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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2534
性別
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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321.  スター・ウォーズ/最後のジェダイ 《ネタバレ》 
 どんどんネタバレしちゃうから注意だ。   「凄くお金がかかった二次創作」感は今回も拭えず、でも『スター・ウォーズ』のファンを存分に楽しませるだけの要素に溢れているのも確かで。  前作の(そしてルーカスの作ったEP1~3の)流れからして、今回の作品が『帝国の逆襲』をなぞってゆくのであろう事は容易に予想できたわけで、やっぱりそう来たか、って思わせつつ、わざと外してきたり意外な方向に持っていったりして、一筋縄ではいかずに翻弄させてくるあたり、楽しめました。  でもそれはもちろん全シリーズを見ていてこその楽しみ。この一作だけで見れば、なんだか外してゆくばかりのストーリーにイライラさせられるのも事実で。『帝国の逆襲』でミレニアムファルコンがハイパースペースに入れないスカを何度か繰り返す、アレのスケールの大きい版を何度もやられちゃうっていう。後になって考えてみれば、あの展開は本当に必要だったのか?って疑問に思える点が幾つも。そしてその分、尺も長く、そしてその分、ダレて。いや、『スター・ウォーズ』好きならばダレもしないでしょうけれど。  後半のかなり多重状態の展開は、あっちのキャラは一体何してんの?、久々に出てきて一体何やってたの?状態を生み出し、群像劇を上手く捌ききれてない感じがしました。  そう、今回は群像劇としての側面が強くなっていて、初登場キャラにもそれなりのウェイトを与えているので、特定キャラの活躍って面は薄くなってます。そこが面白味にもなっていれば、物足りなさにも繋がっている、諸刃の剣。アジア人大活躍だな、みたいな。しかし東洋人はどうしても地域的なモノを意識してしまって。  そういう点で今回最大の問題点はカジノシーン。あんな既存のカジノイメージをまんま持ってきちゃったら、それこそ『宇宙からのメッセージ』の宇宙アロハ、宇宙ちゃぶ台の世界ですがな。シャンパンの栓ポーン!とかダメでしょ。   それでも前作に比べても『スター・ウォーズ』な映像はいっぱい見せてくれた感じがしましたし(今回は宇宙を舞台にした画が多くて)、今の映像技術で新しい『スター・ウォーズ』の映像を見せてくれるのは嬉しい事で。それにジョン・ウィリアムズは大変にツボを押さえるメロディを鳴らしてくれていました。そこでそのメロディを鳴らされたら、そりゃ泣くわ、みたいなシーンがいっぱい。   1作目からリアルタイムで追ってきてる身には、今なおこれだけの映像を見せてくれる、40年に渡ってこれだけの娯楽を提供し続けてるって点で偉大なシリーズである事を心から実感させてくれるのでした。   ・・・・・あと、たとえ敵を作ったとしても私ゃディズニーの味方だよ。  【追記】最速でレビュー書いたモンで、世の流れを見ると自分のレビューとは反応がかなり違うみたいねぇ。『スター・ウォーズ』ファンからは不評、むしろ新規ファンが楽しんでる、と。  レイとカイロ・レンの関係を「レイロ」って言って二次的に楽しんでる層を見ると、以前『ズートピア』で「ニクジュディ」層が生まれた状況とよく似ていて、それってとてもディズニー的、個人的には好ましい『スター・ウォーズ』になっていってるのかな?って思います。ある層にとっては悪夢のようですが(ナンバリングから外せ!って言ってる層とかね)。  もう1点上げてもいいかも、と思うけど、それはある層にとっては嫌がらせのようにも映るでしょうしねぇ。
[映画館(字幕)] 7点(2017-12-14 23:08:35)(良:4票)
322.  IT イット “それ”が見えたら、終わり。 《ネタバレ》 
