301. ラッシュ/プライドと友情
《ネタバレ》 毎度毎度そこそこな映画を撮るって印象のロン・ハワードですが、今回は熱く燃える映画を送り出してきました。 正反対の性格であるように見えながら、実は似た者同士であるラウダとハントが、ガキの意地の張り合いみたいな次元からお互いを高めあって成長してゆく様を、テンポよく心地よく感動的に描き出してゆきます。 ただ、あくまで主役になるのは人間であってF1についての映画ではないので、その部分に対する拘りは薄いかなぁ、って。 排ガスや摩擦熱でタイヤが焦げる匂いが漂ってきそうな映像がいっぱい散りばめてあって、それは十分に拘ってそうにも思えるのですが、モナコやニュルのコースなんて、今時のオタクならば忠実に再現されたテレビゲームによって細部まで頭の中に記録されているようなモノなんですよね。で、この映画の映像がその記録領域をキッチリ刺激してくれるかっていうと、そこまでの拘りはないっていう(ハントがコースをイメージするシーンに辛うじて表れてましたか)。 実況音声や文字によってレースの展開や結果が解説されますが、具体的なレース内容はそんなには映像でちゃんと表現してない、抜いた抜かれたの展開を似たようなディティール映像で繰り返している感じで。 一人称と三人称の間を行ったり来たりで、見ているこちらの視点が今一つ、ココ!ってところに固定できないもどかしさ。いっその事、3Dで思いっきり主観映像主体にしちゃってくれても良かったんじゃない?なんて。 そのあたりの拘りの薄さが、やっぱりロン・ハワードなのかな、って。 あと、毎度のロン・ハワード印として嘔吐シーンが頻発するのがどうにもこうにも。まあ、実は小心者な彼を表すという点で仕方ないのかもしれませんが。 F1に対するフェティッシュなくらいのマニアックな拘りの表現がもっともっと欲しいと思うものの、娯楽映画としてのバランスはこのくらいがちょうどいいのでしょうね。そこに拘ると、それこそ「とてもじゃないけれど理解できない」領域を描いちゃう事になるわけですから。 [映画館(字幕)] 7点(2014-02-28 06:49:29)(良:2票) |
302. プレーンズ
《ネタバレ》 お話し的にはダイジェスト過ぎるというか、エピソードが断片化されちゃってて、世界を横断する大レースが随分と短距離だな!って感じでしたが、『カーズ』よりもキャラクターに愛着が抱けて。 で、その理由を考えてみました。 『カーズ』のキャラはメインがトップから転落したレースカーの主人公と高価なポルシェ911カレラなヒロインですよ。もうお高いキャラなの。 一方こちらは全部レシプロ機。ジェットは艦隊の搭載機くらいで、主人公は農薬散布用のセスナ、偉そうなヤツまで含めてレシプロ機。そうお高くないです。 キャラの地位をあまり高めに置いてないところに好感が抱けるわけです。 それから『カーズ』はクルマのウィンドウ&フロントグリル、つまり前面全部が顔。なのでバランス的にボディほぼ頭。一頭身ですよ。一頭身キャラがドラマ演じちゃう違和感。 一方こちらはやっぱりフロントが顔になっていますが、飛行機なので胴体があって主翼と尾翼が手足のように見えます。セスナで3頭身から小型旅客機で6頭身くらい。ドラマを演じてもさほど難なく受け入れられる頭身です。 とまあこじつけてみたりもしましたが、なんだろ、実際デザイン的には『プレーンズ』の方がいい感じがしました。 サクラなんてカラーリングも含めてステキなんですが(初の飛行機萌えキャラ)、あれは日本限定デザインで公開国によって国籍とデザインと名前が変わるという凝った事をしていて、ワールドワイドではないのがちょっと残念。 あと『カーズ2』はレースシーンに3Dを活かせておりませんでしたが、こちらは飛行シーンで抜群の効果を見せておりました。3Dでの公開が極端に少なかったのがこれまた残念。 力の弱い者が上を目指して勝利するシンプルなお話、作品のクオリティは『カーズ』に及んでいませんが、個人的な好みとしてはこちらに軍配を上げます。 [映画館(吹替)] 7点(2014-02-26 21:59:00)(良:2票) |
303. ロラックスおじさんの秘密の種
