Menu
 > レビュワー
 > 鉄腕麗人 さんの口コミ一覧
鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2598
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123
投稿日付順123
変更日付順123
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  アンブレイカブル
「シックス・センス」で衝撃的な才覚を見せたM・ナイト・シャマランであるが、今作はそれをさらに越える衝撃であった。非常に哲学的なストーリーの顛末、ヒッチコックを髣髴とさせる映像的なサスペンスフル。シャマラン監督はこの映画をもってその実力を不動のものにした。
[映画館(字幕)] 10点(2020-03-05 21:05:13)
2.  アイアンマン 《ネタバレ》 
「戦争」は批判するべきだし、それに直通する「武器製造」も絶対的に愚かなことだと思う。 ただし、そんな正論を言いつつ、“武器”や“兵器”に対しての娯楽性を払拭できないことも事実で、見たことのない最新兵器に高揚感を持ってしまうのは、否定できない男の「性」だと思う。  世界最強の武器商人が、自らの方向性に疑問を持ち、武器製造のノウハウをもってして自分自身がスーパーヒーローになっていく様は、ある意味本末転倒で滑稽だけれど、エンターテイメント性に溢れ、愉快痛快だ。  そういった設定自体が持つ魅力に加えて、このアメコミ映画を成功に至らしめているのは、何を置いても主演ロバート・ダウニーJr.のパフォーマンスだと思う。 「世界最強の武器商人」という他の映画であれば、明らかに悪役的なキャラクターから一転、ヒーローへと転じる様は、私生活から毒気に溢れているロバート・ダウニーJr.だからこそ表現できたキャラクター性だろう。  最新のCGを駆使して描かれるメカニカル感も言うことなく、少々子供じみたデザインも含めて、「カッコイー!」と感じずにはいられない。  「アイアンマン」=「鋼鉄の男」と聞くと、とても質実剛健なヒーロー像を想像するが、描かれるキャラクターは、それとは程遠く、その毒々しさがこそがこの映画の最大の魅力だと思う。  案の定というか、お決まりというか、エンドロール後の続編へのくだりも、まさかのサミュエル登場で、俄然期待は膨らんだ。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2019-04-17 10:39:55)
3.  アドレナリン:ハイ・ボルテージ
相変わらず「馬鹿」過ぎるテンションに面食らう。ギリギリ良い意味で。 前作の衝撃的なラストカットから間髪をいれず始まるこの続編、正直色んな意味でイカれている。 あまりにも劣悪な状況下での心臓移植手術シーンから始まり、すべての設定、展開が、“悪ふざけ”のオンパレード。エログロ展開は完全に前作以上。 もしも、前作を踏まえずに今作を観たならば、いきなりの暴走ぶりに対してひそめた眉が戻らないだろう。  前作は謎の“中国毒”によって常にアドレナリンを出しっぱなしにしておかなければ心臓が停止するという、文字通りの暴走馬鹿映画だったが、今作は謎の中国フィクサーによって無理矢理心臓を抜き取られ、“充電式”の人工心臓を強引に埋め込まれ、常に感電し続けなければ死んでしまうという前作に輪をかけた超暴走馬鹿映画。  この映画に携わるすべての人間が“悪ふざけ”を楽しんでいるが、誰よりもそれに興じているのは、他でもない主演のジェイソン・ステイサムだろう。 アクションスターとしては現役トップスターであろうこの英国人俳優が愛されるのは、どんな映画においても「全力」で挑むからだろう。寡黙で屈強な殺し屋を演じることにも、一転して馬鹿すぎるジャンキー野郎を演じることにも、一切躊躇がない。 彼がテンションを上げっぱなしのイカレ野郎をてらいなく演じているからこそ、この馬鹿映画は成立しているのだと思える。  二作目にしてもはやお約束の「公開○○○シーン」も健在。しまいには既にクセになっちゃってるヒロイン役のエイミー・スマートちゃんが、馬のアレを見て興奮するシマツ。  「馬鹿な映画だなー」と何度呟いたか分からないが、同時にニヤニヤが止まらないことも事実。 前作も“どーかしてる”テンションの映画だったが、それを越えて完全に頭がイカれている領域。ここまでされては、ただ笑うしかない。
[インターネット(字幕)] 6点(2017-11-07 23:53:06)
