1. 西部に来た花嫁
《ネタバレ》 ジーン・ハックマンはこういう役には持って来い。男のぎこちなさが実に愛らしい。俺のやり方を押し通そうとしながらも妻の突き上げに抗し切れなかったりと、二人の意地の張り通し合いが愛らしい。男がずっと忘れず覚えていた「友達が欲しかった」という妻の言葉。それは男の心の言葉でもあったのだろう。だからこそ忘れられない言葉になったのだ。二人のやりあいが愛らしく見えるのも、根底で互いを必要としあっていることが十分に伝わってくるからだ。一人の寂しさを知りすぎているから相手を突っ張り切れないし、相手への慈しみも生まれてくる。「判ってる。判ってる」と繰り返す男の言葉が印象的且つ、象徴的。良い映画です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-24 02:53:01) |
2. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
《ネタバレ》 ブラック世界でブラックなお話。しかしまあ詰まる所、グロがしたいだけの映画です。殺しがしたいのか復讐がしたいのか判らなくなるほどに、延々と人を殺し続けるシーンが続く。いくらなんでも長い。メリハリがあるわけでもなく、本当に延々とただただ人の喉をさっくりと切り裂き続けるシーンに閉口する。皮肉を利かせたつもりだろう死んだはずの妻関連も、顔を合わせても気付かない主人公に「それだけ愛していたならとっとと気付けよ」とツッコミを入れずにはいられない。そう、とっくに観客は気付いている。楽曲は良かったので+1点。 [DVD(字幕)] 4点(2010-07-24 02:43:51) |
3. クローバーフィールド/HAKAISHA
《ネタバレ》 アイディアひとつで随分新鮮に見られるものだということには感心する。しかし、わざとかと思うほど突っ込みどころが多い。何があっても壊れないビデオカメラとか、何があってもちゃんとビデオを廻し続けるとか、さっきまで瀕死だった女が全速力で走ってる(これには寧ろ爆笑だったが)とか、その他にも多々、誰でも突っ込みたくなる箇所の多いこと。序盤が延々と結婚パーティーかなにかで、あいつとやったとかやらないとか下品な話が続くのもたるい。もっとさっさと怪物を登場させても良かったんじゃないのか。怪物の全身像をはっきり出してしまったのもちょっとがっかり。出さないほうが得体の知れないままで良かった。その得体知れないものに為す術も無く攻撃され続けるところに独特の恐ろしさがあったはずなのにもったいない。地下に潜ったら、いきなり普通のエイリアンものになってしまうのもハリウッドの想像力の貧困さを感じる。発想は良かったけど、完全に生かしきるには到らず、明らかに粗い。まあそれでもアイディア賞で6点。 [DVD(字幕)] 6点(2009-09-01 05:00:34) |
4. コクーン2/遥かなる地球
もう二度とは帰ってこれませんってな話だったはずが、そっちに行く船があるから僕らも帰るよって、随分とお気楽な設定になってしまってる。話は前作のエンディングを反省したかのようなストーリー展開ですが、やや今更感は拭えず。前作内でこうして欲しかったもんだ。前作が好きな人にとっては、あってもなくてもよさげな作品っぽい。とりあえず話が繋がっているようなものなので、どうせ観るのなら、まず前作を観ていることが必須かと。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-09-01 04:47:15) |
5. コクーン
《ネタバレ》 かつて観たときは微妙な作品だと思ったが、今回随分と久しぶりに見てみたら、やはり微妙。老人たちがどんどん元気になっていくまでは微笑ましく楽しい。しかし元気になると懲りもせずにまた性的な方向へと話が向かったり、果てはその生命力を維持するために、不老不死を求めるかのように宇宙人と共に旅立つという展開。どうやら自分はこの、生に、あるいは性に固執するエゴイズムに共感出来ないようだ。一時的に生命力は得たが、やはり死を受け入れるという方向であって欲しかった。 [映画館(字幕)] 4点(2009-09-01 04:26:21) |
6. 7月4日に生まれて
《ネタバレ》 以前観た時はとにかくファックだファッキンだとそればっかりが耳に残るったが、今回観てみたら、そこらはあんまり気にならなかった。慣れとは恐ろしい。しかし内容は前回同様、特に面白いとも思えず。大体、自分が甘い考えで英雄気取りでベトナム戦争に行って、民間人殺したことにショックを受けて、パニくって誤射して同僚殺して、仕舞いに自分も敵に撃たれて脊髄損傷で下半身不随になり、帰国して誰も尊重してくれないと逆切れする。戦争に対する考えが甘すぎる。徴兵されて無理矢理行かされた訳でもなく、自分から志願して行ったわけで、それこそビリヤード場で元兵士に言われる言葉そのもの。自分から志願して戦場へ行って、負傷したからと手の平返して偉そうに泣き言を言う姿にどう共鳴しろというのか。志願、徴兵の別なく、実際戦場へ行き国のために戦った人々へはある程度尊重されるべきだとは思うが、これはそういう問題ではない。個人として見たときにあまりに身勝手過ぎる。駄々っ子である。主人公にまったく共鳴させるものがないために、国の罪を責めても、自分が負傷したからこそ国を責めているようにしか見えない。自分が負傷さえしなかったら、きっとこいつは、、、と思えてしまう。そう思わせてしまうだけでも、戦争の是非、負傷兵の待遇の是非を問う映画にはなり難いんではなかろうか。尺も長過ぎですわな。 [DVD(字幕)] 3点(2009-05-24 04:56:24)(良:1票) |