 原作を読んだのは翻訳版が出版された時なのでもう30年近く前になりますか。分厚い単行本な上に上下巻に分かれた長い長い小説で、キングらしく細かい描写を積み重ねたその世界にのめり込んだものでした。  今作は映画というフォーマットゆえ、描ける世界の広さや奥行きに限界があるために原作のようにはのめり込めませんでしたが、懐かしさと、次々と記憶に甦る展開に鼻の奥をツンツンさせながら見ていました。   今回の映画版は、大人パートと子供パートとを行き来する原作とは違って、完全に子供パートのみを切り取って1本の映画にしています。それゆえ、大人パートと連動するエピソードなど物語上の仕掛けの多くが無効になって単純化してしまった感はあります。  それに、世間の常識的、良識的に許される表現の限界からか、クライマックスの重要なエピソードは(かつて作られたドラマ版同様)やっぱりカットされています。  それらの要素が今作を少年少女向けのようでありながら、年齢制限付きの結構スプラッタなホラーという、チグハグな印象の作品にしてしまったような状態で。   それでも、キングが描いた、子供心が抱く恐怖は上手く再現できていたと思います。化け物、あり得ない現実離れした恐怖、それは現実を生きる上でもたらされる恐怖が生み出すものであり、他者の負の心が作用して生み出すものであり。幼心の恐怖が具象化してゆくそれは、安っぽいホラーの形を借りた人の恐怖の発露であり(キング作品の多くがそうであるように)、幾つものバリエーションを描く事で集大成的な側面を持っています。ゆえにホラー映画的には安っぽさ大爆発になってたりもするんですが、そもそも原作がそういうところを意図していた訳ですね。   続きで大人パートが映像化される事になると思うのですが、その部分だけを切り取ったモノはあまり面白くないんじゃないかと危惧しております。でも原作が書かれた時代から時を経て、原作の現代部分よりも映画の過去部分の方が時代がもうちょっと後なのが不思議な感覚で、その映画の現代が今どう描かれてゆくのかが期待できたりもします。
[映画館(字幕)] 7点(2017-11-05 17:32:45)(良:1票)
323.  怪盗グルーのミニオン大脱走 《ネタバレ》 
 前作でルーシーが登場した事で愛すべきシリーズへと昇華された感があって、今回は見ている間、とても幸せな気分に浸れた、のですが、でも作品的には前作の方が好きだったなぁ、と。   前作には血の繋がりの無い者同士が家族を形作るという大きな流れが貫かれていましたが、今作は最終的には「家族っていいね」ってところに到達するものの、散漫でまとまりに欠けています。  悪党バルタザールとの戦いと反悪党同盟をクビになるグルーとルーシー。突如現れたグルーの双子の兄弟ドルー。母親として認められるために奮闘するルーシー。ユニコーンを探すアグネス。グルーに反抗し家を飛び出し騒動を起こし投獄されるミニオンズ。それぞれが密接に絡み合って1つの映画を高めてゆく、っていう訳にはいかず、バラバラ。  邦題にある「ミニオン大脱走」は本筋に全く絡まないエピソードで、ミニオン達の大活躍が見たければ『ミニオンズ』の続編に期待しましょう、って状態。明らかにキャラを広げ過ぎたようで。それを自覚してでしょう、ネファリオ博士なんか作劇上ジャマだとばかりに退場状態にしてしまいますが、ほったらかしなまま映画が終わってしまって唖然。  ドルーは本当はもっと重要なポジションだった筈でしょうに、立ち位置も性格もハンパ。もっと振り切れたキャラで良かったんじゃないかと思いました。   それでもグルーと三姉妹(孤児院出身なので本当は血の繋がりは無いと思いますが)とルーシーとミニオンズ、その世界の更なる続きが見られる事は幸せですし、オモチャ箱みたいなガチャガチャした感覚は健在。  それに今回は80年代のヒット曲満載で世代的にツボでした。   次が楽しみなシリーズ、ですが、これまで3~4年に1作ペース、次は一体いつになるんでしょうねぇ・・・
[映画館(吹替)] 7点(2017-07-23 18:45:13)(良:1票)
324.  ハクソー・リッジ 《ネタバレ》 
 今年2本目の「敬虔なキリスト教徒のアンドリュー・ガーフィールドが日本で過酷なメに遭って信仰心を試される映画」。   前半は奇を衒うような事もなく、端正な正攻法で描かれてゆきます。オーソドックスなドラマを見ている風情。そしてそれが血と肉に塗れた後半の苛烈な戦闘シーンを際立たせる効果を生んでいます。  彼の行動はキリスト教徒としての信仰心に基づいているようにも思えますが、あの状況下では、もはやそれ以前の、人として生まれた者の心からダイレクトに発せられるもののようで。信念あるいはプライド、あるいは意地やこだわり。前半で彼の宗教観そのものはわりと客観的である事が示されていますしね。その行動の熱さが力強くスクリーンからこちらに向かって叩きつけられてくる感じです。   ただ、沖縄が単なるバトルフィールドで、軍と軍のぶつかりあいの地としてしか描かれていないのは、やはり日本人としてどうしても不満です。あの地では非戦闘員、民間人の死者を多く出したという現実がここでは一切無視されていて、でもそこを排除して果たして宗教を語っていいのだろうか?という疑問は残ります。ゾンビの如くわらわらと湧いてくる日本兵を火炎放射器で焼き払うハリウッド産戦争娯楽映画として割り切って見るべきなのでしょうか?
