1. スノーピアサー
《ネタバレ》 超のつく氷河期のため、外では誰も生きられない設定で、無理やり「人類」を、列車の中に詰め込んでしまうという大変イマジネーションに富んだ作品です。この映画を新聞の広告で知って、久しぶりに映画を鑑賞しようと思いました。最大の見どころは世界観の構築です。列車の扉を開けるたびに、新たな敵と、新たな世界が観客の視界に飛び込んでくる。奇抜な水族館、名勝庭園、なぜか寿司屋、それに学校、そして授業を受ける洗脳されたクソ生意気な生徒たち、次の扉を開けると、どんな世界が現れるだろうかと思わせてくれる。私は豪華客船や、豪華列車に興味がある。それは乗り物というよりも1つの居住空間であり、1つの世界だからです。そんな私の欲求をこの映画は満たしてくれる。同じ人がいたら是非この映画を観るべし。惜しむらくは、ラストが饒舌すぎる点です。親切に説明をするから、揚げ足を取る観客が増えやがるのだ。いっそのこと、こうしたらどうか?「なぜ列車に食料があるのか?」「なぜ武器があるのか?」「なぜ列車は壊れないのか?」「列車を動かす真の理由は?」と、主人公に言わせる。そのうち、観客も一緒になってその謎を考えるようになるだろう。そして、いよいよ主人公が最後の扉を開ける瞬間、エンドクレジットを流してやれ。最後の扉を半分開いたところで映画を終わらせるのだ。支配者も当然のことながら謎のままにしておく。観客ごとき、甘やかさずに、放置するのも1つの手である。過去にそういう映画があった─。ご存じの人もいると思うが、あのカナダ映画です。ただ、実際には、饒舌すぎる支配者が、延々と、主人公と、われわれ観客に、意味不明な演説をぶつわけだ。しかし、列車の中の身分制度のアイデアは世界観を構築するうえで重要だった。列車の中にちゃんと首相まで存在する。もしかして大臣もいたかもしれない。つまり列車の中に「国家」があり、そして「社会」が存在する。このように細かい個所までしっかり描くことで、より一層、この列車は、「人類を詰め込んで走っている」というファンタジックな感覚を、観客は味わうことができるのである。私はこの映画の映像美的センスを買う。 [DVD(字幕)] 9点(2014-06-09 22:57:26)(良:1票) |
2. ずっとあなたを愛してる
《ネタバレ》 主人公の女は殺人犯。しかも殺した人間は我が子でした。くだらないマスコミに記事を書かせれば、冷酷な鬼母の犯行で片付けられるでしょう。ただし「事実」と「真実」は違う。女の出所後、母親の痴呆症や、警官の自殺など、不幸の大バーゲンセールがずっと続きます。息子殺しの正体がばれてクソオヤジから罵倒されるシーンもかなり痛い。しかしこういう場合、女は怒ることも泣くこともしない。感情のスイッチを切ることが唯一の防衛手段になる。これが傷つきすぎた人間が自殺せず生きるための応急処置なのです。アジア系の子供は監督の実の養子の娘らしい。この娘の無垢な愛情によってしだいに女は笑顔が増えていく。すると突然女が美人に見えてくる。もともと美人なのです。しかしそれを観客に感じさせなかったクリスティン・スコット・トーマスの演技が素晴らしい。まずそうにタバコを吸っていた枯れ果てた女が、だんだん輝きだしてくる。ただし女が周りに心を開けば開くほど、殺人事件の真相が暴かれていくというジレンマ。妹のレアは苦悩する─。小説「罪と罰」をめぐり、人殺しのラスコーリニコフと、姉を投影させ、突然ドストエフスキーに逆ギレする。「おまえ、人を殺した経験がないだろ?空想で殺人の苦悩を描くなよ。この不幸フェチのクソジジイが!」と、こんなふうにレアは言いたかったのでしょう。ラストでついに女の口から事件の真相が語られる。女はなぜ息子を殺したのか?実際にそれを知りたかったのは誰なのか?裁判官か?野次馬か?それともオチをおねだりする思考麻痺の観客か?我々は赦せる殺人なら赦すのか?赦せない殺人だったら赦さないのか?女は善か?悪か?偽善か?ノン、ノン、違います。女の告白は、すなわち「真実」は、彼女の罪を観客にジャッジさせるためのパフォーマンスではない。真実は相対的でありその真実は妹のレアのために必要でした。彼女がそれを知ることによって姉の痛みを共有させるために。肉体の激痛さえ手を握ってもらうと、やわらぐという本質。告白後の女の重しがとれた晴れやかな表情が全てを物語っている。それでも女の前途は多難であり、今後も厳しい世間の目に晒されるでしょう。しかし家族は痛みを共有しあう。人はこうして再生していく。 [DVD(字幕)] 10点(2010-12-03 21:51:52) |
