761. 告発
《ネタバレ》 よくできた映画だとは思うが、それほど感動はしなかった。 なんでだろう…。 実話が元というのが売りになっているが、ドキュメンタリーではないのでもちろん全部が事実に基づくものとは限らない。 ヘンリーが一人だけ刑務所で目の仇のような扱いを受けているのは、実際は何か他に理由があったのではと勘ぐってしまうからか。 自分は凶器ではあったけど人殺しではなく、人殺しはグレンらだという主旨のヘンリーの証言があった。 それでも人を殺しているのは事実であって、自分の責任はまったくないように聞こえるのが引っ掛かっているのだろうか。 現在では、凶悪な事件を起こしながらなんとか罪を免れようと目に余るような責任逃れの詭弁を弄する弁護士や加害者も目に付く。 そうしたものへのアレルギーが、素直な感動を邪魔しているのかもしれない。 ケビン・ベーコンの演技は見事だった。 [DVD(字幕)] 6点(2013-01-14 00:10:40)(良:2票) |
762. 幸せの向う側
《ネタバレ》 夫の正体が、全然知らない誰かの成りすましだった。 その誰かは十数年前に死んでいて、今度は夫が交通事故で死亡して、かと思ったら実は生きていて…。 あー、面倒くさい。 結婚相手に裏の顔があったというのはよくあるけど、ここまでいくとリアリティがない。 [ビデオ(吹替)] 4点(2013-01-13 23:32:11) |
763. クラッシュ(2004)
《ネタバレ》 ハイウェイでの交通事故から、物語が始まる。 複数の話が交錯して、微妙に登場人物が関連している。 偶然が幾つも重なって登場人物が関連しているので、リアリティは感じないが、お話としてはよくできている。 人種のる壷である現代アメリカの抱える問題が垣間見えて興味深い。 人種差別者の警官が黒人女性を自動車事故で救い、その警官を批判していた若い警官がヒッチハイクの黒人を誤解から撃ち殺してしまったのが皮肉。 人間は光と闇、どちらの要素も持っていて、流れや状況次第でどちらにでも転びうるということか。 交錯する話の中では、透明マントのエピソードが良かった。 女の子が撃たれたのに、傷一つなくて、急にファンタジーストーリーになったのかと思えば、ちゃんとオチをつけてくれる。 脚本が綿密に練られていて、しっかりしているので、観ていて変なストレスは感じない。 [DVD(吹替)] 8点(2013-01-13 07:48:50) |
764. メメント
《ネタバレ》 見終わって、すぐにまた見直して確認してみたくなる。 時間軸を逆にしているので、事件の真相が次第に明らかになっていく構成。 こんがらがって時間軸を自分の頭の中で整理するのに追われてしまう。 ストーリー自体は時系列を直せばわかりやすいものだが、主人公が自分の置かれた状況を必死で把握しようとするように、謎を解明したくて最後まで引っ張られる。 ラストはすべての謎が解けてスッキリ。 モノクロとカラーの使い分けも2回目に見るとループ構造になっているのがはっきりわかる。 記憶の捏造は映画やドラマによくあるアイテムだけど、意外性のある使われ方がバッチリ決まった感じ。 乙一の『ZOO』が思い浮かんだけど、『メメント』のほうが先に出来ていたようだ。 脚本がしっかりしていて、ループが主人公の意図とはラストまで思わなかったし、伏線もしっかり効いている。 「さて、何だっけ?」の落としもお見事。 それより大ショックだったのは、十年くらい前に見たことがあるはずなのにほとんど忘れていたこと。 さて何だっけ状態で、自分の記憶の不確かさにゲンナリ。 当時のメモによると五段階評価のDをつけていて(これも記憶にない…)面白くないとの評価だったが、今回見直して印象は全然違っていた。 [DVD(吹替)] 8点(2013-01-12 22:52:26) |
765. カリギュラ
イカれた男が絶大な権力を握ると本当にこんな感じになるんだろう。 カリギュラが『時計じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェルとは、なんというハマり役。 ハードコアポルノのようなきわどい内容なのに、一流の俳優を使って仕上げるというのは、日本では考えられない。 エログロなのでストーリーには特筆するようなものはないけど、これだけスケールが大きいと無修正版なら一見の価値あり。 [DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2013-01-11 02:32:41) |
766. タイタニック(1997)
