています。序盤では、田舎者に絡まれても喧嘩になるのが怖くてヘラヘラと誤魔化すような男だった主人公が、徐々にバイオレンスに染まっていくという『わらの犬』的な役柄を見事モノにしています。後半では「普通の男がそこまでやれるか」とツッコミたくなるような過激なアクションもこなすわけですが、ラッセルが本来持つ個性によって、そこに大きな違和感を覚えないという点にキャスティングの妙があります。
[DVD(字幕)] 9点(2014-07-15 01:22:19)(良:2票)
256.  ギフト(2000)
サム・ライミほど、自身のキャリア形成に熱心な監督はいないと言われています。特段ホラー映画が好きというわけでもないが、低予算でも観客から注目される可能性が高いということでデビュー作に『死霊のはらわた』をチョイス。同作のシリーズ化により10年かけて世界中の映画オタクに名を売ったところで、一流俳優がズラリと顔を揃えた『クィック&デッド』に挑戦。しかし、この挑戦が不発と見るや、『シンプル・プラン』を撮って「私には映画監督としての基礎的スキルがあります。決してキワモノ監督ではありません」ということをアピール。そして、ハリウッドへの再度の橋渡しのため、これまた実力派俳優が名を連ねた本作を作り上げ、『スパイダーマン』へと繋げたわけです。。。 本作は、ビリー・ボブ・ソーントンが無名時代に書いた脚本がベースとなっていますが、この脚本は超能力者の悲劇を中心に、田舎町での殺人事件や、家庭内暴力、幼児虐待といった複数のテーマがギューギューに詰め込まれており、もはや闇鍋状態。サム・ライミはこれを驚くほど丁寧に整理し、2時間以内で完結するコンパクトなドラマとしてまとめています。あまりに美しく片付けすぎて、主人公自身の家庭の物語や、DV夫に悩むDQNねえちゃんの話などは途中でどっかに行ってしまいますが、語り口が極めて洗練されているので、そのような欠点も鑑賞中には大して気になりません。人間ドラマとサスペンスが絶妙な比率で混ぜ合わされているし、音でビビらせるというホラー演出も随所で効果をあげており、2時間はきっちり楽しめる映画として仕上がっています。。。 ハリウッド進出して間もない頃のケイト・ブランシェットを中心とし、ジョヴァンニ・リビシとヒラリー・スワンクという実力派に脇を固めさせ、キアヌ・リーブスとケイティ・ホームズがそこに華を添える。完璧に計算されたキャスティングです。ブランシェットは後の大女優の風格と技術をこの時点で見せつけているし、リビシはすべてが良すぎます。こんなメンツに囲まれたキアヌはちょいと可哀そうですが、新境地開拓に熱心な姿には好感が持てました。『スパイダーマン』の編集長やメルおばさんも顔を出し、俳優を見ているだけでも楽しめる映画となっています。
[DVD(吹替)] 7点(2014-07-11 01:18:18)(良:2票)
257.  300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~
IMAX-3Dにて鑑賞。 「もはや300って数字は関係ないじゃん」というツッコミはさておき、ザック・スナイダーのビジュアルを完全移植した見せ場の出来は素晴らしく、特に、冒頭とクライマックスにおいて主人公・テミストクレスが披露する、雑魚を斬りながらラスボスへ近づいていくという流れるような殺陣の迫力と美しさは、前作をも上回っていたと思います。ただし、やたらと畸形を登場させたり、忍者軍団や妖術軍団といった訳の分からん敵が続々現れたりした前作と比較すると、本作にはマンガ映画ならではの遊びが少なかったように思います。多少ビジュアルに凝った史劇という印象であり、この生真面目さは『300』の続編にはそぐわないと感じました。。。 生真面目と言えば、本作の主人公・テミストクレスも同様です。前作において、精神論を大声で叫ぶだけのレオニダス王の脳筋ぶりは見ていて実に楽しめたのですが、他方、テミストクレスは現実的な解決策を模索する良心的な指導者であり、破天荒さに欠けていました。交渉のためにスパルタを訪れたテミストクレスがスパルタ式の過激な新兵教育を見てドン引きしたり、兵士たちに「死ぬな」と言って聞かせたり(レオニダスは「戦死こそ名誉」と部下に説いていた)、彼が率いる軍隊は、前作でレオニダスが鼻で笑っていた素人の寄せ集めだったりと、あらゆる点でレオニダスとの差別化が図られているわけですが、そんなテミストクレスならではの強みが分かりやすい形で打ち出せなかったために、主人公ながら影が薄く感じられるのです。。。 