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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2526
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  あの日のオルガン 《ネタバレ》 
 保母さんと未就学児童の視点から戦争を描いた映画ね。  戦時下、日本への空襲が熾烈になる中、まだ学校へ行っていない子供たちを東京から埼玉へ疎開させた人びと(シリアスな『翔んで埼玉』とか言っちゃダメ)の物語で、実話が元になってるのね。   メインになっているのは人にも自分にも常に厳しい姿勢の戸田恵梨香と、未熟で子供と同次元で生きてるような大原櫻子。  そして子供たちの面倒を見る保母さんたち、子供を預ける親たち。   それぞれの、子供を大切にしようとする姿勢と、それを妨げるように起こる様々な問題がドラマを生むのね。  映画は前半が大原櫻子、後半は戸田惠梨香が主役のような感じで、背景にある戦況の推移に伴って厳しさを増してゆく中で見応えのある演技で魅せてくれるの。大原櫻子の可愛らしい存在感が辛さの中の輝きって感じで魅力いっぱいね。  田中直樹の独特なテンポの中で生きてるカンジの存在感も良かったわ。彼の生死も含めて、結構多くのエピソードが投げっぱなしになった感もあるけど。   この映画、終戦後からいっぱい作られてきたタイプの、ありがちな感じのやつ。戦争があって、日本では多くの犠牲が出て悲しい悲しい、って。そういう意味ではちっとも進歩してないわ。平成も終わりだっていうのに思いっきり昭和よ。   だけど今またこういう映画が必要になっているような情勢になってしまって。いつのまにか、戦争はダメ!って当たり前のことを声高に叫ばなくちゃいけない世界になっていて。  国と国、民族と民族、宗教と宗教、人と人とを隔てて対立するのが当たり前になってしまった世界で、こういう映画が否定され、封じられていかないように、取り違えられた「表現の自由」が大きな声でがなり立てて、本来の「表現の自由」を封殺してしまわないように、気をつけなければいけないわ。
[映画館(邦画)] 7点(2019-03-05 20:36:23)(良:1票)
22.  アリータ:バトル・エンジェル 《ネタバレ》 
 設定とか物語とかはともかく、アリータが徹底的にかわいい!、それだけで満足ね。   予告編だけ見るとデカ目アプリの画像みたい・・・なアリータだけど、実際の映画では大変に可愛らしくて。リアルなんだけどリアル過ぎない、なんとなくマンガな感覚を残してあります、ってカンジで。ちゃんと女の子っぽい仕草とか動きとかするし。実写人物との画的な融合がイマイチなんだけど、でも、そういう違和感も含めてコレが正解な在り方なんじゃないかな。命を与えられたCG、だものね。  ロボッ娘好きなアタシのツボをしっかと捉えたキャラなのね。正確にはロボットじゃなくて草薙素子と同様のサイボーグだけど。   話はかなり前のマンガが原作なせいもあってめちゃくちゃありがち、上が天国、下は地獄、なんて。  脚本はいっぱい詰め込み過ぎちゃってて、ダイジェストみたいで、見せ場の連続過ぎちゃってて、逆に一本調子な印象だったりして。未消化過ぎじゃあありませんか?みたいな状態だし。  大体、この設定だったら当然主軸は上を目指してゆく物語になると思うじゃん。だけど最後まで上は目指さないのよ。その役割はお兄ちゃんの方で、でもその志向についてはあくまで否定的スタンスで。   映像は色々凄かったりして、だけど未来のディストピアものって大体似たようなイメージよね、って思ったりもして。スラム街が『レディ・プレイヤー1』で見た風景に大変よく似ておりますわね、みたいな。ゲームの内容はほぼローラーボールだし。   でも、ロバート・ロドリゲス監督らしい激しいアクションの連続で、IMAXの大画面いっぱいにアリータがカッコいいアクションを繰り広げまくるので、彼女のヴィジュアルを堪能するには最高な映画ね。  設定とか物語とかはともかく。
[映画館(字幕)] 7点(2019-03-05 19:45:06)
23.  アントマン&ワスプ 《ネタバレ》 
 面白かったけれど、前作のようには手放しに楽しめるモノではなかったわ。   前作はマーベルユニバースの知識なんて一切無くたって一本の映画として楽しめたけれど、今回は最低でも前作と『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』と『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』を見てないとワケわかんない事だらけ。いちいち記憶を辿らなくちゃなんないの、メンドくさいっての。   で、いつになったら本題に入るの?って、そこが本題かい!って、ソレが『ベイマックス』のクライマックスをまんま持ってきたようなシロモノ。   ワスプは期待したほどじゃない存在だし。相方としてもヒロインとしてもハンパなポジションで、単独で行動してる時の方が魅力的っていう。っていうか、ビジュアル的に微妙なのがねぇ、なんとも。   笑えるエピソードがいっぱい散りばめてあるのはいいわ。『インフィニティ・ウォー』が重くて暗い映画だったから、明るく楽しいマーベルヒーローってのはありがたいコトで。相変わらずペーニャがいいよペーニャ。あとお留守番蟻。   主人公と、この映画自体が、どちらもアベンジャーズって存在のせいで振り回され、縛られちゃってるわけだけども、後者は少なくとも皮肉じゃなくてマジでそうなっちゃってるのがなんともねぇ・・・
