141. 権三と助十
《ネタバレ》 伝説の伊丹万作作品をついに観たぞ! 素晴らしい! 人のいい長屋の大家と、クセのある長屋の面々。 ある日、長屋の一人が無実の罪に問われる。 そして長屋の彼らが大岡越前に挑む! 大家が計略を図る。そして真犯人を捕まえるべく、大あらわ。 まさかのどんでん返し! (大岡様はすべてお見通しだった~!) 気持ち晴れやか大団円♪ もう映画の楽しさ、満載! [ビデオ(邦画)] 8点(2019-09-12 23:05:51) |
142. 長屋紳士録
《ネタバレ》 小津さんの映画は、ほっこりするね。 昭和の戦後の高度成長の頃だろうか? 出稼ぎで上京してきた親子の子供がはぐれて、長屋にお世話になる。 まぁそういう話なのだが、この頃は本当に貧しくて、ルンペンと言われるような 乞食のような子供もいたから、長屋の人たちは、最初は子どもを邪険にする。 ところが強情なのだが、どこか憎めないこの子に、情が移って来る。 最後のおたねさんの涙の訳を聞いて、長屋のみんなは「ほう」と思う。 分かれて悲しくて泣いたのでなく、その子供がどんなに嬉しいだろうか、思って泣くのである。 もうこういうハートの分かりやすい映画は昨今ではないねぇ・・ [ビデオ(邦画)] 8点(2019-08-09 14:34:14) |
143. 北のカナリアたち
《ネタバレ》 阪本監督、リスペクトしてます~(泣) 吉永小百合も良かったですし、松田龍平の抑えた演技が良かった。 最後の教室の場面は感涙しますし、石橋蓮司の小粋なとこもいい。 や・は・り、阪本監督は凄い! [DVD(邦画)] 8点(2019-07-27 23:15:27) |
144. 眠狂四郎 無頼剣
《ネタバレ》 面白い! 御贔屓の伊藤大輔脚本ときて、 「剣」の三隅と市川雷蔵のコンビである。 裸の藤村志保が布団にいるのを挟んで、大塩平八郎残党と狂四郎のにらみあい。 こんなエロチックなアクションシーンないよ~(涙) 狂四郎の言葉がイチイチカッコいい。 「思ふこと言わねば 腹ふくるるとかで よほど思案に余ることなら 聞かぬまでもない。」 「俺はな産みの母親の顔さえ知らんが おんなの腹から産まれてきたのに 相違ないのだ。おふくろさまと同じ女性(にょしょう)に理不尽を働く輩は、 理非曲直を問わんぞ。」 あれぇ~?狂四郎さんてそんなキャラでしたっけ(笑) でも雷蔵ってカッコいいよねぇ~(溜息) [DVD(邦画)] 8点(2019-06-29 22:36:39) |
145. 細雪(1983)
《ネタバレ》 大好きで何度も観てる映画。 昭和のころは、こういう作品もテレビで放映されてたのだ。 ビデオに録って、大事にしてた一本。 最後の佐久間良子の「あの人、ねばりはったなぁ」の一言で笑ってしまうんだよなぁ。 吉永小百合が結果的にしたたかに見える強情な女性をうまく演じてる。 その後の石坂浩二の女々しい酒が好き。 この吉永小百合と石坂浩二の二人は、「おはん」で恋人同士で共演してる。 「細雪」のスピンオフみたいに鑑賞するのも、面白そうだね。 [DVD(邦画)] 8点(2019-06-23 22:50:27) |
146. 検察側の罪人
《ネタバレ》 観応えあって、面白かった。 原田監督の洗練された社会派ドラマ。 「バウンス」や「金融腐蝕」で期待された監督だけど、ここんとこ大人しかった!? でも久々の原田監督らしさというか・・ やはり社会派をこの人くらいスタイリッシュに 面白く描ける人は中々いない。 期待してますよ~。 それにしてもキムタクは犯人役の方がいい味出すと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2019-05-18 20:34:40) |
147. 王将一代
《ネタバレ》 板妻の「王将」の続編である。 伊藤大輔監督は、この後にも三国連太郎でまた「王将」を撮っているようだが、 坂田三吉への惚れ込みようはスゴイ。 さて、本編、東京一極集中に対するアンチテーゼになってる。 関西名人一派が東京に流れていき、後半、坂田三吉と東京名人の入江と勝負して、 コテンパテンに負けてしまう。 ところが失意の坂田は、そこで自分ならではの一手があると気づく。 これこそ近代将棋に対する、坂田将棋の光を見出す。 そして東京に流れた一番弟子が自分を相手に坂田将棋を磨いてくださいと言う。 もうクライマックス最高潮である。 ところが、その後、一番弟子や坂田の愛弟子が交通事故にあう。 これでジ・エンドである。 伊藤大輔の時代の流れには勝てぬという絶望感だろうか・・ それにしても「王将」シリーズは、日本のロッキーである。 いや、ロッキーより深くて面白い! [ビデオ(邦画)] 8点(2019-05-13 13:28:28) |
148. みかへりの塔