《ネタバレ》 ユートピアの皮を被ったディストピアもの。 にしても、ファミリー向けCGアニメ映画で、なんでここまで鬱々とした作品になっちゃったんでしょうねぇ。原作ゆえ? 映画は半分以上が回想シーンで占められ、主人公は現代パートの少年と回想パートの青年とで別に存在している状態。ロラックスおじさんは、ほぼ回想パートにしか登場しないのですが、ロラックスおじさんは特に何か大活躍をするという訳ではなく、大自然の中で迫害されてゆくものの象徴的存在。 回想パートの主人公の私利私欲に走った身勝手さゆえに自然が蹂躙され主人公が破滅してゆく姿が描かれてゆき、時を経て現代パートの主人公によって世界に救済がもたらされるのですが、回想パートの主人公が失った時間を取り戻せる訳ではなく、回想パートが映画全体に占める割合の大きさゆえに重さ、暗さがのしかかります。 それに回想パートと現在パートとで話がほぼ連動していない、別の物語として切り離せてしまうという点に問題があります。回想時点から現在時点までの失われた時間が、映画自体からも失われてしまっているのですよね。 この遊離っぷりは映画の統一性を失わせ(現在パートが大きく割り込む回想パートによって停滞し続けるという結果を生みます)、人間のエゴによって自然が失われてゆく物語が大勢を占め、自然を取り戻すための物語としてはとても薄いという、見終わってみると暗く重い部分から受けるストレスばかりが印象に残る映画です。 似非ユートピア部分のデザインに面白さが集中している感じもあって、それはテーマに反してしまう危険性も孕んでいる訳で、テーマやメッセージはいいのだけれども、それを伝える方法(構成にしろ美術にしろ)はあまり上手くいっていないような感じがしました。 [映画館(吹替)] 6点(2014-02-23 22:25:07)(良:1票) |
304. キック・アス ジャスティス・フォーエバー
《ネタバレ》 前作に比べるとヌルくてフツー。 だけど神格化された存在である前作の、流行りの血みどろバイオレンス描写とメタヒーローもの状態(メタだらけになったらそっちが主流になってしまうという矛盾を生むのよね・・・)がちっとも好きでない私にとってはむしろ今回の方がまだマシ、って感じで。 キックアスよりもヒットガールの方が扱いが大きいんじゃない?って感じは、前作で評判だった部分を拡大しちゃう続編モノ、っていう安易な流れを踏襲してたりしますが、ヒットガール好き的にはそれはそれでいいんじゃない?って。バンでの逆襲シーンは単純に燃えますしね。 今回はヒットガールと普通の女子高生との間の揺らぎが存在していて、前作の「まるで嗜虐的に悪人をどんどん殺しているように見えてドン引き」って部分が抑え気味になってますし。 一方のキックアスに関しては凡人と言うより常識人化していて、言動も、与えられたドラマもフツーで(『バットマン』か?『スパイダーマン』か?)つまんないキャラに磨きをかけているようで、キックアスという看板はそろそろ終了かなぁ、って感じがしないでもなく。 だけど「個人的には前作よりはマシ」なだけで、今回は傑作!とかいう訳ではなく(ゲロゲリ棒なんて小学生並みのネタを見て喜べる訳もなく)、クライマックスの乱闘の凡庸な感じも含めて(あれ、もっと犠牲者が出ないと全体の流れから言って不自然)、決して好きではないです。 まあ、「美しい映画」が見たいと思ったらそもそもこれは選ばないでしょうけど。美しい『キック・アス』が見たい、なんて言うのは絶対にあり得ないわがままなのかな。世の中には美しい血みどろ映画もあったりするんですが。 [映画館(字幕)] 6点(2014-02-23 21:25:10) |
305. ロボコップ(2014)
《ネタバレ》 タイトルは『ボクがロボコップになった理由』とでもした方がいいんじゃないかな。 男子中学生がウハウハ喜ぶようなアクション!バイオレンス!グロ!なんてオリジナル作品のノリとは一線を画したいと思ったんでしょうかねぇ。ちょっとお利口さんな、ハイブロウな映画を目指したのかもしれません。 ドラマ中心でアクション控えめ。はい、“ロボコップ”なのに。 お話しは「悪がはびこるデトロイト」なんて部分はごくごく小さくして、オムニ社がいかにロボットによる防衛産業をアメリカ国内で普及させるか、そのためにいかに法や世論に斬り込むかが描かれ、そしてその犠牲となって心を奪われ家庭を省みない企業戦士となってゆくマーフィの悲哀が描かれる訳です。当然、大して面白くありません。 オリジナル作品に比べるとマーフィがロボコップ化してゆく部分に長々と時間を取っております。最初はマーフィの人格が存在していて、そこから徐々に人間性を奪われてゆくという、オリジナルとは逆の流れに多くの時間をかけているのですね。当然、大して面白くありません。 で、塩分控えめ風なアクションシーンは画面がまるでゲームのようで、それも最近のアクション映画に見られるようなFPS、TPS風ではなく、『バーチャコップ』のようなレールガンシューティング風。当然、大して面白くありません。 お馴染みの曲は今回も使われていて、ところがなんだかとてもハンパな使い方で、いや、もうちょっと鳴らしてくれてもいいんじゃない?という感じで。 オリジナル作品はバイオレンス色強すぎであんまり好きじゃなかったりするのですが、リメイクなこちらは“ロボ”な“コップ”の映画に一体何を求めちゃったんだろう?みたいな感じで、なんだか湿った花火みたいな映画でした。 サミュエルだけ、ちょっと面白いキャラでしたけど。 [試写会(字幕)] 4点(2014-02-21 22:51:04)(良:2票) |