[映画館(字幕)] 7点(2017-06-27 21:08:39)
325.  レゴバットマン ザ・ムービー 《ネタバレ》 
 『LEGO ムービー』に続いてレゴが素材でありながら一本の見応えのある映画となっております(そして、『LEGO ムービー』を受け入れられない人にゃコレもまた同様に無理であろう状態で)。   レゴで埋められた画面で展開する『バットマン』の世界は、しっかりとした大作感のある、アクションとスペクタクルの世界。基本は子供を笑わせるギャグで組み立てられていますが、キチンとバットマンらしさを貫いています。バットマンとジョーカーの近親憎悪の世界はティム・バートン版からの伝統を受け継いでいますし、デフォルメされているとは言え、ブルース・ウェインの孤独は今作でも深く浮き彫りになっています。   また、『バットマン』映画としてこれまでの数々の作品を引用していますが、それは懐かしのテレビシリーズにまで及んでいて、さすがに子供どころか若い人にすら判らないであろう状態。鮫ネタは『ジョーズ』のパロディではなくて、テレビシリーズの映画版でヘリにぶら下がったバットマンの足に噛みついて鮫避けスプレーで退治される鮫ですね。   数々の悪役(リドラーやトゥーフェイスやハーレイクインだけでなく、グレムリンからヴォルデモート、サウロンまで)が登場しての豪華な一大カタストロフによってスケールの大きなクライマックスを迎える、でもあくまでレゴで作られたオモチャの世界、遊びの世界である事も忘れはしない点が良いです。   ただ、最終的に語られる幸福感に溢れたテーマは、もうそこに至る事がない人間にはキツいかな・・・
[映画館(字幕)] 7点(2017-04-13 22:57:11)
326.  キングコング: 髑髏島の巨神 《ネタバレ》 
 映画が始まってわりと早期にヘリ軍団を壊滅させるコングは、複葉機の機銃で殺されたRKO版コングやヘリのガトリング銃で殺されたラウレンティス版コングとは違う生物、つまり怪獣なんですよ、って宣言しています。通常兵器では殺せないのが怪獣ですから。つまりこれは怪獣映画としての『キングコング』。   演出が単調な気がします。アクションパートもドラマパートも同じリズムで刻まれてゆく、一本調子な感じ。肝心のここが見せ場ってところまで。そこはもう少しタメてバーン!って見せようよ、とか思ったり。  だけどドラマパートが極端に退屈だったレジェンダリー版『ゴジラ』に比べれば、ヘンにドラマに重きを置かずにどんどんすっ飛ばしてゆく分、潔いと思います。誰が死んだの?ってくらいに顔も覚えないうちにどんどん殺されまくっちゃいますけど。  物語に目新しい部分はありませんが、そもそも怪獣と人間ドラマは水と油なので、怪獣がドタバタ暴れてる間、人間はただ逃げるのが正しい訳で、その点、ちゃんとしてます。   そこかしこに怪獣映画のニオイを漂わせている中でも(『地獄の黙示録』な一方で、高島忠夫と藤木悠が出てきてもおかしくない世界観)、私が特に東宝特撮モノを思い出したのは東洋人がメイクしてますって状態の原住民。「ワザとだよね」みたいな。あと、意外とラウレンティス版の2作に対するオマージュ入ってませんかねぇ。『キングコング2』なんかにオマージュ捧げる映画ってあんまり無さそうですが。   あと、せっかくなら中国人のおねえさんも色んな事情でただ出てるだけ、じゃなくてちゃんと見せ場を作ってあげて欲しかったもので。ハリウッド映画に中国資本が入って、その分、中国の方を向いてるってのはもう慣れましたしね。   あっちの世界観に合流して更に続きますよ、っていうのがエンドロール後に宣言されますが、どうかヘンに気取らずにレジェンダリーチャンピオンまつりとして、頭の悪い映画で喜ばせて頂きたいものです。
[映画館(字幕)] 7点(2017-03-26 22:37:47)(良:1票)
327.  素晴らしきかな、人生(2016) 《ネタバレ》 
 ウィル・スミスの抜け殻演技は、なんかやる気無さそうにも見えちゃって、主役なのに薄~い感じに思えてしまうのが残念。でも、エドワード・ノートン、ケイト・ウィンスレット、マイケル・ペーニャ、ヘレン・ミレン、キーラ・ナイトレイって主役クラスな人々がそれぞれにいい味を見せているので、その多彩さを楽しめます。   さて、物語は予告編から予想したものとは違って、最初から種明かしをした上で進行してゆきます。娘を亡くして生きる気力を無くしてしまった男の前に、周囲が(彼を思って、と言うより会社の存続のために)舞台役者を使って「死」と「愛」と「時」を登場させる、って(『クリスマス・キャロル』が元ネタなのは明らかですね)。あのリアクション薄いウィル・スミス相手にそれで面白い物語が進行するのかいなぁ?って感じではありましたが。  これが、実はウィル・スミスだけの話ではなくて、その仕掛けた側の人達それぞれの話でもある、って広がりが見えてくると共に映画に奥行きが出て、興味深く見る事ができました。そして、「もしかしたら」という更なる予想が生じて、こうあって欲しいと思った結末、その通りのラストを迎える事で心が満たされて。   決して幸せな映画ではありません。それぞれがそれぞれのハッピーエンドを迎えてめでたしめでたしになる、そういうほんわかしたノリにはならないのは、娘を亡くした男って起点からしても明らかで。停滞していたそれぞれの苦悩、葛藤が「死」と「愛」と「時」の登場によって動いてゆく、そのさまが感動を呼びます。1つにはまとまらない、それぞれ散り散りな進行ゆえに大きな感動のうねりって訳にはいかないのが難点ではありますが。   でも、『素晴らしき哉、人生』は「人生は素晴らしい」って映画ですが、この作品は「人生ってたいへん」って映画なわけで、決して「素晴らしきかな、人生」って話ではないと思います。邦題を付けた人はこの映画のどこを見て素晴らしい人生を感じ取ったのかなぁ?