日本でも大ヒットした映画だが、やっぱり面白い。 船上で腕を広げるポーズをどれだけの人がマネしたんだろう。 [地上波(吹替)] 7点(2013-01-11 00:29:19) |
767. チャイナ・シンドローム
《ネタバレ》 1979年の映画なのに、現在を予言したかのような問題を提起している社会派ドラマ。 どうしても3.11の原発事故が想起され、怒りが沸いてくる。 利益を追及するあまりの安全軽視や事実の隠蔽をする人たち。 いかにもステレオタイプの役柄だが、現実にも存在するからやりきれない。 原発自体の是非は意見の分かれるところだろうけど、その部分に関しては許されることじゃない。 [DVD(字幕)] 7点(2013-01-10 00:41:22) |
768. アンブレイカブル
アメコミに描かれるヒーローと悪党をモチーフにしているが、アイデアだけが先行してしまった印象。 設定や話の運びに無理があるので、素直に頭に入ってこず、ストーリーの流れに乗れない。 映画が終始暗いトーンで抑揚がないのも気にかかる。 何を描こうとしたのかがピンと来ず、感動もカタルシスも驚きもドキドキ感もなかった。 [ビデオ(吹替)] 3点(2013-01-09 00:05:45) |
769. ゴースト/ニューヨークの幻
《ネタバレ》 恋人に思いがなかなか伝わらない主人公のはがゆさ。 そして、二人が次元の壁を越えてわかり合えたときの感動。 シンプルだけどよくできたストーリーで、自然にストーリーに乗っていける。 インチキ霊媒師のウーピー・ゴールドバーグが効いていて笑いどころもある。 笑って興奮して切なくて、わかりやすく肩肘張らずに楽しめるエンターテイメント作品だ。 [ビデオ(吹替)] 8点(2013-01-08 01:38:55) |
770. X-メン
同シリーズのファースト・ジェネレーションを先に観たが、それよりもかなり落ちる。 設定の説明が多かったのと、老人二人が対立組織のリーダーだったせいだろうか。 ファースト・ジェネレーションで感じたワクワク感がなかった。 [DVD(吹替)] 5点(2013-01-08 00:35:51) |
771. セブン
《ネタバレ》 バッドエンドといえば、この作品が浮かぶ。 箱の中身を見せなくても、主人公の衝撃が明確に伝わってくる。 [ビデオ(吹替)] 7点(2013-01-07 00:34:42) |
772. 裸の銃を持つ男
昔、このシリーズを映画館で見たが、くだらなくて全然笑えなかった。 内容はもうすっかり忘れたが、激しく後悔したことは覚えている。 今見直したらどう感じるかと思って、試してみることに。 やっぱり、この手のドタバタナンセンスコメディはあまり好みではないことを確認。 でも、以前とは違って良さも見えてきた。 全編隙間なく繰り出されるギャグの嵐。 よく練られた小ネタの速射砲にハマる人もいるだろうと納得。 また映画館で観ようとは思わないが、気軽にDVDで観るならと印象が変わった。 [映画館(字幕)] 5点(2013-01-07 00:19:13) |
773. プレデター
《ネタバレ》 理由もわからずに正体不明の見えない敵に襲われる恐怖。 プレデターが人間を襲う理由が、侵略ではなく単なる狩りというのが面白い。 狩りの対象にされて追われる緊迫感で、最後まで引っ張られる。 ただ、無敵のプレデターが丸太落としのトラップでやっつけられるのは拍子抜け。 それまでは光学迷彩で安全なところから攻撃してたのに、最後は武器なしでのタイマン勝負を挑むとか、プレデターのキャラがちょっとわかりにくい。 [地上波(吹替)] 5点(2013-01-06 00:59:56) |
774. ロード・オブ・ドッグタウン
《ネタバレ》 スポーツはたいてい何でも食いつけるが、スケボーは見ていても何が面白いんだかさっぱりわからない。 興味のないジャンルを舞台に何が起こっても、全然関心が沸いてこないので退屈。 カッコいいとも思えず、冷めた目で見つめるしかない。 だいだいプロスポーツものの映画化自体が難しい。 演じるのがスポーツの素人なので、本物のプロの技を見せられないからだ。 この映画でも役者がスケボーの大会で技を見せているが、すごさがまったく伝わらなかった。 それなのに、すごい技が決まった態で話が進行するので、そのギャップに戸惑う。 メインのキャラクターも好きになれない。 無法者のギャング映画は好きだけど、なぜだかこの映画のティーンはウザく感じた。 中途半端で傍迷惑なガキがメインでは、ストーリーに乗れなかったのかもしれない。 青春ものは好きなジャンルの一つではあるけど、この作品は生理的に合わなかったようだ。 ただ、時を経てそれぞれがまったく違った人生を歩んでいる姿には感じるものがあった。 ラストで4人が昔の仲間に戻ってプールで遊ぶシーンは、退屈じゃなかった。 [DVD(吹替)] 3点(2013-01-06 00:56:19)(良:1票) |
