1. あん
《ネタバレ》 希林さんのやさしさがにじみ出るような笑顔につられてつい何度も顔が微笑んでしまった。これが他の人ならイラッと来るばあさんになりそうなキャラが、彼女だと何故か許せてしまう。キャスティング大当たり。重いテーマとはいえ、物語はひたすら淡々と静かに進む。じっくり鑑賞できる良作だと思うが、映画館の暗く温かい席では心地よい音や色彩にうっとり寝てしまいそうになるかも。個人的には映画館よりも自宅でのんびりDVD鑑賞の方が向いている作品だと思った。粒あん大好きな私は自分でもよく小豆を炊くが、次からはもっと愛情込めて炊いてあげようと思った。そして千太郎の作るちょっと小ぶりで皮がふっくら柔らかめなこのどら焼き、もしや・・と思ったら、やっぱりエンドロールにうさぎやのクレジットが。また食べたくなった。 [映画館(邦画)] 8点(2016-03-28 00:53:26) |
2. ANNIE/アニー(2014)
オリジナルのアニーを観てからあまりにも時間が経っていて詳細はほとんど覚えていないものの、主人公のアニーがとても魅力的で素直に泣いた覚えがある。が、こちらはアニーを含めたメインキャスト陣にさほど魅力を感じなかった。今も昔もアメリカ人が夢見る成功だとか幸福とはこういうものだ、というステレオタイプにきっちりはまっていて、代わり映えしないな~という印象。現代版らしくSNSやらIT社長ならではの権力行使などの描写はありがちながらもそれなりに面白くまとまっていたと思うが、そもそも、ミュージカルなのに歌も踊りもステージとして魅せるものに乏しく、楽しめなかったのが残念。あと、食べ物を粗末にする様を子どもにやらせて回収なし、というのは昭和生まれの母ちゃんとしては誠に遺憾。 [映画館(字幕)] 3点(2015-06-25 02:06:58) |
3. アジャストメント
《ネタバレ》 えーっ、ここまで引っ張っておいてあっさりハッピーエンドかよ、という消化不良感の残る映画。伏線ほったらかし多数な気がするんですが・・?やはりディック作品の映像化は難しいのだなぁという、これまでの印象がまた深まった。見所はやっぱり、どこでもドアか。あれは楽しい。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-12-07 13:08:19) |
4. 或る夜の出来事
《ネタバレ》 古~い映画ですが、退屈せず楽しめた。米国版ローマの休日?でもヒロインが同じ世間知らずでも何でもお金で解決しようとする俗人セレブ的なところがアメリカ娘っぽい。根っからの悪人が出てこないところに古き良き時代を感じる。そしてラストは金持ち父さんが良い味出してた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-12-07 08:30:01) |
5. アデルの恋の物語
狂気の愛と言えばリアルタイムではまったのはベティ・ブルーだったが、イザベル・アジャーニの美しくも鬼気迫る、そして容赦なく壊れていく女の表現は、そのイッちゃってる感において「これぞ本家」と思わせる迫力があり、さすが。これは男性にとってはホラー映画なのでは。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-02 11:19:23) |
6. 熱いトタン屋根の猫
舞台劇風でほぼ進行は会話のみという作風は、内容によっては鑑賞が苦痛になってくるのだがこれは重いテーマの割に最後まで引き込まれ面白かった。でもその面白さは、なにかと腹立たしい煩い兄嫁が最後には反撃され痛い目を見るところ是非見届けたいという思いに支えられていた感も強い(笑)。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-18 12:52:34) |
7. アパートの鍵貸します
《ネタバレ》 映画としての完成度が高いのは分かるが、どうしても主観で観てしまい点が辛くなる。とにかくかっこわるい男性がたくさん出てくる映画。映画の中でぐらい、現実には望めないような内面・外面揃ったイケメンを観たい!と思っている私にとっては残念すぎるキャラクターばかり。最後の最後になってジャック・レモンはカッコイイ男になるんだけど、そこに行き着くまでがダメすぎる。不名誉な誤解を受けてもヘラヘラ笑ってるなんて、出世の為であっても性格所以であっても情けない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-06-18 12:38:57) |
8. アメリ