306. クルードさんちのはじめての冒険
《ネタバレ》 VODで2度見た後、更に3Dブルーレイを購入して見ました。 クリス・サンダースの作品は『リロ&スティッチ』『ヒックとドラゴン』そしてこれと、異質な存在を受け入れる事によって変革がもたらされ家族が新しい形に再生される事が描かれるという点で一貫しています。 古き形式や思想に拘る事なく、他者の存在を、資質を認める。それが子供の未来を拓く、と。 今回の作品は前2作のような2人だけの家族ではなく6人家族なので、一層強く家族という集合体の在り様を示しているように思います。 光と闇、前進と停滞、恐れと勇気、知力と体力、幾つもの対立構造を象徴的に散りばめ、原始人の進化を人の意識の進歩に重ねて描く、今回も奥行きを持った作品でした。 物語は『ダイナソー』『アイス・エイジ2』とよく似ていて新味がないのが残念ではあるのですが、その独特な作品世界は本当に魅力的。モノトーンの洞穴生活を追われる事で広がる密林の色彩や不思議な動物達の生態に心躍ります。 そして何よりキャラクターに吹き込まれた生命感。どう見てもヘンな顔(原始人なので)、汚れと傷と荒れのテクスチャーに彩られた肌、だけれどもそのCGの塊に流れる確かな血を感じられるのです。「皮膚感覚」という言葉を地でいくような感じ。 カワイイとは言い難いデザインのヒロインの肌の質感から確実に「オンナ」を感じられるという。 相手の匂いを嗅いで認識するという表現共々、妙なエロティシズムが感じられるのですが、そういう「ナマな生」をファミリー向けCGアニメが漂わせているっていうのが深いなぁ、と。 アニメのキャラクターに命を吹き込む力、それはどうも近年、日本よりも海外の方が優れている気がします。 3Dの効果も毎度のように見事なドリームワークス、日本の興行ではジブリとピクサーとが安心ブランドとして定着していますが、ドリームワークスアニメーションの実力はそれらを大きく上回ってきていると思います。 [ブルーレイ(吹替)] 9点(2014-02-19 22:25:47) |
307. エージェント:ライアン
《ネタバレ》 テンポ良くラストまで全く飽きさせず引っ張ってゆく感じは良かったと思います。ですが、この映画独特の個性、魅力があったか、っていうと、そんなには・・・ 世にエージェントモノが色々と出ている中で、他に無い「コレ!」と言った決定的な個性がエピソードからも役者からもあまり感じられないのですよね。 ライアンは大学で論文を書きつつ海兵隊で英雄的な活動をしたって事で、頭もキレるし体も動くし、でも、それが映画をフツーにしちゃってます。 予告編で描かれていた「なんで分析官がスパイの真似をしなくちゃならなくなっちゃったんだ?」って危うさ、それが実際の映画には殆ど無くて、いきなり襲われても勝っちゃうし、潜入しても上手くやっちゃうし。もっと「助けられつつ」ってところを強調した描き方にして欲しかった感じ。前半はドジ踏みっぱなしくらいでね。結局ずっと上手くいきまくりなわけで。 後半、婚約者にさっさと正体がバレたり、その婚約者が危険な任務に協力したりするあたりの甘い設定はともかく、ロシアからアメリカに戻る過程でテロの実行犯に迫ってゆく展開は、いくら頭がキレるって言ったって、あれじゃ魔法みたいで。メチャクチャハイテンポな展開は「いやいや、ちょっとその推理は待って」っていうツッコミを入れさせないため? 国家対国家が背景にある事件の、そのテロ実行犯の意外なまでの計画性の無さ、杜撰さもツッコミどころ。いよいよその時が来た、とか言うわりに危機に陥ったところで誰からもフォローされない孤立無援状態じゃ、そりゃ失敗もしますわ。 ケネス・ブラナーの演出は人物シーンの表情の捉え方、空間の中の人物の置き方がイイ感じですが、アクションシーンになるとゴチャゴチャして見辛くなっちゃってます。 最後に国家にとっての英雄として持ち上げられるライアン、アメリカの危機は世界の危機、アメリカの正義は世界の正義とオチを付けられた映画の監督がイギリス人なのは、そこに何らかの皮肉が混じっているのかしら? いや、どうか混じっていて欲しいものですが。 [映画館(字幕)] 6点(2014-02-16 15:24:48) |
308. 華麗なるギャツビー(2013)
