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プロフィール
コメント数 2059
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  パーフェクト・プラン 《ネタバレ》 
ギャング二組、警察、巻き込まれた民間人の四つ巴と欲張りすぎて、上手く脚本が機能していない。 横取りされたフランス人ギャングは実行犯の兄弟に怨嗟を向けるべきなのでは。なんで仲間内も知らないベンの大家を早々と脅迫してくるのかしら。 ライト夫妻も公園にフランス人ギャングを呼び出してどうするつもりだったの。このくだり、どうしても分からない。 警部補の娘の話も中途半端でぶつ切り。バイオレンス描写にはやけに熱心。話の広げ方が乱暴で粗が目立ちます。大味すぎてつまんないな。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-11-09 23:28:40)
2.  17歳の瞳に映る世界 《ネタバレ》 
なんとも胸が痛かった。オータムをこんな目に遭わせたのは一体誰なの。妊娠させた男どこ行った出てこい。 彼女の周囲はほんと暖かくない。高圧的な継父。妊娠を相談できない母親。お母さんさあ娘まだ17なのにもっと気遣ってやれないもんだろうか。バイト先の店長も何なん。具合悪いって言ってんのに。たった2時間じゃねえよ。学校の男子どもったら。女の子に意地悪するその性格がもうダサい。 窮地のオータムに寄り添ってくれるのは従妹のスカイラーだけ。身を張って当座の資金を得てくれる彼女。この娘の友情の深さはこの話のオアシス。泣いた。 アメリカってこんなんなんだね。地域の色が違い過ぎる。女子はないがしろにされ権利を取り上げられる所もあれば、場所を移せば相互扶助の社会システムが機能している。 オータムとスカイラーがつないだ手。どうかその手をずっと放さずにいてほしい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-23 19:23:51)
3.  ダニー・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 
まったくリアリティゼロな劇画調の話なので、そこらへんの世界観を受け入れられるか否かが楽しめるかどうかのポイント。 あまりにも強すぎるジェット・リー。首輪ひとつでスイッチ入るので、始めのうちはアンドロイドなのかと思った。だから劣悪な環境下でも強さを維持できてるんだろうと。しかし彼は人間でした・・リアリティゼロ。 さらに驚いちゃうのはボスであるボブ・ホスキンスの不死身っぷり。ここまでくると笑っちゃうくらい死なないの。 可もなく不可もない善人サイドを演じるは突然の大物M・フリーマン父娘。良い人たちすぎてこれまたリアリティゼロ。 典型的な悪役と、良き人たちにより人間性を取り戻す主人公といった構図がベタすぎる。もう完全にマンガです。リーのアクションは見事ですが。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-09-21 22:48:59)
4.  アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 《ネタバレ》 
いやあ・・恐ろしい。観ている間中ドキドキびくびくして、物語が終了した後もしばらく重たい気分が残る。 近代の戦争は戦地で決着がつくものではとっくになくなっていて、テクノロジーの進化が戦術にも大きく影響しててそれはもう一介の凡人の想像を超えてくるレベル。ロンドンとニューヨークからソマリアの一軒家を爆撃するって??家の中まで偵察できる小型昆虫カメラなんてちょっと前の007に出てきそうなアイテムじゃないですか。 技術がこんなにも進んでそれで人間がタスクを遂行するのにラクになったかといったら全然で。本作のような課題はITだろうがAIだろうが解決不可でありましょう。 あなたならどうするか。誰の立場でこの映画を観るか。観客に突き付けられるこの問いにわたしはおろおろと結論を出せずじまい。 任務として遂行せねばならない劇中の軍人やら政府役人らが数字でつじつま合わせたり、更に上の人間の了承を得ようと躍起になる様は日常レベルでも見かける図で妙に腑に落ちる。 女の子一人の犠牲やむなし、の立場のA・リックマンもまた私人としては孫におもちゃを探して回る一人の祖父であるという背景。人間の限界を感じさせて絶望感まで呼び起こす伏線でした。打ちのめされました。 これが21世紀なのか。誰にもどうにもできないのか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-09-12 23:25:35)