《ネタバレ》 ミヒャエル・ゾーヴァが大好きなので、彼の作品の登場人物が動いているところ(!)が観られる貴重な作品としては思い入れ大。ただその点を除けば、一つ一つのシーンを切り取ってみれば可愛いらしげな絵になっているものの、やってることを冷静に観ればこんな面倒くさい女もいねえだろうと思ってしまうあたり、何とも感情移入しにくい作品でした。ま、最後は勇気を出して本物のお花畑に飛び込めたみたいで良かったね、と。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-25 23:52:30) |
9. 赤い風船
差し色の赤がとにかく美しい映像。昔この映画の1シーンをポストカードにしたものを持っていた。この作品だったんだと気がついて軽く感動した。今だったら造作もない撮影トリックだろうが、56年の当時にはさぞ世間を驚かせたのではないだろうか。ラストは解釈にやや悩む。一緒に観ていた小学生の子ども達は「ええーっ!」と驚き、不安がっていた。アニメ「フランダースの犬」の最終回が脳裏に浮かび、ニコニコと笑ってはいられない気分になった。 [試写会(字幕)] 8点(2011-02-03 14:04:44)(良:1票) |
10. アバター(2009)
《ネタバレ》 偏頭痛持ちには禁忌と聞いたので、普通に2Dで観た。ダンス・ウィズ・ウルブスをベースに、ナウシカともののけ姫とラピュタと・・あとナニ? あ、スターウォーズエピソード6か。しかしアメリカ人は侵略戦争と「俺たちの正義」ものが好きだね~。CGがウリの映画と聞いていたので(確かに一見の価値在り)、最初の方に出てきた実写の俳優達も全部CGかと思って「すっげーリアルだなぁおい!!」と無駄に感動してしまったアホは私だけ? [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-02 10:24:42) |
11. 愛を読むひと
《ネタバレ》 朗読プレイが結びつけた奇跡の恋が描かれるのかと思いきや、その一見激しい愛は結局最後までそれぞれが利己的に追い求めた自己愛でしかないように見えた。マイケルは無論若さ故の肉欲優先、対するハンナは彼女のアイデンティティとも言える最大のコンプレックスをあえて刺激しつつ癒すような、痛気持ちいい時間を捨てがたかったのではないだろうか。どっちもどっちで相手より自分の立場と欲望を優先させる二人。度々それを思い知るようなエピソードが挿入され、いつまでたっても主演二人のどちらにも感情移入できない寒々しさが残った。さらにラストが最悪。父親の自己満足の為に今更どうにもならん重い話を聞かされる娘が不憫すぎる。私にとっては愛の話というより人間の身勝手さと業とを描いたなんともいたたまれない話だった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-08-30 23:01:39) |
12. アンナと王様
《ネタバレ》 セット良しロケ良し衣装良し、ストーリーも悪くない。ジョディははまり役だと思ったが、残念ながらチョウ・ユンファが異性として好みでないので(森進一的鬱陶しさを感じる)肝心なところでうっとりできなくて残念。王様の妻&側室たちがやたら仲良く平和に共存していて、よそ者かつ嫉妬の対象になるはずのアンナに対しても常に笑顔で親切&好意的…という徹底したご都合主義な描かれ方に、ディズニー映画的なファンタジーを感じずにはいられなかった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-07 22:41:12) |
13. アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン
ジャニーズアレルギーの私にとって、キムタクは最強最悪なアレルゲンで有り続けているのだが、この作品を観たことで、ほとんどしゃべらずに呻いたり叫んだりしているだけの彼ならむしろ心穏やかに見ていられるという発見があった。「KIDS」ていう超つまんない邦画と同じく、キャラの特性(特殊能力)が単なる見せびらかしに終わっていて、これもやっぱり「だから何?」で終了するつまんない作品になっちゃってました。トホホ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-08-07 22:16:04) |
14. 青いパパイヤの香り
少女時代のムイが何とも可愛い。清純さとエロスを併せ持つ絶妙な雰囲気の子役がすごい。見ているこちらも、ゆったり寛いで微笑ましい思いで観ていたかと思うと時々はっとさせられたりして、その緩急具合が心地よかった。ただ残念ながらこの子役に見合う女優が見つからなかったのか、大人になったムイはややイメージにギャップがあり、しかも前半の良さを打ち消すような陳腐な展開になってしまいがっかり。それでもほぼ全編を通し屋敷内のシーンばかりでこれほど映像美を堪能できる作品は貴重。例えて言うなら敷地内だけでその空間美が完結しているアマン系リゾートホテルで過ごすお籠もり休暇のような、品の良い癒し系映画。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-15 22:38:07) |
