1. 緋牡丹博徒 花札勝負
《ネタバレ》 いやぁ面白い。 コアなファンのいそうな、このシリーズ。 うかつなことは言えないが、本作に限って言えば、 なんだ、この話の山盛りは!! この脚本家は、今後の自分の作品のこと考えずに、手持ちのネタを 全部、振り絞ってんじゃないか!?ってくらいの、サービス満点の重厚なお話。 ラスト、花札でケリをつけて欲しかった。 が、博打で負けても、仕返しする連中だから、結局、こんな風にラストはなってしまうのか・・ 惜しい!! もし花札でケリをつけたラストなら、「男はつらいよ」の「夕焼け小焼け」みたいに、 シリーズ映画が邦画史上の傑作の一本になりえただろう、うむ。 [DVD(邦画)] 8点(2023-09-20 23:16:45) |
2. 光(河瀬直美監督作品)
《ネタバレ》 女性監督の創る映画のラブシーンには特にモヤモヤした感情はわかないもんだけど、河瀬さんの映画は違う。官能的なんだね。顔を触るシーン、キスシーン、何やらドキドキしてしまう。 この映画は河瀬さんの映画論でもあるんだろう。仕事論でもあるのかな。主人公の女性の成長していく様子が心地いい。 永瀬君もすっかりおじさんになってしまって、同世代の自分には感慨深い。ホントどこにでもいるおじさんなんだけど、個性的な面々のそろう邦画界の中には貴重な存在だよね。 [DVD(邦画)] 8点(2017-12-16 10:31:13) |
3. 彼岸花
《ネタバレ》 おぉ!小津映画がカラーになってる。でも基本、白黒と変わらぬ演出。強いて言えば、赤の色が有名な映画。もう、小津節の人情喜劇、全開!って感じで、頑固親父と、その彼を結局手綱づけてる周囲の女性たち。小津映画の女性たちはみな初々しい。これが日本映画の良さなんだね。山本富士子のお母さんのお喋りは勘弁してほしいが(笑) [ビデオ(邦画)] 8点(2016-09-19 12:32:29) |
4. 蜩ノ記
《ネタバレ》 身の引きしまるような映画だった。時代劇はいいね。現代劇が言わないことをストレートに言ってくれるから、分かりやすくていいや。 [DVD(邦画)] 8点(2015-08-14 22:41:20) |
5. 百円の恋
《ネタバレ》 「気合いだ~!」安藤サクラは、映画界の浜口京子である。父、奥田瑛二のスタイルをそのまま、彼女はフィルムの上で闘い抜いた。「映画をなめるなぁぁぁぁぁぁ!!」。ハイ、なめてません!それにしても凄い女優だ・・。 [DVD(邦画)] 8点(2015-06-16 00:15:41) |
6. ひとよ
《ネタバレ》 田中裕子、圧巻の存在感! 子どもたちも重量級の役者をそろえて、バランスがイイ。 田中裕子とエロ本のくだりが好き。 次男が子どものころ、万引きして、引き取りに行った帰り。 そして、皆が無茶苦茶になったとき、スネて、田中裕子がエロ本を万引きして、 家族と一緒に帰るとき。 何かむしゃくしゃしていた時に、観たら、 観終わったら、スッキリした。 頭に浮かんだのは、田中裕子のコンチキショーメーといった演技。 スカッとするのだ、これが。 [DVD(邦画)] 7点(2020-08-28 23:05:04) |
7. 一人息子
《ネタバレ》 小津トーキー第1作。 会話の内容が実にはっきりしていて、聞きやすく、味わい深い。 飯田蝶子の話す演技が実に際立っていい。 トーキー第1作にして、小津は自分の映画文法を確立したかのようである。 それにしても戦前の東京でもう都会に人が流れる様が描かれている。 それから80年間(途中戦争があるが)、東京に人が流れていったのだから、一極集中は当たり前だね。 [ビデオ(邦画)] 7点(2019-10-29 13:47:37) |
8. ヒポクラテスたち
《ネタバレ》 最後まで観ると、味わい深いですね。 全体的に録音がひどくて、会話が聞き取りづらくて、困りました。 まぁ命を軽んじる人は、医者には向いてないということですね。 看護婦と不倫する医者なんてドラマをよく見ますが、ありえないということでしょう。 最後、伊藤蘭演じる女性の自殺は、大森監督の周囲にそういう女性がいたんでしょうね。 この話の筋からは、ちょっと理解できなかったです。 真の医者の想いみたいのを描いてたら、またちょっと違ったのでは、と思います。 [ビデオ(邦画)] 7点(2019-09-24 01:48:02) |