[映画館(字幕)] 7点(2017-03-01 21:59:51)
328.  マリアンヌ 《ネタバレ》 
 とても上手い映画、なのだけれどもイコール面白い映画とはいかないのがなんとも。   カメラがお上手です。シネスコの横長フレームでの構図をキッチリとお手本のように作り、フレームを左右に分断する事で対比し、時としてダイナミックな画を1カットで見せ(空から飛来し、着陸した飛行機のコクピットにブラッド・ピットの顔を見せるとか、通過してゆく装甲車に榴弾を投げ、炸裂し、兵士が零れ落ちる様を見せるとか)。冒頭の砂漠のシーンなどはCGらしさがモロに出てしまっていて、かなり残念な事になっておりましたが、それはごく一部の事。   ブラッド・ピットとマリオン・コティヤールの表情も印象的。スパイとして作られた表情と人としてのホンネの表情とを行き来する、その揺らぎの中に垣間見える感情の動きが謎とサスペンスを作り出して。   あと、ゼメキス作品お馴染みのアラン・シルヴェストリの音楽が今回は、そんなには「らしくない」点も良くて。毎度の音が鳴ると、それだけで現実に引き戻されてしまうわけで、日頃シルヴェストリにはそれがわりと顕著に見られる傾向があるので。   で、問題なのは物語。読めるんですよね。意外性のようなものはなくて、当たり前のように流れてゆくものを当たり前のように受け入れてゆく状態。見ていて沢山の既成作へのリンクがのんびりと頭の中に展開してゆく始末。映画では物語の創造っていうのも大切な要素な訳ですから、そこに更なるクリエイティビティが欲しかったのですが。   クラシカルな作りの中に異質なモノ(異物、かな)があるのもちょっと気になって(ブラピのおケツも異物ですな)、オーソドックスならばもっと徹底的にやってくれちゃえば、それはそれで楽しみ方があるのだけれど、と思ったのでした。
[映画館(字幕)] 7点(2017-02-14 21:55:32)
329.  ドクター・ストレンジ 《ネタバレ》 
 もっとメリハリがあっても良かったかなぁ、とは思います。もっと傲慢な医者だったり、もっとコテンパンにやられてがっつり修行したり。マントも『アラジン』の空飛ぶ絨毯くらいキャラ立ってても良かったんじゃ?とか。でも、香港のカンフー映画みたいな東洋思想とお師匠様と修行の映画、楽しませて貰いました。   アメコミものでたびたび繰り返される都市崩壊のビジュアル、アレもういい加減マンネリ感が拭えないのですが、今回は崩壊からの逆回転で食い止めようとするのがクライマックスになっていて、ヒネリが効いていて良かったなと。ちょっとストレンジがほむらちゃんでしたが。『魔法おじさん ストレンジ☆マギカ』って感じでしたが。   ヒロインの役割小さ過ぎでもう少しドラマが欲しいとか、世界の説明が多くて今ひとつテンポが悪いとかいう不満も無い事はないのですが、物理的にドタバタ暴れるシーンが延々続くばかりのアメコミ映画とは違って、そこかしこにこの作品ならではの色が散りばめてあるのが良かったと思います。   次はソーとの共演のようですが、神様と魔法ならば世界観の齟齬も少なそうで、ちょっと期待できるかな。
[映画館(字幕)] 7点(2017-02-13 21:47:42)(良:1票)
330.  マグニフィセント・セブン 《ネタバレ》 
 西部劇のお約束で固めたような、「面白いトコだけ集めました」みたいな作品で、この作品独自の個性には欠ける気もしましたが、それでも存分に楽しめました。寄せ集め軍団の人種バリエーションが豊富過ぎな部分も含めて、考証的にどうなのよ?みたいなハナシではあるのですが、細かいコトにツッコミ入れるのは野暮って感じの、思いきりエンターテイメント方向に振った西部劇。その豊富な人種バリエーションのお陰で個々のキャラが立っていたのも事実ですしね。ビョン様カッコいいわぁ。   音楽はずっと『荒野の7人』のテーマ曲の冒頭リズムを様々な形で刻みつつ、最後の最後に盛大にあのメロディに結実して「来た~!!」ってカンジで。   ただ、最後になってデンゼル・ワシントンが人を集めた理由が実は私怨によるものでした、っていうのはどうなのよ?と。それ、もう最初の方に語ってくれていれば良かったのですが。それでもついてゆきまっせ、っていうのならばともかく、そこを明かされないまま仲間となり、そして犠牲になっていったメンバーの事を思うと、ねぇ。その上、敵ボスとのケリの付け方までお約束になってましたが、それは今時さすがに気を抜き過ぎててマヌケだ、みたいな。  肝心のクライマックスで「むむ・・・」ってなってしまったので、そこで減点状態になってしまいました。   でもシネスコ画面に荒野がバーンって広がってる気持ち良さ、早撃ちとか曲乗りとか酒場での撃ち合いとか、「ハリウッド娯楽大作と言えばアメコミ映画」な時代に痛快娯楽西部劇が見られるのって、それだけでも嬉しいです。
[映画館(字幕)] 7点(2017-02-13 21:26:54)
331.  ピートと秘密の友達 《ネタバレ》 