7. エデンより彼方に
《ネタバレ》 夫がゲイでというだけで十分だと思うが、ここに庭師の黒人と妻との関係も絡んで、黒人差別の話まで入ってくる。その為になんだか収拾がつかなくなっているというか、焦点が随分と散ってしまっている印象。常に味方だと言っていた親友が、黒人と妻の関係には冷淡であったりするところに、差別にも種類があり、その根強さは伝わる感じはある。色彩統一した色の演出は無理してる感が出てて、やや微妙。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-07-04 06:13:49) |
8. オーシャンズ13
前作ほど酷くは無い。アル・パチーノが好きなんで、それだけで観ていられたってのもありますが。しかし秘書があんまり有能そうでもないし、あんまりセクシーでもない、ただのおばちゃんに見えるってのはどうにかならなかったものだろうか。 [DVD(字幕)] 4点(2008-07-04 06:06:25) |
9. オールウェイズ
以前観たときもそうだが、やはり期待値に対して内容があまり良いとは言えない。悪くはないのだけど。キャラ付けがややフラつき気味。行動動機の描き方も肝心なところで半端だったり適当だったりする。こういうところからか、いまいち締まりの無い印象。やはりそこはしっかり描いてくれないと、と思うところがおざなりだと不満も高まってしまいます。ヘプバーンの出演シーンは本当に短いが役どころも良く、とても印象に残る。ホリー・ハンターも可愛らしく美しく撮られていて、その点は満足。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-07-04 05:29:46) |
10. ファニー・ガール
《ネタバレ》 今ひとつ面白くない。主人公のファニー自身が余り魅力的に見えないことが大きい。プレイボーイチックに随分濃い相手役のオマー・シャリフは結局カード賭博が仕事なのかね。馬に手を出して失敗し、石油に手を出してまた失敗と失敗続き。あげく借金まみれで夫婦仲も悪くなるというお決まりのパターン。実話なんだろうし、お決まりでもいいけど、盛り上がりがいまいち。映画としての面白さは、結婚するまでがピークであとは惰性に近く、ただ長いばかり。やはり尺の長さが仇になっている。凝縮するってことは大切なんですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-06-10 21:26:22) |
11. ピッチブラック
《ネタバレ》 続編の「リディック」を先に見た状態での鑑賞。あちらに比べてリディックが弱いことに驚いた。いたって普通に捕まっている。しかも捕まえている保安官が全然強そうに見えない。見栄えが利かないって言うか絵にならない地味さ加減。もう少しキャスティングをどうにかできなかったものか。続編と違ってこちらはパニックムービーに近い。エイリアン的。だが安っぽい。予算もないのだろうけど、CGも見るからに安いです。クリーチャーも結局エイリアンや恐竜の派生系で目新しさなし。光が彼等を傷つけるという設定は面白かったが詰めが極めて甘く、説得力がゼロになってしまっている。大体、光を恐れているはずなのに、普通に明かりがある中で二人も襲われている。その時点で設定の破綻も甚だしい。あんなに明かりのある状態でダメなら、あの青白い薄明かりで無事なわけが無いだろう。しらける。 [DVD(字幕)] 4点(2008-06-10 21:11:22) |
12. リディック
《ネタバレ》 かつて観た時はいまいちだったが、今回観てみたら結構良く出来た娯楽映画だと評価アップ。下敷きに聖書の話もちらちら。改宗を強いるとかも昔のキリスト教を思わせる。前作を知らなくてもこれだけで十分に楽しめる。とことん強い主人公というのもこの手の映画では必須。良くある強い主人公の一時的敗北パターンもない。ちょっとやられたシーン程度。灼熱の惑星などの設定も良い。最後の皮肉な結末も好み。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-10 21:00:39) |
13. フリー・ウィリー2
《ネタバレ》 シャチと人間のそれぞれの兄弟愛のお話。あれだけ報道されたシャチを売りさばこうと画策するのは随分無理がありますが。意外と前作より評判の悪いこっちの方がまだ楽しめた。ちなみに3は、、見ないことをお勧めする。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-06-10 20:47:41) |