9. ビブリア古書堂の事件手帖
《ネタバレ》 また、こりゃ使えない男(ヒーロー役)だな~と失笑してしまったが、 訳があったんだね。 因縁の二人の対決だったわけだ。 でも最後の台詞は、君のものじゃないね(笑) 華ちゃんの笑顔がナイスでした。 う~ん、本とミステリー、相性いいので、面白い素材だとは思うけど、 せっかく鎌倉が舞台なら、「鎌倉ものがたり」であれだけのSFXを使ったんだから、 もっと創造力豊かな、名作「薔薇の名前」のようなミステリーが観たかったというのが正直なところ。 でも三島監督だもんね。女性らしいまとめ方で好感持てます。 誰か骨のある監督さんが創る、日本文学史とSFXを使った歴史ミステリーで挑む 壮大な本の物語を観てみたいですね~ [DVD(邦画)] 7点(2019-09-23 00:21:03) |
10. 羊と鋼の森
《ネタバレ》 普通に良かった。 地味だけど、良作。 両親とペットを亡くした家の子どもは、どっからお金が出てきてんだろう? 上白石姉妹の家より、大問題だろう! この子のことをとりあげる方が大事なのに・・ 「今」を描くとしたら、こっちなのに・・ この作品が普通の作品になってしまったのは、残念。 [DVD(邦画)] 7点(2019-03-20 00:10:26) |
11. 羊の木
《ネタバレ》 罪を犯した人間に寄り添う吉田大八監督。 でも許せない人間もいる。 今回は、犯罪者が一気に6人も出てくる。 しかし松田龍平演じる、根っからの人殺しには、吉田監督は寄り添わなかった。寄り添えなかった。 人としての審判の及ぶところではない。 それでも彼の映画に怒りはなかった。 吉田監督はのろろという神さまに審判を託した。 [DVD(邦画)] 7点(2019-01-12 16:17:08) |
12. 火花(2017)
《ネタバレ》 菅田将暉は本当にいい役者になった。 「あぁ荒野」でも見応えがあったが、彼のこれから演じる映画が楽しみだ。 芸においても自分を見失わないことが大事なのだ。 慕われている後輩から追い越され、大事なものを失ってしまった桐谷演じる漫才師。 彼の笑えない笑いが、ボインであった。 テレビで華やかな漫才師たちの現実がわかった。 やはり大変な世界だった。 ニヒルな又吉の「怒り」が伝わった。 [DVD(邦画)] 7点(2018-10-13 20:56:36) |
13. ひとり狼
《ネタバレ》 そうか!山田洋次の「寅さん」や高倉健の出てる映画は、時代劇の股旅ものを踏襲してんだ。それか、時代の空気が時代劇にも現代劇にも、こんな人情もののスタイルを生んだのか?う~ん、そこらへんはこれから時代劇を観ていく上での問題意識だ。それにしても市川雷蔵さんて女性にもてるねぇ。そして男を敵にする。それは彼の「大菩薩峠」でも一緒だった。映画の本なんかで見ると、普段着の市川雷蔵って、韓国のペヨンジュンに似てるんだよね、どこか。きっと当時のおばちゃんたちのアイドル的役目も果たしてたんだろうね。今回は女にもてる彼に、同じ股旅の友だちが助っ人に出てくるところが新鮮だった。男に嫌われてる役ばっかりじゃないんだね。 [DVD(邦画)] 7点(2014-05-25 12:15:14)(良:1票) |
14. 秒速5センチメートル
《ネタバレ》 良かったです。ただ最後、ちゃんと決着をつけたラストにして欲しかったです。中途半端な彼がたどりついたところとは・・・。そこまで描かなければ、お金をかけて、たくさんのクリエイターが汗を流した意味はないと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2013-02-26 23:26:42) |
15. 必死剣 鳥刺し
《ネタバレ》 実際の斬りあいってこんなのだろうな、と思いました。ドタドタって感じで、血もどわーって出て。最期の姿は、侍の生き様の壮絶さを感じました。トヨエツもいい仕事してました。池脇千鶴ちゃんも「大阪物語」の可憐な頃に比べて、大人の女になっちゃいましたね。いやいや何より、ほんっと、藤沢周平作品ってハズレがないですね。この作品は「隠し剣」の次に好きです。もっと映画化してほしい作家です。 [DVD(邦画)] 7点(2011-04-10 06:14:45) |