5.  シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声 《ネタバレ》 
留守宅を守る軍人の奥方らの親睦会の様子が、人間関係含め面倒くさくて厄介で洋の東西問わず普遍的なんだなあと思いました。楽しい人らだけが楽しい、というほとんど我が国のPTAやら町内会と一緒なのに変に共感しましたね。 「軍人の家族」というくくりで一つにされてもそこは年齢も考えも違う人たちの集まりなわけで、その辺の対比を若手リーダーのリサとベテランかつ夫が高位のケイトに凝縮させているのが巧くて、ちょっとひりひりしました。 やっぱりリサの方が若い感性で支持を集めるわけですよ。ケイトも年代のギャップを受け入れようと懐の深さを見せ続けるのだけど、ベテランとて心が病まないわけはなくクローゼットには未使用の通販グッズの山。 そして終盤にはついに暴発してしまう。やー、この場面あまりの言葉のとげとげしさにリサとの関係修復など不可能ではと思ってしまった。仲直りしてたけど。時々思うけど英語圏って言葉が荒くて攻撃的。そしてわりと水に流すイメージ。不思議。日本人(というか、わたし)が根に持つタイプということなんかな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-09-02 23:55:02)
6.  L.A.コールドケース 《ネタバレ》 
世間を騒がせたラッパー二人の射殺事件とLA警察の腐敗ぶりを線でつなげた攻めの脚本と思う。制作の意欲は買いますよ。 だけどもいかんせん米国ラップミュージック界隈に興味のない人間にとっては初耳の事件なので、登場人物からしてなじみゼロ。J・F・ケネディ暗殺とはわけが違う。 出てくる人物の多いこと多いこと。しかも一人につき三通りの呼び名で話が進むのには参った。非英語圏の観客は面食らうよね。 黒人警官らも入れ代わり立ち代わりなので顔を識別するのに正直相当労力を割きました。そこそこハリウッド映画を数観てきてるけど、ここまでわかりづらいのは そう無いと思う。 なので各情報を頭の中で整理するのに忙しく、映画を楽しむ感じじゃなかったな。うっすらぼんやりと、こんな話だったんだろうという手応えに終わりました。主演二人の熱演に引っ張られてなんとか最後まで付き合った感じです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-07-16 23:11:06)
7.  MEN 同じ顔の男たち 《ネタバレ》 
これは分からん。困っちゃうなあ。中盤までは田舎の風景も屋敷も素敵なので期待はキープできてたのに。 不気味だけど意味不明。 グロテスクで画が不快。 命の危険があるのは確かなのに、奇妙なことにヒロインがどんどん怯えなくなっていく。終盤の4連続男性出産の場面に至っては彼女の表情は「げんなり」とか「うざ」。や、分かるけど笑。 タイトルに同じ顔の~とあるから、ヒロインが恐慌をきたす筋運びになるのかなと思ったのだけど違った。同じ顔だということに気づいてないみたいだった。わたしもだ。ロリー・キニアの怪演のせいなのかそれとも監督の狙いが客に届いていないのか。 難解な映画に当たった時、解説を求めに行くこともあるけれど、本作はそんな気にもならなかった。なんとなく「どうでもいいや」という気分。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-06-24 22:51:27)
8.  ウィッカーマン(1973) 《ネタバレ》 
理解不能型恐怖の完成形「ミッドサマー」の原点が半世紀も前にあったなんて。土着信仰、閉鎖的コミュニティ、年に一度の祭礼、と怖い要素がそのまんま揃ってる。 「ミッドサマー」の画が明るく牧歌的なのに対し、本作はぱっと見の島の感じからしてよそよそしい陰気さ。野外フリーセックスやら娘の裸踊りやら公序良俗に反する島だということが早々と判明。娘の誘いを脂汗流して我慢する警官ハウイー氏も天晴れなんだかどうなんだか、この場面の何とも言えない気色悪さには胸やけしました。 「理解できない」ということの暴力的な理不尽に追い込まれた末の恐ろしい結末。島全体の狂気のスケールはN・ケイジのリメイク版は遠く及ばないレベル。ミッドサマーが出てくるまでこの種の恐怖映画の最上位だったはず。 ただ、日本人のわたしから見るとハウイー氏の“キリスト教絶対主義”にもちょっと疑問を抱く。なぜキリストを信仰しないのかっ、とエライ剣幕で領主に詰め寄るその考え方もまたずいぶんと偏狭なのではないか。ヨーロッパ人にはすんなりと理解できるのかなあ。日本には八百万の神様があちこちにいらっしゃるのでね。
