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映画小僧さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 313
性別 男性
年齢 64歳
自己紹介 映画は生もの。リアルタイムで見るのが一番だけど、古い名画はどうしようもない。TVでしか観れないのなら、電気を消して電話を切って、誰も来ない夜に、なるべく劇場と同じシチュエーションで見るように努めています。(お酒を飲みながらはありますが)観る側、つまり自分も生ものですので、その時の体調、精神状態では見方も変わります。B級がA級に見えたり、恋愛映画がアクション映画に見えたり、でもそれはそれで面白いと思います。
と、勝手な事をのたまう40才の映画好きな親父です。

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1.  宇宙戦艦ヤマト 復活篇 《ネタバレ》 
特別、ヤマトファンというわけでもないのだが、いかんせんあのメインテーマを聞くと昭和の心がうずきだし妻を伴って劇場に足を運ぶことに。レイトショーで観賞したのだが、いやはや何と年齢層の高いこと。それもご夫婦の多いこと。若い人の姿などちらほら程度である。第1作目を青春ど真ん中で経験された方々なのだろうけれど、今作であの当時の興奮をもう一度味わうことが出来たかというと、残念、スマートすぎた。結論から言うとあの戦艦はヤマトでなくても良いのでないか。ヤマトに固執するその意味が全く持って不明である。スマートだと表現したのは、もちろんヤマトの造形的なもの、CGを駆使した宇宙戦のこともあるのだが、ストーリーの根底にヤマト特有の(私だけが持っているものなのかも知れないが)悲愴感、使命感が全くない。地球の為に精一杯、ぎりぎりの力で、ぎりぎりの戦略と知恵で敵に挑むということが全然ないのである。 これではヤマトではない。昭和くさいことかもしれないが、最強戦艦ヤマトが見たいのではなく、傷つきながらも必死で地球を守る姿が見たいのである、地球を背に宇宙を漂うヤマトは力もある勉強もできる優等生だ。優等生の戦いには情熱は感じられない。確かに激戦を経て成長した古代進の手腕は光るものがあるだろうが、どうにもしっくりこないのだ。バタくさくても、泥臭くてもなんかこう洗練されていない点がヤマトの魅力だと思うのだが。でも、厚い氷をぶち破り発進するシーンではあのテーマ曲と相まってそれなりの興奮はあったのだが、それだけなのである。あと、映画の最初のクレジットで原案石原慎太郎と出た時には、劇場内がほんの一瞬どよめいた。これはどういうことなのだろう。一番印象に残ったことではあるのだが。
[映画館(邦画)] 5点(2009-12-14 19:37:16)
2.  20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗 《ネタバレ》 
この映画は3部作ということなので、この最終章の観賞後にレビューを書こうと思っていました。原作は全巻読んでいます。原作者の浦沢直樹氏は好きな漫画家で、映画的な見せ方のできる人なんだなと、他の作品からもそんな印象を持っていました。しかし、映画化となると非常にその部分がネックになっているのを感じます。まず、リアリティのなさ。漫画だから許される読み手の脳内補完的なものが、映像という立体的な物で表現されると、イメージすることが出来なくなり、スクリーンに映し出されたものが全てになります。ともだちのカリスマ性が全く描かれていなくて、ともだちを何故崇拝するのか、何故あのマスクを疑う事もなく多くの人々が従事するのかが、ぽっかり抜け落ちていてしっくりきません。映画を始めて見る人には?マークがずっとついてまわったんじゃないでしょうか。映画ではそのへんを詳細に描いてもよかったのでは。最後のケンジの歌も、とってつけたような感じです。ケンジの人柄もうまくは描けていなくて、全編活躍したのはオッチョだけのようです。セリフも出番も多かったし。結局何が言いたくて、また何を伝えたくてこの作品をつくったのかが全然分りません。テーマのあるばかりが映画とは言いませんが、3部作という邦画には珍しい壮大な計画のもと製作したのならそこんところちゃんとした方がいいのでは。大作になるはずなのに、TVサイズみたいなまとまりになって、ともだちが誰かなんてどうでもよい謎ときになってしまっています。残念です。ただ、カンナ役の娘がケンジと抱き合って泣く場面はマジ泣きのようで、ストーリーとは全然関係なくじーんとしてしまったです。とにもかくにも1年に渡ってよく付き合ってきたなあ、と自分をほめてあげたい気分です。