4.  アメリ
とても可愛らしくファンタジックではあるが、ジャン=ピエール・ジュネ独特の悪趣味さは健在という絶妙なバランスが映像的にも物語的にも非常に見応えがあった。いろんなものを詰め込んだ大人のおもちゃ箱という感じの映画世界に引き込まれずにはいられない。個人的には10代最後に観た映画となったので、思い入れは尚更深い。
[映画館(字幕)] 9点(2017-08-24 08:03:42)
5.  アイランド(2005) 《ネタバレ》 
この映画は、“超大作”というオブラートに包まれたとても“特異”な映画だ。 まさに問答無用の“エキサイティング”という言葉の怒涛のような映画であり、文句なしの超大作という肩書きに異論は無い。ただ、それと同時に、ものすごく“おぞましい”映画でもあると思う。“クローン人間の養殖”を公然と行う営利施設とその職員の存在自体に始まり、その過程での培養と洗脳、“アイランドへの招待”と称したクローンの処理……と美しい映像世界にくっきりと描き出されるあまりに強烈な“闇”。それはまさに人間自体の“闇”ではないか。逃げ出したクローン人間は、ついには、生き延びるために自分自身のオリジナルをも淘汰する。主人公のクローンらの必死の行為は“正義”として描かれるように見えて、実は違う。彼らの行為は“善”でも“悪”でもない。ただひたすらに存在しようとする“生命としての本能”だ。 そういう、人間という一生物としての、ある意味当然とも言える、美しさと表裏一体の“本性”を感じたとき、この映画の“おぞましさ”はピークに達する。 ラストの、奴隷解放になぞられたクローンたちの“解放”は、その壮大な解放感と共に、人間という生物の闇の深淵を感じさせる。  
[映画館(字幕)] 8点(2013-01-12 23:18:40)
6.  愛のむきだし 《ネタバレ》 
いやあ、困った映画だ……。 というのが、鑑賞直後の率直な感想。“何”を重要視するかで、褒めちぎることも出来るし、どこまでも蔑むことも出来る。そういう映画だった。  タイトルが示す通り、「愛」そのもののあまりに無防備な“むきだし”の様を延々4時間見せ続ける。 それだけで、一言「凄い」と言えばその通りで、他のあらゆる映画とも似通わない“天上天下唯我独尊”的映画だと言っていい。そのオリジナリティと絶大なエネルギーは、もちろん賞賛に値すると思う。  しかし、観賞後しばらく時間が経過して、個人的には拭いされない「違和感」が先行していることに気付いた。 人間の本質的な雑多さと下世話な様に満ち溢れた映画であることは間違いない。 過剰な“エログロ”描写が、鑑賞者の好き嫌いを大別することも明らかだろう。 ただ自分が感じた「違和感」は、そういう部分のことではなかった。  端的に言えば、「宗教観」だと思う。 難しく微妙な宗教描写にも、この映画は堂々と土足で踏み込んでいく。僕は無信仰なので、それらの描写もこの映画のエネルギッシュな娯楽要素として受け入れることはできた。 しかし、よくよく考えれば、この映画の宗教描写はあまりに乱暴過ぎるのではないかと思った。  主人公は、明らかに怪しい新興宗教に陥っていくヒロインに対して、「あの新興宗教でなければ、他のどの宗教を信じてもいい」というようなことを言う。 無信仰な者の台詞であれば、べつに違和感はない。しかし、主人公が生まれた時から敬虔なクリスチャンの家庭で育った人間であることを踏まえると、ちょっとあり得ない台詞なんじゃないかと思う。  そして、この映画では、信仰の深い人間が徹底的に危うく脆い者として描かれる。 「宗教」がテーマの核心に存在しているが、この映画はどこかで、信仰を軽蔑しているように見えて仕方がなかった。  そういう“立ち位置”を今作に感じてしまうと、みっちりとエグい描写が羅列する程に、致命的な軽薄さが垣間見えてしまった。  ただし、このあまりに特異な映画世界に息づく演技者たちはすべて素晴らしい。 特に物語的な主人公と言っていい“3人”が凄い。 西島隆弘、満島ひかり、そして安藤サクラ、この若い3人の俳優が凄まじい存在感を全編に渡り放ち続けていた。  さて、結局面白かったのか、面白くなかったのかどっちなのだろう。 ああ、困った……。
[DVD(邦画)] 6点(2012-09-19 23:20:47)
7.  アドレナリン(2006)