《ネタバレ》 この映画のオリジナルな良さ、という点においてなんか微妙な感じがして。 秀逸なのは街の人々の生と死を見おろす眼科医の看板の目なのですが、あれは原作から存在しているものなので(ちゃんと宝塚版にも存在してますし)、忠実な映像化以上のモノではない気がしますし。 バズ・ラーマンのチカチカするような賑やかな画、あの紛い物みたいなインチキくさい作りが好きではあるんですが、それが今回は必ずしもいい方向に転んでいるとは思えないんですよね。 今回はむしろちゃんとした時代設定の元で、忠実にアール・ヌーヴォーからアール・デコへ至る美術で飾られた世界が見たかったです。 ガチャガチャと賑やかなせいで、妙に全体がペラペラな印象で、ギャツビーがやたら幼稚な人間に思えてしまいました。 金や地位に群がる連中の空疎なから騒ぎは(過剰なくらいに)描けていても、その間に吹く虚しいすきま風や本心から求めていたものに関する描写は通り一遍な感じが無きにしもあらず。 ギャツビーが手を伸ばし掴もうとしていた緑色の光、あれがもうちょっとだけギャツビーと観客を誘う役割を担っていたら良かったように思います。 それにしても最近のディカプリオはどうもジャック・ニコルソン化してきているような気がして仕方ないです。 [映画館(字幕)] 6点(2014-02-14 21:15:06) |
309. 大脱出(2013)
《ネタバレ》 愚かな配給会社や映画ライターのせいで映画前半の、どこに刑務所があるのかという秘密が明らかになってゆく流れが一切無効になってしまい、無駄に勿体つけただけの展開に。この人達には自分の行為が映画の脚本や演出を意味のないものにしてしまったっていう自覚があるんでしょうか? 業界はこういう馬鹿な連中を平気でのさばらせておいていいんでしょうかねぇ? さて、じゃあそれがなければ傑作だったかというと、うーん。退屈はせずにそれなり、そこそこ楽しめはしますが・・・。 脱獄の計画を組み上げてゆくシチュエーションはあちこちに疑問符が浮かびますし(あれだけ監視されているのに普通に丸見えの場所で脱獄の会話していたり、ドクターに取り入ってゆく流れなんか、相手のメンタル面に訴えるにしても描写が曖昧で説得力が感じられなくて)、結局最後は力技で解決に持ってゆくので雑だなぁ、と。 それにスタローンの得意技な寡黙な役というのが相変わらず愚鈍な感じで大根にしか見えなくて困ったもので。 シュワルツェネッガーがヘリからマシンガンを取り外してバリバリ!ってところでコレコレ!って感じで気分が盛り上がりはしましたが、じゃあ、スタローンとシュワルツェネッガーで、おお、さすがにこの二人の共演作だけの事はある!ってところまで行ってたかっていうと微妙。 脱獄って言いつつ大虐殺になっちゃうクライマックスの不自然っぷりをもう無理矢理ねじ伏せちゃうようなパワーは既に二人から失われているわけで、それをなんとか演出側で上手く見せる事はできなかったのかなぁ。 この話ならばもう少しキビキビ動けるコンビに演じさせた方が良かったんじゃない?みたいな状態では困ってしまいますね。 [映画館(字幕)] 6点(2014-01-14 23:22:43)(良:1票) |
310. くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密
《ネタバレ》 前作の独自センスに遙かに及びません。 前作のラストシーンからそのまま始まるという展開にはワクワクさせられましたが、明らかな『ジュラシック・パーク』と『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』からの引用が生む既視感が映画をとても凡庸なものにしてしまっています。 オリジナリティは失われ、定型フォーマット状態の物語が進んでゆくばかり。 更に大きな問題は作品内でのフードアニマルという存在の成立の仕方。 フードアニマルそのものは一部が前作のクライマックスシーンに登場しているので、そこから話が広がったのはいいのですが、フードアニマルの扱いが動物愛護方向に向いてしまっているので、前作後半の飽食批判が歪んだ形となってここに至ってしまったように見えてしまい。 歪んだテクノロジーによって生み出され続ける生命という問題からは目を逸らし、そのテクノロジーを独占しようとする悪役の駆逐と歪んだ生命との安易な共存オチで、果たしてそれでいいのか?という疑問だらけのままの幕で。 そこから更なる続編に繋げようとでもいうのでしょうか?(だとして「守られなければならないステキなフードアニマル」を持て余すのは目に見えていますが) 別の角度から見ると、これは大企業から搾取される才能、その才能が生み出したものを大企業から守ろうとする話であったりするわけで、つまりフードアニマルというのはクリエイティビティの象徴であったりするのかもしれません。悪の親玉がスティーブ・ジョブズ似なソニー作品、と考えると、なんだかイヤな臭いを感じてしまったりもして、手前味噌的な何かを表現したかったり?なんて思ってしまうのは下衆の勘繰りってヤツでしょうかねぇ? [映画館(吹替)] 6点(2014-01-14 22:24:14) |
311. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 子宮とか胎児とか(へその緒付き)生命の誕生とか、せっかくそういう事を得意気に書いてやろうと思ったのに、既に町山さんがパンフで書かれていてガッカリだ(笑) なので違うアプローチ。 シリアスな物語であり、かつ短い上映時間の中に芸術性がきっちり折り込まれている映画なのですが(再生の物語をサンドラ姐さんが好演しております)、同時にアトラクション映画としても非常にポイントが高い作品になっています。 『宇宙戦争』でトライポッドの攻撃から車で逃げるシーンや『スター・ウォーズEP3』冒頭のコルサント上空の戦闘シーン、あるいは『クローバー・フィールド』の手持ちカメラが捉えた日常と非日常が完全に繋がったシーン、それらを更に超える映像的な高揚感がこの映画には溢れています。要は「それ一体どうなってるの?」ってすっごい長回しがあったりするわけで。 キュアロン監督の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でカメラが鏡の中の空間を出入りしたように、今作でもカメラは自在に動き回り、更に3Dと立体音響によってスクリーンと客席との隔たりを限りなく減らし観客を作品空間へと誘います。 91分間、座席にしがみついて目は画面に釘付け、それはもはや映画というカテゴリを超えてアトラクション感覚。実はお正月映画らしい見世物映画。 なので、なるべく大きなスクリーン、いい音響の劇場で見る事をお薦めします。いや、音響はいい悪いはともかく大ゲサなくらいウーファーぶいぶい言わせてるようなハコが好ましいです。そういう作りの映画なので。 「IMAXのいちばん前の席で見て正解!」(木場ですが。川崎のいちばん前はスクリーン近過ぎてお薦めできませぬ)みたいな、私のようなバカも大満足の逸品でございました。 [映画館(字幕)] 10点(2013-12-13 22:00:22)(良:2票) |
312. 47RONIN
《ネタバレ》 メンド臭いんでcocoに書いた文を引用。 渋谷で『47RONIN』。時代劇ファンタジーとしてワリと楽しめた。これはこれで。「日本人として~」なんて文句言うほどご立派な日本人の自我がある訳でもないしねw キアヌがあまり目立たないのが難点。凛子&コウちゃんが良いね。 つまり「お前ら最近国内のガキか年寄り向けの安い映画ばっかで、戦争映画も怪獣映画も時代劇ファンタジーも撮れなくなっちゃってるから俺らが作ってやんよ!」ってハリウッドが親切心出して作ってくれたのが『硫黄島からの手紙』であり『パシフィック・リム』であり『47RONIN』なんだよ。 【補足】 まあ、そこそこなんですけどね、じゃあ最近これより面白い国産時代劇ファンタジーってあった?っていう。『忍 SHINOBI』とか『GOEMON』とか『カムイ外伝』とか? キアヌと端役以外は日本人キャストばかりで(みんな英語喋ってるけど)意外とちゃんと作ってる感があります。 安定とか保守性とかを象徴するために画面をシンメトリーにしたり、勢力を青と赤に色分けしたり。 そして何と言ってもその精神性を決して馬鹿にしてるわけじゃない作り方ですしね。 「親切心」ってのはもちろん皮肉だけど、これを楽しめないと言うのならば、むしろこういうのをこういう形でしか見られない現状を嘆くべきなんじゃない? [映画館(字幕)] 6点(2013-12-08 14:55:30) |
313. ハーフ・デイズ
《ネタバレ》 CATVのVODで料金が安かったので。鑑賞環境、どれを選んだらいいのやら。 ひと組の男女のあるひとつの選択によって人生が大きく分岐する、その両方を同時進行的に描いた物語。 1つがラブストーリー、1つがサスペンスと全く違ったカタチへと転じてゆくのですが、最終的にそれが同時進行で描かれてゆく意味があまり無い上に、どちらのエピソードもちっとも面白くないという困った状態。 ブルックリンとマンハッタン、選択別にグリーンとイエローに色分けされて描かれてゆきますが、まずその色分けが露骨過ぎてしまって。服装は元より、背景や小物等、画面内に無理矢理その色を登場させ続ける事でどちらを描いているのか判りやすくして、ってそれはテクニックと呼べるレベル以前のもの。サスペンス編なんかは追われているのだから、目立つ黄色いTシャツは着替えた方がいいわけですが。 終わりの方で双方の色が混じる事で、その分岐の終焉を告げてはおりますが、じゃあ、そこで双方のエピソードが共通するカタチを成した意味がどれだけあるの?というとなんだかとても心許ないモノしか無いように思えるんですよね。ただオチを繋げただけって感じ。 ラブストーリー編は独立記念日を実家で過ごし、家族の人間関係が描かれ、退屈ながらもドラマがある分マシ。サスペンス編の方はもうタクシーの中で拾った携帯から生まれる流れになんの説得力も無いので馬鹿馬鹿しいと思ってしまうレベル。最初の時点で主人公の携帯の扱いに全く納得できないので、以降ひたすら馬鹿なカップルを見てるだけって感じ。 そもそも、エピソードによる思考や行動の差によって2つのエピソードで同じ人間に見えないんですが。 もう、明らかにアイディア倒れ。綿密な構成のシナリオで魅せるような事がある訳でもなく、ダラダラと2つの選択のラインが交互に描かれてゆくだけ。ラスト以外にリンクするのは夜の花火とベッドシーンくらいのもんで。もっと相互に作用する仕掛けでもあれば面白かったと思うのですが。 [インターネット(字幕)] 4点(2013-11-29 21:30:17) |
314. パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海
《ネタバレ》 内容的には前作が「なんじゃこりゃ」って状態だったので、今回は予め覚悟できてた感じで。 今回もまた神々の子の話なのにアメリカローカルです。「魔の海」って言ったってフロリダ沖でのお話し。地球の危機、人類の危機って言いながら、ごくごく狭い範囲で戦ってまーす、って状態は相変わらず。 ただ、今回の方が神様っぷりは激しく薄まりましたが、ファンタジー色は濃くなった感じ。ポセイドンのもう一人の子や、森を守る木に転生した少女、機械仕掛けの牛、海馬等々、視覚的に刺激を受ける要素が多くて退屈はしませんでした。タクシーのところはちょっと『ハリー・ポッター』の空飛ぶ車やバスを思い出しましたが。 でも、やっぱり色々出た後での今更感は拭えないんですよね。魔法のアイテムを手に入れるために旅に出る、そのアイテムを奪い合う、もう何度も何度も繰り返されてきた物語。 それにクライマックスのクロノス復活部分、もう一刻を争う状況なのにそれを忘れて再会を喜んでたら復活しちゃいましたっていうマヌケなパターン、ああいうのはもう無しにして欲しいところです。いや、クロノスが復活しないとクライマックス丸々飛んじゃうんですけど。 あと、パーシーが前作にも増して主人公の顔してないジミな感じになっちゃって。お前さんが英雄役でいいのかいな?敵やライバルの方がカッコいいじゃん、みたいな。 ここから更なる続きが見たい!ってほどのモノではなくて、前作も見たからなんとなく惰性で見ました、って状態ではあるのですが、予め作品の器のサイズを認識していれば、そう失望することもない、といったところでした。 もっともこの映画に(原作に、ではなくて)続きがあるとは思いませんでしたが。『ダレン・シャン』や『ライラ』『エラゴン』なんかの仲間入りかと思ってましたわ・・・。 [映画館(字幕)] 5点(2013-11-21 22:26:54)(良:2票) |
315. トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 2
《ネタバレ》 ヴァンパイアと人狼との三角関係、ラブラブ描写の「うふふあはは」が本体で、戦いの部分はオマケみたいなシリーズの完結編、ですがさすがに最終作後半部分だけあって、やっとこさ敵が具体的に動き出します。かなり遅かった気がしますが。 遂にヴァンパイア化したベラの特殊能力を見せたり、ヴァンパイアと人との間に生まれた子をめぐって迫る危機が不安感を煽ったり、おお、この延々ヌルさを見せ続けたシリーズもいよいよ「うふふあはは」を捨て、ホラーアクション大作としての盛り上がりを見せる時が来たか!と。 そのクライマックスの闘いは凄絶で、ヴァンパイアと人狼が入り乱れ、敵対するヴァンパイア達双方の首が次々と斬り落とされ、これまで親しんできたキャラが次々と最期を迎え、これで完結編に相応しい終わりを迎えるのだな、と思ったら・・・椅子から滑り落ちそうな脱力系のオチを用意して下さいまして、あー、そうそう、あくまでヌルくてナンボでございましたね・・・って。 でもまあ、その「実際には存在しなかった戦闘」を映像化してみせてくれた訳ですから、一応、娯楽映画としての「気合い」はこもっていたワケですし、みんな幸せに暮らしました、ってところに収まる事こそがこれまでのヌルさから言っても相応しいのでしょうし。アリスと敵の親分さんとの間のアレが納得できるのかどうかは深く考えるとちょっと疑問だったりもしますが。 それはアリなのかって感じのジェイコブのハッピーエンドフラグはともかくとして、ベラとエドワードが幸せになれて良かったんじゃないでしょうかね。身分の差、民族の差を越えて愛しあい結ばれた二人の物語、って事でこれって古典的な話だったんだねぇ、と。 私、なんだかんだ言っても、このシリーズ、ツッコミを入れつつ楽しんでましたが、日本ではトンと人気が出なくてシリーズを重ねるごとにどんどん劇場のランクが落ちていったのが淋しかったかな・・・ [映画館(字幕)] 6点(2013-11-21 21:37:00) |
316. サプライズ(2011)
