1. ブレードランナー 2049
《ネタバレ》 ブレードランナーといえば「レイチェル」なわけで、その他ストーリーとか未来風の効果音とかデッカードはそりゃカッコよかったけどそんなの脇役だった。 今作でもやはりそこらは心得ていてレイチェルが「妊娠、出産、帝王切開、腸骨に傷、産道がー」!!おお!女そのものを押し出してきましたねー。 前作で問題になっていたのはどこまでレプリカントなのか?だったような気がするが、結局全部レプリカントなんですかね。 で、レイチェルがデッカードとナニをして出産まで漕ぎつけたってのも作られた記憶なんですよね。 よくわからないけど。 レプリカントという仮定を用いて人間の実存とは何か?考えさせる哲学映画という見方もできる。 これに関してはただ一言。 「われ思う故に我あり」でいいと思います。 [映画館(字幕)] 8点(2017-11-18 22:49:25) |
2. オール・ユー・ニード・イズ・キル
《ネタバレ》 一種のタイムトラベル物かな。バックトゥザフューチャー等、様々な矛盾点が生じる中、それをどう映画の中で辻褄を合わせていくかの妙味が映画の味わいとなる分野。そういう意味ではよく出来ているストーリーと思う。おそらく原作はかなり複雑な時系列を表現していると思われ、それをわかりやすくまとめるのは難しかっただろう。トムクルーズにジャンヌダルクみたいな女、それから三枚目悪役の将軍、宇宙人と、とてもわかりやすいキャラ設定とストーリー展開がよかった。 ただ、いくつか設定上の無理というか「マイルール」的なものを設定しちゃっているのがマイナス点。即死じゃないとリロード出来ず、瀕死の重傷で輸血されるとダメとか、ちょっと強引かな。さらに、宇宙人の構造は目新しかったけれど結局「よくある想像の範囲内のモンスター」に留まっており、ありきたり。ただ、モンスターの隠れた場所がダムの中で、「巨大建造物の恐怖感」を利用したのなかなかのセンス。 [映画館(字幕)] 7点(2014-07-03 06:56:48) |
3. レッド・ライト
《ネタバレ》 これはダメ。超能力なんて無い!ってわかっているよ、今時の日本人は。エンターテイメントとしてのオカルトやホラーは楽しむが、ホントにあるとは思っちゃいない。で、そういうオカルト否定派が飛びつくキャッチコピーじゃん、これ。なのになに、あのオチは。え?調査する側が実はホントの超能力者でしたって?笑わせんじゃねえよ。空いた口がふさがらないわ。 [DVD(字幕)] 3点(2013-06-30 21:41:28) |
4. バイオハザードV リトリビューション
《ネタバレ》 ミラの美貌と若さをどう取り繕っているか?をひとつの焦点として鑑賞した。変態的な見方だとは思うが、前回のミラが頑張ってはいたけれど皮膚のたるみがブルンブルンと感じられて、ああ、歳なんだね・・・・などと悲しく思ってしまったのだが、今回、「アンチエイジング」成功らしく、綺麗で若々しくみえた。やはりTウイルスの作用であろうか。映画自体はこういうアクション映画は映像のスタイリッシュさとかスピード感とかアングルの奇抜さとかそういったもので楽しむものだが、冒頭の工夫、それに続く「チャンバラ」シーンの構成は非常に練られていて、敵の襲いかかり方、ミラの反撃と決め、カンフー映画などで退屈なチャンバラ格闘シーンが多い中、良いできだった。さらに氷結した海中という設定、追い詰められた人類の状況など、意表を突いた発想も良かったと思う。 [映画館(字幕)] 8点(2012-10-10 07:26:14) |
5. アウェイ・フロム・ハー 君を想う
《ネタバレ》 妻への一途な愛が主題。人生の黄昏を迎え、振り返ってみればいろいろあったにせよ、夫側からみれば妻と共に歩んだ充実した愛満ち溢れる人生だったと感じている。妻がアルツハイマーに罹り夫婦の歩んだ痕跡だけでなく現在の夫婦が消えかけている。夫婦というものが消えているのにそれでもなお夫として妻に尽くすその理由は、妻が自分の歩んだ人生そのものでもあるから。驚くのは、妻の幸せのため、あるいは妻の病状回復のために老人施設での妻の恋人を、自分自身がその相手方の奥さんと(いやいやながら)枕を共にしてまで施設に戻そうとするあたりだ。ラストシーンで一瞬昔の記憶が戻り、確かにその瞬間だけは昔の夫婦となった姿で終わる。夫婦として歩んできた二人の記憶が断片的であっても「残って」いる、そこに己の人生のすべてを賭ける夫と、真実の愛を感じられたそのときの妻の姿を見て、今こうして暮らしている一日、一瞬を大事に家族と過ごしたいと、心からそう思った。 [DVD(字幕)] 8点(2011-07-18 16:15:19) |