[映画館(字幕)] 7点(2018-09-06 20:44:55)
24.  アーロと少年 《ネタバレ》 
 大自然という名の神の下で剥き出しの生と死の闘争を繰り広げる生命達のお話。って、つい最近、他の映画にも同じ文章を書いた気もしますが。   『インサイド・ヘッド』同様、ディズニー・ピクサー作品って事で油断してると痛いメに遭う作品。幼い心にトラウマを植え付ける事必至?みたいな。  話のベースはピクサーお得意のバディもので行きて帰りし物語(『トイ・ストーリー』『ファインディング・ニモ』『カールじいさんの空飛ぶ家』『インサイド・ヘッド』と)。超リアルに大自然を表現したCGの世界で展開するのは終始死の匂いがつきまとう冒険の旅。自然現象によって与えられる容赦ない死と、動物の本能による容赦ない死。アーロとスポットの旅は楽しさに溢れながら、一方でずっと死の不安を抱かせ、ディズニー作品に限ってそんな展開はあり得ないだろうと思いつつも、もしかしたらという不安がずっと影を落とし続けるという。  腐敗・発酵した果物を食べてぶっ飛んでしまうシーンや、プテラノドン達の狂気の表現はザラザラした異質な感じで、心地良い子供向けアニメとは明らかに違うモノが印象に残ります。   映画を見る前に『ヒックとドラゴン』の立場が逆転したような映画?って思いましたが、その通りでもあり(『2』まで含めた状態)、まだまだ公開は先の『3』の内容までも示唆しているようでもあり。   スポットのキャラが楽しく可愛らしく、ペット的だけれどもやはり人間らしい自我を持っているあたり、とても魅力的。一方でアーロはキャラ的にもうひと工夫あれば、と思いました。アーロはその単純化されたデザインと共に意外とクるモノが無いんですよね。   進化したテクノロジーはどんどんアナログを志向してゆく、その1つの到達点を見られる作品であり、ピクサーとアメリカのアニメーションの進歩を見られる作品でもあり、だけど映画としてアニメーションとして、かなり歪な感じがするのですよね。その歪さはピクサーの個性となってゆくのか、それは他との差別化を明確にしたいがためなのか、それとも迷走なのか。ピクサーの志向は子供向けアニメーションの枠の限界にぶち当たりつつあるのかもしれません。
[映画館(吹替)] 7点(2016-04-13 21:35:11)
25.  アオハライド 《ネタバレ》 
 男が女々しくて優柔不断で決断力がまるで無いためにヒロインが振り回される、っていうのは最近の少女マンガ原作の映画のパターンで。もうダメ男ばっかり。世の女性達はそんなんがいいの?   で、これもそんな話なのですが、でも、ちゃんとその女々しい男の話に向き合って作られてる感じで。   目が印象的な映画です。まるで目力のある役者ばかりを選んだかのように、目が映画を語る重要なアクセントになっていて印象的。  見つめる、逸らす、泳がす、伏せる、見つける、目撃する、読む。  目が多くを語り、視線が絡む事で動き出す物語。   それからこの監督の良さ、生きた日本の風景を捉えるところ。『ソラニン』や『陽だまりの彼女』と同様に今回も風景が生きていて映画の空気を作り出しています。後半の舞台となる長崎の美しさ、そして小川にかかる橋とその先の坂という地形を、洸の抱えた心の傷に反映させる巧さ。  三木監督はこの国に生きている人の姿をキレイに捉える人だと思います。   青臭い話ではあるのですが、それこそがタイトルにかかっている「青い春に乗る」世界なわけで、その青い時に、それぞれが抱える悩みや痛み、想いを上手くすくい取った作品でした。
[映画館(邦画)] 7点(2015-01-01 22:43:47)(良:1票)
26.  アップサイドダウン 重力の恋人 《ネタバレ》 