何か知らんが、アドレナリンを出し続けなければ心臓が停止するという毒薬を注入された男が、己の生命と復讐をかけ、他人の命と迷惑なんて顧みず街中を走り回るという映画。 馬鹿馬鹿しいにも程があると言わざるを得ないストーリーだが、それでもかろうじてエンターテイメントとして成立させている。 そして、この馬鹿馬鹿しさをまかり通せるのは、今はこの男しかいないだろう。  ジェイソン・ステイサムが、表現通りに“アドレナリン分泌しっ放し”の主人公を、“いつも通り”の存在感で体現してみせる。この映画のエンターテイメント性は、もうその存在感に頼りっぱなしと言っていい。  90%以上は「くだらない」と一笑に付してしまって良い映画だが、困ったことに主演俳優の存在性を盾にして、どうしたって印象に残ってしまうシーンが所々で映し出され、時に大笑いしてしまい、時にウルッときてしまうものだから、尚更始末が悪い。  公然○○○シーンや、まさかのラストシーンでの愛の告白からの衝撃のラストカット。 本当にこの映画を作った方々の頭はどうかしてしまってるんじゃないかと思ってしまう。主演俳優も含めて……。  そしてッ、このラストで続編があるってんだから、いよいよどうかしてるぜ!
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-06-10 18:50:16)(良:1票)
8.  アサルト13 要塞警察
前々から気になってはいたのだけれど、いまひとつ手が伸びなかった今作。結論から言ってしまえば、まあテレビ放映されていたので一応録画しておいて暇な時に観るのに相応しい内容だったと言える。面白くないことも無いが、大したことは無い。  導入部は、主人公のイーサン・ホークは早速登場するものの、別の映画が始まったのか?と疑ってしまう程意外な展開で引き込まれた。 想像以上に画づくりもしっかりしていて期待は膨らんでいった。  主人公と対立(いや共闘?)するローレンス・フィッシュバーンをはじめ、ガブンリエル・バーンやジョン・レグイザモら実力のある俳優が脇を固めていたことも、映画として一定の質を保った要因だったと思う。  設定は強引だが、果たしてどうなるのかというサスペンスフルな要素は終始味わえる。 しかし、最終的なオチや終着点は完成度が高いとは言えず、詰まる所「良くも悪くもない」という印象に行き着いてしまった。 必要最小限のキャラクターたちを生かし切れていなかったことも勿体なかった。もっとそれぞれのキャラクター性と役割を明確に描けば随分と面白くなったと思う。   今作を見終わってから、ジョン・カーペンター版のオリジナル作品のリメイクだったことを知る。 当然だろうが、オリジナル版の評価が高いようなので近いうちに観てみたいと思う。 
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-09-18 14:51:40)(良:1票)
9.  相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿
テレビドラマで少しでも売れた作品は、何でもかんでも「映画化」してしまって興行収入を得ようとする流れは、今のテレビ業界の定石なので、「相棒」本編の映画化は必然だと思う。 ただ、いくら人気キャラクターだと言っても、本来“脇役”でもない“端役”である鑑識役を主人公に据えて映画化してしまうことには、少々やりすぎな感じが拭えなかった。  実際、一つの映画の主人公としてはあまりに華が無さ過ぎた。華が無いからこそ、本編で良い味を出しているわけで、そもそも本末転倒だと思う。  ストーリー展開的にもチープな点が多く、「鑑識」という科学捜査の先陣であるはずのキャラクターが主人公のわりには、捜査の手法そのものが強引で、論理性が乏しかった。 「鑑識」がメインである以上、走り回って捜査をするシーンなんて必要なく、台詞の通りに「物証がすべて」だという概念を貫いてほしかったと思う。  「相棒」シリーズらしく、少々強引であってもサスペンスを転じさせてオチを付けたことには好感が持てたが、やはり一つの「映画」としてのインパクトは備わっておらず、テレビのスペシャル版放映で充分だったと思う。
[地上波(邦画)] 3点(2011-07-03 23:36:32)
10.  アマルフィ 女神の報酬