3. スラムドッグ$ミリオネア
《ネタバレ》 物語は終始一貫してミステリー風に進みますが、全問正解の謎など最初からなかったという挑発的な大どんでん返しに驚きました。スラム育ち全員が雑学王じゃあるまいし、運じゃなくて運命なんですか?宝くじのキャッチコピーみたいですね。ラストに関しては「億万長者にならなくてもいいのに」と思った人が多かったのでは?私たちは生きていく過程で「人生にはお金よりも大切なものがある」というメッセージを植えつけさせられます。分かりますか?監督は人生の普遍的な哲学を逆手にとったのです。つまり不正解になって大金が手に入らなくても、愛する彼女と結ばれて、真の幸せを掴む─。そういうラストを観客に思い描かせようとしていた。このカモフラージュのおかげで私自身、彼が最終問題を正解するかどうか、まったく読めなかった。ラストが予想できなかったからこそ、あの緊張感が生まれたのです。うまい。それから、「国民の生活が第一」とのたまいながら私腹を肥やす小沢一郎のように偽善的な司会者。そのいやらしい演技はクソがつくほど抜群でした。主人公が正解を連発すると観客は狂喜し、笑顔のひきつった司会者は「おまえ、このへんにしておけよ」とささやく。負け組みのおまえが勝ち組の中に入ってくるなよ、という意味です。スポットライトに照らされた華やかなテレビ番組と対比して映し出されるウンコまみれのガキと小汚いスラム街。2つの世界がめまぐるしく交錯する映像は一流の芸術作品に価する。彼が全問正解したとき、2つの世界を隔てる壁は瓦解する。大金を手に入れるという事実は表面的な事実に過ぎない。これは脱出の物語。じつはクイズ番組は刑務所のメタファーになっているのです。司会者は牢番。無実の囚人の脱出を阻む存在。だから悪の象徴なのです。現状に閉塞感を抱いている観客は、主人公とヒロインが、貧困という名の刑務所から脱出する様子を固唾を飲んで見守っている。自分自身がうまくいかない現状から抜け出したいからです。そして彼らの痛快な脱出劇の成功に、己の姿を投影させ、爽快感を爆発させる。ラストシーンの駅内で踊り狂う2人。彼らが脱出したことを証明するかのようにゆっくりと列車が動き出す。おみごと。 [DVD(字幕)] 9点(2010-02-23 20:17:39)(良:1票) |
4. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
《ネタバレ》 ミュージカル映画なのになぜこんなに「歌」が軽んじられるのか理解に苦しむ。おそらく監督がティムバートンなので、最初からジョニーデップありきでつくられたジョニーデップのジョニーデップによるジョニーデップのためのプロモーションビデオなのだろう。何をさしおいても、彼の声の音量が絶対的に不足している。もっとおなかに力を入れて歌えないものなのだろうか?それともボソボソと歌うのも演出のうちなのか?正直に言わせてもらうと、ミュージカルを期待している観客にとって、ほぼ2時間近くも主役のレベルの低い歌を聴かされるのは耐えがたい。監督は世界観を作り上げることのみに没頭していたのは明白だ。その結果が歌の軽視につながったのかもしれないが、ミュージカル映画としては、あまりにもお粗末な出来だ。ジョニーデップよ、おまえの歌は酔っ払いのカラオケと同じだ。しかも最後に面倒をみてくれた女性を焼死させるバカがどこにいる?冗談じゃない。自分1人だけが全世界の不幸を背負ったようなあの態度、こういうナルシスト型のバカ男を見ていると本当に腹が立つ。世間では黄金コンビなどと言われている2人だが、監督が俳優にダメ出しができなくなったらおしまいだ。2人とも仲がいいのはよ~く分かった。じゃれあって作ったカラオケ映画など面白くなるはずもない。 [DVD(字幕)] 0点(2009-02-25 19:13:46) |