 冒頭にモノローグで説明される設定世界に「んなアホな」と思うのですが、それを具体的にビジュアルとして提示し納得させてしまうセンス・オブ・ワンダーっぷりに惚れ惚れさせられました。もう、終始その映像に魅了されっぱなし。   ところが、お話はかなり雑です。  記憶喪失だったヒロインが都合よく記憶を取り戻すあたりでこれは怪しいと思い、主人公が行き当たりばったり状態で10年前のミスを繰り返す事に呆れ、最終的にタナボタ式突如怒涛のハッピーエンドに脱力。  しかも前置きで世界を変える事まで匂わせながら、結局物語はごくごくパーソナルな部分のみで完結してしまい、世界が変わる事については「それはまた別の話」とファンタジーの定型文を投げつけてくるあたり、せっかくの設定を台無しにしている感が。  大体、主人公は実は大した事をしていないんですよね。世界を変える?アイテムは叔母さんから継承されたものだし、最終的に話をハッピーエンドに持ち込むのは元同僚のボブの力で主人公はただ絶望してるだけでしたし。主人公ってば大量得点を許した中継ぎ投手程度の存在。  中盤以降の脚本の腰砕けっぷりにはガッカリ。   それでもその独特な美術世界をたっぷりと堪能できたのですから、あまり悪い点は付けられない感じで。モノトーンの荒れた世界から空を見上げるとそこにはまばゆい都市が広がっている、一発で独自の世界観をバーンと示してくる画を見るのは本当に気持ちがいいです。オフィスやダンスホールのビジュアルにもクラクラきちゃいました。   ところでトイレのシーン以前から思ったのですが、あの逆さに飲むカクテル、あれ、オシッコになったらやっぱり上に向って放出されていくんでしょうか? やっぱり下の世界に降り注ぐんですかねぇ。やーねー。
[映画館(字幕)] 7点(2013-09-13 21:28:37)(笑:1票)
27.  あなたの初恋探します 《ネタバレ》 
韓国映画って定型フォーマットの物語が展開してゆく事がとても多くて、これも映画紹介の設定部分を読んだだけであらすじがバーッと見えちゃう、そして実際にその通りに展開するって映画で。「初恋の人を探すヒロインと、人探しを生業とする男が、反目しつつも目的へと近づいてゆく」って、結局はこの二人が、ってのは丸判りなワケですよね。だから、あとは素材と料理法。そのありきたりな物語を、いかに楽しく酔える映画に仕上げられるか、っていう。まずはイム・スジョンとコン・ユって素材が上手くハマりまして。イム・スジョン(その童顔を活かしたような役が多い人でしたが、今回は大人な役)の髪を無造作に束ねた、化粧っ気のない色気皆無って役は、それでも表情の豊かさで十分に魅力的だったりしますし(なので、逆に重要なシーンである、ひたすら舞台裏の仕事に徹していた彼女が、表舞台に立つ事になるシーンでのどギツいメイクが、どう見てもステキなオンナに化けました、という風には見えないというのが大きな欠点ではありますが)、コン・ユが繰り広げるコメディ演技も楽しく。更に、一向に浮いた話のない娘にヤキモキする父や、イヤな女に見えつつ大事なところをキチっと抑える先輩など、脇を固める人々も楽しく描かれていて好印象。多少の伏線はあったものの、突如舞台に立ったり、初恋の人の見つかり方があまりにご都合主義的など、脚本には強引なところが多々見られはしましたが、元の舞台の原作者で脚本も書いている女流監督の手によって1つ1つのエピソードは丁寧に撮られていて、ホワホワと韓国ラブコメの味わいを堪能させて頂きました。こういう映画も好きなのですが(そうそう、最近見たベタだけど好きなラブコメ『ジュリエットからの手紙』にもよく似ております)、時代遅れ扱いなのかなんなのか、このテのラブコメは国産ではすっかり見られなくなって(あったとしても対象年齢がひとまわりくらい下だったりして)、韓流ブームって、そのスキマ需要に一因があったりするのかな?って。まあ、数作見るとみんな同じに見えるんで飽きちゃったりするのかもしれませんが(ドラマはともかく、映画に関しては韓流ブームって終了してるような感じで)、映画好きとしてはブームとか関係ないので、面白い韓流ならカモーンって感じです。まあ、またこのパターンかぁ、ってウンザリする事も多いんですけど。
[映画館(字幕)] 7点(2011-07-04 22:00:46)(良:1票)
28.  あの頃、君を追いかけた(2018) 《ネタバレ》 
 リメイクってコトで元は韓国映画?とか思ってたのね。だから誰かがドラマチックに死んじゃったり、奇跡とか超常現象とか起きたりするんだ、って身構えてたら何も起こらなくてビックリ・・・って元ネタは韓国映画じゃなくて台湾映画だったのね。   そう、等身大の青春映画で、大事件が起こったり、現実を超越した奇跡が起きたりする訳ではない、誰にも似たような記憶があるような、そんな若い頃のひとときを描いた映画。   お互いに気持ちを上手く伝えられなかったり、自分が何をやりたいのか、何になりたいのか判らなかったり、あー、わかるわ~、って。そんな時を過ごす姿が、なんだか可愛らしくすら思えてきて。   ただ、元の映画に忠実なのかなんか知らないけど、日本を舞台にしてるのに明らかにおかしな部分があって。  高校の卒業式の後に大学入試があって、入学は多分9月で。ってなんで? そういうのは日本に合わせようよ?  唐突に台湾ロケになる部分も物語の流れの中ではあまりに不自然だし、日本人が作っているのだけれど、なんとなく日本とちょっと違う感覚がしてしまう不思議さもあって。『僕の彼女はサイボーグ』の、日本を舞台にしてるのに日本じゃない感、アレに似てるかも。  細かいコト言うと(いや、結構重要かな)、青いインク痕のいっぱい付いたシャツ、アレが象徴的に飾られてるんだけど、ヒロインにボールペンでつつかれてる時に一度もインク付いてないのよね。あれヘン。   齋藤飛鳥は透き通るような澄んだ美しさで、この青春映画のキラキラしたイメージを支えてるわ。  山田裕貴はもう色々と体当たり状態で面白いキャラを創り上げてて、ただ、高校生には見えないなぁ・・・あの裸は既に大人のソレだわ。   大感動作!というわけではないけど、自分の記憶を刺激されてしみじみと過去を想う、そんなひとときをくれる映画だったわ。