そんな主人公の弱さを補ったのが、敵のボスであるアルテミシア。悲惨な生い立ちゆえに人間性が失われ、ギリシアへの復讐のためなら手段を選ばぬ鬼と化した女戦士ですが、悪人顔のエヴァ・グリーンが、脱ぐわ、暴れるわの大怪演でこれになりきっています。小粒のテミストクレスではなくレオニダスと対決させたいと心から思う逸材であり、彼女の存在により、映画はかなり救われていました。。。 3D効果については、血飛沫や槍の切っ先といった定番の飛び出し効果や、見下ろしたり、飛び降りたりする場面での高さの表現などにおいて素晴らしい3D効果を体感できる反面、クライマックスの戦闘場面では3D効果がほとんど追求されておらず、その謎のペース配分には驚かされました。3Dで見て損はありませんが、2Dで見ても情報量はそれほど変わらないと思います。 
[映画館(字幕)] 6点(2014-06-22 02:18:25)
258.  ノア 約束の舟 《ネタバレ》 
IMAXにて鑑賞。多くの大作映画の監督候補として名前が挙がりながらも降板や企画自体の頓挫が続き、今の今まで大作を手掛けることのなかったダーレン・アロノフスキー。そんな彼がついに挑んだ1億ドルバジェットの超大作ということでその出来には関心があったのですが、前半の堂々たるスペクタクルには目を見張りました。ハイライトである合戦シーンの熱量と勢いは特に素晴らしく、この監督はもっと多くの娯楽作を撮るべきだと思います。。。 問題となるのは後半部分。世界が飲み込まれた後の物語ですが、ここから映画は急激におかしくなっていきます。いや、前半からその兆候はありました。「人類が滅ぶ→この世から女がいなくなる→俺は一生童貞」ということに耐えられなくなったノアの次男・ハムが「彼女が欲しい」と言い出した辺りから違和感を覚えてはいたのですが、それでも、上記の通りの素晴らしいスペクタクルにより、その違和感はかき消されていました。しかし、船内での人間ドラマが中心にくる後半部分になると、前半で感じていた「この映画、なんかおかしいぞ」という感覚が、確信へと変わっていきます。洪水初日、溺れる何百万人の断末魔の叫びを聞きながらの食事という世界一飯が不味いシチュエーションにおいて、「お父さん、あの人たちを助けてあげませんか」という家族からのお願いをキッパリと断り、人類は滅びねばならないという話を長々と始めるノア。長男・セムの嫁さんの妊娠を聞き、怒り狂うノア。産まれてきた子供は殺すと言い出すノア。家族から距離を置き、アル中になるノア。完璧にキ○ガイとして描かれています。後半は、キ○ガイ親父に振り回される家族の物語という、いつものアロノフスキー映画になるのですが、この点をどう受け止めるかが本作の評価の分かれ目になるでしょう。私は面白い崩し方だと感じましたが。。。 もう一つ面白いと感じたのは監督の宗教観で、仏教的な輪廻転生を描いた『ファウンテン』を過去に撮りながら、今回は旧約聖書の物語を撮る。さらには、本作において進化論を匂わせる描写を何気なく挿入したり、堕落した人類の象徴であるはずのトバル・カインをやたらカッコよく描いていたりと、この監督の節操のなさには笑ってしまいます。宗教を、イカれたイメージをいくらでも挿入できる便利な素材としてしか認識しておらず、本人には信仰心の欠片もないのではないかと疑ってしまいます。
[映画館(字幕)] 7点(2014-06-15 02:34:10)(良:1票)
259.  X-MEN:ファースト・ジェネレーション