 ディズニーらしいシチュエーション、王道のファンタジー。ただ、このジャンルはもう無数に作品が存在していますから(『E.T.』『スプラッシュ』『ショートサーキット』『ハリーとヘンダスン一家』『マイティ・ジョー』『アイアン・ジャイアント』『ミラクル7号』etc...)、それらに比べてこの映画ならではの優位点、個性があるかというと、ちょっと弱い気がします。個性としてはカントリーミュージックくらい?   少年ピートとドラゴンのエリオットの関係は短い時間ながら濃密に描かれ、ゆえに森を離れてからのエピソードの数々が涙を誘います。ですが、楽しい時間が少なくて、物語の行く末に不安を抱かせる時間が長いので、最終的にはそこから解放されるものの、もう少し楽しい描写をいっぱい入れてあった方が良かったんじゃないかな、と思いました。  また、ピートとエリオットに絡んでくる事になる人間側のドラマはとても薄くて、設定を全然ドラマに昇華していないのが残念な感じ。父子家庭、不仲な兄弟、現実主義的なヒロインとかつてドラゴンを見た父。そういう設定が置いてあるばかりでキャラに魅力がある訳でもそれぞれが有機的結合をしている訳でもないという。ブライス・ダラス・ハワードなど『ジュラシック・ワールド』と同じキャラと言われても納得してしまえるような人物造形。   それでもちゃんとファミリー向けの心温まるファンタジーとして成立しているので、印象は悪くありません。人が侵してはいけない領域があるというメッセージもはっきりしていますし、ラストカットなどは「そうあって欲しい、いや、そうでなければおかしい」と思い続けた映像をきっちりと見せてくれますし。   公開3日目、冬休み期間中の日曜朝の日劇で観客数30人ほどっていうのはディズニー作品としてかなり淋しい状態。こういう王道ファンタジーにお客さんが入らないのは淋しいな・・・
[映画館(字幕)] 7点(2016-12-25 19:59:03)
332.  アーロと少年 《ネタバレ》 
 大自然という名の神の下で剥き出しの生と死の闘争を繰り広げる生命達のお話。って、つい最近、他の映画にも同じ文章を書いた気もしますが。   『インサイド・ヘッド』同様、ディズニー・ピクサー作品って事で油断してると痛いメに遭う作品。幼い心にトラウマを植え付ける事必至?みたいな。  話のベースはピクサーお得意のバディもので行きて帰りし物語(『トイ・ストーリー』『ファインディング・ニモ』『カールじいさんの空飛ぶ家』『インサイド・ヘッド』と)。超リアルに大自然を表現したCGの世界で展開するのは終始死の匂いがつきまとう冒険の旅。自然現象によって与えられる容赦ない死と、動物の本能による容赦ない死。アーロとスポットの旅は楽しさに溢れながら、一方でずっと死の不安を抱かせ、ディズニー作品に限ってそんな展開はあり得ないだろうと思いつつも、もしかしたらという不安がずっと影を落とし続けるという。  腐敗・発酵した果物を食べてぶっ飛んでしまうシーンや、プテラノドン達の狂気の表現はザラザラした異質な感じで、心地良い子供向けアニメとは明らかに違うモノが印象に残ります。   映画を見る前に『ヒックとドラゴン』の立場が逆転したような映画?って思いましたが、その通りでもあり(『2』まで含めた状態)、まだまだ公開は先の『3』の内容までも示唆しているようでもあり。   スポットのキャラが楽しく可愛らしく、ペット的だけれどもやはり人間らしい自我を持っているあたり、とても魅力的。一方でアーロはキャラ的にもうひと工夫あれば、と思いました。アーロはその単純化されたデザインと共に意外とクるモノが無いんですよね。   進化したテクノロジーはどんどんアナログを志向してゆく、その1つの到達点を見られる作品であり、ピクサーとアメリカのアニメーションの進歩を見られる作品でもあり、だけど映画としてアニメーションとして、かなり歪な感じがするのですよね。その歪さはピクサーの個性となってゆくのか、それは他との差別化を明確にしたいがためなのか、それとも迷走なのか。ピクサーの志向は子供向けアニメーションの枠の限界にぶち当たりつつあるのかもしれません。
[映画館(吹替)] 7点(2016-04-13 21:35:11)
333.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 
 よく言われる『ザ!鉄腕!DASH!!』よりも『いきなり!黄金伝説。』に近くない?とか思いましたが(ほら、あの番組は独りで生活するものが多いから)、それはともかく。   リドリー・スコット監督の抑えの利かない即物的表現はこういうポジティブな映画にこそ似合ってるんじゃない?と思いました。やっぱり死に向かう状況よりは生への執着を見せている状況の方を画として見たいですからねぇ。あくまで前向きに、ユーモアを交えて絶望的状況を乗り切ってゆくマット・デイモンの姿は大変にカッコイイのでした。   一方の地球側と彼を置いてきちゃった宇宙船側はあまり面白いところはなくて。宇宙船内の描写なんかは今から20年前くらいの映像技術程度じゃない?みたいなぎこちなさで。無重力空間での表現は『ゼログラビティ』まで行ってるのだから、ねぇ。   クライマックスの『ウォーリー』『ゼログラビティ』なんかでお馴染みのアレは(むしろ『アイアンマン』かな?)実際にはあさっての方向にすっ飛んで行っちゃうだろうなぁ、って思いましたが、そういうところも含めてあんまり細かいところは気にすんなって感じの映画で、程よい娯楽大作っぷりでございました。