[映画館(邦画)] 4点(2009-09-01 20:05:49)
3.  ザ・マジックアワー 《ネタバレ》 
映画を愛する人、映画が好きな人、そんな人にはうってつけの作品です。もちろんそうでない人にも全然いいです。ただ、映画に何か思想なり、メッセージなり、自分と向かい合う問題提起だったり、娯楽以外の何か、またはその他もろもろを求める分には、全くもってお薦めできません。笑って、しんみりして、ああ楽しかったね、と終る。それだけの作品なんです。それだけの作品なんて、他にもたくさんあるのだろうけど、この作品には、少なくとも作り手の楽しませる工夫がまじめに画面に滲み出ています。いかにもなセット、時代も現代なのか、はたまた昔なのか?ホントに日本なのか?ギャングがのさばっているには平和な印象を受けるのは?なんだかとても現実離れしている世界が目の前にあります。でも、それが映画というものなんですね。つくられた箱庭の中で、あれやこれやの騒動がおこり、同じ箱庭の中で解決していく。監督の頭の中に、きちっと組み立てられたものが、上手に伝えられていると思いました。現実にはありえない話だからこそ、面白い。現実とは違う次元に連れていかれるから楽しい。あくまで娯楽。多くの観客が、エンドクレジット中、席を立たなかったです。拍手も起こりました。車椅子で観賞に来ていたおばあちゃんが笑ってた。無骨そうなおやじさんがパンフレットを恥ずかしそうに買っていた。そんな気分な映画なんです。言葉では伝わりにくい何か幸せなものが、この映画にはたくさんありました。
[映画館(邦画)] 9点(2008-06-25 11:18:24)(良:3票)
4.  相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン 《ネタバレ》 
テレビシリーズは未見で、テレビで人気だから劇場版で作っちゃいました的なノリの映画だと思っていたのですが、いやいや甘かったです。某局のような粗末な作りにはなっていなくて、映画としてある程度は完成している印象を受けました。派手なアクションやドンパチもなく、かといってカーチェイス、どでかい爆発シーンが用意されているわけでもありません。アメリカ映画の刑事物によくある拳銃乱射なんてもってのほか。推理と体を張った2人の熱意みたいなもので事件を解決していく様は、決してスマートではないし、むしろ野暮ったい所さえ感じてしまうのですが、何故か見入ってしまいます。特に、水谷豊さんがいいですね。古くは青春の殺人者という映画で好きになってテレビの熱中時代もよく観ていました。いい年の取り方というのか、イイ顔の役者さんになってきましたね。決意あふれるセリフの数々にグッと来ました。犯行のスケール感、その背景にある国際的な問題、東京マラソンとの絡み等、大画面の観賞を考えての材料ですが、これらはさしてうまく料理されているとは言えません。2人を無理矢理行動に走らせるための舞台セットにすぎない気がします。でも、上映中は飽きることなく、真犯人が分かってからも集中して観ていました。映画だからとやたら風呂敷を広げる事無く、最後犯人と対峙しあう場面だけでも自分はいいと思いました。まじめに作っているスタッフやキャストの姿勢みたいなものが、この対峙しあうシーンにあふれていると思います。あと、パンフレットはとても遊び心にあふれたもので、いいですね。たまにはこんな楽しい印刷物があっても。観賞後も色々話しするのに、格好の小道具になりますよ。こんなところにも製作者の熱意みたいなものを感じます。
[映画館(邦画)] 8点(2008-05-07 11:44:14)(良:1票)
5.  ガチ☆ボーイ 《ネタバレ》 