《ネタバレ》 「もしもスプラッター映画のヒロインがまるで女ランボーか女ジョン・マクレーンみたいな存在だったら?」ってオハナシ。 そのアイディアのために殺人鬼は複数にしなくちゃならないわ、陰謀が渦巻いていて予定が狂っていく過程を描かなくちゃならないわ、加害者も被害者も頭悪くて弱くなくちゃならないわで、ホラーとしては腰砕けまくってます。 殺人が起きた直後の部屋にまだ犯人が潜んでいる恐れを誰も抱かず(悲鳴を聞いてすぐ駆けつけたというのに)、犠牲者は都合良く頭の悪い行動を取って単身殺されに赴き、殺人犯は誰か?というのは映画の中程でほぼ明らかにされ、殺人犯達の肉体的、精神的な脆さが描かれ、それはもうコメディに片足つっこんでしまっている状態。もう非常にヌルいわけです。 ただ、ヒロインが殺人犯に立ち向かってゆくシチュエーション、イケイケ(死語)な強さは楽しめました。ぎゃーぎゃーと大騒ぎな連中の中で一人冷静に行動し、敵を一人一人血祭りにあげてゆくという反撃ホラーは、初代『エルム街の悪夢』のクライマックスでのフレディとヒロインとの闘いを拡大したような感じでワクワク。 あれで、もう少し殺人犯達に強さと神秘性があればもっと良かったのですが、むしろヒロインよりも弱い普通の人達です、って明かされちゃってますからねぇ。脚本にもっとヒロインの強さを際立たせるような工夫が欲しかったなぁ。 あと、ヒロインが仕掛けたアレがああいう形でしか作用しなかったのは残念でした。あれじゃ見てて気持ち良くないものね。 殺人鬼が動物の仮面を被っている意味が一切なかったり、母親の指輪のエピソードが意味がありそうで結局なんの意味も無かったり、なんか欠点とツッコミどころが多い映画なのですが、ホラー映画としてはともかくバカ映画としてはそれなりに面白かったんじゃないかと思います。 [映画館(字幕)] 6点(2013-11-21 06:49:44) |
317. 悪の法則
《ネタバレ》 その「黒幕」が統べるように「七つの大罪」の一つ一つをまとったような存在として頂点に君臨し、それはまるで悪魔の具象化とも言えます。その影響や誘惑を受けた者がそれぞれに様々な形で罪を犯し、それが各々の破滅に繋がってゆく、そしてそれを予言するかのような象徴的なセリフの数々。そう考えるとこの映画、どうも宗教的な説教クサいシロモノって感じがします。 この世に悪魔ってモノが存在するのならば、それはやはり人の中から生まれるものですよ、発端はごく小さな選択であっても誤りは誤りであって、過程にいかなる分岐を持とうとも、到達する結果は最初の誤りが導くものですよ、自らの欲望は他者の欲望と決して調和する事なく果てなき諍いを生むのですよ、まあ、そんな映画。 作品世界はなんていうかハリウッド版『もう誰も愛さない』、あるいはセリフいっぱい版北野映画、もしくは残虐版テレンス・マリック映画みたいなもんで。 描かれる事自体はごくごく単純で特に難解ってわけではなくて、元々あまり物語のディティールなんかは伝えようとしていないように思います。 ひたすら鬱々とした展開が続くのですが、その魔性とか残虐性とかに何らかの抗い難い魅力があるのか?というとそうでもなくて、ただひたすらにグロテスクな生(或いは性)と死とがあるばかりで、それはリドリー・スコットって人のカラーなのでしょうかねぇ。『ハンニバル』や『ブラックホーク・ダウン』『プロメテウス』にも通じる、即物的描写が生み出す露悪趣味っぷりに辟易。主人公が受け取ったDVDの中身のように「見せない事で伝える残虐さ」もありはしますが、ならばそのスタイルを通しても良かったんじゃないかと。せっかく長々とセリフで説明しているのですから、それをわざわざ具体的に映像でトレースするのは悪趣味としか思えません。 大量の象徴的&説明的セリフに埋められる事によって逆に映画に生まれる隙間、その密度の無さを「独特の空気感」とか表現するよりは(元々そこまでのセンスを最近のリドリーが持っている気はしないんですよね)、なんか退屈なモン見たって言っちゃった方が私としては自分に正直かな。 見終わって「これからの人生、決して長くはないのだからなるべくならもうこういう映画は見たくないなぁ」としみじみ思わせてくれる作品ではありました。 [映画館(字幕)] 4点(2013-11-18 23:04:47)(良:1票) |
318. グランド・イリュージョン