[映画館(字幕)] 7点(2016-04-07 22:47:58)
334.  ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション 《ネタバレ》 
 トムの映画ってば毎回俺様っぷりがハンパなくて、その「俺を見て見て!」っぷりは「お前はジーン・ケリーか!」みたいな状態で、『M:I-2』の頃なんかはそれが鼻に付いちゃって仕方なかった訳ですが、最近のトムはその俺様っぷりにキチンと俺様なりの筋を通してる感じがします。  冒頭の飛行機シーンだって物語にとって必然性のある映像って訳じゃない、始めに「凄いコトしちゃってる俺ちゃんを見て見て」ありき。だけど常識で考えて「離陸する飛行機にノースタントでしがみつくハリウッドのTOPスター」なんていないですよ。冒頭が凄くて霞みがちではありますがバイクチェイスのシーンにしたってめっちゃ大変。  「やっぱりカッコいい俺様をしっかと見てもらうにはそれ相応の凄いコトしてみなきゃね」っていう。凄まじき映画バカっぷり。   映画自体はキープコンセプトって感じです。『知りすぎていた男』オマージュなオペラシーンや、カースタント、バイクスタント、水中時限サスペンス(このシーンはCG臭ハンパないんですが)と見どころを散りばめつつもIMFピンチ!(組織名までいちいち覚えてないんで予告編では国際通貨基金の敵だとか解体とかって何?世界規模の金融危機サスペンス?とか思っちゃったんですけどね)の窮地からの脱出パターンは毎度おなじみ。新味には欠けますが、悪いヤツに翻弄されながらも最後には大逆転なお話、そのカタルシスを味わわせて貰えました。  個人的にはヒロインより「彼女が今回のヒロイン?・・・って殺されちゃった・・・」なお嬢さんの方に魅力を感じたりしましたが。   大予算で俺様っぷりを発揮しながらちゃんとエンターテインメント。今や誰も真似の出来ない(かつてはジャッキーがそうでしたが)映画バカゆえの意地の成せる技を堪能できる映画でした。
[映画館(字幕)] 7点(2015-08-12 20:00:06)
335.  ジュラシック・ワールド 《ネタバレ》 
 ジャパンプレミアで鑑賞。   予告編時点でイヤな予感はしました。その映像や設定から連想されるのが『ジョーズ3』だったり『ディープブルー』だったり。  で、実際に見てみたら見事にそこら辺の感じと言うか、もう少しレベルダウンして『ジュラシック・ランド』とか『ダイナソー・パーク』とかいったタイトルが付いてるような、ビデオスルーの低予算亜流映画みたいなお話し(実在する作品的には『シャークトパスVSプテラクーダ』に設定や話が近いです)。そういう映画のCG部分がチャチじゃなくて超豪華仕様になってます、って感じ。   ここ一番ってところのキメの演出、パシッと決まった画で飾るってのが、もう全然出来てないの。恐ろしいもカッコイイもなんだかダラーンと繋がった画の中に呑み込まれちゃっていて、そんな中ではキャラクターの感情もメリハリが薄く感じられて、存在感のない、軽い登場人物ばっかりのB級感。初代『ジュラシック・パーク』は今見ると大仰な演出が目立ちますが、あのくらいやってくれるからこそ人間も恐竜も際立って見えたわけで。  テーマパークのスケール感やリアリティは格段に上がっていて、大ゴトっぷりも今までの比ではない筈なのに、なんでみんなそんなに呑気に喰われちゃってるの?みたいな。  2万人もの観客が危機に陥る中で、パークの人間達の行動には疑問符付きまくりですし、クリス・プラットの人間的魅力が描かれていないので恋愛描写も子供達の信頼も取って付けたような状態。子供達に与えられた設定が最終的にちっともドラマに昇華されていかないもどかしさ。   それでも点数がいいのは子供目線でワクワクする恐竜ランドの世界をハッキリと視覚で見せてくれたから。これまで部分部分でしかなかった、あの島に広がるテーマパークが完成されていて実際に大勢の観客がいて、その中でみんなと一緒にドキドキの体験をするような感覚。それは一作目の『ジュラシック・パーク』の、観客を島内ツアーに誘う作りに見事に則っています。  最近大活躍のマイケル・ジアッキーノ担当の音楽も手伝って、その世界のワクワク感は『トゥモロー・ランド』と似ていたりしますが、両作ともこれまでは成し得なかった子供の夢の具象化が今の技術で表現可能になったという点で感慨深いです。   あと、恐竜にこれまでは殆ど無かった性格・個性・意思を与えている点は賛否あると思いますが恐竜がキャラ立ちする事で怪獣映画っぽくなって個人的にはそれはそれで心ときめく感じで。クライマックスなんか、色々な不満をねじ伏せる気持ち良さ。   なのでこれは大画面、大音響で楽しんでこその映画。シリーズに則ってビスタサイズなので通常のスクリーンよりもビスタサイズを大きく表示できるIMAXの方がより効果的かもしれません(TCXならフルサイズがシネスコの日本橋、新宿、六本木よりもビスタの船橋ですね)。アトラクション要素が強いので4DX、MX4Dでも存分に楽しめるでしょう。   正直なところ、映画としてはツッコミどころ満載なのですが、細かい事は気にせずに、その見世物映画っぷりを味わうのが吉という映画でした。