[試写会(字幕なし「原語」)] 7点(2024-05-21 23:26:07)
9.  プロミシング・ヤング・ウーマン 《ネタバレ》 
てっきりスリラーかと。女の子が復讐で強姦野郎どもを抹殺していく系の。宣伝の“狂気のナース”の画が強烈なんだもの。それに冒頭のハンバーガー歩き食いの際は腕に一筋血が(汁が)流れているし。 全然違いました。キャシーはもっと現実的に悩み苦しんでいて、大学中退からあっという間にアラサーになってしまった。いわゆるきちんとした定職につかず、親には心配と苛立ちをぶつけられ、夜な夜な酔ったウソ芝居で男を引っかけては手ひどく突き放すというしょうもない小復讐の人生を生きている。 やっぱりこんなのダメでしょ、キャシー。他ならぬ親友のお母さんまでが前に進むよう進言してる。それほどにキャシーの痛々しさはしんどい。 キャシー、幸せになってほしかったな。ライアンと上手く行ってた時は見てるこちらも嬉しかった。 だけどもキャシーは赤穂義士さながらの「義と信に生きる人」だったのだな。不正義に目をつぶることがどうしてもできなかった。 もちろん男たちには猛省してもらわないといけないし、あの動画をご丁寧に持ってきた意地悪女にも天誅が下ってほしい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-05-19 23:30:39)
10.  ニューヨーク1997
マンガの二次元キャラをそのまんま三次元に(無理やり)造型したかのようなカート・ラッセル。チープなセット。予算が少なかろうが、やりたいことをやるカーペンターらしさが炸裂。 少年漫画の良いアホっぽさを臆することなく画面にはっちゃけさせたのが本作で、何を思ったかその世界観をより突き詰めた(暴走させた)のが96年版、ということでよろしいですかね。 ああ、痛恨なことに先に「エスケープ・フロム・LA」を観ちゃったのですよだいぶ前に。オリジナルにたどり着くまで時間かかっちゃった。なのでまた「エスケープ~」を観なくては、の今ここ。カーペンターの世界に人生の一部を確実に割いている気がする。どうなんだこれは。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-03-28 23:03:06)
11.  EMMA エマ(2020) 《ネタバレ》 
96年のグウィネス版エマを観たときは、なんでこんなやな女がヒロインなのかと18世紀英国文学に相容れないものを感じました。そして最新のアニャ・テイラー・ジョイ版を観ましたら、やっぱりエマは高慢どころかゴーマンな女でした。 当時の堅固な身分制度社会というのはこんなんなのかあと勉強にはなるけれど。あのピクニックなんか地獄じゃん。行きたくねえ。 でも今作のアニャ・エマはグウィネスよりももっと現代の解釈に寄せている感がありました。「思いやりの無さ」を叱られて、半べそで反省して階級が下の者に謝罪しに行くエマは、おそらく原作よりずっと今の世に受け入れられる造形になっているのではなかろうか。 200年経って自作のヒロイン(それも貴族階級の)がプロポーズされて鼻血を出す描き方をされるなんて、オースティンも思ってもみなかっただろうなあ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-01-30 23:41:16)
12.  オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体 《ネタバレ》 
この題材をこんなにつまんなくさせたのは脚本のせいだと思う。以前テレビの情報バラエティで概要を再現ドラマにしたのを見たけれど、そちらの方がよほどドキドキしましたよ。 無駄に長い、というのはよく聞く表現だけど本作は本当にいらない描写に時間を割いているように感じる。冒頭のモンタギュー少佐の家のお別れ会はバッサリ切って良い。女性秘書とのロマンス話も全く不要。作戦そのものをきっちり追って描いてほしい。 死体が発見されてからのいきさつは描写が不親切かつ整理されていなくて、初見で何がどうなっているか分かる人はそう多くないと思う。 電話に張り付くコリン・ファースとマシュー・マクファディンの姿ばかり見せられる。スペイン警察および軍部とドイツ諜報部の動きこそがこの物語の肝なのにな。誰が何してるのかわからないので、英国諜報部の皆さんが固唾をのんで何の連絡を待っているのか私は全然ピンと来なかったです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-01-20 23:16:05)