《ネタバレ》 事前の知識が殆ど無い状態だったので、どういう映画なのか知らず、映画を見ている間も何が起こるのか、どういう展開をするのか、全く先が読めないまま翻弄され続け。一切ダレる事なく、次から次へと転がってゆく意外な展開を楽しませて頂きました。 マジックを素材にして、マジックに騙され翻弄されてゆく人々の姿を通して、観客は映画のマジックに騙され翻弄されてゆくという入れ子細工構造だったりします。 見終わってみるとツッコミどころはいっぱいありそうな気がしますが(実は事前に、あるいは他で事が起きている最中に行動を起こしたのでした、って解説してみせるけど、じゃあ、その後始末はどうしたの? バレないようにするにはあのまま放置ってわけにはいかないでしょ?)、モーガン・フリーマンの生き様みたいに、そこにあんまりこだわっちゃうのは不粋ってモンでしょうね。 明らかにVFXで、実際のマジックではそれって表現できないでしょ?みたいな演出もありましたけど。 日本にもマジシャンから転じて種明かしをネタにしているような輩も居りますが、そういう不粋で悪趣味なヤツの鼻を明かしてみせるところ、スカッとしました。モーガン・フリーマンに比べると、マイケル・ケインはちょっと可哀想かな。 最終目的のアレがファンタジーしちゃってて、意味がなんかよく判りませんでしたけど、多分大して意味はないのでしょうね。4人にとってはそこに到達する事自体に意味があったんじゃないかな。 主役級の存在なのに最後までつかみどころのない4人がひたすらカッコいい、中身なんて無に等しいけど、それで十分な見世物映画って感じでした。 [映画館(字幕)] 7点(2013-11-14 21:45:20)(良:2票) |
319. 42~世界を変えた男~
《ネタバレ》 「かつて実際にあった感動的なお話し」で閉じてる気がするんですよね。今もなお存在している差別に繋がってない感じ。 差別を描いてきて最後にそこで終わるか、と。まるでかつて差別がありました、でもあの一発のホームランによってその歴史は終わったのです、とでも言いたげな。 まさかあのいかにもな感動的スローモーションワールドで終わっちゃうとは夢にも思わず、エンディングに突入しちゃって唖然、全然食い足らないんですけど!って思ってしまって。 八方美人的な作りの映画の中で、ぽろりぽろりとこぼれ落ちてしまっていると思ったものも。あのホテルの一件の後、結局選手達はどうして、そしてあのホテルはどうなったの? 結局最後まで特に役に立った感じはしなかった、あの頼りなげな監督を引き入れる描写があんなに必要だったの? 大体、この映画の中で最も感動できるのは、映画が終わって最後に彼の偉業を讃えた文字が流れるところだったりして。「文字」で感動を伝えられたのならば、じゃあ「映画」は一体そこまで何をやっていたのだろう、と。その文字のための映像だったのかなぁ。 今もなおネットにはあの監督よりも酷い差別の言葉が大量に並んでるわけじゃないですか。人は歴史からなーんにも学ばない。で、そこに少しでもガツンと拳を振り下ろせるような映画だったか?っていうと、そんな事は無くて、なんだかサラリサラリとキレイなばかりの映画だったような気がしてしまいました。 [映画館(字幕)] 6点(2013-11-10 15:08:55)(良:1票) |
320. ゴースト・エージェント/R.I.P.D.
《ネタバレ》 「その2つの作品が混じったような映画」という前イメージから期待する(あるいはあまり期待しない)作品、そのままなので、納得して劇場を後にするという。 物語的にも登場人物の魅力も、予告編から予想される以上のモノはあまり見せてもらえない感じです。 っていうかライアン・レイノルズはパッとしないかな。もう少しハジケちゃってていいと思うのですが、ジェフ・ブリッジスとケヴィン・ベーコンの前では霞んでも仕方ないってところですかねぇ。 そのベテランとてジェフはまだコメディ演技を見せていて面白いのですが(帽子や女性の足首、そしてコヨーテに対するこだわりっぷりが笑わせてくれます)、ケヴィンは最近のお馴染み悪役ケヴィンまんまですし。 キャラ的に面白かったのは有無を言わさぬ姿勢でこの映画の最上位に君臨する上司役メアリー=ルイーズ・パーカーですか。あらゆる点でそこそこなこの映画の中にあってビジュアルといい演技といい、その個性が際立っておりました。 それから映画自体はコメディなのですが、愛妻を残して逝ってしまったというところが物語の重さを生む原因になっていて、それが最終的に完全に救済されるところまでいっていないのがちょっとひっかかりました。 ゴーストはモトは人間なのでそーんなにバリエーションがあるわけではなく、敵役としては今一つ魅力に欠けました。バトルシーンそのものは面白いのですが。 良かったのはクライマックスのVFXですね。襲い掛かる渦巻、どんどんと崩れてゆくビル群、その間を縫って爆走する車。結構ハデなスペクタクル映像。 何か物足らない、もう少し色々と見せて欲しいところでサックリ終わるファーストフードみたいな映画、多くを望まず、ただその時間だけそこそこ楽しめればそれでいい、心にそんな余裕がある人向けっていう映画でした。3D料金まで含めてフルプライス2000円以上を払うだけの価値があるか?っていうと、それはさすがに・・・なのですが。 [映画館(字幕)] 6点(2013-11-05 22:27:42)(良:1票) |