《ネタバレ》 清水宏は子どもを描くのがうまいなぁ。 自然体ではないけど、子どもらしさってさもあありなんって感じ。 漫画サザエさんの子ども描写とよく似ている。 案外、長谷川町子さんは清水宏からヒントもらってたのでは? 映画は問題児たちが水路工事と言う事業をなしとげてしまうという話。 ラストは涙なくしてはいられない。 素晴らしい作品だと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2019-05-07 08:34:06) |
149. 張込み(1958)
《ネタバレ》 映画の前半で、どっかで観たことある映画だなぁとデジャブを感じたら、 ヒッチコックの「裏窓」(1954)だと気づいた。 でも後半、ついに動き出してから、一気に映画が動き出す。 そして見失いそうになると、ここまで張り込んだのに、逃したら間抜けな刑事だと 見方の厳しいサスペンスになっていく。 でも下手な銃撃戦もなく、きれいに幕。 でも東京ってやっぱり怖っと思ってしまう内容だった。 清張の「顔」もそうだけど、都会での挫折って北九州出身の彼のポイントだよね。 [DVD(邦画)] 8点(2019-03-21 23:12:44) |
150. ちはやふる 結び
《ネタバレ》 「しのぶれど」と「恋すちょう」の二首を試合のクライマックスに 持ってくるとこなど、本当に勉強になったし、面白かった。 昔の歌合わせが、紅白歌合戦みたいに、お互いの意地とプライドをかけてやったという 話は、それだけでもストーリーが一本できそうなほどエキサイティング。 (ちょい昔、邦画に「恋は五七五」という名作がある!) 若い俳優たちがみんな好感もてるのがいい。 特に女優。 無駄に美人という設定のちはや役を広瀬すずが体を張って演じてる。素敵だと思います。 「舞妓はレディ」の上白石萌音も、いかにも日本の伝統を知っている女性という感じがよく出てて、はまり役。 松岡茉優もどこかコミカルな才女役を存在感たっぷりに演じている。 男優役も好感持てるし、こんな連中との高校生活は楽しかろうと思いました。 高校時代の青春燃焼物の傑作です。 [DVD(邦画)] 8点(2018-12-23 13:20:37) |
151. 友罪
《ネタバレ》 あの衝撃的な事件を思い出す。 確かに、あれからどうしているのか・・ この映画では、本来の話の序章みたいな形で終わる。 できれば、瀬々監督には、この話を最後まで撮り続けてほしい。 本編では、ラスト瑛太演じる鈴木君は心から泣けなかった。 彼が心から泣くまで、ドラマを観ていたい感じだ。 でも、救いとして、友達ができた。 これはこれでハッピーエンドである。 だけど、闇を抱えた人間は周囲も闇に引きずり込む、もしくは同類を引き寄せる。 映画の中の鈴木君は、そして少年Aのこれからは、まだまだ波乱に満ちているだろう。 心から泣ける日の来ることを願うばかりだ。 [DVD(邦画)] 8点(2018-12-01 18:11:42) |
152. 誰も知らない(2004)
《ネタバレ》 この映画を観ていて、「蠅の王」を思い出した。 無人島で子どもたちが行き抜いていくという話である。 本作は、まさに都会という中で、子どもたちが生き抜いていく映画だった。 この映画は現実はこうだ!という映画ではない。 ただ子どもたちだけの世界を、静かな時間を描いている。 ドキュメンタリー手法で、大人が大事にする世間というもののない世界を我々に体験させてくれる。 いつこの幸せな時間が奪われるだろうと思っていたが、この映画はそこまで描かない。 社会への怒りなども描かない。 作者の主張の薄い映画だった。 それでも、とても作家性のある映画だった。 音楽も良かった。 ゴンチチの音楽が、都会の孤立を表してるようで、胸にスッと入ってきた。 救いのようなコンビニの女性店員さんが、ラストの曲のシンガーソングライターだと知ってビックリ。 [ビデオ(邦画)] 8点(2018-11-30 12:13:06) |
153. 美しい星
《ネタバレ》 吉田大八はいいなぁ。 ズレてる人(じゃぁ何が「フツウ」なんだよって怒られそうですが・・)たちの 世界観を壊さずに、現実との軋轢を描いて、ラストに持っていく、この力技。 今までの作品、全部そうだもんね。 いや、中々いないですよ、こんな映画監督。 観ている側を混乱させつつ、映画として引っ張り、ラストは観客も登場人物もハッピーな話を 創り続けてる監督って・・ 三島由紀夫が原作なんだってね。 どんな話だったんだろ?(読めって言われそうだけど、私は映画が好きなのだ) 宇宙との交流を言う方々いますよね。 でもきっとこんな幸せになってくれるといいな。 [DVD(邦画)] 8点(2018-11-23 18:35:27) |
154. 中国の鳥人