[映画館(邦画)] 6点(2018-10-22 19:14:37)
29.  アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 《ネタバレ》 
【どうせだからめちゃくちゃネタバレしちゃうんで注意】   これまで色々と出てきたマーベル映画を『アベンジャーズ』のための予告編映画とか揶揄して醒めた事書いてきましたが、ここまで作品が増えてヒーローが増えてごっちゃり状態になると、それはそれで豪華幕の内弁当状態で楽しいっちゃ楽しかったりします。ソーとロケットの組み合わせみたいに、もう同じ世界線に存在している事すら不思議な感覚なのに、シリアスな会話してたりして、そんなシュールな状況があちこちに見られて。そういう、他作品の主役同士の交わりや共闘の姿はワクワクさせてくれます。が、どうにもこうにも暗くて。画面自体、暗いシーンが多いのですが、その上、内容が暗くて陰惨な映像が頻出して。かなり残酷なんですよね。その陰惨さに後半もうゲンナリしてしまって。どうしてこんなお祭り映画でそこまで陰惨にならなくちゃなんないの?と。   これまでの映画(もちろん『アベンジャーズ』だけでなく、一連の各作品全て)を見ていないと判らない話だらけの上に(その全ての作品を何度もリピートしてないと色々と忘れちゃうって)、登場人物が多いのであちこちに話が飛んで、どこで誰が誰と組んでどういう行動をしてたっけ?って把握するのが大変。主役クラスでないと、もう、あなたは誰でどの作品で何をしてましたっけ?みたいな。っていうか、キャプテンですら登場時は「あんた誰?」状態で。ヴィジュアル大きく変更するのカンベン。   で【ここからネタバレ強し】、アベンジャーズ全滅!とか、誰が死んでしまう?とかなんとか、そういうのがウリになってたりするのですが、ヒーロー役引退を表明している人達が退場しちゃうんじゃ?と思わせつつ、そういう人達は生き延びて。まさかまだ1作2作しか映画がないヒーロー達が軒並み犠牲になるなんて予想してなくてビックリでしょ?みたいな仕掛けはなかなか意地が悪くて、そう来たか、とは思いました。でも、あーんなにやり過ぎちゃったら、結局のところどうせ次回作で、ねぇ、って思っちゃいますよねぇ。最後のひとまとめ以外の人達まで含めて。ギリギリの危うさ、壮絶な最期、みたいなのではなくて、魔法的な力の話なので、どうとでもなっちゃうワケで。まあ、本気で特定の作品終了ってのはあり得ないでしょうから、それを信じちゃったりするのは逆にどうなのよ?ってところでしょうか。  ヒーロー達がひたすら酷い目に遭うお祭り映画を楽しみましょう、というドSなシロモノで、昔からウルトラマンが負けたりするのが苦手な私としてはかなりシンドかったのでした。
[映画館(字幕)] 6点(2018-04-27 20:03:13)(良:1票)
30.  あさひなぐ 《ネタバレ》 
 ああそうか、『トリガール!』と監督一緒なのね。どうりで見終わった後の印象が似てると思ったわ。   マンガ的表現とワザと盛り上がりをハズす同一パターン、面白いし感動もするけれど、結局そこそこ、パターン化された世界の物足らなさ。何か「ココ!」ってこの作品ならではの個性が欲しいところなのですが。  乃木坂46の面々は個性的でも、キャラ造形や物語には意外性も何もない、全てが予定調和の中に収まった世界。   それなりに薙刀の知識を得る事はできますが、じゃあ薙刀の魅力ってなんだろう?ってそこが見えるところには到達しませんし、肝心の試合シーンには問題が大アリで、どうにも映画としての面白さに繋がりきらないもどかしさ。面を装着する事によって表情が見えず、戦っている二人のどちらがどちらのチームか、そもそも誰なのか、胴のところの校名と苗字で判断しなくちゃならない状態。キャラの名前までちゃんと憶えてないと、だからそれって誰?って事態に陥ります(乃木坂46のファンの人ならば面の奥の目や声って少ない情報量からでも判断できるのでしょうけれど)。面を透過させる技法も1シーンだけ登場しますが、マンガやアニメならともかく、やっぱり実写だと違和感ハンパない状態で。薙刀のルールがそうなんだから仕方ない、とするならば映像化そのものに問題があったんじゃ?  光量多め、ややハイキー気味な映像もちょっとやり過ぎかなぁ。アイドル映画と割り切ればこんなもんかなぁ。   