初日のレイトショー、と言っても映画の日で1000円で観賞できたのだが、これは3000円払ってもいい。なんか他の話題作に押されて、お客さんがとても少なかった。それでも主人公の恋が破れる後半からは、鼻水をすする音がそこかしこに。かくいう自分も最後のプロレスの試合の場面では嗚咽をもらすほどの泣きっぷりで、感動しまくり。マリリン仮面を必死に応援してるプロレス仲間以上に、握りこぶしを作って声を出している自分にびっくり。横の妻もびっくり。感情移入どころじゃない臨場感が、自分に満ち満ちてきて、後にも先にもこんな興奮はないのでは。記憶をなくすという難病を背負いながらも、プロレスで得た痣や痛みを心の記憶に残し、毎日を生きる。佐藤君の無垢な笑顔が切なさを増させるのだが、単純なお涙頂戴ではない。必死という言葉を自分も使うことが多々あるが、毎日毎日、昨日までの記憶をノートで確認しながら、毎日毎日決意するなんてこと、自分のいう必死とは明らかに違う。主人公の方が必死に生きている。平凡な日なんてない。毎日が違う。昨日の続きではない今日。体が覚えている最後のドロップキックは自分にも向けられた主人公の生き様そのもの。毎日を生きるということを真剣に感じさせてくれて、御礼を言いたいくらいです。最高の映画でした。
[映画館(邦画)] 9点(2008-03-11 19:05:23)(良:3票)
6.  クローズZERO 《ネタバレ》 
原作は全くもって知りません。予告編の印象では、不良学生達のケンカの日常を描くバイオレンス映画かいな、ぐらいのものしかなかったのですが。鑑賞した友人が絶対見とけと、猛烈に薦めるので劇場に足を運びました。ロードショーから日数もかなり経っているにも関わらず客席は一杯。それも、リピーターの数が多く、人気あるんだ、とビックリ。さて、上映がはじまると、うん、これは、もしかして、何なんだ、と自分の心がざわざわと蠢きはじめるのです。高校でてっぺん取るって、そんな昭和の匂いのある設定が、平成の今時の若手役者達によって、見事に新しい空気の映画になっています。小栗くん、山田くんの二人はもちろん、他の役者のワルメンぶりが、ワクワクするほど美しく楽しく、そしてカッコ良く描かれています。あえて、鈴蘭高校の外の世界を描かずに、学校での抗争に焦点を絞った事、一般人達とのからみを一切断ち切った演出は気持ちいいくらいに、この映画にひたらしてくれます。ただし、黒木メイサは必要ないかな。男達のまっすぐで、とてつもなく単純でまっすぐな生き方、暴れ方が画面からほとばしる2時間。贅沢な時間です。実際なら死んじゃうでしょ、の喧嘩場面のリアルじゃない映画的な見せ方も、うまいですし。漫画が原作だからでしょうが、最後の対決シーンなんかは鳥肌がたつほど。男ばっかりが画面に出ても、ちっとも汗くさくないなんて、それだけでも奇跡です。
[映画館(邦画)] 9点(2007-12-15 16:56:43)(良:1票)
7.  ALWAYS 続・三丁目の夕日 《ネタバレ》 
前作が好きだったから決して大きな期待感は持っていませんでした。後日談みたいなまとめなのかな、と思う程度で、情報量も極力シャットアウトして、映画館へ。そしたら、見事にやられました。原色とは程遠い色調の、あの優しい、暖かい空気に触れただけで涙腺がゆるむゆるむ。舞台は確かに東京だろうけど、夕日町は実際にはありません。こうあればいい、こんな雰囲気の町があればいいという監督や製作者、そして観ている自分達の願いの町、それがこの作品の町だと思います。だから東京以外の人が観ても、自分のあの時代をオーバーラップさせることができるのでしょう。想像の産物だから出来た映画ならではの舞台なのですね。今回もお話は鈴木オートと茶川さんの家族を中心に描かれます。視覚的にも、高速道路のない日本橋、完成した東京タワー、こだまや飛行機など、大きな画面にぶわーっと出て来ます。美智子様御成婚の文字や、手づくりのワンピース、観た人達が裕次郎もどきになる映画のシーンなど、こと観賞後のお話に困る事のない情報量がいっぱい散りばめられています。それだけでも楽しい。ラスト、前作の鈴木家へのアンサーになるのか、茶川家三人の夕日を眺める後ろ姿で終ります。家族でいること、家族で体験すること、とてつもなく当たり前の事にこそ、幸せはあるんだなあ。観ているこちらの目に夕日が沁みました。