13.  ミラクル・ニール! 《ネタバレ》 
まあ、そうね人間てのは全能の力を得たところで私利私欲のためにしか頭が働かないもんですよ。 神のごとき力を手に入れても、その深大さに畏れおののくこともなく身近なトラブルに追われて手一杯。そんな小市民的なあくせくぶりが世界一ハマるサイモン・ペッグが小さい笑いを連発させています。ゆるーいコミカルぶりは安定してて腹も立たないけれど、も少し話に大きな起伏がほしいところ。 指示を出す時は「正確に細かく」言葉を使わないと思ってたんと違う方向へ解釈されちゃう、てのが笑いどころになっていて。バスの屋根やエンジンルームに放り込まれたり、といったことが英語では起きるのね。となると我が日本語はさらに目的語の省略等はよくある「空気を読む言語」なのでこの能力てホント使い勝手悪いだろうなあとか考えてしまいました。
[試写会(字幕なし「原語」)] 5点(2023-11-18 22:51:11)
14.  ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢 《ネタバレ》 
業界での成功を夢見る女の子の王道サクセス・ストーリー(サクセスまでは至らずだけど)といったところですが、この手の話に不可欠な根性や辛抱、窮乏との折り合いといったざっくり言うと「胸アツ」な描写がほぼ無いのですね。 ダコタ・ジョンソンがなまじ可愛い顔だからか演技力の問題なのか脚本のせいなのか、観ている間ずーっと「音楽業界ってこんなにお気楽でつとまるもんなのか」という思いが拭えなかった。 有名歌手の付き人をやるのだってそりゃあ大変でストレスフルだと思うよ?片手間に無名歌手のプロデューサーを気取ってレコーディングに取り組む余裕があるとは驚きだ。仕事なめんな。 終盤の「実は母子」という展開もびっくりするというよりは、こしらえすぎに感じて失笑しましたよ。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-11-16 22:01:00)
15.  アドレナリン(2006) 《ネタバレ》 
スピード感のあるバカ映画。バカといっても微笑ましい奴なら生暖かく見守ろうという気持ちも湧くけど、この映画はセンスが悪すぎる。ステイサムも仕事を選ぶべき。 ショッピングモールを車で破壊しながら突っ切る、というのは‶ブルース・ブラザーズ(80`s)”の時代なら演出としてアリだったし笑えたけど、テロが頻発している今はなんか違う。 中東系の運転手を衆人の前でアルカイダ呼ばわりして暴行を受けさせるのも引くし、ましてや街中の人ごみの中での性行為ってAVじゃあるまいし。 ちょっと思ったんだけど中華街でのこのシーンて、設定がマンハッタンとか西ヨーロッパの都市だったら撮らなかったんじゃないですかね。アジア人の前でなら白人の行為の下品さや非常識が薄まるとでも思ってないだろうか。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2023-10-09 00:14:48)
16.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 
F1レーサーなんて‶ふつうの人”では務まらないわけで。命を懸けるほどにマシンを愛し、生死の際に身を置くことに喜びすら覚える人種なのだろうと思っていた。 だからレース界隈って人間ドラマもアクの強いものになるだろうと予想して観てみました。ちょっと意外なことに、盛り過ぎず実話に則して描かれている感じでした。 伝説の二人を演じたダニエル・ブリュールとクリス・ヘムズワースが良いですよね。豪快で軽やかなジェームス・ハントと実直型のニキ・ラウダ。お二方に当てるにベストなキャスティングでした。 破天荒型のハントの方が危なっかしくて見てる分には断然魅力的。しかし皮肉なことに事故に遭ったのはラウダなのでした。火傷痕を残したラウダに無礼極まる質問を放った記者をぶっ飛ばしたハントには拍手を送ります。 命を削る場で切磋してきた者同士、心の底で通じ合うものがあったと窺える終盤のシーンは感動必至。もっとも、エンドに流れる親しそうなショットやwikiを見る限り、けっこう仲良かったらしいですね。良き。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-08-18 23:16:59)
17.  クーリエ 最高機密の運び屋 《ネタバレ》 