脚本的にひっかかった点は宮路が試合に負けた後の電車の中の宮路と旭のシーン。あそこは旭のモノローグ無しで見せる事ができたハズで、わざわざ説明しちゃったら台無しなんじゃないかと。そこまでマンガ的である必要があるのかと。   個人的に堪能できたのは江口のりこって人の芸の幅の広さかな。安藤サクラと似てるとか言われてますが、共演している『野田ともうします。』の野田さんと手影絵部の部長ってキャラ的に全く似ても似つかないつーか、他の作品でのそれぞれの役が全くあの2人に繋がんないつーか、1作ごとにイメージバラバラつーか。そう言えば『奥田民生になりたいボーイと~』でも共演してましたね。顔を合わせるシーンはありませんでしたが。って話が逸れました。   いっぱいあるこのテの作品群の中にやがて埋もれてしまいそうな、ひと味ふた味足らない作品でした。
[映画館(邦画)] 6点(2017-09-25 21:04:02)
31.  IAM A HERO アイアムアヒーロー 《ネタバレ》 
ツイッターの映画クラスタの間で評価が高かったので期待し過ぎちゃった。   ベースは『ゾンビ』そのものなわけで、話の中心がショッピングモールでの籠城戦で生き残った人間同士のゴタゴタがドラマになってます、なんてところはなんのヒネリも無し。今から40年近く前に作られた映画にやっと近付きました(越えてはいません)ってそれって誉められる事なのかなぁ。このジャンルって低予算のしょーもないデキのものが大量にありますから、元々ハードルは低めだったりするのでしょうけれど。  それでも邦画としては頑張ってるその映像は、舞台を日本に見立てての大々的な韓国ロケで実現した映像なわけで、つまり国内だけじゃこのレベルに到達するのは無理です、っていうのが実情なんでしょうね。   この映画のオリジナリティは主人公が何者にもなれないヘタレで、極限状態でも変われず、それでも、ってところですが、んー、ダレ気味。森に入って以降クライマックスまでテンポが悪くて、そのワリに濃密なドラマが描かれている訳でもないので『晴天の霹靂』とちょっとキャラカブってる大泉洋の苦悩演技をご覧くださいって状態がシンドいなぁ、って。有村架純と長澤まさみって花を両手にしながらなおヘタレ続けるので温度低めな時間がずっと続いて。  避難民を支配している男とその手下って、お約束の展開に「あーこの流れかぁ」ってウンザリさせられつつ、ヘタレの覚醒を待たなくちゃならないのは結構苦痛。  で、やっと覚醒したと思ったら最早それドーピング脚本だろって状態で。ライフルの弾、一体何発持ってるのよ?ってくらいに全部ライフルで片付けちゃうのでライフルVSゾンビの映画になっちゃうんですよね。ライフル最強!で終わっちゃう。英雄は本当に英雄になれたのか? うーん。   グロっぷりハンパない、よくぞここまで、みたいに言われてますが、殆どヘッドショットでブシャブシャ頭が破裂するばかりなので、激しい人体破壊っぷりを期待すると、こんなモンかあ、くらいのモノです。そんなモノ一切期待しない、ホラーもスプラッタもゾンビものも苦手な私でも「なんだぁ」って思う程度。   そして、有村架純は良かったです。
[映画館(邦画)] 6点(2016-04-29 22:44:37)
32.  あやしい彼女(2016) 《ネタバレ》 
 これ以前に韓国版『怪しい彼女』と中国版『20歳よ、もう一度』を見ておりますので、どうしてもその2作との比較になってしまいます。   多部ちゃんはコメディエンヌとしての魅力を存分に発揮していて、多部ちゃん映画としてはポイント高い作品となっております。ただ、既存2作と比較してしまうと、どうにも弱い映画になっちゃったなぁ、と。   まず基本設定の変更、息子を娘にして登場人物を整理した事で生じた問題、嫁をいびり過ぎて病院送りにしちゃうクソババァが消滅して、ただのヘンなテンションの婆さんになっちゃいました。クソババァがキレイな娘さんに変身して、更に歌で人々を魅了する、オリジナルのその大きな振れ幅がこの日本版では小さな振れ幅になっちゃってます。多部ちゃんが倍賞さんの若い頃って言われれば納得できない事もなく、あの歌声にはインパクトがなく(最近の邦画で説得力のある歌声としては圧倒的に『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の大原櫻子さんを挙げたいですが、彼女と比較してしまうのはあまりに酷ですか)、その出だしの弱さのままにずっと映画が続いていってしまうのが厳しいです。基本設定に変更はあっても多くの部分が工夫無くオリジナルをなぞる事で作品が安易な流れの中に留まってしまっているような印象。   ドラマ的には娘に変更した事自体が大きな改悪になっているとは思いませんが(クソババァ度を極端に薄めてしまったとは言え)、じゃあそれが良い選択だったとも思えず、片親世帯にしたあたりが半島や大陸と違ってこの島国っぽさなのかいな、くらいの印象で。   