[映画館(邦画)] 9点(2007-11-07 18:24:01)(良:2票)
8.  サイレントヒル 《ネタバレ》 
怖い怖いと言いながらもしっかりとゲームはクリア。そのゴシックホラー的な内容と演出には、物凄く興奮したことは覚えています。まさか、そのゲームが映画になるとは。多少設定は変更されているが、ゲームの持つ空気感ですか、そんなものはしっかりと再現されています。だから原作を知らないで観賞された方とは、評価の視点がちと違ってきます。ご勘弁ください。怖い映画なのに、思わず嬉しくなったのは、あの霧。サイレントヒルの街を覆う、あの霧。実際は灰が舞っているからそう見えるだけなのかも知れないが。ほんでもって誰もいない街。陥落した道路。学校。机。サイレン。あっちの世界の赤錆まみれの通路。金網。視覚にまとわりつくのは、全くゲームとおなじ場面。これだけで、お腹がいっぱいになりました。ゲームをやっていた時期の、違う思い出までよみがえってきます。映画とゲームが自分の中でシンクロしてしまいました。映画としては、母は強いという切り口で一応の終わりを迎えます。現実世界には戻っていないんだけれど。少し悲しくもあり、苦くもあり。この部分はゲームを終えた時と同じ気分です。バイオといい、これといい、日本のゲームクリエイター達が、いかに海外の映像作品やその他のものを研究し、日本向けに昇華させたか、そしてそれが海外のクリエイターにいかに影響を与えてきたかが、よくわかる作品となっています。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-12 17:52:06)(良:1票)
9.  HERO(2007)
メディアの露出度の高さによるこの映画の注目度はただごとではない。特にフジテレビでは、社運を賭けた広告展開なのか、TVのブラウン管に木村拓哉の出ていない日はないほど、予告編以上の映像を見せる、見せる。そのあまりにも露骨なTV的商戦に最初は嫌悪感を感じた。映画じゃないよね。TVのイベントだよね、という。それでも初日に足を運んで劇場へ向かった。心中、作品のこけっぷりを予想して。ところが、蓋を開けてみれば、確かに弱い、弱い脚本と、華々しくはない無理のある展開ではあるが、楽しめたのであります。検事という、言わばデスクワークが99%の職業を現場主義に位置付ける設定からして、ドラマとしてどうなのかと思うのだが、その主人公を立たせるために木村拓哉を起用したアイデアは、ほんと、成功したと言う他ないです。単純に男前で声もよくて、仕草もさまになる。それが大画面に右に左に動いているという事実に、ある種の興奮を覚えるのでしょう。自分もそうでした。観客のほとんどもそうではないでしょうか。目の力もあり、役者の顔です。特攻隊員でなく、武士でもない、現代のまさに今の木村拓哉を観たいという観客の願望を見事に叶えている点で、この作品は成功しているのだと思います。スター映画として成立する、久しぶりにそんな言葉が浮かんでくる作品でした。
[映画館(邦画)] 8点(2007-09-10 11:08:46)
10.  日本沈没(2006)
日本が沈没する。言葉にするとこれだけなんだけど、そこにからむ視覚的な要素が何と言ってもこの映画の見所だと思います。でも、北海道、九州、東京の地震、津波シーンは、尺が短く物足りない印象を受けました。不謹慎ですが、崩壊の美学とでもいうのでしょうか。無機質な建物が崩れる様というのは、ある種カタルシスを覚えます。一般の方が生活する家やアパート、マンション、道路、橋などには、そんな感覚はないのですが、東京の超高層ビル群が、ドドドッと崩れ落ちる所は、高揚感さえありました。人間が叡智の象徴として作った人工的なものなど、自然の前では何の意味もなさない、そんな破壊っぷりがいいのです。怪獣映画のノリですね。だから、主役2人の恋愛は付録みたいにしか見ていませんでした。パニックに陥っている日本各地で神出鬼没の草薙君には、ただ驚くばかりでしたが。スペクタクルというふれこみの割には、少し地味な印象もあります。ただ、DVDでは、迫力が半減いや、きっとそれ以下になるので、大画面で観賞できたのには正直うれしかったです。