5. スパイダーウィックの謎
《ネタバレ》 なぜ面白くないのかというと、ファンタジーなのに、まったく冒険していないからだと思います。この物語は家のまわりにファンタジー世界があります。だから冒険をせずに、家の近所でモンスターと戦っていました。戦いといっても、家を攻めるモンスター軍団と、家の中を逃げ回る家族たちしか描かれていません。困ったことに、敵は家のドアを突き破る力さえないので、むやみに長期戦になっている模様です。少し強そうなモンスターもいましたが、車にひかれて死んでしまいました。とても残念です。敵のボスの倒され方は言葉を失いました。すべてがこんな調子だから、ザコモンスターにいたっては、人間の足をひっぱって拉致しようとするしか芸がありません。姿が見えたとたんに、お姉ちゃんのフェンシングの剣で、ざくざくに突き刺されて殺されていましたね。ちょっとかわいそうでした。ケチャップが弱点と言っていましたが、べつに弱点を探すまでもないでしょう。蹴飛ばしてやれば退散しそうです。モンスターというより、そこらにいる犬や猫とかわりません。いっそのこと、保健所に電話して、モンスターたちを引き取ってもらえばいいじゃんと思いました。わざわざ警察を呼ぶまでもないでしょう。少なくとも、世界を滅ぼそうとしている敵には見えませんでした。結論をいいますと、ファンタジーは家の近所にあってはいけないと思います。それは遠くに冒険に出かけて見つけるものです。身近に存在しないからこそファンタジーなんです。 [DVD(字幕)] 5点(2009-01-23 20:33:33)(良:1票) |
6. スターダスト(2007)
むちゃくちゃ面白かったです。ちゃんと冒険をしてるし、魔女は魔法をバンバン使っているし、空賊たちの生活は活気に満ちあふれているし、すべてがほほえましい。なによりもB級路線を貫いたことを評価したいです。同じファンタジーのロード・オブ・ザ・リングはもちろん雲の上の存在ですが、あれは重苦しい戦いばかりが続きますし、人間ドラマも濃いので肩が凝ってしまう。 ようするに真面目すぎるのです。しかし本来ファンタジー映画というのは、もっと肩の力を抜いた適当さがあっても良いのでは??わざわざ人間描写を重厚にする必要もありません。ファンタジーとは何でしょうか? それは世界観です。現実では味わえない世界にどっぷりひたって、いやな現実や、しがらみだらけの人間関係を忘れさせてくれることです。そういう点では「スターダスト」は、まさしくファンタジーの本質を貫いたと思ってます。すごく単純で、すごくさわやかで、すごく笑えるし、非常に世界観がしっかりしているのです!なによりも子供さんが大喜びする映画でしょう!またロバート・デニーロの恐怖のキャプテン。久しぶりに大笑いしました。これはあえて言いませんが観てのお楽しみです。そしてクレアデーンズは人間の姿をした流れ星さんですね。この子が踊りを楽しんでいるときや、または好きな男性から抱きしめらたときは、体がぱあぁと輝きます。うれしいと体から光を放つ。これ・・最高です。流れ星は常に落ちる運命ですが、今回は恋に落ちちゃった、ということでしょうか。ミシェルファイファーの魔女役もはまり役です。この方の悪女ぶりはすっかり板についてきました。いつも心の底から悪役を楽しんでいらっしゃる。ついでに王位継承をもくろむ悪い王子たち。彼らは殺されたあとに、幽霊ギャラリーになる。本当のワルは誰もいないから、安心して観られます。それと壁の番人のじいちゃん、あんたも面白すぎる! [DVD(字幕)] 8点(2008-03-01 20:56:07)(良:2票) |
