1. ステイ
作り手の熱意だけが熱く空回っているなぁ。でもこの雰囲気作りは嫌いじゃないです。映像の懲り方なんかもこの手の映画としてはうるさすぎず、ほどよくスタイリッシュでやり過ぎ感も感じませんでした。NYを舞台にしているのにあまりNYらしくないのは主人公がユアン・マクレガーだからなんでしょうけど、同じ街でもマクレーン刑事がドタバタ駆け回っているのとはずいぶん感じが違いますね。やはり特筆すべきは映像の作り込み方。インテリアや登場人物のファッションにも徹底的なこだわりが見えて好きな人には楽しめる映像ではないかと思います。特にナオミ・ワッツの衣装は最初から最後まで素晴らしいものばかりでした。地下鉄やNYの夜景など、雰囲気一発で乗れる人にはお勧め出来ると思います。ストーリーはツッコミどころ満載ですが、こういう映画はあまり細かいことは考えずに環境ビデオだと思って楽しむのがコツではないでしょうか。個人的には「ドニー・ダーコ」や「ガタカ」のテンションが楽しめる方に是非お勧めしたいです。何度も見たいかと言われると、うーんそれほどでも、というしかありませんが。ジャニーン・ギャロファロが出ているというので借りて見たんですけど、あんまり出番が無い上に暗い役だったので(映画自体あんまり明るくはないですが)、ファンとしてはちょっと期待はずれかな。主人公がジュード・ロウだったらあと2点ぐらいあげたかったですね。 [DVD(字幕)] 6点(2007-04-05 02:51:53) |
2. 好きと言えなくて
ベタなストーリー、ありがちな展開、先の読めない人は滅多にいないと思いますが、キャスト先行型の作品だと思うのでこれはアリかなと。ジャニーン・ギャロファロのファン以外、どんな人が見てもたぶんつまんないですよね、これ(笑)。そういう意味ではいわゆるタレント物とかにあたるんじゃないでしょうか。残念ながら役柄ほどには頭悪そうに見えないユマ・サーマンがちょっと輝き過ぎているような気はします。アビーの抱えている外見へのコンプレックスも、ノエルの知性へのコンプレックスも、女性ならとっても共感しやすい部分が多いので、あらゆる意味で女性限定映画だとは思いますが、敢えて好き嫌いで評価するならわたしはこれ大好きでした。残念ながら映画として評価がどうのとか言うようなものではないと思います。愛するジャニーンに全点(笑) [DVD(字幕)] 8点(2007-03-31 02:50:20) |
3. 砂の器
わたしは男性の俳優さんが、台詞の無い役でここまで人を泣かせてくれた映画を他にたった1本しか知らないんですけど、この映画で加藤嘉が見せてくれたこの芝居を超えられる人が何人いるか、ああ日本の演劇界って馬鹿にしたものじゃないんだなという気が本当にしました。後半出ずっぱりですがほとんど台詞ないんですよね。74年というとハリウッドは大作ブームで、日本映画はダメだダメだと言われていて、黒澤だけが大作を撮ってたみたいなイメージがありますが、決して天才肌とは言えない野村芳太郎だからこそ、松本清張の言っても言っても言い足りない部分が汲み取れてしまうというのか、このキャストにこのスタッフでなければ出来ない日本人ならではの粘り強い映画になったと思います。泣いて泣いて、加藤嘉という俳優が日本映画に残してくれたものに感謝しましょう。こんな凄い俳優の、こんな凄い演技が見られる映画はたぶん一生のうち何本も無いです。「ショーシャンクの空に」なんかで泣いてる場合ではないと思います。なんかどさくさにまぎれて、森田健作と並べて見て改めて丹波哲郎の凄さもわかりました。そういう意味では、森田健作の起用も無駄ではなかったかも知れません。 [DVD(字幕)] 10点(2006-12-28 03:46:52) |
4. スーパーサイズ・ミー