[映画館(邦画)] 7点(2007-02-13 16:09:55)
11.  バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
うわぁ、お馬鹿な映画だなあ。でも、こういうのもいいんじゃない、なんて、バブル時代じゃないけれど脳天気に楽しめる映画でした。わずか17年しかたっていないのに、凄く昔のような印象を受ける東京の街、ファッション、音楽、その他風俗もろもろ。同じ日本とは思えない違和感が笑いを誘います。バック・トゥ・ザ・フューチャー的なノリはありますが、あそこまで突き抜けた感じがしないのは、どうしてだろう。特撮とか、脚本とかの段階での話でなく、映画として、とことん面白がらせる何かが少しだけ欠けているような気がします。東京という地域限定、母親をさがす、そしてバブル崩壊を期日までに止めるという、柱自体はバック・トゥと同じなのにね。悪く言えば、90年代懐かしのカタログ的な見せ方だろうか。でも、役者さん達はいずれもお気に入りの方々なので、ついつい点数が甘くなります。感動とか、泣くとかとは無縁の作品ですが、今の不景気な時代を笑い飛ばせる、そんな勇気まではいかない、ちょっとしたエールを送ってくれるのはうれしいです。
[映画館(邦画)] 8点(2007-02-13 15:51:22)
12.  機動戦士ガンダムF91
ガンダムであってガンダムでないような、そんな人間のフォルムに近いF91の造形が好きで、好きで、プラモデルも購入しました。ストーリー的にはぶつぶつと切り抜き記事を並べた印象で、戦争がまた始まるのか、と悲愴感や虚無感もなく平らな展開です。劇場で観たなら、飽きていたかも。でもでも、F91を主人公が駆り出してから、俄然面白くなり、ラストのラフレシアとの戦闘シーンは体が震えました。テーマそっちのけで、単純にカッコエエやん。スピードが残像が、何でやのんの突っ込みを入れる間もなく、ただひたすらカッコいいだけに昇華させた場面にやられました。近くのカラオケで妻に森口博子さんの主題歌を唄ってもらうと、必ずこのラストの戦闘シーンがモニターに流れるので、大変うれしいです。
[DVD(邦画)] 8点(2006-10-23 12:33:40)
13.  男たちの大和 YAMATO
映画を観ているという当たり前の気分に、どっぷりと浸らせてくれる作品でした。テーマも題材も決して面白いという類のものではないですが、大画面の向こうから伝わってくる熱というか、魂というか、そんな形容しがたいものに圧倒されました。TVのフレームでは、こうはいかないだろうという、そんな気持ちが上映中ずっとありました。戦艦大和という艦は、その名前、その姿、存在だけでも日本人を最も象徴しているものだと思います。ですから、画面いっぱいに表現されるだけで、様々な想いが胸に集まり、苦しくなってきます。切ない、悲しい想い。愚かではかない想い。兵器にすぎないこの艦に乗ることが誇り、これで日本を、愛する人を守るという自信。若い人が疑いもなく、こころからそう信じていた時代。でも、兵器は兵器。相手も死ぬということ。こんなとんでもない事が、今でも世界のどこかで行われているという現実。でも、映画は声を荒げてそんな事はいっていません。観るだけで、充分伝わってきます。吹っ飛ぶ体、ちぎれる足。泣き叫ぶ若者。生きている時は何人と数えられる人間が、一瞬で死に、何体と数えられる悲しい事実。若い人が桜のように爆風に散っていく。涙が出ます。生きていてすみませんでした、と10代の若者が土下座する。こんな切ないことはないです。役者さんたちの熱演、日本ではスケール感のある大和の描写、音楽。娯楽作ではないけれど、観ている者に必ず何かを残す作品だと想います。映画館で観れて本当に良かったです。
[映画館(邦画)] 8点(2006-10-23 12:06:37)
14.  フラガール 《ネタバレ》 