7. スネーク・フライト
《ネタバレ》 ヘビを使って飛行機を墜落させようと考える犯人の美学がかっこいい。警察官のサミュエルはだんだんヘビを殺すのにも飽きてきて拳銃で飛行機に大穴をあけてしまう。ひどい警官だ。お前が墜落させる気か。座席にしがみついて、落ちるのを必死でふんばっていたおばさんはきっとサミュエルを訴えるだろう。「スネーク・フライト」の番組が終わった直後に今度はゾンビフライトがはじまった。WOWOWはやっぱりすごい。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-02-06 20:03:17)(良:1票) |
8. 素晴らしき哉、人生!(1946)
《ネタバレ》 自殺しようとしたら神さまが助けてくれて、無くしたお金をみんなが寄付してくれて、家族や町の人たち全員から祝福されて一件落着。今どきのハリウッドのご都合主義でも、恥ずかしくてこんな決着のつけ方はできないだろうな、と考えると逆に拍手を送りたくなる。もしかして究極のファンタジー映画でしょうか?素直に泣けました。フェリーニの「道」も内容としてはちょっと似ていて、「こんな自分でも誰かのために役立っている」と思えることは幸せなことなのでしょうね。この映画には「あなたがいなかったらこの世は駄目になってしまう、あなたは必要な人間だ」という極端にファンタジックなメッセージが込められていたように思います。基本的に人生は辛いものです。だけど夢があるから生きていける。そして映画は夢を与えてくれるから素晴らしい。まさに映画は素晴らしき哉。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-06-21 18:45:42) |
9. スウィングガールズ
《ネタバレ》 これは視聴率重視のバラエティー番組であり、それをわざわざ映画館で上映したから映画と呼ばれただけのものであり、男の裸で女を釣り、今度は女子高生で男を一本釣りするこの監督のマーケティング戦略を見て分かることは「観客とは本来馬鹿である」という驕りが感じられることです。もうここまでくると演奏がうまいから高得点であるとか下手であるから低得点であるという次元を超えているのではないでしょうか? 監督さん、山形県民が喋っている言葉がそんなにも笑えるのでしょうか? ガールズたちの演奏が下手なときの周りの冷たい態度が上手になった途端に急に一変する様子には呆れかえりました。 むしろ下手でも努力して練習している時に周りのあたたかな態度が必要じゃなかったの? 乾いた笑いのみが印象に残りそこにはガールズたちを取り巻く人間たちの温かみがまったく感じられません。そもそも主人公がジャズを頑張るモチベーションが、オタク女に負けたくないという動機なのが信じられない。ひたすら明るく軽く、そして低俗でした。 [DVD(吹替)] 1点(2006-02-12 00:04:36)(良:4票) |
10. スーパーサイズ・ミー
実は私もこの映画が出来る前から、3ヶ月間マックを1日2食ずつ、ほぼ毎日のように食べ続けていた時期がありました。マックを食べ続ければ「すぐ太るのは当たり前」だという意見もありますが、けっしてそんなに簡単には太れないと思います。私は最初の1ヶ月間は全然太れませんでした。 つまり人の体質によってそれは違ってくるのだと思います。私も監督同様に身をもって体験したので、簡単に太れない、という事実があることも知ってもらいたいです。私の場合は身長に見合う平均体重が、人よりも11kgも少なかったので太りたいと思い、マックを食べ続けたのですが、それでも太れずに非常に苦労しました。「私にいったい何が足りないのか?」と真剣に悩み、栄養バランスが悪いからマックだけでは太れないのだと考えました。世の中には痩せるための本は存在しても、太るための本は1冊もありません。私は苦労したあげく、作戦を変更して、ひたすら納豆(たんぱく質)とマックという組み合わせで食べ続けました。マック、納豆、マック、納豆、マック、納豆、マック、納豆、マック、納豆・・・きりがないのでこのへんでやめますが、さすがに苦しかったです! しかし3ヶ月後にはなんと9kgの体重が増加! 「マック、ありがとう!!!!!!」 と思わず叫びましたね。 こうして私の体重増加計画は終了しました。今はベスト体重です。 ちなみに私はマック関係者じゃありません。 [DVD(字幕)] 5点(2005-09-19 18:19:21)(笑:2票) |