面白かったです。マイケル・ムーアのパロディなんじゃないの?と思うようなファストフード版「ボーリング・フォー・コロンバイン」なんですけど、敵がファストフードだけにそれほど深刻ぶらずに済みました。自ら被験者になる、という過激なパフォーマンスはアメリカ人ならではの売れよう根性だと思いますが、バカバカしさの中にこれまで誰も言おうとしなかった「肥満」に対する重要な警告が込められていて、タッチは軽いですが非常に重要な作品であるとも思います。特にアメリカの高校生が学食で当たり前のようにジャンクフードを食べていることや、栄養の不均衡が集中力や学習意欲を低下させることをきっぱり告発した姿勢は見事でした。 アメリカ人がいかに肥満しているか、というシーンで日本の観客からは「おぉー」というどよめきが上がったんですが、実際アメリカであのぐらいの肥満は少しも珍しいことではないです。これはちょっとでもアメリカの土を踏んだ人なら全員が実感していることだと思います。1週間も居れば、自分はちょっと栄養不良なんじゃないかと思えて来ますから。 一方的にファストフード・チェーンだけを批判するのではなく、それを安易に利用するアメリカ人の生活習慣、外食依存型のライフスタイル、運動量の低下など消費者側の問題点にもきちんと触れている点にも好感が持てました。ただしファスト・フードの手軽さ、価格の安さ、それに頼らざるを得ない貧困層のジレンマまで含めてしまうと結局マイケル・ムーアの世界に突入してしまうので、本当はそこまで掘り下げるべきだったのかな?とは思います。 この作品は実際にマクドナルドからスーパーサイズを廃止させ、いくつかの高校からは清涼飲料水を撤去させました。そういう意味でも、価値ある作品であったと思います。 10点(2005-01-02 00:35:08)(良:5票) |
5. スタスキー&ハッチ
いやあ面白いっ。ベン・スティラーはかなりの贔屓でほとんど全部見てると思うけど、これはたぶん過去最高の出来じゃないでしょうか。オーウェン・ウィルソンとのカップリングはやっぱり安心感が違いますね。わたしもTVシリーズの方はほとんどおぼろげな記憶しかないんですけど、スタスキーの熱血一途な可愛さにベン・スティラーの個性が思いっきりハマッた。というかこれはもう確信犯だと思うんですけど。ツッコミ役のオーウェン・ウィルソンが今回はお守り役に徹したところも素敵でしたね。とにかく70年代、ゴージャス、おバカ、なのに少しも安っぽくない。題材とキャスティングも最高ですけど、やっぱり選曲センスかな。バッチリ「イージー・ライダー」までやってくれちゃって、自他共に認める70'sおたくなわたしはもう泣いたり、笑ったり。久しぶりにお腹の底から思いっきりげらげら笑いました。しかしなぁ。これなんで日本で公開されないんでしょう?「Analyze this」なんかよりよっぽどウケると思うんだけど。一言にまとめると、とにかくとてつもなくゴージャスな映画。エンディングの「Sweet Emotion」も感涙。 10点(2004-10-24 03:38:43) |
6. スパイダーマン2
前作にそれなりに思い入れのある層にとっては「あの」ピーター・パーカーの後日談として、または前作で微妙に出し惜しみされたスパイダーマンの空中アクションをより一層堪能させてくれるという意味で、まるっきり価値がないとは言い切れないが。少なくとも空中・壁面アクションについては明らかに前作よりもパワーアップしているのだが、続編である以上これはある意味避けられないノルマ。あいかわらずドジで間抜けなピーターのズッコケぶりにはイラつかされるが、前作よりも人間性にスポットを当てすぎたために話の暗さが目についてしまった。3作目を意識した作りはこの手のシリーズの常套手段とも言えるが、内容的にはメル伯母さんとMJだけで引っ張るにはちょっと限界があるような気がする。ドッグ・オク役のアルフレッド・モリーナはいくらなんでも地味すぎ。個人的にはポスト・ブラピの最有力候補であるジェームス・フランコに期待したほどの見せ場がないのも辛かったが、3作目を彼が背負って立つことになりそうなのも別な意味で不安が大きすぎる。あくまでも「ヒット作品の続編」というデメリットを差し引いて見れば、これでも相当頑張ったと評価してあげたいレベルではある。ポイントはやはり3作目。トビー・マグワイヤの生え際が確実に後退しており、キルスティン・ダンストの肌は明らかに衰えを見せている。これだけ不安な要素が溢れていれば、かえって面白くなったりするのではないかと、それでも期待を捨て切れないファン心理って悲しい。 7点(2004-07-04 14:45:43) |