泣ける映画だ、とは聞いていました。しかし、そんな予備知識を軽く凌駕する涙が頬を流れ落ちます。もうナイアガラ状態。早苗が父親に殴られて、それを知った先生が男湯にどなりこんでいくくだりから、胸に熱いものが込み上げてきて。そこからです、画面が滲んで滲んで大変でした。フラガール達の一途な思い、家族を、炭坑を、そして踊る自分自身を思う真摯な姿勢にもうくらくらです。また、紀美子の母親がストーブを集める場面でのセリフがいいです。「木枯らしくれえであの子たちの夢をつぶさせちゃなんねえ。ストーブ貸してくんちぇ」と頭を下げるところなどは、もう、その方言の切なさ、愛おしさと相まって、観ているこちらの心がぐわんぐわんと揺れます。小百合も「先生踊らしてくんちぇ」と泣きながら言う場面がありますが、ここもイイです。なんかツボにはまってしまい、もう全員大好きみたいな、そんな気分になります。そしてラスト、完成したハワイアンセンターでのフラガール達の踊りは、最初から泣きっぱなしで、出演者達の涙とこちらの涙が合わさって、興奮というのか、何というのか、エンドロール後に拍手しまくっている自分がいました。最高です。発散でもなく、解消でもない、本当に清々しいものに包まれた、そんな魔法のような映画です。販売していたパンフレットも素敵でした。掲載されている写真も古めかしく懐かしくまとめられていて、久々に買って良かったと納得できるものでした。ああ!万歳!フラガール!この言葉が自分の表現できる全てのような気がします。
[映画館(邦画)] 10点(2006-10-02 17:49:06)(良:1票)
15.  クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃
このシリーズは大好きなのですが、今作はいまいちという印象を受けます。最初の無声で語られる野原家の朝の物語、特にみさえの奮闘ぶりは笑えるし、良く分ります。テンポもあって、その苦労具合も観る者に上手に伝わってきます。しかし、みさえの苦労がクローズアップされている割には、スーパーヒロインになってうさを晴らすという展開に持っていくのは少しぎこちなさが。SFでもおとぎ話でも、何でもありのこのシリーズの魅力があまりにもこじんまりとしているので、勿体ないです。家族の結束、家族の大切さは、別にヒーロー、ヒロインを作らなくても充分に伝わるのでは。なんてったってしんちゃんそのものが、野原家のヒーローなんだから。
[DVD(邦画)] 5点(2006-07-18 11:09:14)
16.  妖怪大戦争(2005)
夏のお祭りみたいな賑やかで馬鹿馬鹿しい映画。三池監督という名前で選んだんですが、そのはじけっぷりは少し大人しいと感じました。もっとハチャメチャになるのかと 思ったら、少年のひと夏の成長を描きながら、大人になると忘れるものがあるという現実をちゃんと描いているので。あ、まともなんだ。やはり、家族で楽しむことが前提にあるからだろうけど。でも、面白かったです。特にジャンボ機につかまり東京目指す場面は笑ってしまいました。
[DVD(邦画)] 7点(2006-07-18 10:13:45)
17.  電車男
話題にもなり、社会現象的にも大きく取り上げられ、TVドラマも大ヒット。今更、DVDで観賞とは、随分と遅れた自分ではありますが、なかなか良かったです。オタクの初めての恋愛物語を面白可笑しく、映画ならではの誇張を交えながらよく描けています。これも純愛なのかな。よくある日常の中での、些細なきっかけ。酔っぱらいにからまれた美女を救うという、決してないとはいいきれない場面に遭遇した主人公。彼がオタクでなかったら、こうまで感情移入できなかったです。思わず応援したくなる設定だからこそ、観てしまうのですね。苦しい、人を愛するのは、好きになるのは苦しいと彼がメッセージを送る所は、じんと来ました。心の痛み、でもその痛みはただ痛いだけじゃなくて、機械では決して味わうことの出来ないもの。相手がいて相手の事を想い、想い、想い感じるもの。切なくていいなあ。秋葉原が幻想的に描かれる抱擁のシーンは素敵です。あと、中谷美紀さんの声がいいですね。好きな女優さんです。
[DVD(邦画)] 7点(2006-07-18 10:02:58)(良:1票)
18.  ALWAYS 三丁目の夕日 《ネタバレ》 