16. 陽はまた昇る(2002)
NHKのドキュメンタリーは面白い。やはり、功績を成し遂げた人物の実際の顔を見ると、映画にはできない何かが伝わってくると思っていた。だから、この映画も期待してなかった。でも観たら、これが面白い!映画の可能性を見直した。俳優の熱意みたいのが物語を引っ張り、2時間チョイの映画体験で、社会の「理想」みたいのが感じられる。元気づけられる。これはドキュメンタリーでは難しいのではないか?西田敏行の演技も良かった。浜ちゃんのイメージが強いので、ちょっと心配したが、彼はやはり俳優だった。そして、松下幸之助をだれが演るんだ?って思ってたら、おお~というキャスティング。その存在感を見事に演じていた。感動した。 [ビデオ(邦画)] 7点(2010-11-16 12:08:44) |
17. ピーナッツ
《ネタバレ》 そもそも最後まで見せた、って事がすごい。バラエティで鍛えた、ちょっとした笑いや、楽しくなるようなBGMが、映画への集中力を途切れさす事なく見せてくれました。これは大事な事で、プロの監督が創っても、時計を気にする作品が多いのに、これは凄い!面白かった。ラストもアマイ展開ではなく、シビアだけどちょっとホロリとこさせるとこなんか良い。ただし、映画というよりマンガに近かった気がする。さま~ずが好きなので、準主役の三村をたっぷり観れたのは良かった。大竹も彼の個性にあった人物設定で良かった。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-31 12:38:03)(良:1票) |
18. ひゃくはち
マンガ「ダイヤのA」の新入部員時代と雰囲気がよく似てました。実際、あのような感じなのでしょうね。センスのある人間もない人間も何かに夢中になります。そのような中でも切磋琢磨していく様は素敵です。ちょっと泣ける場面もあり、良い映画だと思います。某レンタル屋でお奨め100本の映画の中にあったので、観てみました。観て良かったです。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-12-29 13:29:13) |
19. 百万円と苦虫女
《ネタバレ》 蒼井優はいいね。演技してます、って感じじゃ全然ないもの。この映画、日本版ロードムービーの傑作になるのでは?という予感がしました。でもやはり女性の一人旅は危なっかしいよね。いろんな男が寄ってくる。弟の話は結局どうなるのだろう。逃げないで、いじめに立ち向かうつもりなのか?段々この子の顔が賢そうな顔から丸顔になっていくのは演出でしょうか?大丈夫かなあと思う。姉ちゃんの出番だって感じで一度戻ったら良いのに。あんな頼りない両親には任せておけない。しかし、くずっているもんですねえ。別に洒落た家具を持っていたわけでもないのに、それを捨てられたからって、女性を拘置所にいれてしまうなんて。あ、これは映画か。なんか蒼井優の演技でドキュメンタリー見てる気になってた。つきあってた男との別れ。彼女が何かに気づいて、この町に戻ってきたら良いのになあと思いました。 [DVD(邦画)] 7点(2009-04-17 18:18:31) |
20. HERO(2007)
《ネタバレ》 面白かった。僕は娯楽作品は大好きなので楽しめた。確かに普通の映画のようにまとまっていないけど、今回この映画を観るために、ドラマの方を見てみた。そして、一気にファンになった。こんな面白いドラマがあったのか!登場人物がみんな良い。レンタル屋でいつも映画のコーナーしかチェックしなかったので、これからは日本のTVドラマもチェックしようと思った。このメンバーでまた次の作品を創って欲しかったが、あのラストでは続きは無理でしょうね。しかし、ドラマでは松たか子とキムタクってベストカップルのように思えたのに、それぞれ別の人と結婚しちゃって、何か寂しいなあ。映画もその辺が観てて寂しかった。劇の中だけのカップルなんだよなあ、って思ってしまって。 [DVD(邦画)] 7点(2008-04-07 23:19:16) |