7. ズーランダー
すごいなあ。私こういうの大好きです。ベン・スティラーが本気出したらこのぐらいは、と思ってた人、けっこう多いんじゃないでしょうか。これまでもいろんな映画で、いい味も出して来たしみっともなさもさらけ出して来た彼ですが、ここまで本気の彼はなかなか見られることがなかったので、はっきり言って胸のすく思いがいたします。カメオで登場したキャストの豪華さも、彼の築き上げて来た人脈の厚さを伺わせます。お父さんのジェリー・スティラー、アメリカでは知らない人のいないぐらい超有名なコメディアンですけど親子共演はこれが初めてではないでしょうか。もちろん芸の道では全然格が上、存在してるだけで笑いが取れるスーパーお父さんなわけですが、息子と本気で渡り合っているところもプロ同士の心意気を見せられた気がして楽しかったです。ちょっと声が出ていなかったなあ、トシなのかなあ。ガソリンかけのシーンでは思わず声を出して爆笑こいてしまいました。あの無駄な清々しさ、爽やかなハッピーさ、たまりませんです。あと最後のショーの場面で舞台に出る直前と出た後のデレクのメイクが思いっきり違っているのとか、ネタなんだかグーフなんだかわかんない仕掛けも意外と細かく落ちている。もうちょっと研究の余地はありそうなので当分ハマりたいと思いますが、とりあえずベン・スティラーに敬意を表して10点。ここまでやられたら満点献上しなければ。 10点(2004-02-17 01:23:19)(良:2票) |
8. スクープ・悪意の不在
個人的にはシドニー・ポラックって要するに昼メロの人でしょ、というのが本音。ポール・ニューマン、サリー・フィールドという組み合わせと、メディアを中心に据えた一見硬派な題材から社会派のカタい話を思い浮かべてしまうのだが、これは火曜サスペンス劇場でしょう。達者な二人だからこそなんとなく誤魔化されてしまわなくもないのだが、ここに至るまでの70年代中・後盤に社会派の傑作がひしめき合っているだけに、ついつい比べてしまうのはやむを得ない。時代と内容、テーマから同じポール・ニューマンの「評決」がどうしても連想されてしまうのだが、あちらで展開された互いに惹かれながらも現実の前に憎しみ合わざるを得ない二人の感情が凍った川の下を流れる冷水のような重みを持って横たわっていたのに対し、こちらのそれはややベタついたメロドラマ調。サリー・フィールドがいかに頑張っても、演出がそうなのだからどうしようもない。ああ、こういうのが流行っていたのね、という程度の感想しか持てないのは非常に残念なカップリングなのだが。もったいなかったですね。 6点(2004-01-25 02:32:54) |
9. スクリーム2
惰性で観たわりにそんなにつまらないとも感じなかったので、こういうのはこれでいいんじゃないかと思います。当たり前のことですが前作を観てない人が単品でこれを観ても映画としてどうのこうの言える映画じゃないんですが、前作を観ないでわざわざこれだけ観る人は滅多にいないでしょうし、流れ的にこれ以上のものを期待する人も稀だと思われるので合格点かと思います。 6点(2003-12-30 12:39:46)(良:1票) |
10. スペース・カウボーイ