14. フリー・ウィリー
主人公が里親にあまりにも頑なに心を開かない姿が嫌な感じ。シャチと触れ合うことで学習し、もう少し自然に心を開いたという表現が出来ないものか。あれでは都合の良い時だけ利用しているようにも見えてしまう。結構ご都合感や強引なところもがあるが、まあこの手のタイプの映画だからそういうところはとやかく言うまい。子供向け、あるいはファミリー向け映画。大した感動はないけど家族で見るならこれで十分なのだろう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-06-10 20:34:06) |
15. ラブ・アクチュアリー
同時進行型オムニバス。比較的下の話が多めなのがちょっと意外。何らかの性的な要素が絡むのは仕方ないのだろうか。しかし楽しめるのはやはりそういう要素が低めの話の方。アメリカがまるでエロ大国のようなおちょくり方は面白かったけど。 [DVD(字幕)] 5点(2008-05-08 02:23:08)(笑:1票) |
16. ワーロック(1959)
《ネタバレ》 雇われ、初めは受け入れられても次第に町の人間の目が変わってくる、そして町を出る羽目になる、という主人公の言葉どおりの展開が期待されるところだが、初めから町の人間が彼に批判的で、あまり変化が感じられないのが大きなマイナス。対立する元悪党の保安官も主張がボロボロだし。主人公がどうして人望を失ったかということもいまいち明瞭ではない。設定は面白く、俳優も上々。なのにこのだらしないストーリーは何だろう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-05-02 00:01:54) |
17. シェーン
子供の頃TVで観てから、久しぶりの鑑賞。意外やシェーンの服装が格好悪い。ベルトをつけてればまだ見られるが、外すと何だかプレスリーのコスプレ崩れに見えなくもない。子役も子役でちょっと目つきが悪い。こんな顔だったっけ。はて。色々淡い記憶との違いに戸惑います。肉弾戦が多く、西部劇というより人情劇。今見ても印象的な名ラストシーンに+1点。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-04-20 18:58:43) |
18. スパイダーマン3
《ネタバレ》 初っ端の親友との戦闘シーンは最早アトラクションムービー。ここまでやってくれればもうCGどうこうとは言う気もなくなる。スピード感も相当だし、映画館で見ていれば迫力倍増で存分に楽しめただろうと思う。ストーリーもそれなりにあれこれ入り組ませながらやってる方。アメコミ原作だし、もともとアクション物だしで、そんな深いものを求めるのは筋が違うが、人間の負の感情を餌として食いついてくる地球外生物はそれだけで物語りにアクセントを付けてくれるし、明確で判り易い。まあ便利な存在。研究所がモニターでチェックもせずに実験をするなど有り得ないことをしたり、恋人が見ていると判っている表彰式でキスをしてしまったり、おばさんが突然都合よく訪ねてきたり、あのタイミングで執事が「私は全てを見ていました」などと今更告白したりだの、結構首をかしげる部分も少なくは無い。サンドマンも結局倒せてないし、親友も死ぬ必要なかったような。まあ楽しめたからいいじゃないかと許してしまおう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-04-20 18:44:42)(良:1票) |
19. クレオパトラ(1963)
お金は掛かってるのは判るが、前半も後半も特別引き付けられるものがない。これじゃぁコケても止む無し。クレオパトラが何を求めていたのかも明確に見えてこない。ある程度男を焚き付けてはいるが、そんなに権力欲があったようにも描かれず、なんか中途半端でぼやけ気味。その時々で目指すものが違うような。最後はメロドラマで綺麗に終わるけど、なんだかね。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-04-20 18:11:42) |
20. カジノ
《ネタバレ》 始まりから二人の交互の独白が最後まで続く。三時間聞かされっぱなし。独白によって進んでいくのは「グッドフェローズ」と同様。あれもマフィア。こっちもマフィア絡み。やってることは同じなんですな。あっちは二時間半だったがこっちは三時間。長尺もパワーアップ。テンポは良いので見ていてそれ程飽きはしなかったが、内容が薄い。無駄なシーンもちらちら。あれはどうなったのかという点もちょろちょろ。結局ジョー・ペシの暴力をアクセントにした、ただの痴話喧嘩話なのだということに見終わってから気付く。三時間もかけて痴話喧嘩を見せられて一体どうしろというのか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-04-18 02:27:48) |