ライブシーン、音楽絡みのシーンは総じて韓国版、中国版よりもダサくなってしまっていて、日本大丈夫か?って感じもしますが、これは国の問題っていうより邦画業界の問題と製作陣の問題ですかね。  韓国版での焦らしのシーンを中国版では更に焦らして、じゃあ日本版はどうなるのか?と思っていたらあっさりドッスンといって肩透かし食らわせるあたりは楽しかったですが、それは全部見てての限定されたお楽しみ。しかしあの娘はあれじゃ悪役状態なのだけど、そもそも存在の意味が判りません。  中国版では韓国版に敬意を表した部分が2カ所あったのですが、日本版にはそれが見当たらなかったのは残念。   オリジナルに対するリスペクトを大きく反映させるか(中国版はこちら)、さもなければ独自の魅力を研ぎ澄ませてゆくか、そのどちらにも寄れないハンパな作品になってしまった感じで、それでもオリジナルの良さゆえの魅力は残った感じでした。あと多部ちゃんの面白さと。この映画のヒロインとしては、ちょっと違うかな、って製作発表当時思った感覚のままではありましたが・・・
[映画館(邦画)] 6点(2016-04-04 22:05:38)
33.  アンフェア the end 《ネタバレ》 
 劇中の雪平は殆ど全編に渡って黒のロングコートを着ています。光を反射しない素材で黒髪と共に真っ黒な影になっていて、青白い顔だけが浮かんでいるような、まるで幽霊のような佇まい。父の死の真相を追う雪平が死に囚われた存在だったとするならば、冒頭とラストの裸身から血を流す雪平の姿は生へと動き出した事を象徴しているのかもしれません。   ドラマを一切見ていない私が見た前作の映画は「ワケ判らん」って状態でしたが、今回は前作を見た分だけの知識だけはあって(相変わらずドラマは全く見ておりません)、そしてその分だけは楽しめた感じがします。  悪が幅を効かせる今作は真相を追うよりも追いつめられ危機に陥る状況が長いのでストレスを感じるシーンが多く、また裏切りの物語が続くのでカタルシスは薄い気がしますが、明確な目標が提示され、そこに至るための攻防が描かれる事によってサスペンスを生んでいました。   ただ、前作ほどではないにしろ、やはり謎のための謎、裏切りのための裏切りみたいなトリッキーな部分(それこそが本作のカナメなのでしょうけれど)が明快さを欠く結果になっていて、実のところ本当にこれで完結なの?そう言いつつ更に続編作るんじゃないの?と思わせるような、アンフェアな事ができてしまいそうな部分が残されているのが気になりました。死んだ事をハッキリとは表現していないキャラが何人かおりましたからねぇ。
[映画館(邦画)] 6点(2015-09-21 23:43:19)
34.  アゲイン 28年目の甲子園 《ネタバレ》 
 いい話なんですけれど、でもあちこちひっかかってしまうところがあって。減点法で評価しちゃうとキツいわ、みたいな映画。   出場辞退になった時のメンバーの28年後の話だと思ったら、その時のメンバーはたった3人(少なくともハッキリそう判る人は)。あとは他の時代の人々。肩透かし。いや、マスター甲子園ってもののルール上、そうなってしまうんでしょうけれど。   で、出場辞退になった原因のエピソードに深い秘密があるのかと思えば今から40年前の青春ドラマみたいな話で。結局殴ったんじゃん、みたいな。全体を支配する昭和臭。   地区決勝をクライマックス化しちゃってるので、そこから先が蛇足状態で、なのにその時点で未消化エピソード大量で描く事は沢山。ダラダラと続いてバランス悪い悪い。   中井貴一の娘のエピソード、切符を投げ捨ててからラストのキャッチボールまで飛ぶわけですが、観客にその行間を補完させ過ぎ。あそこまで突き放して、なお甲子園まで出てくるまでの流れに説得力を与える事を放棄しちゃってます。   人生の曲がり角を過ぎた人間に、止まった時間を動かす、まだやれる事、諦めない事を示す内容は良かったと思います。   せっかくのフィルム撮りもちゃんとフィルム上映できれば良かったんでしょうけれど、世の中さっさとデジタル上映に移行して、デジタル化されてしまうとフィルムの優位性が死んで粒子感キツいばかりの映像になってしまいますね。  そんな要素も含めて、なんだか前向きなテーマのハズなのに、随分と後ろばかりを向いてるような感じがしてしまう映画ではありました。
[映画館(邦画)] 6点(2015-01-25 20:29:05)
35.  悪魔は誰だ 《ネタバレ》 