《ネタバレ》 これは素敵な映画だった! 本木君は最近でこそ、善人になりきれぬ役も演じているが、 この頃は真面目な役が多かったので、観るのにためらってた。 でもさすが三池監督。 話の中盤でうなるような展開が! 鳥人とはこのことだったか!と思わず身を乗り出した。 それから娘の歌う歌。その意味。 そしてロマンチックな場面のときに最悪のことが起こる話の展開の巧さ。 今の中国でも、こんなこともあるのかな? 2000年以前の中国のイメージってこんなんだったよね。 ホント、時代錯誤の感もあるけれど、今の人たちにも観てほしい一本! [ビデオ(邦画)] 8点(2018-10-08 21:26:36) |
155. 夢売るふたり
《ネタバレ》 女性監督ならではの、松たか子の描写だろう。 松たか子って美人なんだけど、暗さを乗り越えた美人っていうか、 場面によっては、どす暗い表情も見せるので、とてもこの映画にマッチしてる。 若くして店を持つ夫婦の健気な奥さんが、店が焼けてから、旦那がひねて「過ち」を犯し、 そこでどんどん陰険になっていく女性役にまさにピッタシ。 最後、刑を終えて、魚市場で夫婦で働くその姿に、救われる感じだ。 フォークリフトから食堂の旦那を見つめる彼女の表情は、もう陰険ではない。 いい映画でした。 でもこの夫婦にふりまわされた女性たちも気の毒な話だよなぁ。 [DVD(邦画)] 8点(2018-09-24 18:51:59) |
156. WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~
《ネタバレ》 良質の娯楽作品。 それを矢口監督は提供し続けてくれる。 本当に感謝。 彼のような監督が多い方が業界としては健全なのだろうけど・・ 怪優、染谷くんの主演映画。 好感持てます。 そしてクライマックスのラストの祭り。分かりやすい祭りですね~(笑) それに長澤まさみって色んな役に挑戦してますね。頑張れ~! [DVD(邦画)] 8点(2018-07-29 15:05:18) |
157. 舞妓はレディ
《ネタバレ》 面白かった♪ 着物でミュージカルという発想がいい。 しかも着物といえば、舞妓さん、芸妓さん。 彼女らに躍らせるなんて、日本の映画として、どうして誰も今まで撮らなかったのか? この難しい映像を見事に裁く周防監督も只者じゃない! 日本の文化遺産の、京都の舞妓をこう残してくれた監督に感謝! しかも着物の似合う女優として、この人以外ありえないという富司純子! 姐さんがいなきゃ! 追伸)芸妓さんのパフォーマンスは東京オリンピックでも見てみたい♪ [DVD(邦画)] 8点(2018-07-28 18:38:29) |
158. クヒオ大佐
《ネタバレ》 いや~、吉田大八監督作品はツボにはまる。 彼の最初の作品「腑抜けどもよ~」も観て、興奮のあまり、すぐDVD買っちゃったし・・ 結婚詐欺の軍人もどきの話なんだけど、吉田監督は「紙の月」でもそうだったけど、 簡単に裁かないんだよね。 庶民が悪に手を染める話なんだけど、その人の世界観を壊してしまうような 裁き方をしないところが、この監督のやさしいところ。 僕は、そういう監督の演出がとても大好きだ。 ラストの軍がやってきて、彼が命令を下すあたりの夢の部分がとても大好き。 吉田監督作品は、これからも目が離せない! [DVD(邦画)] 8点(2018-07-14 17:17:55) |
159. 彼女がその名を知らない鳥たち
《ネタバレ》 いやぁ、前半と後半では全く観方の変わるミステリー。 前知識なく観てたので、これがただのラブストーリーではないと気づいたときの 衝撃。久々のどんでん返し。 ちょっと生命力の弱そうな女性を蒼井ゆうが好演してる。 そして、怪しげな、でも愛すべき男性を阿部サダヲがまたいい演技してる。 もう阿部サダヲには負けたよ。 彼の純情さに、最後はもう涙腺開きっぱなし。 好青年の竹ノ内豊のクズっぶりが、新鮮だった。 [DVD(邦画)] 8点(2018-07-07 17:27:06) |
160. 帝一の國
《ネタバレ》 いや~楽しめた。 娯楽作品もここまで来たか! 弾が主人公になるのが今までの漫画だったのに、帝一が主人公というのが今風なんだね。 しかし帝一の武器は光明じゃん!って気もする。 特に才覚があるわけじゃないんだよね。 ただ気持ちは誰にも負けてない!最終目標が総理になって自分の國をつくって、 ピアノを自由に弾けるようにするって(笑) 進学校でのパワーゲーム。 でもテストで高得点取るのって楽じゃないのに、ピアノまでひけて・・ やはり漫画だよな~(ため息) 女の子の出番が少なかったけど、エンドロールでの可愛い女の子でバランスがとれてる。 面白いぞ!日本映画! [DVD(邦画)] 8点(2018-06-03 12:32:18) |