[試写会(字幕)] 7点(2015-07-16 23:11:05)(良:4票)
336.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 
 個人的には「ツイッターのTLに溢れてる“映画史に残る大傑作”って程の映画じゃあねえよなあ」とは思いましたが、でも面白かったです。   映画のルール的にはどうなんだろ?って思う部分もありました。イマジナリーラインをガン無視していて、それはそれでスタイルとしてアリなんですけど、その無視し過ぎっぷりが爆走のベクトルを曖昧にしちゃってるんですね。みんなして迷走状態なの。どっち目指してるのか、逃げてるのか立ち向かってるのか、映像的に決まった方向性が無いので、もう乾いた大地をひたすらグルグルしてるだけです、って感じになって。  だからノンストップ猪突猛進映画を期待していたら、意外と足が鈍ってるところがあるぞ、みたいな。そこで今ひとつノリきれなかったかなぁ。   映画自体は西部劇の超最新作、あるいはヒャッハーの世界のチルチルとミチルみたいな、古典的な要素が礎にあって、それが独自性の強い世界観で語られるのが良かったと思います。暴力的ですが、抑制が効いていて激しい生理的嫌悪感を与えるような映像はありません。むしろそこには特有の美しさがあって。   ヒャッハーの祖がデジタルの時代の毒々しい色彩を用いてヒャッハーの美学、ヒャッハーの美を徹底的に描出してみせる、その映像と音響の陶酔感は他では得難いもの。大スクリーンに大音響という環境にこそ相応しい、イベントムービーでした。
[映画館(字幕)] 7点(2015-06-30 21:06:02)
337.  メイズ・ランナー 《ネタバレ》 
 ティーン向け小説の映画化で3部作の1部目とか、コレ絶対ダメなヤツじゃん!って思ったのですが、意外にも面白くて。   このテの何部作モノ映画って最初に設定の説明を延々とし始めるような、いつになったら本題に入るのよ?ってシロモノが多かったりするのですが、コレは主人公が記憶を失っていて、一体そこがなんなのか全く判らないという設定。観客は主人公と共に物語の進行によって世界を知ってゆく構造になっています。ロールプレイングゲームによくあるテではありますが。  しかも、主人公が訪れた事でそれまでの世界に変化が訪れ、更にこれまで若い男だけだった世界に最後の一人としてヒロインが現れて更なる波乱を生んで、といった感じでどんどんと状況が転がってゆきます。「一体どうなっているんだろう? これからどうなるんだろう?」という興味がずーっと続いてゆく状態ですから、映画に対する意識の集中が途切れてしまう事がありません。   で、「このダンジョンの中だけで3作かけて延々出口探しするのかいな? 中でグダグダと人間同士の葛藤のドラマとか見せられちゃうのかいな?」と思っていると全然違って。葛藤はあっても状況が追いかけてきますから、物語はどんどんと先に進みますし、この映画だけでひとつの完結を見せ、また次なる展開へと続いてゆきます。最近の邦画の何部作モノにありがちな、儲け出すために分けました的な、1本では全然成立していない内容の薄い作品と違って、ちゃんと映画1本見た、っていう満足感はあって、そして続きも見たい、という気持ちになって。   難点としては主人公がワリと軽率に行動する系であまり共感できず、むしろ悪役になっちゃう保守的な少年の言う事に一理あると思ってしまう点ですか。あと『ハンガーゲーム』に似た部分が結構ありますね。   外へ外へと向かってゆく、どんどん開かれてゆこうとする物語のベクトルには気持ち良さがあって、見る前に抱いていたイメージと違って、なかなかに侮れない作品でした。
[映画館(字幕)] 7点(2015-05-25 22:33:33)
338.  ワイルド・スピード/SKY MISSION 《ネタバレ》 
 「ポール・ウォーカーの死がなければ、ラストの感動も無いから作品の評価も変わる」とすれば、それはポールに対して非常に失礼なワケで、だからあくまで映画は映画として。   5作目が頂点で、あとはまたちょっと下降線辿ってるかなぁ、という気がします。  CGを多用する事で(そもそも最初からCGに頼る事を前提としたプロットになっている事で)画から説得力が欠けてしまっているのは4作目のクライマックス同様。  細かい事はどうでもいい娯楽大作と言っても、脚本の穴は大き過ぎ。見せ場の終わりがエピソードの終わり、だけど車ごと降下してラムジーを救出した後、どうやってあの国から脱出できたの? ビルからビルに飛んだ後、散り散りになっていたメンバー全員どうやって外に出られたの? 結局、見せ場を乱暴に繋いでるばかりなんですよね。  そういう雑な作りだから「仲間ではなく家族だ」とか言ってるわりにハンの死の扱いは軽いですし、せっかくのカート・ラッセルやトニー・ジャーにしても、物語に重要な作用をしておらず勿体ない状態。マイケル・ベイの映画みたいな大味さではあります。「クルマ・おっぱい・お尻・キャットファイト!」