 韓国の犯罪ものというと凶暴なまでのバイオレンス描写を心配しちゃいますが、これはそういう血と暴力の映像世界ではないので、その点では安心です。が、心には痛い映画で。   一人の少女が誘拐され殺され、その時効と共に同じ手口の誘拐事件が起こる、その裏にある秘密とは?という事で、ミステリーの要素を多分に含みますが、でもこれ、ミステリーとしては成立してないというか、ミスリードの仕方があまりに卑怯で(笑)  時系列通りに描いているように見せかけて実は全く違った時間の事を描いているっていうミスリードが何か所も存在していて、ひたすら騙しにかかってくる状態。ラストの意外な展開!っていうのを盛り上げるための解体・再構築がテクニックを越えてあざとい感じで、その点では韓国映画らしいクドさ。   みすみす同じ過ちを繰り返す極端に無能な警察とか、あまりに簡単に事件の真相を暴く事になる便利アイテムの存在とかツッコミどころは満載。  追跡アクションに時間をかけたりして、娯楽映画色が強いのも題材の重さに対してどうなんでしょう?   でも、そのやるせない真相、人を本当に救ってはくれない法律の限界、個人が出来る事の儚さが胸に重くのしかかってきました。  ラスト、主役の刑事の選択というかもう強要ですね、アレもアレでどちらの立場から見ても決して納得できる行為ではありませんが、でも、それがせめてもの「人の心」なのかと思うと安易に善悪の判断はできない訳で、悪を駆逐できるのは必ずしも正義であるとは限らないのかな、と考えさせるのでした。
[映画館(字幕)] 6点(2014-11-11 22:13:06)(良:2票)
36.  アメイジング・スパイダーマン2 《ネタバレ》 
 愛しているのに恋人と別れて、その恋人がイギリス行くとか言いだして、久々に再会した友人はいきなり先天的な病で死ぬとか自分の血が欲しいとか言って、両親はなんで自分を残して死んだのか知りたくなって、自分のファンだった男がいきなりキレた存在になって、色々背負い込んで色々イヤになっちゃって、そんなん全部対応しきれませんがな、ってリアクション薄くなるピーターくん。  映画そのものも色々ゴチャゴチャ背負い込んだそのまま、観客が受け取るイメージもゴチャゴチャとそのまま。  そりゃ人生色々あって色々と抱え込んだりもしますけど、その感覚のまま映画ってカタチにすりゃいいってモンでもありません。   結果、どれもこれも中途半端。最後にピーターのハリーに対する感情は描かれませんし、エレクトロはただ破滅しただけの自業自得キャラとして済まされてしまいます。グウェンに関しては原作が原作なだけに彼女がヒロインな時点でいつかこの時が来るんだろうなって予感はありましたが、それをクライマックスに持ってくる事でそこだけが突出した、重い苦い後味の残る映画となって。   ニューヨークの街を3Dでぐるんぐるんと駆けめぐる映像は痛快で、スパイダーマンのお気楽な言動はコミカルで。  だけど盛り込まれたドラマはどれも暗く最終的に救われもせず、そんな終わり方かぁ・・・みたいな。最近のアメコミもので終わった後、気分良く劇場を後にできた作品ってなんかあったかいな?と。暗いドラマを背負わせる事自体は原作由来ではあるのですが、なんだかアメコミ娯楽作品は必要以上にドロドロと暗い映画ばっかりだなぁ、って印象。  もっと明るい、すぐ死ぬだの死んだだの言わないアメコミ映画が見たいわ。   ところで本編ラスト数カットがそのまま予告編に使われてたのはどういう事でしょう? 予告編で見慣れたカットの次にエンドロールが始まるなんて、斬新と言うかバカと言うか・・・
[映画館(字幕)] 6点(2014-04-29 21:40:45)(笑:1票) (良:2票)
37.  アーサー・クリスマスの大冒険 《ネタバレ》 
前半の、クリスマスプレゼントを世界中の子供達に届ける、そのクリスマスカラーに溢れたアクションとスペクタクルの世界はワクワクしてとても楽しめました。だけど、たった一人、プレゼントを渡し損なった子供のために、主人公アーサーとおじいさん、一人のエルフが制限時間内にプレゼントを届けるという冒険物語になってから、なんかどんどんテンションが下がってしまい。出発時の旧型のソリに乗ってのワクワクは、おじいさんの迷惑っぷりを原因とする物語の空回りの繰り返しによってどんどんと冷めてしまい、後半は退屈し始める始末。あれ、せめておじいさん原因は1つ2つに止めておいて、もっと他の新たな難関が、ってカタチにすれば良かったのにね。孤島に墜落して物語が落ち込んでからの逆転展開もあまり盛り上がりになってない感じ(あの、周回軌道を描くソリを捉まえるって部分に説得力のある流れがないような)。四散したトナカイの回収は本編中でしてくれないと気になっちゃって仕方なかったですし。結局、サンタクロース一家の、一家族の物語として閉じている、そこに今一つ魅力が足りない気がしました。主人公と父母、お爺さん、兄。この限られたドラマを語る人々にあんまり魅かれる事がありませんでした。もう少し面白味のあるキャラが居て良かったと思うんですけどね。あと一人、家族が居るだけで良かったんじゃないかな。つーか、ヒロイン不在映画なワケで、それだけでなんかね・・・
[映画館(吹替)] 6点(2011-12-04 20:17:21)
38.  アントキノイノチ 《ネタバレ》 