15. アイ,ロボット
トランスフォーマーよりはちょっとメッセージ性があるものの、ロボット好きな子供と楽しく観られるお約束を外さないSF作品。ラニング博士の「正しい質問をしないと答えないプログラム」で、もっと遊びたい。サニーの無垢と無機質感を併せ持った表情デザインは秀逸だと思う。ただ、まぶたのない無理矢理ウインクはちと不気味だった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-11-05 12:00:01) |
16. アキレスと亀
ガンガン人が死ぬけどまったく頓着されていないのがすごい。美大仲間(?)の無茶っぷりには不謹慎ながらつい笑ってしまった。芸術に生きるって命がけなのね、と凡人の私は思うわけだが、芸術家にとってはただ単に強烈な表現欲に突き動かされて生きていると、自分や他人の命に頓着している暇がないのかも、と思った。またそれが世に出て花開くかどうかは本人の実力以上に運に左右される面が大きいのだろう。運が良ければ岡本太郎コース、悪ければ真知寿コース。でもどっちが幸せかは本人にしか分からない。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-07-16 13:52:03) |
17. アフタースクール
何の予備知識も無く気楽に見ていたが、すごく面白かった!特別目に美味しい映像があるわけでもないのに、見た直後にもう一度見たくなる希有な邦画。この映画で大泉洋のファンになったかも。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-29 13:20:24) |
18. アンブレイカブル
《ネタバレ》 凝った装丁と帯に惹かれてハードカバー小説を買ってみたら、中味は安っぽいペーパーバックのアメコミだったという、ガッカリ感が否めない作品。こういう話ならバットマンシリーズぐらいはじけた演出にしてくれないと食い合わせが悪くて消化不良になる。弾けてるのはサミュエル・L・ジャクソンのヘアスタイルだけじゃん!ナイーブそうなのにいきなり「ホントに不死身か撃って確かめよう」と父親に銃を向ける子供といい、そんな危ない我が子をほったらかしてデートに出かけてよりを戻す両親といい、小学生レベルの雑なストーリー展開なのに妙に細部にこだわった映像になってるあたり、いかにもアメコミ好きの大きなコドモが作った映画という印象。だいたい、たまたまヒーロー体質に生まれただけで善人と決めつけられ、とにかく人助けをして英雄になるべし、というアメリカン・ヒーロー性善説が幼稚で退屈。デビルマンの複雑な苦悩を見習え。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-05-16 14:40:44) |
19. アヒルと鴨のコインロッカー
原作未読で大正解。ややテンポの悪い序盤だが、主人公のキャラがそうなのだからと納得して気長に構えて観ていたら、淡々とした描写なのに話はどんどん怪しい方向へ。後半はどっぷり作品世界に引き込まれ、急展開にもどこか哀しい予感があったような切ない納得感があり、この痛キモチよさは癖になる。今作品での瑛太の演技は素晴らしい。鈍臭い田舎者が本人の地道な努力で男前になるという人物像はちょっと「篤姫」の小松帯刀にも通じるものがあったが、帯刀以上に俳優としての力を感じられた。濱田岳はこの映画で初めて認識したが、若い頃のマーティン・ショートのようなあまりの不器用さに激イライラさせられるんだけど憎めない、という役にはまる俳優として今後の活躍が楽しみ。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-14 22:51:13)(良:1票) |
20. アイ・アム・レジェンド
《ネタバレ》 冒頭の荒廃したNYでの狩猟シーンはなかなか凝っていて面白かった。でも、ありがちなバイオハザードものだと分かった時点で鑑賞意欲ががた落ちに。ウイルスが感染してゾンビになり生存者と闘うという馬鹿の一つ覚えが絶えず新作として出てくるのはよほど安定した人気があるジャンルなのか?結局信じる者は救われるという安直な宗教観を肯定しているのもつまらなかった。奇跡の血清で蘇った元ゾンビがヒロインとなって活躍するんだったら面白かったかも。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-05-08 14:27:46) |