みたいな中学生レベルの稚気もマイケル・ベイっぽいですが。  そういうガキっぽさと、ヘンに深刻ぶったドラマと、ビッグバジェットの超大作化とが不協和音を奏でている感じですが、それこそが『ワイルド・スピード』の魅力なのかもしれません。予算タップリな分、見せ場もタップリですし。   ディーゼルは相変わらずの大根ですが、5作目から参戦のドウェインと、今回の悪役ステイサムとで3大ハゲ・アンサンブルを奏でているところはステキ。ドウェインがガトリング銃を手にする画なんて「待ってました!」って感じで。   シリーズを重ねるごとに、どんどんクルマへの拘りが薄くなってしまって(だからこそ空を飛ばそうって発想になるのでしょうけれど)、そこは不満かな。もう少し走りのサスペンスを見せて欲しいところで。今回は徹底して飛翔・落下・破壊で構成されていて、だけどそれはクルマが持つ基本性能と、それが醸す魅力とは全く別のものですからねぇ。   あれこれ文句書きましたが、元々「んなアホな」ってツッコミ入れながら楽しむタイプの映画なので、できればこれからも楽しませて欲しいな、と思います。
[映画館(字幕)] 7点(2015-04-30 20:54:52)(良:1票)
339.  マジック・イン・ムーンライト 《ネタバレ》 
 毎度の懐古主義的ウディ・アレン作品ですが、あの時代の南仏なんて、それは確かに魅力的なわけで。あの風景、あの陽光の中に置かれて輝くエマ・ストーンの美しさ、もうそれだけで勝ったも同然、みたいな作品で。   だけど今回はさすがにちょっとひっかかってしまいました。  当然のように今回もまた主人公はウディ・アレンを色濃く反映した存在です。厭世的で毒舌で皮肉屋でエセインテリ(ここでは上流階級)嫌い。手品師と映画監督というのも同じような存在。いかにして人を上手く騙すか。だけど、ウディとは似ても似つかないコリン・ファースを以ってしても「そんな男に最終的に惚れるか?」と。  身勝手で嫌なヤツなワケですよ。友達なんていなくて、一切人を立てる事をせず、攻撃的な言葉で周囲の人間を不愉快にさせて得意気になる性格の悪さ。でも金持ちのボンボンなんかよりこっちの方がよっぽど魅力的だろ?とばかりにぐいぐいと押し付けてくる状態で、最後はハッピーエンド。  コレ、結局はウディが若返って見た目だけカッコ良くなって演じるラブストーリーなワケですよね。   「エマ・ストーン、スゲーいいよね! 彼女をモノにしちゃうボクを実現しちゃうもんね!」  そんなホンネがダダ漏れな映画。いつまで経ってもウディは若くてキレイなお嬢さんが大好きなのね、って半ば呆れ気味で映画を見終えたのでした。
[映画館(字幕)] 7点(2015-04-27 21:44:05)
340.  シンデレラ(2015) 《ネタバレ》 
 この時代、もちろん随所にCGが使われておりますが、アナモフィックレンズを使ったフィルム撮りの画調はまるで50年代の映画のようで、とてもクラシカルな雰囲気。  『魔法にかけられて』や『プリンセスと魔法のキス』あたりから顕著になった(ある種、自虐的とも言える)ディズニーの「脱・いつか王子様が」路線ですが、『アナと雪の女王』『マレフィセント』までエスカレートしたところで今回は一気に原点回帰といった風情で。オーソドックスな王道に戻ってみましたという感じ。  ですが、それは決して不快ではありません。  これはシェイクスピア作品に代表されるコスチュームものを得意とするケネス・ブラナー監督、堂々の演出による天下のディズニー王道の世界。   いじめ描写が嫌いな私なので元々『シンデレラ』は苦手な作品でした。この作品での継母(さすがのケイト・ブランシェットの風格)のシンデレラに対するいじめには、さほど多くの時間と描写を割いている訳ではなく、ヌルめとも言えるのですが、それでもシンドく。  でも、だからこそフェアリー・ゴッドマザー登場からの多幸感ときたら。  カボチャの馬車、馬になるネズミ達、煌びやかなドレス、ガラスの靴。『シンデレラ』の定番キーワードがキラキラと眩いばかりに映像化されていて、これぞディズニーの『シンデレラ』!と直球ど真ん中で勝負してきます。  ドラマ的には王子と王との関係描写や、政略結婚の陰謀などを盛り込んで厚みを与えてある事で定番過ぎるほどの定番ゆえの退屈さを回避しておりますが、一方で父母の死や、解雇された使用人達、継母と継姉達のその後などはごくアッサリ描写で、あまり引きずらないあたり、軽い印象。   キラキラ煌めく映像の中でも特に目を惹いたのはドレス。シンデレラのブルーのドレス、継姉達の軽薄さを表すカラフルなドレスが、フェアリー・ゴッドマザーの白と継母の黒・緑との対比の間で咲き乱れて、シネスコ画面いっぱいに溢れる「色」にうっとり。   『ベイマックス』のようにテクノロジーの未来にも目を向けるディズニーですが、一方でこれまで育んだ伝統の色を存分に堪能できる作品も新作として生まれるあたりがディズニーの懐の深さなのでしょうね。
[映画館(吹替)] 7点(2015-04-27 21:19:38)(良:2票)
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