某キー局の開局何十周年記念か何だかで、日本映画とすれば「巨費」をかけたと言える今作。 オールイタリアロケが功を奏し全編通して一定の雰囲気はある映画だと思う。無駄に長い気もするが、サスペンスのテンポ自体は悪くはなかったと思う。  主演の織田裕二の演技なんて端から期待はしていないので、この手の作品としては珍しい「外交官」という役どころにも特別違和感は無かったと言える。  ただし、違和感は無い一方で、主人公が外交官である必要性をあまり感じなかった。 原作を読んでいないので何とも言い難いが、なぜ外交官である主人公があそこまで大立ち回りをしなければならないのか?そもそも彼は何者なのか? 主人公のキャラクター性自体の描き方があまりに不十分なまま物語は終結してしまい、ストーリーに入り込めなかった。  ストーリー自体も、一応の整合性は保っているけれど、配役その他から“オチ”が終始見え隠れするので、サスペンスによるカタルシスは得られなかった。  描かれなかった主人公のキャラクター性、主人公がちょこちょこ電話する相手に中井貴一を声だけ出演させるなど、某キー局の相変わらずのビジネス戦略が随所に見られる映画だ。
[地上波(邦画)] 4点(2011-01-06 16:57:02)
11.  相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン
「相棒」というテレビシリーズは、不思議な魅力を持っていると思う。  本来は某キー局制作の2時間ドラマ臭がプンプンする刑事ドラマだったにも関わらず、地味というか地道というか根強い人気が続き、10年間にも渡る人気シリーズになってしまった。 描かれるストーリーも、徐々に「謎」が洗練されていき、一定のクオリティーを保つミステリーシリーズとしても育っていったと思う。  テレビシリーズの深いファンではないので、本当に時々放映されている回を見たことがある程度だが、最初は”失笑”せずにいられなかった水谷豊のキレッぷりも、今では”お約束”となり、アレが無いと少々物足りなさも感じる。  この「劇場版」も全く観たくないなんてことはなかったのだけれど、まあ所詮テレビドラマの雰囲気の枠を出ない作品だろうと、特に期待もしていなかった。 そして、実際その予測は外れていはいなかった。  良い意味でも悪い意味でも”豪華な「相棒」”という印象。 1本の映画として完成度が高いとはとても言えないが、普段のテレビシリーズでは見られないであろう大々的なロケーションと豪華キャスト陣は、ファンを存分に喜ばせるスケール感を伴っていたと思う。  人気のテレビシリーズが、予定調湾ごとく映画化される現状には辟易しているが、「映画」にすることで面白味が膨らむ作品は確実にあるだろうし、一概に否定はできないだろうなとは思う。  同シリーズ「劇場版Ⅱ」にも、密かに期待している。
[地上波(邦画)] 6点(2010-12-21 14:12:20)
12.  アガサ・クリスティー ミス・マープル2 スリーピング・マーダー<TVM>
アガサ・クリスティの「ミス・マープル」シリーズの映像作品を初めて観た。 謎を解き明かす主人公が地味な老婦人ということで、それほど興味はそそられず恐る恐る観始めたが、冒頭から繰り広げられる上質なミステリアスに途端に引き込まれた。  婚約を機にインドからイングランドへ移ってきたヒロインが、何かに導かれるように訪れた売り家にて、養生時に見た「殺人」の記憶が突然蘇ったことから、それまで眠っていた事件が目覚める。 ヒロインと事件にまつわる人々が入れ替わり立ち替わりし、複雑な人間模様があらわれてくるくだりは、アガサ・クリスティらしいストーリーテリングで、事件の真相と並行して導き出される隠された人間ドラマが秀逸だった。  ソフィア・マイルズが演じたヒロインが、蘇る記憶に苦悩しながらもアグレッシブに過去の人間関係を辿っていくので、ミス・マープルの存在性が薄く感じてしまったことは如何なものかと思う。 が、一つのミステリー作品としての完成度は極めて高く、オールドイングランドを舞台に洗練された文体の世界観を堪能できた。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2010-12-05 23:04:13)
13.  アガサ・クリスティー ミス・マープル3 復讐の女神<TVM> 《ネタバレ》 