11. 砂と霧の家
《ネタバレ》 家を取り戻そうとする女、家を守ろうとする男、家を捨てた保安官。 すべてが「家」という存在から物語は始まっている。結婚に失敗して無気力な生活を送っていたキャシーの「家」に対する執着心は最初はよく分からなかった。なぜ自殺する必要があるのかも不思議だった。 しかし徐々に彼女は住む場所としての物質的な家(ハウス)を求めていたのではなく、家族の象徴としての家(ホーム)を求めていたのだ、ということが分かってきた。そう考えると非常にこの映画が好きになってきた。 人間の愚かさや他人に対する無理解が垣間見られる一方、ホームとして家の存在が霧のように希薄になってしまった現代で、ホームに執着する元大佐のベラニーとキャシー。 2人がホームに求めていたものは、キャシーは家族であり、ベラニーは祖国であるだろう。 2人は、目で見える物質的な「家」をめぐって争っていたが、実はお互い目に見えないホームをめぐって争っていたのではないだろうか。 この映画で誰が悪いやつか?なんて考えるのは意味がないと思う。全員が愚かなのかもしれないし、全員が被害者なのかもしれない。 [DVD(字幕)] 10点(2005-07-23 13:06:53)(良:1票) |
12. すべては愛のために(2003)
サラが画廊として働いているシーンがあります。 そばで上品な紳士が「この絵は光と影のバランスが絶妙だ」と絵の解説を得意げにしていましたが、その時のサラの表情が忘れられません。 このように芸術の話を笑顔で話している最中にも、エチオピアでは芸術を語ることもなく、餓死して死んでいく人間がいるという当たり前の事実。 その事実を思い知らされたサラは、ゴッホやシューマンなど、彼女が今まで愛してきた「知識」や「教養」という価値観が吹っ飛んだのだと思います。 しかし多くの人は、悲惨な状況に心を痛めても、しょせん自分1人じゃ何もできないと思って諦める。 そしていつの間にか、そのことを忘れてしまうのでしょう。 そういえば、昔、母親から「ごはんを残してはいけません、エチオピアの子供などは食べられずに死んでいくのよ」と言われたことを思い出します。この映画の悲惨さを、忘れたくはありませんが、いずれは忘れて、贅沢を贅沢と思わない生活に戻るのかと思います。 私たちは、「生きる」ことも「食べる」ことも当たり前であり、それを幸福とは思わず、地位や名誉や尊敬、愛情を欲しがります。それが手に入らないと絶望して自殺する人もいるくらいです。 いまこのようにエチオピアの「悩み」を見せ付けられると、私たちの「悩み」は単に幸せを実感できないだけではないかと思うのです。 エチオピアで見かけたあの子供は、CGかと思うくらいに体に肉がありませんでした。あれをカメラで撮って演技させることすら、私には正しいのかどうか分かりません。しかし事実を伝えている点では評価できると思います。「愛」の話はべつになんとも思いませんでした。 そもそも「愛」のために生きられる人間は、毎日3食のご飯を食べられる人間だという当たり前のことに気がつきました。 9点(2005-03-27 18:13:11) |
13. スクール・オブ・ロック
