1. ジョゼと虎と魚たち(2003)
文芸作品なので自分の評価基準から外れてしまい、採点は難しいのですが、映画館に3度足を運び、映画に恋をするという体験を初めてさせてくれた作品。 世間知らずの身体障害者と行動の責任意識の希薄な今風の学生。 どちらの設定を変えても、すぐに違和感が起こりそうな繊細な作品。 それでいて、なんとも力強くテーマを打ち出している。 ラストの恒夫の判断はリアルにするか、ファンタジーにするかの分かれ目でしょうが、この設定ならああ終わるのが(厳しいですが)、自然なことだと思う。 テーマをより強く出せますしね。 [映画館(邦画)] 10点(2007-06-25 11:36:10) |
2. 16ブロック
オーソドックスで教科書的な作品ですが、こういうちゃんとした脚本を書ける人って殆どいません。 このスケール、このサイズの作品としては満点っ。 DVD収録の別エンディングバージョンもなかなかですよ。 [DVD(吹替)] 10点(2007-02-11 02:33:48)(良:1票) |
3. 下妻物語
《ネタバレ》 「仕事と趣味」という別テーマをメインストーリーに絡ませ、ご都合的に処理してしまっているのが唯一の不満(イチゴを助けに行くのでスケジュールを守れないという桃子の主張に、自分は仕事を優先させたから友達がいない。だから友情を優先させるべきだ、と許容する社長)。 思いっきり説明して処理される登場人物プロフィールや各々の背景は減点対象とも言えますが、演出のおかげで飽きさせない(やっぱりやり切ってるのがいいんでしょうね)。 [DVD(邦画)] 8点(2007-10-28 03:57:45)(良:1票) |
4. 幸福のスイッチ
次女の性格やら経験はかなり自分と被るものがあったので、興味深く鑑賞出来ました。 まあ、印象だけでいえばかなりの好印象なのですが、ドラマに於ける変化は早々にみえてしまい、以降がドラマの駄目押し的エピソードの積み重ねの役割にしかなっていないのが残念。構成をもうちょっと考えたほうがよかったと思う。 余談。元気な地方が描かれていて気持ちいいですが、実際田舎に帰ったりすると不景気な話ばかりで気が滅入っちゃうことが多い。日本はどうなるんだろうな~。 [DVD(邦画)] 6点(2007-12-30 03:13:12) |
5. Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?(2004)
アメリカでの社交ダンスの認識がどういう立場なのか知りませんが、日本人よりは馴染みがあるに決まっている。 日本人とダンスという取り合わせ自体が狙い所でもあるので、向こうではいたって普通のホームコメディって感じになるのでしょうか。 とりあえず自分の評価はオリジナル版と同じに。 [地上波(吹替)] 6点(2007-10-14 12:32:30) |
6. 深呼吸の必要
こんな条件のバイトにわざわざ来るような奴は訳ありなのだろうという興味を持たせるシチュエーションのアイデアに関心。 それ故にかなり期待して観賞していたのですが・・・。 内容は背景が多少明らかになるだけ。 そして、それらも何となくそれぞれが快方に向かうといった漠然とした顛末。 打ち明けるだけで気が晴れることもあるだろうし、ああいう場での交流というだけで癒えるものもあるのでしょうが、それでは物語である意味がない(医者の人は唯一解決らしき展開がありますが)。 と、自分の評価基準からすると低評価になる作品ですが、物語の力ではなく経験として彼や彼女らには大いに共感できます。 きっとある程度生きてきた人は皆、理解できるのはないでしょうか。 ・・・ということで、とりあえず良い作品ということに。 [地上波(邦画)] 6点(2007-10-06 06:18:12) |
7. シービスケット
《ネタバレ》 フィクションならありえない構成(挫折と再生を繰り返す)ですが、実際にあった話ですからね。とりあえず感動的な内容ですし、「何度でもやり直せる」というテーマとしては最適な題材。 ただ、美談に仕立てすぎな気も・・・。 実際は金絡みの話なのだから、こんな清々しい人物ばかりじゃないのでしょうね。 [DVD(吹替)] 6点(2007-09-30 03:51:34) |
8. ショコラ(2000)
《ネタバレ》 異端の者が周囲に波を立てるなんてのはよくあるし、放浪していた者が腰を据えるなんてのもよくある話。 チョコレートってアイテムを使ってというのが斬新なのかな。 個人的には放浪者が根を下ろすことを善しとするような説教臭さは嫌い。かといって再び、あの親子が旅立つ展開も頂けない。せめてジョニー・デップは戻ってこない方が良かったかな。 安定することの癒しと恐怖はうまく表現されていたと思います。 [ビデオ(吹替)] 6点(2007-08-12 10:37:21) |
9. シャンプー台のむこうに
《ネタバレ》 ドラマ構成は真っ当に施されているものの、勝敗はご都合的なものに過ぎないので減点せざるを得ない。 最悪そういった作家の都合による展開をさせる内容であったとしても、優勝させてしまっては白けるばかり。 決勝では負けたけどドラマは処理(解決)され、「次回は優勝を」と奮起する内容が妥当だと思う。まあ、母親に次回はないでしょうが、だからこそ「次回は優勝を」という言葉は希望の象徴のようになると思うのですが。 [地上波(字幕)] 5点(2008-01-13 15:13:54) |
10. 深紅
《ネタバレ》 作家の思惑は充分にわかるのですが、どうにもすんなり理解できない内容。 確かに被害者、加害者の関係者は似たような経験やトラウマを抱えるのでしょうが、殺人を計画するまでに発展させるのは飛躍させ過ぎで、掴みかねる。もうひとつ重要な過程が必要に思える。 しかも、DV受けて、流産しちゃったから相手を殺すって発想もちょっとピンとこない(描写不足なのかな)。 興味深い内容だっただけに残念な仕上がり。 作家の頭の中だけで成立しているような出来に・・・。 [地上波(邦画)] 5点(2007-12-27 16:41:15) |
11. シークレット ウインドウ
短編作品ですから30分ぐらいでサクッとまとめられていればもっと評価出来ると思うのですが、もうこのオチで驚く人はいないでしょうから・・・。 観客に構造を予測させるような間を与えさせないようにためにも、もっと短縮した方がいい。 [DVD(吹替)] 5点(2007-12-05 04:12:57) |
12. シムソンズ
ドラマの処理=競技技術の上達という構図が成立しない以上、こういう類いの話は難しい。 下手に勝利させてご都合主義を際立たせるより、敗北させてドラマをクローズアップする内容で仕上げるに限る。 そういう意味では結構全うな方だと思うのですが、随分と稚拙な部分が目立つ・・・。 [DVD(邦画)] 5点(2007-07-10 18:36:23) |
13. 7月24日通りのクリスマス
《ネタバレ》 この作品は数年前J-WAVEでラジオドラマ化され、その出来にかなりの好印象だっただけにここでの評価の低さが意外でした。 そして、地上波放送で鑑賞し、納得。 原作未読なので、あくまでラジオドラマは原作に近いものだったという考えで言うならば、元々はかなり地味な話であるものを興行を考え、かなりのデフォルメ、あるいは付加したものと思います。 ドラマ上掘り下げるべき関係性はおざなりに扱われ、不必要なキャラクターの追加さえ行われている。 それにどう考えても中谷美紀と上野樹理は内容が求めている人物造形から外れていると思う。 因にラジオドラマではこんなご都合的なハッピーエンドなどありませんでした。 [地上波(邦画)] 4点(2007-12-25 23:25:10) |
14. 主人公は僕だった
《ネタバレ》 SF小説などで何度かみたテーマ、自由意志の有無で思い悩んでもしょうがない。何を信じるかが全て。その証明としてその疑問を持つ前の君は楽しくやってただろ。 といった内容にするのかと思って鑑賞していると、展開は予想外の方向へ。 わざわざこのアイデアを使ってこの方向でまとめる意味がよくわからない。 アイデアそのものも作家のスランプはキャラクターが抵抗しているからだ、というものだと思ってたら、そういうことでもなくかなり中途半端で曖昧。 自分の作品の登場人物が訪ねてくることで作家自身も自由意志を疑い始め、確かめるべく神に逆らうように今までの自分ならやらないであろう突飛な行動を二人でとるようになる。そして、次第に二人の距離は縮まってその時間を楽しんでいるのを互いに覚り、自由意志なんてどうでもいい。何を信じているかなんだと覚り、二人は恋仲に納まる。 てな感じの文芸作品としてまとめた方がしっくりいくんじゃないでしょうか。 これなら登場人物だと名乗る男の扱いをファンタジーにも、狂人のたわ言にも出来て、曖昧で徹せるし(かなり諸々の設定を変えなきゃならないですが)。 [DVD(吹替)] 4点(2007-12-19 19:12:01)(良:1票) |
15. シモーヌ
着想は面白いし、破綻展開も愉快・・・解決がどうにも説得力を欠き、取って付けたようなもので残念。 確かもっとドタバタ・コメディになるのを期待して劇場に行ったけど、思ったより地味で退屈した記憶がある。 [映画館(字幕)] 4点(2007-12-05 07:33:32) |
16. シュレック2
「1」を観ていないのもいけないのでしょうが、肝である二人の愛がわからないし、結局なんでもありの世界観では危機的状況は存在しないんだとしみじみ実感。 プロット自体は悪くないと思う。 [地上波(吹替)] 2点(2007-06-26 04:14:40) |
17. 人狼 JIN-ROH
硬派で丹念に作られているので好印象ではありますが、キャラクターたちの心情を理解させようとしていない。 世界観だけを提示して、そこから推して知るべし、というだけではいかがなものか。 [試写会(邦画)] 2点(2007-03-26 15:03:43)(良:1票) |
18. 白いカラス
《ネタバレ》 コールマンの秘密が披露され、皮肉な成り行きだったんだと示されることで社会問題を提起する目論見なのでしょうが、要は披露されるだけなので物語性を欠く内容。 [DVD(吹替)] 1点(2007-12-28 23:37:56)(良:1票) |
19. SIN 凶気の果て
ダラダラとした復讐劇。 キャラクターを動かすものが怒りだけではサスペンスにもならないし・・・。 [地上波(字幕)] 1点(2007-10-21 17:07:39) |
20. 式日 SHIKI-JITSU
実際に死んでない奴が、実は死のうとしたことがあるんだよ、なんて告白してくるような随分白ける内容。 無い物ねだりのように、生きていれば死にたくなる。別に特別なことではない。 こういったことをテーマとして扱うのは結構だが、もっと芸のある物語としてみせてもらいたいな。 [試写会(邦画)] 1点(2007-09-24 00:13:54) |