201. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 主人公がごく普通の人間である(ヒーロー的な活躍をまったくしない)からこそ、逆に怒りや哀しみが生々しく伝わってきます。本来の家から廃墟の屋根裏まで、生活環境が累進的に劣悪になっていくのが、そのまま、主人公の荒涼とした心境を象徴しています。そのすべての状況でそれに即した演技表現を存分に行ったエイドリアン・ブロディには拍手を贈りたい。そしてそれと同じくらい印象的だったのがカメラワーク。窓の外で起こっている悲惨な出来事を、ことさら映像的に強調することなく、部屋の中から主人公目線で追い続けるショットには背筋が寒くなります。どうしても気になるのは、仕方のないことかもしれないけど、台詞が英語であること。こういう民族性がからんだ作品では特に。 [映画館(字幕)] 7点(2006-05-07 04:13:14) |
202. スクール・オブ・ロック
《ネタバレ》 (1)小ネタとしては、キーボードの子にイエスの「こわれもの」を渡すにとどまらず、バックコーラスの子にフロイドの「狂気」を渡して「虚空のスキャット」を聴けだなんてやっちゃってるところ。それと、黒板いっぱいに書かれた「ロック人脈図」。これだけでドツボ。(2)そのような小ネタを挟みつつ、一番素晴らしいのは、ロックの原点を、素朴に、誠実に、脚本と演技という形で表現していること。そう、ロックの立脚点を一言で答えるならばそれは「反抗」以外にはありえないし、そこで歌うべきことは、単純な「心の叫び」でしかない(歌詞の題材なんかは何でも良いと思うが、出発点はそこであるべきだ)。そして、そのような出発点の下に、曲ができ、バンドができていく過程を、この映画はきちんと具現化しているのである。ついでに、ある日バンドをクビになったりとか、チラシを貼ってメンバーを募集したりとか、思いつきで曲ができあがったりとか、そういうバンド活動のディテールの描写も実にリアル。(3)ジャック・ブラックがはまり役なのは当然だが、ジョーン・キューザックのサポートぶりも見事。「くそ真面目だけど実はスティービー・ニックスで踊り出します」なんていう人格の表現は、この人にしかできません。ただし、サブキャラはあと1~2人いてもよかったと思うけど。(4)全員の演奏シーンが感動的なのはもちろんだが、キーボードの子には、もう少しロック的な弾き方をきちんと教えてほしかったな。 [DVD(字幕)] 7点(2005-10-17 01:42:07) |
203. トラフィック(2000)
構成の試みとしてはなかなか面白いのだが、とにかく長い。いや、長いのはいいのだが、行けども行けども同じようなことを繰り返しているばかりで、話が少しも前に進んでいかないので、見ていて気が滅入ってくる。途中、30分くらい抜いても分かんないんじゃない?俳優たちの役作りはなかなか気合が入っていて、その部分で作品を何とか成り立たせている。 [DVD(字幕)] 5点(2005-09-09 02:34:47) |
204. ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月
《ネタバレ》 内容的には無難な出来だが、結局は「単なる続編」という以外の何物でもなく、作品としての独立した価値が感じられない。ヒュー・グラントの出番が少ない上にやる気が感じられないのも気になる。恋敵が実は・・・の場面も、大事なところなのだから、もう少し引っ張ってほしかった。あと、タイの留置所の場面も、重たすぎて作品の雰囲気に合わないので、あそこまで長くない方がよかったと思う。 [映画館(字幕)] 5点(2005-08-08 02:02:30) |
205. ルナ・パパ
何を言わんとする話なのか、ほとんど理解できませんでした。作り手の脳内だけで勝手に進んでいる話を映像という形で押しつけられても、見る方としては困るだけです。 [地上波(字幕)] 2点(2005-07-09 22:18:07) |
206. アビエイター