基本的には「アルマゲドン」か「スペース・カウボーイ」か、どっちか1つでかまわないと思っている派ではあるのだが、バカバカしさと憎めなさの対決という観点から微妙にこっちの方に軍配が上がる。ただしドンパチの派手さにつられて、こっちではなく「アルマゲドン」のDVDを先に購入してしまった。トミー・リー・ジョーンズって頑張っているけど年代的にはもうこういう映画に出るトシなんだなあ、というヘンな感慨もあったし、憎めない爺さんたちの活躍はそれなりに観ていて楽しい。往年のスターたちにもたまにはこういう活躍の場を与えてあげたいし、同じアホならこのぐらいやってくれた方が清々しいかな、とは思う。是非、「アルマゲドン」とセットで鑑賞されることをお勧めする。お正月ムードはとりあえず満喫できる。 8点(2003-12-28 15:49:57) |
11. スフィア
すいません。ごめんなさい。うっかり楽しんでしまいました。これ面白かったっていう意見をほとんど聞いたことがないんですけど。しかも超苦手のバリー・レビンソンなんですけど。ものすごく相性の悪いダスティン・ホフマンも出てるんですけど、なんであんなに面白かったんだろう?思うに、あまりにも期待値が低すぎたのが勝因なんじゃないですかね。もう全然最悪で、箸にも棒にもかからないような作品を期待してしまったら、意外と良いところもあった、みたいな。よくよく考えたらサミュエル・L・ジャクソンのつるっぱげぐらいしか観るべきもののない映画なんですが、海底施設内でのドンパチとか、けっこう大喜びしてしまいました。つまりこの映画を楽しむためには、まず「みんなのレビュー」をよく読んで、思いっきりサイテーの映画を想像してから観るのが良いのですね。そうすると「おやっ?」と思えるかもしれない、という仕組み。DVDがあまりにも可哀相な値段で売られていたので思わず買ってしまいましたよ。私ってサイテーなヤツですね。 【補足】昨日見返しててふと気づいたのですが、最初に出て来るヘリコプターの操縦士がヒューイ・ルイスでした。何やってんだ。 8点(2003-12-21 04:24:46)(笑:1票) |
12. スリーメン&ベビー
私自身は子供を育てたことがないので、おそらくこの男性たちの気持ちにかなり肩入れできる立場なのではないかと思う。独身貴族を楽しむ無骨なオトコたちだって、無力な赤ん坊を目の当たりにしたらとりあえず何とかしなきゃ、とは思うのね。現実には即座に預かってもらえる人を探しに奔走するんじゃないかと思うけど、そうならなかったら、という点に目をつけたのはとっても新鮮だったと思う。普通のコメディとして普通に笑える内容だと思うけど、なんか観ているこっちまでだんだん赤ん坊に情が移って来てしまって、力を合わせて赤ん坊を育てている錯覚に陥れるところがミソ。実はみんな赤ちゃんが好きなのね、ということを今さらながら教えてくれる、観ていて楽しいハートウォーミングな映画。楽しい、っていうのは映画にとってかなり重要な要素であると私は思っているので、この作品はかなり好き。 8点(2003-12-20 14:29:20) |
13. スパニッシュ・プリズナー
残念ながら期待割れ。正直、ミステリーとしては今さらこの程度のネタで勝負できると思うのはちょっと甘いんじゃないでしょうか。タイトルの「スパニッシュ・プリズナー」は欧米では有名な詐欺。これで主人公が詐欺に遭うのね、では当たり前すぎて捻りもへったくれもない。経過を楽しむ分にはそれなりに雰囲気もあって、タネも仕掛けも工夫もないけど日本人から見た異国情緒は楽しめる仕立てになっている。監督デビッド・マメット、主演スティーブ・マーティンにキャンベル・スコットっていうメンバーに釣られて観に行ったけど、特に「観といてよかったぁ」という感慨はなかった。もう一つ、何かハズした味わいを求めてしまったのがいけなかったのかなあ。もう一度観てみたら評価が変わるかな?というほのかな期待はあるので、駄作ではなかったんだろうと思うけど。 5点(2003-12-20 14:23:18) |
14. スネーク・アイズ(1998)