775. 愛と青春の旅だち
《ネタバレ》 士官養成学校を舞台に鬼軍曹との絆、ゆきずりのはずだった女との本気の恋愛。 気恥ずかしくなるほどベタな話だが、ストーリーに乗せられて結構楽しめた。 いかにもハリウッドらしい映画。 ベーシックコースだけれど、ちゃんとエンターテイメントの要素は詰まっている。 [ビデオ(吹替)] 7点(2013-01-06 00:54:13) |
776. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 セルマの愚かさで自分自身不幸を引き寄せている部分もある。 が、それにしてもかわいそすぎる。 ミュージカルは嫌いだけど、プレスの機械音が音楽に変わっていくのが面白い。 つらい現実から楽しい妄想に逃れるものの、それが仕事のミスにつながり現実に引き戻される。 セルマに突きつけられるのは、どこまでも厳しい現実。 それから逃れるために、死刑執行の間際にも好きなミュージカルの妄想に浸るしかない。 ビルはセルマを巻き込まないで自分で死ねばよかったのに最低の男だ。 ウソと偏見にまみれた裁判も気分が悪い。 ビルや息子を守るために最後まで真相を語らないセルマの愚かさにもイライラが募る。 絞首刑でマスクを取らせる演出のあざとさがどぎつい。 ストーリーには引き込まれたが、これほど救いのない映画はなかなかない。 それを嫌悪する人が少なくないのも十分理解できる。 評価の分かれる作品だろうが、感情が揺さぶられるという点で駄作ではないと思う。 見た目はパッとしないが、ビョークの表現力はすばらしかった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2013-01-05 01:09:38) |
777. 金髪アカデミー スクールオークション
《ネタバレ》 この手のエロだけが売りの映画は、ほとんどが見た後に後悔するような駄作。 なのに、もしかしたらと手を出してしまう浅はかさ。 裸がいっぱいでてくるのに少しもエロくないとはどうしたわけか。 ゼブラナースの胸の谷間のほうが遥かにエロい。 宝くじは当選番号を見るまでが楽しいってこと。 [DVD(字幕)] 1点(2013-01-05 00:17:01) |
778. キル・ビル Vol.1(日本版)
リアリティ完全無視でタランティーノが好き放題やっている。 フォアグラ、ピータン、納豆など大好きな食材を思いつくままごった混ぜに調理してみましたって作品。 これだけ突き抜ければ、それもアリかと思わせる。 ただ、緊迫の場面でカタコトの日本語の間の抜けたことったらない。 あまりに劇画チックで「なんだよ、これは?」と何度も失笑しながらも、わけのわからないパワーで最後まで見てしまう。 子供や酔っ払いがめちゃめちゃ楽しそうに遊んでいると、こちらも釣られて微笑んでしまうような感覚。 好き嫌いが分かれそうな作品だが、タランティーノ節を存分に味わいたいならオススメ。 [地上波(吹替)] 4点(2013-01-04 00:15:21) |
779. キラー・インサイド・ミー
温厚で評判のよい保安官助手に潜んでいたサイコキラーの凶暴性が目覚める。 サイコキラーが題材となれば、おどろおどろしいホラーになりがちだが、ポップであっけらかんとした描写。 それがまた違った不気味さを感じさせる。 でも、共感できるところがなく、後にはどんよりとした不快感が残るだけ。 [DVD(字幕)] 3点(2013-01-02 02:08:33) |
780. ソウ
《ネタバレ》 冒頭で理不尽な状況に置かれている二人。 そこから回想も挟みながら、事件の概要が少しずつ見えてくるあたりがサスペンスとして面白い。 被害者をゲームのように追い詰めて殺人を楽しむような異常っぷりが不気味。 ラストは意表をつかれた。 いくらじっとしてても生きているなら気づかれないわけがないとは思うが、アイデア勝ちか。 映画の中ではアダムの正体など説明はほとんどされていないが、多くの意味が隠されていたことに驚く。 実は非常に緻密に作られていたことに感心するが、それを全て汲み取るのは難しく、詳しい解説を読まないとわからないのが難点。 いくら緻密でも観客にちゃんと伝わらなければ意味がない。 それに、グロ系の救いのない陰鬱な映画は、いくら完成度が高くても好きにはなれない。 [DVD(字幕)] 5点(2012-12-31 12:21:12) |