6. ソウ ザ・ファイナル 3D
《ネタバレ》 怖い。真似する変質者が出ないことを祈りたい。しかし、よくもまあ、これだけ残酷な殺され方をいろいろ考えつくものだと感心する。こういったものには慣れているつもりだったが、この映画に限っては、いくつかの場面で数秒間目を閉じた。心をあまり汚したくなかったから。しかし、この映画の味は今やこういった面にあることは明白であり、細かくストーリー展開の妙だとか、いままでのシリーズの流れだとかは考えないほうが楽しめる(楽しむという言葉自体、この殺人場面集を楽しむだなんて、変質者的ではある)。そう、「残虐殺人場面図鑑」だ。そういった点では本作品は非常によくできている。 それと、今回で完結じゃないでしょ、この展開は。どう考えても。まだあるよ。 [映画館(字幕)] 7点(2010-10-31 23:38:29) |
7. 2012(2009)
《ネタバレ》 含蓄ある映画だった。太陽フレアにまつわるパニック映画としての体裁をとっているが、リーマンショック後の世界同時不況とその後の壊滅的な世界経済をもじったものだろう。2012年にドル暴落により米国経済が壊滅的打撃をうけるのでは?との予測がある。アラブの王族にチケット購入を勧める場面での「ドルではなくユーロだ」との台詞はまさに基軸通貨としてのドル終焉の意味が込められているし、方舟建造場面での「さすが中国人」という台詞は今後の世界経済の命運が中国の成長にかかっている現実を表している。太陽フレアによるパニックはそれはそれとして、「現実にすでに世界に起きた未曾有の大災害」米国の一部資本家による強欲がそれを引き起こしたとされているが、「大災害はすでに起きてるんだよ」というメッセージにとれた。ロシアの金持ちももちろん今回の経済危機に深く関与しているため、準主役級で登場させたと思われるが、その金満ぶりを否定的に描いている。美容形成外科医も制作者からすると「金をふんだくる悪人」なのかな。金、金、金の世の中を否定する主題が強く込められていた。オバマが経済立て直しを民衆に訴える演説イメージが重なる。映画自体の造りも映像のダイナミックさは映画としての楽しみを十分満たしてくれるものであったし、「信じられないような奇跡の連続」にしても、だいたいが80億人の人間が死に、わずかな人間が生き延びるわけで、「それくらいの奇跡の連続を体現」できた人でなければ生きのびられないわけで、当然の描写である。世界同時不況で現実にどれくらいの人間が不幸に陥れられ、命を絶たれたか、そう考えずにはいられない映画だった。 [映画館(字幕)] 10点(2009-12-14 12:47:54)(良:2票) |
8. ソウ6
《ネタバレ》 「生きる意志」というお題目を前面に押し出し、米国の弱肉強食な医療制度問題を批判したつくりには賛同。が、なんとなく、それって、「きれいごと」だなと思えてしまう。ホントに見せたいのは残虐シーンでしょ?って・・・・。高尚な理念を散りばめてはいるけれど、殺されていった保険会社の社員にそれほどの罪があるか?体制の問題を個人の問題として押しつけているわけで、そのあたりは「ジョン」らしくない。無理がある。生かすか殺すかを決めるのに健康状態だけではなく、生きる意志を考慮すべきと、保険会社のあの社員にあの話の流れのなかで説けるほどの人間なら、それくらいわかってるはずだが。映画の作り手にとってはそういった倫理的お題目は結局「お化粧」に過ぎないか。 [映画館(字幕)] 8点(2009-12-05 23:19:09)(良:1票) |
9. パッセンジャーズ