デ・パルマだから、映像の魔術師だからってついつい大目に見てしまう周囲もイケナイとは思うが、俯瞰で長回しでミラーでスプリット画面、というデ・パルマ得意技の集大成と思えばけっこう笑える作品ではある。目撃者14,000人、容疑者14,000人という大仕掛けのわりにストーリーが5人ぐらいの間でチマチマとまとまっているのが非常に気になるが、要するにどんなに容れ物を大きくしてもこの人に見合ったスケール感というのはこのぐらいがちょうど良いのでしょう。本来「群集」という物の持っている圧倒的なエネルギーがまったく伝わって来ないあたり拍子抜けは避けられないのだが、なんだかデ・パルマだしなぁ、で許せてしまうのは世代的にちょっとデ・パルマに甘すぎるんでしょう。どう考えても意外性もへったくれもないゲイリー・シニーズのいかがわしさとか、良くも悪くも期待を全く裏切らない凡作にすぎないと思うのだが、「いやぁ~。デ・パルマ節健在ナリ」と思わず頭を垂れさせられてしまう問答無用さを評価してあげたい。だってやっぱり、周囲に惑わされずわが道を行く人っていまどき貴重じゃないですか? 7点(2003-12-20 14:17:12)(笑:1票) (良:1票) |
15. ストレンジャー・ザン・パラダイス
のっけからスクリーミン・ジェイ・ホーキンスのシャウトにうっかり巻き込まれてしまった私も素直だが、この世界に入り込める人はけっこうハマると思う。独特のテンポで、どっちへ向かっているのかよくわからないユルい展開。日常を忘れて静かなムードに浸り、時々「ぷ。」と笑いたい方にはお勧めできる。あんまりストーリーとかメッセージ性とかをクヨクヨ考える作品ではないように思う。なんとなく、雰囲気に浸れれば良いのではないでしょうか。アメリカ映画とはちょっと思えないくらいヨーロッパの香りが漂いますね。ジョン・ルーリーのとぼけた表情が良いです。 8点(2003-12-20 14:10:04) |
16. スパイダーマン(2002)
クランクイン前から本国のサイトをチェックしまくり、死ぬほど期待していた作品。本来私は、期待すればするほど自分の期待感の凄さに圧倒されてしまい、実際にフタを開けてみるとガックリさせられることが多いのだが、浮き足立ちやすいこの私が、ここまで期待に期待を重ねてまったく落胆を感じなかったというのはほとんど天変地異にも等しい事態。要するにバカおもしろかった。なんでトビー・マグワイヤなの?あんな地味で繊細で、お世辞にもタフなイメージとは言えず、むしろ文学の香り漂う気品のある役柄が似合う彼が、なんでアメコミのヒーローなの?というものすごい疑問はあっという間に解けた。この物語は、どん臭くてダサくて内気な少年が、ヒーローに育って行く話なのだ。最初から大活躍するのではなく、なんであのトロいヤツが、と思わせてくれるところがおいしいのだ。だからトビー・マグワイヤなのだ。正直なところ、キルスティン・ダンストはピーターが幼い頃から片思いを続ける女優志願の美少女には全然見えないが、あの程度のフツーのコにすら愛を語れないピーターのどん臭さを強調する役には立っている。つまり彼女はちょっとズレたコなんですね、あの器量で女優になりたいって言うんだから。で、ヒーローになってもピーターは彼女にメロメロ。その一途さが可愛いんですね。強くなった途端、美女に囲まれちゃったら女性ファンは総スカンでしょ。結局これは、ヒーロー物であってヒーロー物でない、フツーの男のコがヒーローに成長して行くお話。だからおもしろい。ただ断言してもいいけど、続編は絶対につまらない。だってピーターはもうヒーローの力量を備えてしまったから。成長し切ってしまった元ドン臭いアイドルに、お姉さんはあんまり興味がないのです。まあ、サム・ライミのことだからちゃんと次の手は考えてあると願いたいですが。 9点(2003-12-20 02:21:52)(良:3票) |
17. スピード2
周りが騒ぐほどつまんなくなかった。強いて言えば、タイトルの「スピード」は間違ってると思った。クルーザーがのろいので、あんまりスピード感のない「スピード」になってしまったが、アニーの後日談と思えばけっこう楽しく観られると思う。ジェイソン・パトリックも予想外に素敵だったし、なんか最後の方ではけっこう彼に恋していたような気がする。サンドラ・ブロックもチェンソー振り回してカッコよかったし、特に映画で何かを得たいとか、そういう難しいことを言わなければそれなりに楽しめる作品だと思う。もちろんデフォー様は何をなさっていても素晴らしい。愛ですよ、愛。 8点(2003-12-20 00:26:20) |
18. スピード(1994)
よりによって、私が31歳にして運転免許を取ろうと決意し、創設以来最もメーワクな受講者として近所の教習所に入学して実習を始めた途端、この映画がCATVで毎日のように放映され始めた。すっかり度胸をつけた私は講師陣を恐怖のどん底に落とし入れながら怒涛のように教習所に通い、なんと実習18日間で運転免許を手に入れた。ちなみに実習中、私が最も良く聞いた教官の台詞は「ブレーキ!ブレーキ!」である。キャンセル待ちの受付をするカウンターの兄ちゃんは心からホッとした顔をしていたが、何と言っても一番恐ろしい思いをしていたのは愛車を命がけで可愛がっていた当時の彼氏だったに違いない。あまりにも話がズレてしまったが、これはすごくおもしろい映画でしたよ。クリスチャン・スレイターが続編のオファーを断ったのは、大失敗だったと思います。 9点(2003-12-20 00:21:36) |
19. スターリングラード(2001)
ジュード・ロウが敵を撃って撃って撃ちまくる映画なんだろうと思い込んで戦争映画好きの血をめらめらとたぎらせて駆けつけてみたらなんだか渋い戦場を舞台にしたラブストーリーだった。どうでもいいけどジョセフ・ファインズってどうしてこんなに間男役が似合うんだ。ヘタレ顔なのにフェロモンきつすぎだ。「恋に落ちたシェイクスピア」ではすっかりそのフェロモンにアテられてしまった私だが、さすがに飽きた。それに舞台は寒くて渋い戦場だし主演はジュード・ロウで対決するのはエド・ハリスだ。なんでこんなところにオマエのフェロモンが必要なんだ。しかも女はミイラ映画のオッパイ役だ。この異常な違和感と、期待とはまったく違った物凄い緊張感に疲れ果ててしまった。私はジュード・ロウが戦場を走り回る大仕掛けの戦争映画が観たかったのだ。そんなもんあるわけないが、期待させた宣伝屋たちにもそれなりの責任は問いたい。 3点(2003-12-20 00:14:51) |
20. スター・ウォーズ/帝国の逆襲
他にも過去にこういう例はあったのかも知れないが、少なくとも私が映画館で映画のラストに「TO BE CONTINUED」の文字を観たのはこれが初めて。映画というものは原則一話完結、テレビとの決定的な違いはソレである、と信じて疑わなかった私は大いに憤り、地団駄を踏み、腹立ちのあまりパンフレットを破り捨てた。(後日、つなぎあわせた。)こういうものを「二匹目のドジョウ」と言うのだと思うが、呆れたことにこのシリーズは三匹目、四匹目と今だにドジョウすくいを続けている。いちいち振り回されている我々も我々だが、いい加減このシリーズの1作目が単なるコロンブスのタマゴであったことに気づこうよ、みんな。この映画が現れるまで、この世にスター・ウォーズなんかなくたってみんな無事に暮らしていたし映画もちゃんと流行っていたんだ。このシリーズで、1作目以外に、単品として評価できる作品が本当にあったか?ない。全然ない。その証拠に、EP-1公開前夜には最初のスター・ウォーズ三部作がレンタル屋で売れに売れた。シリーズの他の作品なんか1本も観てなくたって、単独で充分鑑賞に値する作品が撮れることは「007」と「男はつらいよ」が証明済みである。シリーズ化というのは、そういうもののことを言うのだ。残念なことに、本作品はそういった致命的な欠点を背負うスター・ウォーズシリーズの中でも最低の最悪だ。物語は暗いし、話は作品内で完結しない。ヒットが約束されている作品にありがちな製作者たちのナメた態度に、今なおこみあげる怒りがおさまらない私である。 1点(2003-12-20 00:08:53)(良:1票) |