人と繋がっていないと生きられないのに、人によって傷付けられ壊されてゆく心。その繊細な役どころを岡田将生が好演しています。物語は『おくりびと』『サンシャイン・クリーニング』とネタカブリしておりますが、現実に押し潰されそうになりながら人の死に触れる事で生への再生をさせてゆく姿がじんわりと染みてきます。ところが中盤以降、段々と雰囲気が怪しくなってしまい。母に捨てられた娘に母の手紙を無理矢理届けるエピソードの甘さ(あそこで手紙を受け取らせてしまう、更に手紙を読ませてしまう)に嫌な予感。続く柄本明の通俗的エピソードに更なる嫌な予感。そしてシリアスな役を演じるとどうも冴えない榮倉奈々を襲うあまりに陳腐な展開(世の創作物の中でこれまでに一体何百回何千回繰り返されてきたんでしょう?)に、感動させよう泣かせようと押し付けてくる意図とは逆にささーっと冷めまくり。いくらなんでも今時あれはないわ。岡田将生(と原田泰造)のせっかくの好演が、やたら陳腐な展開によって妙に安っぽいものとして閉じてしまったような感じがしました。立脚点はいいのに物語としては陳腐という致命的な欠点は原作時点で存在していたのかもしれませんが、もう少し他のテというのがあったように思えてなりません。ちょっと残念な作品でした。
[試写会(邦画)] 6点(2011-11-13 21:13:06)(良:1票)
39.  アジョシ 《ネタバレ》 
見る前は『レオン』みたいな映画?って思っていましたが、どちらかって言うとセガールもの、あるいは昔のブロンソンものみたいな。ある意味、鉄板な設定。その、鉄板であるがゆえの約束された面白さを楽しむ事はできます。んでも、2010年韓国最大のヒット作との事ですが、突出して素晴らしい!って訳ではなくて。ウォンビンはカッコいいです。少女はいい味を出してます。だけど、悪役に石井克人作品に出てきそうな連中を色々とバラエティ豊かに取り揃え過ぎちゃっていて、その上、警察側にまで個性出して、児童誘拐、殺人、麻薬取引、臓器売買、縄張り争い、バイオレンスにスプラッタ、カーチェイスに銃撃戦、格闘と取り揃え、1つ1つの味付けが濃過ぎて全体のイメージが薄ぼやけてしまっているという。例えば敵役の凄腕な殺し屋が、少女に対してささやかながらも親しみを抱いたがゆえに少女の代わりに・・・っていうところ、色々描かれた中に埋没して、ちゃんと説明しきれてたかなぁ?っていう感じ。見てる人はラストでなんで彼女はちゃんと?みたいに思っちゃったりしないかなぁ、って。クライマックスでの対決にそこを活かせてなかったのは失敗なんじゃないかな。何故あえて1対1を選んだのか、みたいなのも殺し屋にきちんと流れを与えられなかったゆえにドラマとして昇華できてない訳で。繋ぎが悪くて不明瞭な箇所が多く(ゴルフ練習場での車2台の動きの繋がり、メチャクチャ)、ただでさえ枝葉の多い映画を更にゴチャつかせています。犯罪者側のエピソードやキャラは大幅に整理してスッキリさせた方が良かったんじゃないかと。でも、二階の窓から飛び出して路上に落ちる1カットをカメラが一緒にくっついて落ちるなんてステキな映像も見せてくれて、無駄に暴力的なシーンが多いものの、力が漲ったパワフルな一編ではありました。
[映画館(字幕)] 6点(2011-09-22 22:40:11)(良:1票)
40.  相棒 -劇場版Ⅱ- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜 《ネタバレ》 
まだ前作よりはまとまっていたと思うものの、面白かったのは前作の方なんですよねぇ。前作を見た時はテレビの『相棒』を全く見ていない状態、今回は再放送を含め、かなり見ている状態だったという事で、まるっきり映画に臨む姿勢が違ったというのもあるのですが。派手な見せ場は最初の人質籠城事件(あっさり終わります)と何度か登場する船内での銃撃戦くらいで、残りは地味な捜査シーン。真実に徐々に近づいてゆくという展開は前作よりもいいのですが(前作は捜査の殆どが実は無駄という)、結局今回も「盗聴された音声」という、特命係にとっても(事件解明の直接的な、あからさまな証拠)組織にとっても(私ですら盗聴されたものに証拠能力はないって事は知ってるのに、何故、特命係はあえてああいう方向に持って行ったのか、ちょっと意味不明)やたら都合のいいシロモノが登場してしまう点で、あまり褒められた脚本ではないです。もっとも、今回最大の難点は、ラストが明らかに蛇足だという事。このエピソードの存在によって本筋は翳んでしまい、テレビでの続きをお楽しみに!という宣伝色が強くなり、テレビ局主導のファンムービーですよ、と強調されてしまったようで。映画は映画だけで勝負して欲しいものです。それにしても、右京のキャラが未だによく判っておりません。右京は情に流されず、法と正義を貫くキャラゆえに、時として冷酷にも思えてしまう、みたいな存在なのかと思っていると、この映画と年始のスペシャルでは犯罪を未然に防ぐのはいいとして、その未遂犯を見逃してしまうんですよね。女には弱い、という事なのかしら?
[映画館(邦画)] 6点(2011-01-10 09:29:19)
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