主役女優さんのお顔。どうしても「ホットドッグにかぶりついて口の周りケチャップだらけです」という風に見えて仕方がなかった。そればかりが気になり、そこを避けて顔を見ようとすると、異様に大きいマナコがこれまた目に焼きつく。途中、ケチャップ唇ではなくなるときがあるのだが、彼女のような「すごい」唇の持ち主の化粧はそうあるべしと思う。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-20 23:59:54) |
10. ソウ5
《ネタバレ》 この映画は面白い。正直面白いんですが、面白いと評するにはいくらか勇気が必要で、自分が残虐ホラー好みの危険人物の一人で、変態嗜好があるとでもみなされてしまうのではないかという心配が多少あるため、大っぴらに手放しで褒めづらい。が、「ソウ」って、ストーリーも確かに凝っているけど、楽しみ方はそこじゃない。だってサスペンスじゃないもの、ホラーだもの。各シチュエーションごとに「詰んだ」「終わっちゃってる」状況から子羊たちが、それはつまり感情移入した自分自身が、どうやって生き延びるか?そのスリルにある。助からなかったときの死に方が「痛そうで」「残酷で」「意表を突く」ものであればあるほどスリルは増大する。この「ソウ5」はそこをよく計算されて作られており、そういった処刑シーンの連続、そのスピード感はシリーズトップだ(不謹慎だが)。 [DVD(字幕)] 7点(2009-03-21 20:01:15)(良:1票) |
11. ゾンビーノ
《ネタバレ》 変わったゾンビ映画。残酷なシーンは、人を食べるという「ゾンビとしての符合」を最小限表す程度の描写にとどめられており、製作者の意図がホラーとしてのゾンビ以外にあることは間違いない。「ゾンビは生きてるの?死んでるの?」との少年の問いかけがこの映画の主題で、ゾンビ=死ではなく、ゾンビもひとつの生の形?であるとして映画は進行されている。ただ、そのことを善としているわけでもなく、結局は「生と死をちゃんとわけないと問題が起きるぞ」と言いたいのかもしれない。昨今の医学の進歩で脳死という、生きてるのか死んでいるのかという論争が日本では起きた(今は死んでいるということでかたづけられたが、本当はそうではなく、受け入れられない家族も多いはず)、今後の科学と医学の進歩を揶揄しているのであろう。舞台設定が一昔前の幸せ、豊かなアメリカンファミリーで、ノスタルジックな雰囲気がいい。 現代のような複雑な医学科学環境がなかったあの時代でも「みなさんそのほうが幸せだったでしょう?」とそう問いかけているのだろう。 [DVD(字幕)] 9点(2008-05-11 06:50:05)(良:1票) |
12. アダム -神の使い 悪魔の子-
《ネタバレ》 クローンに記憶が移植される・・・!わけねえだろうが!! サスペンスでも、ホラーでも、なんでも、途中まで引っ張ってきて結局オチが「作者に的にはアリ」って造り、もういい加減にしてほしい。そういうことなら最初から観たりしませんのに。シックスセンスなどに近いな。サスペンスと思っていたら、オカルトだった・・ガクッてやつ。最低な映画です。 [DVD(字幕)] 0点(2007-05-31 20:55:47) |
13. 死ぬまでにしたい10のこと
死を題材にした物語は多いけれど、この映画の発想は斬新でかつ描き方がライトでそれが逆に「誰にでも訪れる死」というような死を身近に感じさせる効果があった。ガンの宣告の場面で、医師がゆったりとした時間をとっていた。医療ではどうすることもできない、ただ一緒に悲しんであげるという癒しの手段をとった医師に感心した。 [映画館(字幕)] 9点(2005-11-14 21:33:01) |
14. ランド・オブ・ザ・デッド
ゾンビ映画になにを期待するか?面白いなと感じるのはやはり「スリル」なのではないだろうか。内臓が飛び出るような気持ち悪さや「かわいそうさ」自体にはそろそろ慣れてしまっているし。主人公がだんだん追い詰められて、逃げ場がなく、そこをどう打開していくかを自分を投影しながら観るもの。でも、この映画は怖くないね。全然追い詰められていかない。スリルというものがない。マイケルジャクソンのスリラーのほうが怖いくらい。 [映画館(字幕)] 4点(2005-11-07 22:32:10) |