ミステリーにおける“探偵”は、物語の真相を解き明かす先導者であり、同時に犯人を奈落の底に突き落とす”死神”でもあると思う。 謎の解明は即ち、殺人者に対する処刑宣告であり、その様は時に無慈悲で恐ろしい。  そういったミステリーの主人公の“正義漢”と表裏一体の“恐ろしさ”を、今作のミス・マープルからは如実に感じられた。まさに「復讐の女神」という主題にふさわしい。  古き友人の遺言に導かれるようにミステリーツアーに参加するミス・マープル。そこに集まるわけありの人物たち。 アガサ・クリスティー作品の大定番と言える舞台設定の中で、殺人が起こり、過ぎ去った殺人事件の真相が導き出される。 展開は極めて王道的だが、冒頭から感じられる禍々しさがストーリーの全編に溢れ、緊張感を増幅させる。  多くのミステリー作品で見られる顛末と同じく、真相を暴かれた殺人者は自ら命を絶つ。 その定番の展開を見る度に、みすみす死なすなよと思ってきたけれど、もはやそれはミステリーそのものの定石であり、避けられるものではないのだと感じてきた。  ミステリーにおいて、真相を解明する者は、同時に死刑宣告者であり、すべての主人公はその宿命を負っているのだ。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2010-10-20 14:38:51)
14.  アガサ・クリスティー ミス・マープル3 ゼロ時間へ<TVM>
「ゼロ時間へ」という意味深なタイトル、そして冒頭で語られる「殺人事件」に対する哲学的な言い回しに、より深い視点からのミステリーが繰り広げるのかもしれないと期待したけれど、実際は極めて定番なミステリーだったと思う。  ミス・マープルが珍しく積極的に事件周辺を嗅ぎ回り、ラストでは真犯人に対して高圧的な姿勢で対峙する様が印象的。 ただその反面、アガサ・クリスティー特有の人間模様には、それほど深みがなく、ドラマ性は薄く感じられた。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2010-10-15 11:02:22)(良:1票)
15.  アガサ・クリスティー ミス・マープル2 シタフォードの謎<TVM>
猛吹雪が吹き荒れる中、山里深い小さなホテルで、次期首相候補の男が殺される。  当然、その小さなホテルに集っていた何やら怪しげな宿泊客らが容疑者となり、  ミス・マープルは例によって自身は殆ど捜査活動に動かないまま、人づてに聞いた情報のみで事件の真相を解き明かしていく。  アガサ・クリスティーの同シリーズも4作品目なので、ミス・マープルの独特の捜査手法にも慣れ、「定番」の流れを安心して見られるようになった。  現在の人間模様と、過ぎ去った人間模様が絡み合い始めたとき、事件の真相が見えてくる。  殺される首相候補の政治家をティモシー・ダルトンという俳優が演じていて、どこかで見たことがあるおっさんだな~と思っていたら、かつて「007」でジェームズ・ボンドを演じた俳優だった。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2010-10-15 11:01:27)
16.  アガサ・クリスティー ミス・マープル2 動く指<TVM>
アガサ・クリスティー原作の人気シリーズ「ミス・マープル」。そのテレビ映画シリーズを今回初めて続けて鑑賞し、今作が3作品目。 ようやくこのシリーズの特徴として、“ミス・マープル”は決して主人公ではないということに気づいた。  様々な人間模様の中から渦巻く謎と殺人事件。その「真相」を導き出すのは、“第三者”である謎解き好きの老婦人ではなく、その人間模様の中にどっぷりと息づく当事者であることが多いようだ。  一般的な名探偵ものとは一線を画し、名探偵役のミス・マープルは、節々で観察眼の鋭さを見せるものの、その立ち位置は、我々「鑑賞者」の目線に近い。 そのかわりに、物語の中で描かれる人間関係に密接な人物が事件を解いていくことで、よりドラマ性が深化し、ただのミステリーに留まらない情感を生み出していると思った。  イングランドの田舎町で出回る怪文書を軸に、閉鎖的環境ならではの人間関係の“ひずみ”とそれに伴う“殺人”を巧みに描き出した今作も、その例に漏れず、繊細な人間ドラマと上質なミステリーを同時に味わわせてくれる。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2010-10-15 11:00:16)
17.  アガサ・クリスティー ミス・マープル2 親指のうずき<TVM> 《ネタバレ》 