とにかくワロタ。ジャックブラックという人間におおいに笑わせてもらいました。 笑いの映画というのは難しいもので、人にはそれぞれ笑いのツボというやつがあると思う。 そのツボにはまれば面白いわけで面白くなければもうお馬鹿映画としかみることができない。 そういう意味でこの映画は私のツボを直撃したので幸運だった。 それと映画をコメディとみるかドラマとしてみるかで笑い度数も大きく変わる。 この映画は「ホームアローン」のように笑わせたうえに感動までさせようという魂胆がチラリと見えるが、それをせず笑いのみを追及していればもっと評価がよかった。なまじヒューマンドラマの要素をいれたから鼻についた人もいるはず。 笑えなかったときは残念に思う。とにかく笑えたらやっぱり幸せだろう。 ちなみに私たち観る側がコメディ映画やホラー映画に挑むときは、なるべく人間性を求めないほうが楽しめるかと思います。 7点(2005-01-23 15:00:21) |
14. スパイダーマン2
「大いなる力には大きな責任が伴う」というこの映画の印象的な台詞は、アメリカ的すぎる。 スパイダーマンの原点がこのような考えのもとに生まれているのがいかにもアメリカらしい。 この映画のヒーローは警察や法律などはまったく眼中になく、「俺は力を持っているから人を救うのは義務なのだ」という思い込みがあり、それはイラク戦争をしているアメリカと一緒だ。 全部1人で決定して1人で行動している。 そういうのが悩みというのはおかしい。 それにそんなに大きな力を持っていると思っているならば、自分の町だけじゃなく、アメリカ全土を回って貢献しなさい。とにかくスパイダーマンの人助けは、いきあたりばったりのものである。 すごく効率の悪い人助けだ。 それに正体をすぐにばらしすぎる。もしこれが藤子・F・不二雄のパーマンだったら正体がばれたら脳細胞破壊銃でパーにされてしまうという恐ろしい決まりがある。 ちなみにパーマンはスーパーマンのスだけをとった名前になっている。これはスパイダーマン同様に3枚目ヒーローという意味もあるが同じ3枚目ヒーローでもスパイダーマンのヒーローにはあまりにも矛盾が多すぎる。 さらに言わせて貰うと、町を飛ぶように移動するのは見ているほうは爽快だ。しかしあのクモの糸は人間の体重がかかっても切れないくらいだから接着剤のようにビル中にくっついているはずだ。 掃除のときはかなり大変だろう。町はクモの巣だらけかもしれない。こまったヒーローだ。 2点(2004-12-31 19:17:12)(笑:2票) (良:2票) |
15. スティング
「STING大好きさん」のNHを見たのをきっかけに、この映画を観た。 クラシック映画なので、現代映画を見慣れてきた私にとっては、多少、違和感を感じたりしたが、最後は見事に詐欺師の天才たちに騙されてしまった。 たぶん、私以外の観客の大勢も、あの愛すべき詐欺師たちに騙されたであろう。 8点(2003-11-03 21:16:24) |
16. スモーク(1995)
片目の母親に、しがないタバコ屋の親父、堕落した娘、バラバラな家族を見ても、人が人を求め合っている姿に暖かいものを感じる。 どうしようもない駄目な人間たちもみんな必死で生きている 8点(2003-10-16 19:16:25) |
17. スリー・キングス
映像がなにか奇抜だったような・・ 5点(2003-10-16 17:31:44) |
18. スペース・カウボーイ
心不全で倒れて死んでもおかしくは無いな。 3点(2003-10-15 03:39:21)(笑:1票) |
19. すべての美しい馬
やっぱり評判が良くない。しかし人には好みというのがあるからね。私は8点。骨折り損のなんとかの旅みたいだが、最期に馬じゃなくて、車を見たとき、あー帰ってこれたんだなぁ、と主人公以上に私は嬉しかった。 8点(2003-10-15 03:37:59) |
20. ストレイト・ストーリー
これほど、スローな映画を、退屈させない監督の手腕をほめたい。老人ばかりの映画だから動作が、どうしても遅くなるのだろうが、最初は慣れるまでイライラしていた。 この映画は心に余裕がない人は、観られないだろうね。 9点(2003-10-15 03:28:47) |