特段、集中的な盛り上げ部分もなく、小さなエピソードをつなぐような形で最後まで行ってしまっているので、一歩誤ったら眠くなってしまうところなのだが、意外に最後まで集中して見ることができた。主人公自体が、徹底して、ひねらない・曲げない・計算しない人格として表現されているため、変な盛り上げを入れなかったのはかえって正解だったのかもしれない。ディカプリオの気合の入った熱演ぶりも特筆すべき(ギャング・オブ・ニューヨークでのやる気のなさとはえらい違い)。ブランシェットが後半ほとんど出なかったのと、ラストの中途半端さが残念。 [映画館(字幕)] 6点(2005-04-10 02:26:14) |
207. アメリ
アメリ自体が全然可愛くない(見た目も中身も)のが大きな難点。各場面も、思いつきでつなげたような感じで、一貫性がないので、見ていて退屈。 [ビデオ(字幕)] 4点(2005-03-31 02:56:00) |
208. ガーゴイル(2001)
台詞を極力落とした趣向は面白かったが(全部について必然性があるかどうかは疑問ではあるが)、肝心の内容が何をやっているのかさっぱり理解できなかった。 2点(2005-03-29 01:34:32) |
209. 聖なる嘘つき/その名はジェイコブ
何か、登場人物全員が自分で自分の首を絞めているようにしか見えないんですが。そもそも、この話によって何を表現したかったのかも分からない。ロビン・ウィリアムスも、生々しい生活感がなさすぎて(本来、それが彼の長所なのだが)、この種の話には合っていない。ゲットーの中でボケやオチを期待させてどうする。 2点(2005-03-13 01:58:32) |
210. ターミネーター3
ひたすら追いかけっこをしているだけで、内容的に特筆すべき点は何もない。ただ、否定説が圧倒的に多そうなT-Xのキャラは、私は結構気に入った(徹頭徹尾無表情な中で、クレーン車のシーンでシュワを振り落として一瞬嬉しそうな表情になるところがよい)。 4点(2005-02-26 03:00:16) |
211. ハリウッド・ゲーム
誰が何をしたい話なのかほとんど表現されていない上に、「これは予算足りなかったんだな」とすぐに分かるシーンが満載なのが悲しい。役者たちの、手抜きとしか思えない演技水準の低さにもびっくり。 1点(2005-02-06 01:07:22) |
212. 恋は邪魔者
前半はまあまあ面白く見られましたが、レニーの告白は設定自体要らなかったと思うし、その後は完全にグシャグシャです。お遊びの映画だからこそ、ああいうところはシャープにまとめてくれなくては駄目なのです。 5点(2004-09-05 18:05:46) |
213. バイオハザード(2001)
肝心のゾンビの攻撃が全部同じなので、話がいくら進んでも面白みがない。みんな演技下手だし。 4点(2004-09-05 00:06:40) |
214. エントラップメント
とにかく、主演2人の会話(というか全員の)が陳腐で、見ていて恥ずかしかった。 3点(2004-07-05 00:55:13) |
215. スターリングラード(2001)
映像の迫力のおかげで退屈はしませんでしたが、ストーリーは至って平坦でした。全体的に暗めで地味な色調と、ガラスの破片のシーンが印象的でした。 5点(2004-05-30 00:29:18) |
216. トータル・フィアーズ
サスペンスとしても退屈で眠くなるし、そもそも、緊迫感という言葉とはおよそ無縁であるベン・アフレックを主演にしてはいけない。 3点(2004-03-13 23:51:33) |
217. パーフェクト・カップル
まったくどうでもいいような題材なのだが、最後まで見られたのは、エマ・トンプソンとキャシー・ベイツの巧演があったからこそである。 4点(2004-02-09 01:49:55) |
218. ウェディング・プランナー
どこを切ってもベタベタなのですが、こういうのはそれでいいのです。しかし、相手役の男が全然格好良くないのは、何とかならなかったのか? 5点(2004-02-01 23:40:05) |
219. 15ミニッツ
このタイトルは、「主題が描かれているのは、映画の中で15分間だけです」という意味ですか? 3点(2004-02-01 01:38:30)(笑:1票) |
220. 未来は今
最初のほのぼのした感じは良かったのですが、途中からどんどん演出過剰になってきて、醒めました。ほかの作品からのパクリも目につきました。 4点(2004-01-31 23:43:02) |