オレグ・ペンコフスキー。彼の名を現在生きている人間は記憶に留めておくべきだし、そりゃ旧ソ連の中においては裏切り者であっただろうけど彼の名誉が本国でも回復されることを切に願う。 国家って酷いもんだな。情報をリークする者もそれを受け渡す任についた者も、良いように使われた挙句積極的に救済されないんだもんな。KGBの酷薄なことはもとより、CIAだって大して変わらず国家ファーストで個人は顧みられないんだね。細かいことだけど、グレヴィル夫人に説明に訪れたCIAの女職員の華美な恰好にちょっとイラっとしました。そんなリッチな風体で夫の危機を告げられてもね。この辺も演出なのでしょうか。 サスペンスタッチの諜報劇は見ごたえありますし、特にKGBの探るような目つきは人から壁までおっかない。 ラストに流れるグレヴィル・ウィン本人の映像を見るに、失礼ながらCIAが「KGBが目を付けなさそうな人物」と評した像にぴったりなんですな。その点B・カンバーバッチだと知的な感じが否でも滲んでしまって、ベストなキャスティングとは言い難いと思ったなあ。ベネさんは大減量に臨んでの熱演でしたけども。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-08-11 22:21:45)
18.  モーリタニアン 黒塗りの記録 《ネタバレ》 
グアンタナモ収容所問題に切り込むは名優J・フォスターとB・カンバーバッチ、厳しさと優しさが交互に垣間見える「信念の人」ぶりは流石です。 欲を言うとジョディ扮する弁護士ナンシーのストーリーがもう少し欲しかったです。世間からの風当たりの強いことや部下の考えとの違い等、彼女側のドラマをもっとふくらませることができたのではと思うのですが。特に、依頼人がテロリストかもとの疑念を抱いて取り乱すテリとの口論の場面は丁寧に描いてほしかった。 法を遵守すべきとの信条は理解できるけれど、それがテロリストを解放することに繋がるのでは?という若い部下の問いに答えてほしい。 映画は結果として依頼人は無辜であるとして裁判に勝つのですが。もし依頼人が9・11のリクルーターであったとしたらナンシーどうすんの、どう思うのという疑問は残りました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-07-20 22:37:13)
19.  最後の決闘裁判 《ネタバレ》 
ああ、苦手な中世だ。科学も芽生えてなくて因習ギチギチで人間は争ってばかりの。さすがリドリー・スコット、画の力にかけては当代随一の手腕とセンスの監督です。眼前に広がる石造りの城も荒野も硬くて寒々しい中世ヨーロッパそのもの。画力だけで映画作品としての格の高さを感じます。 主演の三名の演技も良かった。各々の視点に沿って出来事を描く羅生門スタイルであるゆえ、それぞれが三パターンの演技を要求されるのですが、なかでもジョディ・カマーが見事。微妙な表情はちゃんと三通りに違い、三番目の‶本物のマルグリット”がやはりというか一番説得力のある造形でしたよね。 それにしても現代の人権感覚では何もかも理解しがたい話です。実事件とはいえ数百年も前のこと、この映画の解釈とは別の事情があったのかもしれない、とか色々考えさせられました。だって敗けたらマルグリットも火あぶりだなんて。なんでこんな滅茶苦茶な決闘裁判に臨むの二人とも。ああやだやだ中世こわい。 三パターンのドラマを観終えて思うはクソな男どもに搾取されるばかりのマルグリットの心の痛み。封建時代の根底に流れるあまりの男尊女卑の思想にはめまいがしそうになりました。こんな時代でも仲睦まじい夫婦もいたんだよねきっと?そんなお話を聞きたいな。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-06-25 18:14:08)
20.  プルートで朝食を 《ネタバレ》 
いやもう、キリアン・マーフィー渾身のおネエぶりにただただ脱帽。終盤へ向かうにつれだんだんメイクの腕が上がって?、ゴージャス美人に仕上がってんの。この完成度の高さよ。 キリアン扮するキトゥンはナイーブでとても優しい。このタイプの人にありがちな迫害にも遭いますが、いつも健気に明るい。痛々しいほどに。ただ、全体の筆致は軽くさくさくと展開し、キトゥンにしても幼なじみの友人たちとはずっと良い関係だし実父とも和解できたりするのですよね。ラストの妙な明るさは不思議なくらい。 喜劇と言うにはつらく、でも悲劇という言葉もキトゥン自身が否定しそうな、ちょっとどこに観方を置いたらいいのかわかんなくなるような不思議な感触のお話でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-06-03 23:26:06)
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