予告編で東京にやって来た六子が工事中の東京タワーを車の中から見上げるシーンがあり、それだけでこの映画は絶対見なくちゃだめなんだと、何かに憑かれるように劇場に足を運びました。邦画を初日に見るなんて行為はここ何十年の中でもなかったことでした。そして見終った後、予告編で決意したことは少しも間違っていませんでした。昭和という言葉自体に、既にノスタルジーを感じてしまいますが、それは物であったり、風景であったり、また世相を表す文化や風俗に対して抱いてきたこと。この映画を見る限り、それらはあくまでも視覚の手段に過ぎず、それらのものよりも人間自身、その時代を生きている人々全てに何か暖かい、優しい昭和を猛烈に感じます。緻密に再現されたセットとCGの中で、実に生き生きと役者さん達が演じている様が、演技を通り越して、まるで古いアルバムの中でしゃべっているようなそんな錯覚を覚えました。東京生まれではないし、33年に生きていた訳でもありません。しかし、懐かしい、ホントに懐かしい時間を、この映画はもたらしてくれます。日本人が日本人であった頃、面白い事や悲しいことがみんなの共有物であった頃、そして何よりも人が確かに見えない何かでつながっていたことが、よく描かれています。ラストに人々が見つめる夕日のなんと美しいこと。あの頃の人々と比べて、今の自分、今の人達はどう変わったんだろう。あの頃に思い描いていた未来とは少し違っているかも知れません。でも、この映画を作った人達、そしてこの映画に感動した人達には昭和の、あの夕日町三丁目の人々の思いはちゃんと伝わっているんだと思います。映画が終っても席を立てずに、ただただ、涙していました。また、愛すべき映画がひとつ増えました。なんだかありがとうと言いたくなる素晴らしい映画でした。
[映画館(字幕)] 10点(2005-11-07 10:32:46)(良:3票)
19.  デビルマン
怖いもの見たさという人間の基本的な心理に屈して見てしまいました。数々の罵声、罵倒、低俗映画の際たる評価を受けてのこの作品。レンタルコーナーにおける、新作でありながら誰も借りていない事実を見ても、ある意味偉大な作品かも知れません。俳優というよりはただの人が出ている映画です。演技とか声の発し方とか、そんなことおかまいなしに進むこの強引な作品には、感想すら浮かびません。原作を知っています。永井豪のファンでもあります。しかし、制作していいものと悪いものとの区別ぐらいはつくのではないだろうか。何の判断基準があってこの映画がロードショーとなったのか。ぶつ切れのストーリー。どこかで見たような視覚効果。噂ほどではない戦いのシーンとか、どこをどう切っても「凡作」以下の「駄作」でしかありません。映画制作を志す若い人達がもしこの映画を見て、この程度でも商業として成り立つんだと感じたならばこれはもう立派な犯罪です。でも、反面教師にはなるでしょうね。この面白なさを越える作品などもう出て来ないでと、今は祈るばかりです。
[DVD(吹替)] 1点(2005-05-28 10:51:44)
20.  APPLESEED アップルシード 《ネタバレ》 
映像の進化というのでしょうか。TV画面の中で繰り広げられる戦闘シーンは物凄い迫力です。目まぐるしく動く主人公や敵(?)に酔いそうにもなりながら、思わず唸ってしまいました。「絵」で見せる点では、アニメーション映画のジャンルでは充分上位に存在する作品だと思います。原作は未読ですが、設定や展開にはハードSFの匂いがします。女性が主人公なのも動きにしなやかさが加わり(恋人がロボットというのも面白い)実写映画よりもなめらかだと感じる所もありました。ただ、話自体は明るいものではなく、近未来というと必ずこういったテーマになるのですね。その問題の一時的解決のために用意されたいくつかの戦いは悲惨なものよりもカッコイイもの、という定義が成されているみたいで視覚的な見応えはあっても、あまりスッキリするものではありません。でも、こうした作品が作れる今の時代、今の技術、そして才能には素直に感動します。
[DVD(吹替)] 7点(2005-05-28 09:56:53)
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