創作上のヒーロー達が、実は近現代史の裏側で暗躍していたという着眼点はまんま『ウォッチメン』ですが、ひたすら暗くて説教臭かった『ウォッチメン』と比較すると、本作には適度な笑いとスリルがあり、クライマックスには大掛かりな見せ場もあって、娯楽作としては抜群のバランス感覚を保っています。。。 2006年の『ファイナル・デシジョン』にてシリーズは一旦終了したものの、2009年の『ウルヴァリン』が結構な興行成績を叩き出したことから、「やっぱりX-MENは儲かる」ということでのシリーズ再開。とはいえ、『ファイナル・デシジョン』があらゆる設定や物語を豪快にひっくり返したことから(私は好きですが)、単純な続編は不可能ということで、シリーズの仕切り直しとして製作されたのが本作でした。『バットマン・ビギンズ』や『アメイジング・スパイダーマン』等を見ればわかる通り、仕切り直しの作品は大抵がオリジナルシリーズとの差別化に精出し、あっと驚くような設定変更を仕込んでくるものなのですが、一方で本作は、旧シリーズとの連続性を意識し、それらを作品に取り込んでいこうとする姿勢が好印象でした。新シリーズの一作目であるが、旧シリーズの存在も無駄にはしていない。そうした器用な作りとしたことが、2014年の『フューチャー&パスト』にも繋がっていくわけです。。。 主要キャラクターの生い立ちや、世界情勢、ミュータントの生きづらさ等、多くの要素をぶち込みながらも、本作の流れは驚く程スムーズです。真面目一筋のブライアン・シンガーと、単純娯楽に徹するブレット・ラトナーの良い所を掛け合わせたかのようなマシュー・ヴォーンの柔軟な演出には感心しっぱなしでした。オタク臭いチマチマとした辻褄合わせをやりながらも、クライマックスでは延々30分に及ぶ大スペクタクルをしっかりと見せる。そして、ラストでは相思相愛ながらも袂を分けたプロフェッサーとマグニートーの濃厚な友情まで。娯楽作としては文句のつけようがありません。役者の選び方も見事なもので、変なヘルメットを被って偉そうなことを言わねばならないという悶絶級に難しい役柄には、ケビン・ベーコンとマイケル・ファスベンダーという演技力とカリスマ性を併せ持つ俳優を当ててくる辺りの手堅さを見せています。
[映画館(字幕)] 8点(2014-06-04 23:40:01)(良:2票)
260.  X-MEN:フューチャー&パスト
実写版『X-MEN』の父と言えばブライアン・シンガーですが、『ファイナル・デシジョン』よりも『スーパーマン/リターンズ』を優先したことがFOXの逆鱗に触れ(シンガーは念願だったスーパーマンにまず着手し、それが終わり次第、X-MENの現場に戻ればいいと考えていた)、しばらくはX-MENへの出禁状態が続いていました。そんなこんなを経て久々に監督復帰した本作には、その間に製作された2本の続編に対する彼の思いがよく表れています。。。 鑑賞前の最大の関心事は、『ファイナル・デシジョン』で死亡したプロフェッサーXと、能力を失ったマグニートーをどうやって戦線復帰させるのかという点でしたが、驚いたことに、彼らは何事もなかったかのようにしれっと復活しており、そこには何の説明もありません。また、『ファースト・ジェネレーション』で初登場したミュータント達は1名を除いて全員が殺されたことになっており(あれだけ強力だったエマ・フロストまでが捕獲され、殺されてたなんて)、生き残った1名も本筋とは無関係なワンシーンで顔を出す程度。シンガーは、自分が監督していない2本をなかったことにしたいのではないかという疑念を持ってしまいました。そういえば、テーマ曲は『X-MEN2』のものに戻されてたし。。。 ドラマも、直近作とは断絶しているように感じました。前作のラストで意気揚々と学園を始めたプロフェッサーが、本作ではいきなりダメ人間として登場する辺りはかなり強引に感じたし、ミスティークを奪われた件でマグニートー相手にブチ切れる点は完全な逆恨み。前作のラストでミスティークの背中を押したのはあんただったでしょ。前作では思慮深い革命家だったマグニートーが、本作では独断専行で度々場をかき乱すバカになってた点にも、妙にガッカリさせられました。『ファースト・ジェネレーション』との整合性という点においては、今回の監督交代は完全に裏目に出ています。。。 とはいえ、本作ではシンガーの強みも十分に発揮されています。ミュータントの能力を面白く、かつ、わかりやすく見せるという点では他の監督の手腕を遥かに凌駕しているし(初登場のミュータント達がセンチネルとの戦いを繰り広げる序盤の素晴らしさ!)、気が付けばスター揃いとなっていたキャスト達を見事にまとめ上げ、知名度順に見せ場をきっちり分配していくという采配にも感心させられました。これぞ夏のスター映画です。
[映画館(吹替)] 7点(2014-06-04 23:02:11)(良:2票)
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