突然死した叔母、消えた老婦人、時を越えた殺人事件……。 アガサ・クリスティらしいミステリーをミス・マープルが解き明かしていく。  浮上する「謎」の実像がなかなか見えないので、全編通して“ふわふわ”した感じてストーリーは進んでいく。 ミス・マープルと行動を共にするタペンス婦人がアル中だったりするので、余計に事件の真相が現実と妄想の狭間で見え隠れする。 それはミステリーの特徴として良いのだけれど、キーマンとなる人物の存在や見せ方もぼんやりと曖昧なので、ストーリー自体が追いづらい印象を受けた。導き出された真相と真犯人にも強引さと整合性の欠如を感じた。  独特の人間模様にはドラマ性があり、ミステリーとしての面白味は充分あるのだけれど、謎に対する真相に深みは無かったように思う。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2010-10-15 10:59:17)(良:1票)
18.  アイ・アム・レジェンド
ウィル・スミスは一体何回地球を救えば気が済むのか。 と、もはや“はまり役”とも言える”救世主役”をウィル・スミスがいつものように陽気にこなすエンターテイメント大作だろうと気軽に構えていたのだけれど、想像以上に「恐怖」に溢れた作品だった。  この映画での最たる「恐怖」。それは、全世界を滅ぼす細菌の恐怖でも、闇の中から急襲してくるゾンビ化した感染者たちの恐怖でもなく、たった一人世界に残されたという「孤独」に対する恐怖だ。  愛する家族を皮切りに、周囲の人間が次々に失われていき、ただ一人世界に残された男に与えられたものは、果てしない絶望と、愛犬のサム、そして「残された世界を救う」という盲目的な使命……。  悲壮感に溢れつつも、決していつものノリも忘れないウィル・スミスは、主人公としてバランスがよく安定感があった。 映画の大半を一人で立ち回ることができるのも彼の俳優としての実力があればこそだろう。  エンターテイメント大作として申し分はない完成度は保っており、主人公が悪戦苦闘するアクション性と共に、孤独に対する悲哀にも溢れ、一辺倒ではない映画として仕上がっていると思う。 ただ、ゾンビ化した感染者についての伏線が中途半端に張られたままで解消されていなかったり、そもそもの原因となるウィルスについてやや説明不足な感も残ったのは、残念。  まあ、とにもかくにも、今後ともウィル・スミスには地球を救っていってもらいたいと思う次第。
[映画館(字幕)] 7点(2010-08-28 14:10:50)
19.  アース
2008年一発目の鑑賞作品は、“地球”そのものをストレートに映し出したネイチャー・ドキュメンタリー。 昨年末から公開された予告編の圧倒的な映像を見て、「これはスクリーンで見なければならない」と心に決めていた。  今、立っているこの地球の美しさと壮大さ。それは、地球上に生きる誰もが、知るべき、“知られざる世界”だと思った。 すべての人間が、この実態を知れば、きっとこの惑星はもっと豊かさに溢れるのではないか。  この惑星に生存する幾多の生物、その誰のためでもなく、人類自らのために、この惑星の豊かさを保っていかなければならないと思う。
[映画館(吹替)] 7点(2010-08-28 01:18:34)
20.  アイム・ノット・ゼア
ボブ・ディランというアメリカを、現代を、代表するアーティストの様々な存在性を、人種、性別を越えた6人の俳優が演じるという、奇抜な伝記的映画だった。  正直、ボブ・ディラン自体のことをよく知っているか、知っていないかでは、この映画の“面白味”には大いに差が生じるだろうと思う。 かく言う自分も、色々な映画や漫画などで彼の名前を認知している程度に過ぎず、どれほどこの作品の真髄を捉えられたかというと、首を傾げるしかない。  しかし、それでも巧みな演出と6人の俳優たちの個性的な表現力、そして全編に流れるボブ・ディランの楽曲によって、生ける伝説である希代のアーティストの類い稀な存在性は、大いに感じることができたと思う。  まあ何と言っても、ケイト・ブランシェットが凄い。 女優が、実在する男性を演じるなど、それは流石に無理があるんじゃないかと思っていたが、その表現力は圧倒的だったと思う。 実際、ボブ・ディランの言動を見聞きした経験はないが、ブランシェットが全身から発する繊細さと危うさは、まさに彼のそれなのだろうと疑わなかった。 同じくより現実に近いボブ・ディランを演じたヒース・レジャーとケイト・ブランシェットの目つきや佇まいが、根幹的な部分で同じだったことも驚いた。  これから、ボブ・ディランのことを少しずつ知っていこうと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2010-08-28 00:31:20)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS