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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2534
性別
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  デッドプール&ウルヴァリン 《ネタバレ》 
 ネタはね、面白がっちゃったの。ディズニーやマーベルを弄り倒して、過去作に色々とチャチャ入れて。だけどそれで映画一本作っちゃダメでしょ、って。映画本体がソレなんだもの。メタ発言がそのまま映画を構成しちゃってるんだもの。いくら莫迦が本質だって言ったって莫迦にもほどがあるわ。  大体、マルチバースを批判しながら映画はマルチバース頼りの物語になってて見てる方は「またかいな」ってゲンナリよ。マルチバース自体が作品を成立させている『スパイダーバース』以外、もうマルチバース止めない? なんでもアリはなんにも無いのと同義よ?   これまで描かれてきたMCUとそこから外れたフォックス系マーベル作品を総て内包してあった事として肯定している点は良かったわ(だけどソニー系マーベルは排除されてるわね)。でも露悪的にわざと『ローガン』を冒涜してみせるあたり気に入らないし、全編に漂う露悪趣味がむしろ言い訳がましくダサく感じられたりするのね。ワザとイケナい言葉使っちゃうとか小学生レベルよ。ディズニー映画でこんな事しちゃう俺ちゃん、とかダサいわよ。逆にシリアスにドラマ語り始めると途端にテンポ悪く、鼻白んじゃうし。   一方で戦闘シーンとか特に斬新とか面白い事してるとかは無いのよね。デッドプールが第四の壁を越えて「ここからお楽しみ」みたいに言うウルヴァリンとの戦闘も大して面白くないし、延々と横スクロールしてゆくアクションなんてのもありがちだし。  退屈はしなかったけどいい映画見た感は無かったわ。   エンドロールを含めて20世紀フォックスの墓標、鎮魂歌として機能してたりする部分は良かったかな。
[映画館(字幕)] 5点(2024-07-25 14:11:20)
2.  デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章 《ネタバレ》 
 前章では最後まで判らなかった、過去の映像と現在とが全く繋がらない謎が今回明らかになった時点でパーッと作品世界の視野が広がって。掴みかねてたおんたんと門出のキャラがきゅーっと胸に迫ってきて。   身もフタも無いこと言っちゃうと『浦島太郎』と『まどマギ』と『エヴァ』(ちょっと『1000年女王』)なんだけどね。でも今のこんな時代にコレが作られる事の意味、それってとても大切だと思うのね。  異常な状況が日常になる、大きな何かに気付かないフリをする、気付いていても何もしない、そんな世界が最悪な事態に陥った時、それでも抗う人を非力な無力な無駄な存在と冷笑、嘲笑するような映画、ではないと思うのね。それぞれに意志があって選択があって、それが例え悲劇に終わったとしても、それでも生きる意味はある、って。   前世紀末のセカイ系ノリを匂わせつつ、もっとずっと今日的な感覚に寄り添って個と複雑な社会との関係、ありようを示すわ。雑多な要素をまとめきれてない感はあるの。あちこちに触手を伸ばし過ぎたためにキャラやメッセージが薄くなったりボヤけてしまったりしてるの(ついでにエヴァ過ぎる絵があったりするの)。だけどおんたんと門出の生き様を通じて正義も悪も定義できない今のこの世界の混沌に仄かな望みを見出す事ができるの。それはアニメのステキなチカラだわ。二人に命を吹き込んだあのちゃんと幾田りらさんに拍手。
[映画館(邦画)] 8点(2024-05-29 16:02:05)
3.  デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 《ネタバレ》 
 巨大な未確認飛行物体が浮かぶ東京、でも大きな何かが起こる訳ではなくて、人々はその異常な状態を日常のものとして生活してる。政府は色々なことを隠し秘密裡に行動してる。それは今のこの現実を映しているわ。ジェノサイドが起きていても、戦争に向かっていても、なんとなく自分には関係がなさそうな、今、日常を過ごせているから、とりあえずは問題ないって感じ。正常性バイアスが描かれてるのね。  途中で友達のひとりが飛行物体から放たれた物体の墜落に巻き込まれて死んでしまって、それは悲しいことだけれども、でもその時のキモチだけでまた日常が続いて。普通に高校を卒業して大学に進学して。  その忍び寄るモノに対する危機感の無さが恐ろしさを感じさせるわ。   ただ、いかんせん前章、色々描かれるモノが放り出されて意味不明なままに映画は終わってしまうわ。特にスタンダードサイズで描かれる過去の主人公二人のエピソード、それが現在の二人の状況とは全く繋がらない、別の二人の物語のようで、どういう意味があるのかは後章を見るまでお預け。故に見ているこちらとキャラとの距離が生じたまま(理解できないまま)映画館から追い出されてしまうのね。そこにあえて点数をつけるとしたら6点が精一杯かしら。   そんなに待たずに公開される後章を見て初めて意味を成す映画なのかもしれないわ。
[映画館(邦画)] 6点(2024-04-12 15:40:42)
4.  天間荘の三姉妹 《ネタバレ》 
 とにかく最初に言いたいのはダルくなるくらいに長いわ。とてもじゃないけどここまでの尺は要らないわよ。   生者と死者を巡る感動的な物語、かと思ったら冒頭からずっと頭ヒネりまくり、ハテナマーク浮かびまくりのおかしな映画だったわ。  展開上、隠されている、徐々に見えてくる要素がいっぱいあるのだけれど、それを隠したことが映画にとって有効だったのかどうかが甚だ疑問なのよね。ドラマで魅せたいのならば、登場人物に対してはともかく観客にはむしろ最初から映画世界の仕組みを説明しておいた方が良かったんじゃないかしら?   隠されていた、あるいは明確にさせていなかったポイントは以下の通り。 ・まずこれは『スカイハイ』の番外編、『スカイハイ』と同一の世界観で描かれる作品であること。 ・登場人物の殆どは死者であること。 ・旅館を訪れる客のみが生死の境(意識不明状態)にあること。 ・旅館の一家のみが自ら既に死んでいることを認識しており、町の人びとは死んだことに気付いていないこと。 ・そして旅館の一家を含む町の人びとが東日本大震災の犠牲者であること。   ずっと作品世界の設定ルールが明確でないためドラマを堪能する以前に何がどうなってるの?っていうのが先に来てしまうのね。その上で「お行きなさい」とか言い出すので『地獄少女』?・・・じゃなかった『スカイハイ』みたい?って。更に東日本大震災という現実の出来事を題材にしながら「お行きなさい」を繰り返すので(ここでは「お逝きなさい」はさすがに使われてないわよね)、何?ふざけてるの?って。  とてもじゃないけれど震災の犠牲者に対してこの娯楽映画のあり様、カタチが相応しいとは思えないのよ。別にそういう映画を作るべきじゃないとか言わないけれど、鎮魂と残された人への癒しとしてはあまりに無神経で雑な出来だと思うわ。なんで『スカイハイ』なのよ「お行きなさい」とか言ってんじゃないわよ、って思ったのが正直なところ。  カメラ動かしまくり、ぐるぐるとテクニックに走った長回し、そんなこれ見よがしの要素(ついでに恥ずかしいレベルのVFX)が余計に題材に対する不真面目さを醸してしまっているのよね。  連なったエピソードもほのぼのとか癒しとかの方面じゃなくてギスギス、トゲトゲ、バタバタしたものばかり、豪華スターの競演によるドタバタ混乱劇よ。   そんな中でのんさんは独特な存在感があって良かったわ。彼女に抱いていたイメージと違う、ちょっと大柄で(周囲が小さい?)しなやかな体躯が際立って映えてるのよね。映画自体の印象と同じな、繊細とは言えない、ちょっと雑なカンジが彼女のキャラにだけは合っていたわ。   全編を説教臭さ、押しつけがましさが支配していて、こんな映画に過去を胸に未来を生きろ!とか言われても「偉そうに何よ?」ってカンジだったわね。
[映画館(邦画)] 4点(2022-11-02 15:39:20)(良:1票)
5.  DC がんばれ!スーパーペット 《ネタバレ》 
 これタイトルやポスターじゃ全然判らないのだけれど中身は『ジャスティス・リーグ』準拠なのね。メインになるのは動物たちなのだけどジャスティス・リーグの面々が全員登場するわ。   主人公スーパードッグはスーパーマンの飼い犬でクリプトン星が爆発する際に赤ん坊のカル=エルと共に脱出して、って。映像や音楽がリチャード・ドナー版『スーパーマン』リスペクトでうるうるしちゃった。ちなみにバットマンもティム・バートン版『バットマン』リスペクトでうるうるよ。ただしバットマンの性格というかキャラは『レゴバットマン ザ・ムービー』に近いわね。陽気なスーパーマンに対してバットマンは陰気っぷりがトレードマークみたいねぇ・・・(スナイダーが描くとスーパーマンも陰気になるけど)   スーパードッグとスーパーパワーを手にいれた保護施設の動物たちが悪に立ち向かってゆく、までのシチュエーションがちょっと長いかしら。基本はドタバタなカートゥーンの世界、でもスーパードッグがクラークとロイスの仲に嫉妬したりレックス・ルーサーのペットだったモルモットが陰謀を巡らせたりスーパーマンが誘拐されたりスーパードッグもスーパーパワーを失ってしまったりスーパーパワーを手に入れた側の動物たちとの確執があったり動物たちがその力を使いこなせるようになるまでに時間がかかったりとドラマも多いのでテンポが悪くなる箇所があるのよね。もう少しタイトな作りでも良かったかな。   一方でジャスティス・リーグはそんなには活躍シーンが多くないのでそこを期待されちゃうと困るからこそのジャスティス・リーグ隠しかしら。スーパーマンとバットマン、極端な性格付けの2人に比べたら他はみんなマトモね。ワンダーウーマンはひたすらカッコよく描かれてるし。みんな捕まっちゃうのだけど。  あとグリーンランタンが登場するけど以前ライアン・レイノルズが演じたグリーンランタンとは違うグリーンランタンね(この映画では女の子だし)。調べたらジェシカ・クルーズ、8代目グリーンランタンですって。彼女の物語が見たいわ。   海外アニメーション映画では動物がメインになってる作品がいっぱいあるけど(人間よりも多いかしら?)DCコミックという既存の有名キャラがいっぱいな世界を題材にしてる分、親しみやすい、とっつきやすいカンジだったわね。  続編があるのならば動物たちがジャスティス・リーグと一緒に活躍する物語がいいわ。それぞれに収まり処を得たワケだし。
[映画館(吹替)] 7点(2022-09-15 15:17:05)
6.  DUNE デューン/砂の惑星(2021) 《ネタバレ》 
 リンチ版の方が好き。   っていうか、意外とリンチ版とイメージそんなに変わらないのよね。大人しい、お上品なリメイクといった風情。だったらリンチ版の方が楽しいわよ。決して楽しいとは思えない、のっぺりとした砂漠を背景とした権力と血統と謀略の物語、だったら悪趣味とかグロとかぶっ飛んでるとかクセやアクが強いとかいう要素で彩った方がまだ見られるじゃない、端正にマジメに映像化しました、ってそれ必ずしも長所にはならないわ。   シャラメくんはいいと思うわ。マクラクランとはまた違った美形で大スクリーン映えするのよね。んでも、それを際立たせるだけの背景、センス・オブ・ワンダーはリンチ版という見本があるだけにハンパというか明らかに物足りないわ。ハルコンネンの一派の小物感はどうした事かしらねぇ。なんかニューヨークの路地裏で麻薬売ってそうな人達程度にしか見えないわよ?   IMAXで見てこその映像美!とか言ってるけど、現状の最大スペックであろうIMAXレーザーGTテクノロジーで見たけど、映像美!ってほどのモンでもないわ。上下に広い戦闘シーン、これトリミングされてるバージョンはどんな見え方になっちゃってるのかしら?って心配しちゃう事はあったけど。IMAXでも2種類の画角(1:2.35が基準で一部映像がGT版1:1.43、通常IMAX1:1.90)、通常上映の画角(1:2.35固定)と少なくとも3バージョンあるワケで、ヴィルヌーヴ、画角に拘りないんか?って考えちゃうとちょっとガッカリね。   毎度の、リズム打ち込んで重低音ずーっと鳴らして申し訳程度のメロディをトッピングしたようなジマーの音楽は苦手。うるさい。今回はもう過剰に音楽鳴らしておくことでダラダラした映画の間を持たせようとしてるような印象ね。  そう、じっくりドラマを描く事で重厚さを与えようとしてるわ。でもダラダラしてるばかり。その上で「僕たちの戦いはこれからだ!」で終了だもの。はぁ?あんだけ勿体つけといてそんなとこで終わり?って程度のところで終わるわね。リンチ版見てたらそんなに勿体つけなくてもどうなるか判ってるわよ!ってツッコミたくなるわね。   ヴィルヌーヴは好きな方なのだけど、コレは微妙だわねぇ。予算かかったスタッフめちゃくちゃ大勢な大作で好き勝手はできないんでしょうけれど、優等生的な映画作りを求められました、みたいなのってつまんないわ。冒険映画だけど映画自体が冒険してる感はあまりなかったわね。
[映画館(字幕)] 5点(2021-10-16 23:47:46)(良:1票)
7.  TENET テネット 《ネタバレ》 
 ノーランって映像で説明するの、下手じゃない?   クライマックス、何やってんのかちっとも伝わってこないのは難解なんじゃなくてヘタクソだからだと思うのよ。爆発までの間にブツを奪還しましょう、ってのはさ、順行組と逆行組とで論理的に説明可能だと思うのよ。でもグチャグチャ。ブツを手に入れるシークエンスなんか、アレ、ちゃんと流れ判った?  パラドックス関係なんか、もうメチャクチャよ、あれ。「細かいコトは気にすんな」って状態。  大体、物語を伝えるのは映像以外の部分に頼りまくってるでしょ。大量の、それこそ喋り続け状態なセリフの応酬と不安を煽るやかましい音楽で説明してます、って状態。映像はひたすらハデな、これ見よがしな部分にばかり注力されてるワケで。   で、コレ、200億円とかかけて2時間半に渡って見せられるDV映画ってのがアタシの抱いた印象なのね。いかにDV野郎を退治するか、ってハナシ。そこに監督好みのセカイ系だのSFだのドンパチだの盛り込んでみせました、そんだけ。  だけどアタシにはあのDV野郎が監督の分身のように思えたわ。作品世界を完全にコントロールしないと気が済まない、ホンモノ使わないと満足しない、世界を支配してこそ、そんな自分の投影。人類の滅亡を描こうとしたら人類を本当に滅亡させないとリアリティ出ないとか、そういうキケンな思考(あるいは志向、または嗜好)を自嘲的に、自戒を込めて映像化してるのかしら?みたいな。  だけどDV映画としては徹底的にドラマがつまんないわ。っていうかキャラがみんなつまんない。誰にも殆どノレないのよ。せめてヒロインがいかに息子を愛しているかくらいは映像として見せて欲しいワケよ。もう全部セリフでの説明で、息子そのものはチラチラと映る程度。それにDV野郎のヒロインに対する現在形の加虐シーンはあっても、それ以前にヒロインが憎悪していた点に関してはやっぱりセリフでの説明に終始するのよね。  お腹の傷はサスペンスの要素になるかと思いきや、水戸黄門の印籠みたいなポジションだし、DV野郎が手に入れた自殺カプセルは意味を成さなかったし、あちこち隙間がスカスカしてるわ。   ハデな映像と大量のセリフとやかましい音楽とSEが緩急なく連なった2時間半、それはノーランの強迫観念の発露みたいなものなんじゃないかしら。   あと、日本でたった2カ所なIMAX GTテクノロジーで見たのだけど全編フルサイズだと思ってたら半分くらいだったわね。ちょっと肩透かし。コレ!って見せ場以外はシーン頭の説明的映像が上下(空と地面、天井と床)広々、っていう、なんとなくカタにハマった不器用な使い方だったのがちょっと微笑ましかったわ。
[映画館(字幕)] 5点(2020-09-19 22:45:49)(笑:1票) (良:2票)
8.  デッド・ドント・ダイ 《ネタバレ》 
 これだけ映画の雰囲気と現実世界の空気がマッチした状態で見た映画というのも珍しく。東京アラートが発令されている中、六本木ヒルズは屋外こそそれなりの人通りがあるものの、シネコンの中は閑散としていて、この映画を上映しているキャパ520余の最大スクリーンには観客が10人ほど。ディストピア感漂よう東京で出会うゾンビ映画、その寂寥感を堪能してしまったわ。   ジャームッシュってことで、わりとオシャレ系なオフビートなカンジのゾンビものが見られるのかしら?(くらいにしかイメージできない程度にしかジャームッシュ映画見てない)と思ってたのだけど、フツーにB級ゾンビ映画で、メタとかオマージュとか映画ネタとか散りばめた中学生臭さが漂っていて、オタク感ハンパない、みたいなシロモノ。そういうところ、楽しんじゃったけどね。  ゾンビって存在にメタファー盛り込みながら結局はそれをモロに説明しちゃうあたりの真っ直ぐっぷりというか、不粋さがむしろ潔いと思ったけれど、それをアタマでは理解していても、じゃあ自分はここに描かれたゾンビ達とは違う、って言えるのか?っていうと、無理ね。つまり、そういうことでしょ?って映画。   田舎町に漂う寂れた空気に、コミュニケーションが希薄になってゆく感覚が重なって、更にそれを見ている状況が重なって、そういう映画体験もまためぐりあわせなのね、としみじみ感じたわ。もう人類は元には戻れないのかもしれない、それはリアルだものね。だから新型コロナ流行以前にこれを見ていたら、それはまた全く違った感想になったかもしれなくて。
[映画館(字幕)] 7点(2020-06-08 20:38:00)
9.  天気の子 《ネタバレ》 
 この虚無感はなに?   家出少年と親を亡くした未成年の姉弟。高校生を殴るチンピラ。銃をぶっ放す高校生。未成年だけで入るラブホテル。高校生に銃を向ける刑事と警官。国家権力に反抗して法を犯しまくる登場人物たち。  今のアタシはそういう刺激的な(あざとい)要素を、物語を楽しむためのドラマティックな題材として捉えられる気分じゃないのよね。   「繊細なフリして無神経」ってのはアタシが前から新海誠監督に抱いてる印象。相変わらずだけど今回はそれが腹立たしくもあって。  東京の西側に生まれ育った身からすれば見慣れた風景、それが「だから?」としか映らず。街が見せる「顔」はそこに住む人間からは必ずしも正しいとは思えず、上っ面のイメージとして提示されたモノに苛立ったりもして。   そう、上っ面。なんとなくそれらしい設定や映像やキャラや美術やエピソードや歌が並べられているけれど、その内側に一体何があったのかしら?いや、何かあったのかしら?  数々の類似した映像、エピソードを思い出しつつ(『時かけ』『バケモノ』な細田作品だの『聲の形』だの『サカサマのパテマ』だの『ペンギン・ハイウェイ』だの水没系なアレコレだの、いちいち挙げるのも面倒だわ、ってそうそう、でも忘れちゃいけない、愛という名のエゴが、リアルに描かれた東京を水没を含む壊滅のイメージの世界に誘う『X』も)、それ以上の何かがあった? それらが提示したモノの意味以上のものがあった? っていうか、それらがキチンと有機的に結合して1つの作品として意味を成してた?  『君の名は。』同様、ダラダラ流れる歌の数々と共に、アタシにはコレがなんとなく感覚的に雰囲気的に酔えればいいじゃない程度のものにしか映らなかったのよね。でも『君の名は。』ほどには娯楽映画として楽しいって作品だとは思えないし(かなり殺伐としてるわ)、かと言って、そんなに作家性なんてあったかしら?   愛にできることはまだあると信じたいけれど(特に今は京都アニメーションに対して)、でも、この映画の愛はそもそもなんだったのかしら? アタシ、それすら見失っちゃったわ。
[映画館(邦画)] 4点(2019-07-19 23:14:35)(良:5票)
10.  デス・ウィッシュ 《ネタバレ》 
 これねぇ、単純な復讐モノの娯楽映画として作れば良かったのよね。もうなーんにも考えてない、悪いヤツを父ちゃんがボコりますよ、ってそれだけで閉じた世界にしちゃえば面白い映画だったと思うの。   冒頭、アメリカの銃社会に警鐘を鳴らすような作品?と思わせちゃうわけよ。シカゴでの銃での死傷者がどうこう、増加してどうこうって説明するわけね。  で、その上で、映画は「自分の大切な人は自分で守るしかないので、家に銃を常備して、銃を手に取り、その時に備えましょう」みたいなハナシになっちゃうワケ。ウラで全米ライフル協会がバックアップしてる?とか思ってしまうような作品ね。   武力にはもっと大きな武力で対抗しましょう、武力による正義が暴力に対する抑止力になるのです、みたいなニオイがしてしまって、あー、コレはダメって。  SNSの時代なので、当然、主人公の粛清行為に対する反応が描かれるのだけど、法を無視した個人による制裁の否定に持ってゆくことがないの。一応賛否両論的な描写はあっても、最終的には肯定しちゃってるわよね、アレ。  悪者世界だけで閉じちゃってるんじゃなくて、そういう社会との接点を描いた以上は、そこに社会性を織り込まなければいけないんじゃない? 行為に対する責任は描かれるべきで、そこは娯楽映画だから、って逃げちゃうのは問題でしょうよ。   しかも被害者側と加害者やチンピラ側とで人種や階層の線引きしてるっていうね。こういう人達って、こういう連中よね、っていうイメージをハッキリキッチリさせてるわけ。  そして最後はまるで主人公の活躍によって犯罪率が減少したような印象を与える、っていう。  「力による正義」なんてものが通用するなんて本当は信じてないでしょうに。   こんなもん、トランプ政権下でのプロパガンダって思われても仕方ない感じ。何やってんだか、馬鹿アメリカ映画界。
[映画館(字幕)] 3点(2018-11-01 19:26:24)(笑:1票)
11.  DESTINY 鎌倉ものがたり 《ネタバレ》 
 面白かったし感動もしたけれど、でも見終わって、なんか足らなくて、なんか余分だった、そんな印象で。全体的には良かったんですが。   原作のイメージとまるで違うっていうのはこの際置いといて(掲載誌の『まんがタウン』なんて知ってる人も少ないでしょうしねぇ。ちなみにその前身は『クレヨンしんちゃん特集号』)。  まず、高畑充希さん、とても可愛く魅力的だったのですが、それが若奥さんとしての、大事なテーマの「夫婦の絆」の一方を支える存在としての魅力からズレてる・・・って。堺雅人の肩や腕にいちいちアゴを乗せるじゃないですか。アレ、犬や猫がよくやりますよね。ウチの猫達みたい。そう、この映画での彼女は愛玩動物的可愛さなんですよ。うーん。   それから鎌倉が妙に狭い閉鎖的空間で。それは毎回この監督の映画に見られる傾向。VFXで創り出した世界は狭く見えがちなわけですが、それに合わせてるのかな?  その、後半に広がる黄泉の国のVFXワールド、デザインは大変に良かったと思います。でも、実際に役者さん達が動く空間が非常に限定的で、ハリボテ感を醸してしまっていて。   幾つか描かれるドラマはどれも途中を切り取った状態で唐突だったりオチが無かったり。堤真一は人間状態のドラマは殆ど無いままにさっさと死んじゃいますし、奥さん側はオチ無し。ボディスナッチャー奥さんの家族はさらっとエッセンスのみで流されちゃうし、でも、そこら辺は主人公夫婦と対比させるカタチでもっと大事に並列して描いても良かったんじゃないかなぁ。   そして、題材的に『学校の怪談』っぽい色あいの映画だけど、子供が見て楽しい、って感じではなくて。実際、日曜の日劇は観客層かなり高め。子供の姿は無し。『鋼の錬金術師』のレビューにも書きましたが、小さい子供も見にくる、っていうのを前提に作って欲しかったかな。家族揃って楽しめる映画、そんな描き方が良かったかも。何しろ東宝邦画系のお正月映画なのですからね。そういうイメージって、この時代、もはや幻想なの?
[映画館(邦画)] 7点(2017-12-20 20:49:13)
12.  帝一の國 《ネタバレ》 
 登場人物全員、もう極端な性格で極端な言動に終始しますが、特異な設定で徹底しているので楽しく笑って見ていられました。帝一を始め、キャラクターそれぞれが自分を全力で生きてる感じで、ヘンな奴らばっかりなのになんだか愛着を抱けます。特に大鷹のカッコ良さと榊原の健気さには、男ながらについウットリしてしまいましたわ。   学園の生徒会のシステムを通して、国家や政治をシニカルに捉えていて、そこに批判精神があったりもするのですが(そして、そういう映画って最近はあまり作られない世の中だったりしますが)、決してそれが嫌味になっていない、むしろ爽やかな青春映画になっていたりするあたり、結構巧妙だったりします。   ただ、氷室ローランドVS森園億人の生徒会長選が決する部分がクライマックスになっていて(この部分での帝一と東郷の戦いの停滞っぷりもちょっとシンドい感じ)、肝心の帝一VS東郷VS大鷹の生徒会長選は蛇足感たっぷりのエピローグ状態。森園生徒会長体制下や、会長候補になってからの面々の物語をもっともっと見たかったというのが正直なところ。それだけこの作品に魅力を感じていたとも言えるのですが。   あと、『ハルチカ』の橋本環奈といい、この映画の永野芽郁といい、暴力的女子高生ってのはなんだかいいですのう。
[映画館(邦画)] 7点(2017-05-04 22:33:20)
13.  テラフォーマーズ 《ネタバレ》 
 なんでしょうねぇ、このつまらなさ。設定や物語にも映像にもちっともノレてゆけない感じ。パロディを笑えばいいんでしょうかねぇ? 『ブレードランナー』まんま持ってきました的な街の姿をどう楽しめっていうんでしょ? 看板のちょっとした書き文字を笑えって?   キャラに魅力がありません。そこにあるのは人間のドラマじゃないんですよね。与えられた設定を説明する人々。そんな看板を首からぶら下げたような人々がどんどんと殺されてゆく状態に心が動かされる何かがある訳もなくて。せっかくの役者をさっさと退場させて勿体ない使い方しちゃってるなぁ、って感想くらいしか出てきやしません。   どこかで見た、読んだようなモノがずーっと続いてゆくだけで、脳がちっとも刺激されやしません。新しいモノが何かあったかなぁ、って考えても、せいぜいゴキブリの顔が独特って事くらい。三池崇史的記号はあちこちに刻まれてますから、それを楽しめ、って感じ? それ、狭い、狭いよ。   変身シーンで細かいカット割で変化を見せてゆくあたりを見ても、変身モノの特撮・アニメ番組的なるものを狙っているのは判ります。でもそれが主旋律になってちゃダメなんじゃないかと。そんなの本来せいぜいお遊び程度のもので。  体内を変身物質がぐわーって流れてゆくCGとか触角がにょこにょこ生えてくる画とか、繰り返し過ぎでゲンナリ。バッタくんの顔が最期に仮面ライダーそっくりになるあたりのオマージュっていうかお遊びっていうかパロディっていうか、そういうとこより他にもっとやる事あったんじゃない?って。   いっその事、笑わせて貰えるほどのデビルパワーがあれば、それはそれで楽しめたのでしょうけれど、ヘンにマトモなのが余計に退屈さを招いてしまうのでした。
[映画館(邦画)] 3点(2016-05-05 19:53:30)
14.  テッド2 《ネタバレ》 
 前作面白かったですし、マーク・ウォールバーグ映画(ウォールバーグではなくウォールバーグ映画ね)もアマンダも好きですし。その上、更に好きなあの人もチョイ役で出てきて見ていてびっくり嬉し笑い。だけど今回はなんかしっくりきません。  前作では『フラッシュ・ゴードン』というかなりアレな映画を崇拝していたのに今回はコミコンであまりにフツーに『スター・トレック』や『スター・ウォーズ』出しちゃうあたりの凡庸さゆえ?(『フィフス・エレメント』ネタは微妙なカンジで良かったですが)  それともクマのぬいぐるみが喋って歩いて、だけど中身は下品なオッサンというネタ自体が本来は一発芸状態で、続編を作る事の意味はあまり感じられないから?   いや、それよりヘンにマトモな映画にしようとしてるあたりがどうもねぇ。クマのぬいぐるみの人権の有無ってギャグをマジに語って人種差別問題を反映させるのって、アリなのか?っていう(つーかあのオッサン、そもそも前作のプロローグ部分でクスリで検挙されてませんでした? あの時点で人権があるのか、ただの所有物なのかが問題になっていていいハズなのですが)。  大体、裁判映画として見てしまうとあまりに物足りません。アマンダは新人弁護士として成長してみせていいハズですが、そういうところは見られませんし、モーガン・フリーマンがさすがの貫録を見せるとはいえ、彼がいれば全て丸く収まるっていう水戸黄門の印籠みたいな存在じゃ、闘争の物語にもなりゃしません。   個人的にはヘンにドラマを語るよりも時代を反映させる程度にして、あとはおバカキャラものとして、バディものとして、笑えるエピソードを重ねてくれればそれでいいんじゃないの?と思うんですけどねぇ。   テッドも日本に来ればゆるキャラとして自治体がお気軽に住民登録してくれるのにねぇ。
[映画館(字幕)] 6点(2015-09-25 21:57:29)
15.  天空の蜂 《ネタバレ》 
 原発や国防という今日的問題を描いている点では意欲的作品なのかもしれませんが、とにかく面白くありません。   登場人物の誰にも魅力を感じる事ができないっていうのはどうした事でしょうか。皆、感情を晒しまくって感情と感情のぶつかりあいみたいな状態になっていますが、国家単位の危機的状況下で一体何をやってるんでしょうかねぇ。制限時間が設定された中で、その会話は必要なのか、その行動は必要なのかっていうシチュエーションだらけ。主人公の奥さんなんかぎゃーぎゃー喚いて主人公を足止めするだけっていう、単なる障害物状態ですからね。息子を助けたいのに足引っ張ります、っていう。  主犯の犯行の動機にだって説得力がありませんし(それは作品そのもののテーマに直結している訳ですが、人を上から見下し自らは結局何もできていない中二秒的視点に過ぎません)、実行犯に至ってはただのおかしい人。  その人の背景がちっとも見えてこないんですね。背景が描かれる人まで含めて。映画で描かれただけの背景はある、けれどだから?みたいな。そんな過去があったからってどうしてそんな人になるのやら、って。手塚とおるの刑事など、そこにそんなおかしな人間を配置する事の必然が全く感じられません。堤幸彦的変人、必要でしょうか?  プロの人達がプロの仕事をする、それで十分見応えがあると思うのですが、過剰な個性や感情の味付けが興を削いでしまっている気がしました。   サスペンスシーンは一連の流れをテレビの実況中継で全て解説するという、画に全く自信がない事を吐露しちゃってるような時点でそのレベルを物語っているようなもので。肝心な瞬間はいちいちカメラがヨソ見してますしね。   即物的な画ばかりの映画で、ラスト近くのモックンがそれを受けとめようとするイメージショットはなんだか唐突でしたね。いきなり何が起こったかと思っちゃった。
[映画館(邦画)] 4点(2015-09-22 23:29:41)
16.  天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬 《ネタバレ》 
 いつものFROGMAN作品。『天才バカボン』に『フランダースの犬』を絡めるという離れ業をやってのけた!って程のモノでもなく、まあ毎度のように小ネタは面白いけど(「命運」の静かなる笑いの表現に大ウケ)、全体を俯瞰するとありきたりという。世界征服を企てる組織が云々って時点で器が変わっても中身はあまり変わらないわけで。   問題は『天才バカボン』を原作にしながら、この映画の作品世界の設定ゆえにバカボンのパパが受動的な立場の存在になってしまっている点。あくまでマイペースではあるのですが、物語自体を動かすのは悪を実行する側とそれを阻止する側、そして悪の側が地獄から甦らせたネロとパトラッシュですから。組織の施設に潜入する、ネロとパトラッシュを救済する、なんていう類型的な物語のワクの中にバカボンのパパを納めちゃってる、それはちょっとつまらないなぁ、と。   全体的にイメージが貧困で(闇落ちネロとパトラッシュのビジュアルなんか、もう少しなんとかならなかったかなぁ)、ウェットなドラマを描くとあまりに凡庸になってしまうので、もっとギャグ方面での個性を強調した方がいいと思うんですけど。   あと、お客さんからお金貰って成り立ってる表現者としてはアレは思ってても口に出して言っちゃダメなんじゃないかなぁ。たとえギャグという形にしても。ならばやめちゃえば?って思いますよ。   それにしても主題歌に表れているように、元はやっぱり初代のアニメなんですね。『元祖』でも『平成』でもなく。   いつものFROGMAN作品が好きならば楽しめる作品だと思います。進歩を期待してしまうと微妙ですが。
[映画館(邦画)] 5点(2015-05-25 21:25:10)
17.  デス・レース2000年 《ネタバレ》 
 もちろんチープだし演技とかカメラポジションとか繋ぎとかダメダメなのですが(意外に出番の多いスタローンの大根っぷりときたら!)、にしても見るべきところは沢山あって。   知識の浅い私には「近未来、人々が残虐なゲームを喜んで見る」という映画はこれと同年の『ローラーボール』あたりまでしか遡れませんが、ここら辺が元祖なのでしょうか。後年のリチャード・バックマン(スティーブン・キング)の『ランニングマン』『死のロングウォーク』と前者の映画化『バトルランナー』、『バトルロワイアル』、リメイク版、そして『ハンガーゲーム』と実のところ、ちっとも進化してません。やってる事は基本、このコーマン製B級映画と同じ。  命を賭して戦う人々は独裁的な政治によって抑圧された人民の象徴。解放への抵抗の物語。   レース参加がたったの5台(その上ハリボテ)というのが安さ爆発、でもレーサーとナビゲーター一人一人を描くのはこのくらいが適当かもしれません。それにレースシーンは主観映像が存分に使われていて、リメイク版よりもスピード感があります。   「流血!オッパイ!インモラル!」というしょーもない(中学生臭い)皮を被ってる映画ではありますが(それでも子供や老人を殺しそうに見せつつ殺さないあたりがこの映画の良心でしょうか)、70年代独特の混沌とした空気が充満していて、チープさの中から死の匂いと闘争の意志が滲みだしているような感じがしました。  この映画もまた一つの時代を映す鏡。   それにしても作り物丸出しの安っぽい残酷シーンの方がリアルなものよりかえってグロに思えるのは何故でしょうねぇ? その色彩や造形の毒々しさゆえかな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-11-07 21:33:08)
18.  テロ,ライブ 《ネタバレ》 
 ラジオの生放送中に爆破予告電話を受けたキャスターの姿をほぼリアルタイムで追ってゆくサスペンス映画です。  ところどころ「ん?」って頭をヒネっちゃう箇所が無きにしもあらずですが(テレビのニュースキャスターへの返り咲きを目論むキャスターはラジオ放送を放り出してしまいますが、番組が継続した様子がありません)、とにかく刻一刻と状況が変化してゆく、そのピリピリとした異様な緊張感に釘付けになります。  テレビの生放送でテロリストを説得してエンターテインメントに仕立て上げようとするキャスターが、逆にどんどんと追い詰められてゆく、事の重大さがのしかかってくる、その焦燥感がダイレクトに伝わってきます。   ですが、クライマックスに至って映画は向いている方向を思いきり変えてしまいます。「あれれ?」って感じで。韓国映画お得意「情」の世界に突入する事で問題がすり替えられてしまうような、大きな違和感。  爆破テロを行った人物に同情した上で最終的にキャスターの取った行為、あそこには社会的な意志があるようで、その実、全く無いようで。  テロリストにも理由がある、テロリストを生む原因を作っているのは誰だ?って事で、自らも権力の元で翻弄されている状態を実感し、って、でも、あのニュースがなければ彼は絶望しなかった、あの選択はなかったと考えると、ただの弱者達の自滅と自己完結で閉じただけの物語になってしまうんですよね。やたらパーソナルな思考で閉じてしまっている状態。  アレをした事で、じゃあ彼は何を成し得たのだろうか?と。   「権力に屈しなければならなかった人々の悲劇の物語」とするにはあまりに事件の大きさと個人の意志が及ぶ範囲の小ささのバランスが取れておらず、不恰好な脚本の姿が見えるような感じがしました。   っていうか、犯人があの立場でどうやってあれだけの威力をもたらす爆薬を手に入れ、そしてあれだけの範囲に渡って誰にも気付かれずにそれらを仕掛けられたのか、全くもって謎なのですが。
[映画館(字幕)] 6点(2014-09-30 23:29:55)
19.  テルマエ・ロマエⅡ 《ネタバレ》 
 前作と同じ。焼き直しみたいなもの。   後半のダラダラっぷりが多少は改善されたかな?くらいのモノで(前作がダメ過ぎた感じですけど)。なので前作を楽しめれば今作も楽しく、前作をこんなモンか、って思ったら今作もまたそんなモンで。  水の中に吸い込まれる映像も挿入されるオペラもそのまま、ネタ的にもあまり代わり映えはせず、登場人物もそのまま引っ張り。   よくぞこれだけの画を作れた、ってスケールの大きな映像は今回も健在。コロシアムのモブなんか見事な物量っぷりで。でもまあ、中身そのものは前作と一緒です。  後半はまた大規模な施設作りと立場危うしって話ですしね。つーか、温泉を掘り当てる事が映画の最終的な目的って、それがちゃんと設定された描写が足らなかった気がするんですが。   気になったのは安易にナショナリズムを刺激してる感じ。日本人、外国人から褒められるのが大好きですからねぇ。実際にそういうテレビ番組も色々と存在しておりますし。  で、この映画はそんな平たい顔族の文化を無条件に肯定してみせるワケですけれども、じゃあたとえば混浴とかって、その解釈は理想論に過ぎるんじゃないか?って。これって日本人の本音と建前の、その建前部分のみを濾過してるようなシロモノなわけですよね。そこで安易に日本文化、日本人サイコーって持ち上げると、それは盲目的なナショナリズムを煽る行為に繋がるんでないの?とか思っちゃう訳で。   古代ローマ人を日本人が演じる、この国の中だけで閉じた映画、それが単なるお笑いで済ませられればいいのですけれども、その奥に偏った閉塞性があるとしたら、ちょっとイヤかな。
[映画館(邦画)] 5点(2014-04-29 22:09:28)(笑:1票)
20.  テッド 《ネタバレ》 
 若い人中心に満席の初日の渋谷のシネコン、日本人向けに「くまモン」や「星一徹」に置き換えられた字幕で笑う人は皆無、むしろその字幕に困惑しているような空気すら伝わってきました。  以前にも書きましたが、映画を見てそれまで知らなかった事、判らなかった事に興味を持つというのはとても大切だと思うのですね。それは映画の愉しみの中の大きな要素の1つだと経験上感じます。  この映画の字幕はその機会を潰してしまっています。この映画のみで閉じてしまおうとして、逆に誰も得をしないものになっている感じ。今はネットで情報が手軽に手に入る時代なのだから、余計なお節介は不要なんじゃないかと思うのですが。   さて、映画本編について。これはテッドが語る「自分の責任」についての教訓話のように思えるのですが、実際は「そうかぁ?」って感じで。主人公は結局両方を手に入れる訳じゃないですか。最終的に彼女はとても聞き分けのいい都合のいい存在で。  だからむしろコレってオタクの夢と理想を描いた映画なんじゃないかって。親友がいて、彼女がいて、好きな事ができて、って。  この「気持ち良さ」にピンと来る人はもしかすると少ないかもしれません。でも、この映画にとってとても重要な要素となる『フラッシュゴードン』のダサカッコよさを理解できる人間にとって、これは甘美なまでに気持ちイイ映画。  昔、あの映画のダサカッコよさにインスパイアされて小説書いたくらいな私(300枚書いたところでネタが尽きて挫折しましたが)、主人公とテッドにシンクロ率120%、なのでそのダメっぷりも含めて限りなく愛おしいという。   少なくともぬいぐるみのクマちゃんに生命が宿っちゃうステキなファンタジーではなくて、でも下品なぬいぐるみが巻き起こすドタバタコメディともちょっと違って、『宇宙人ポール』や『スコット・ピルグリム』に通じる、かなり濃いめのオタクが同病相哀れむ感じでオタクに向けた自慰的映画であったという点で、作品的にはどうかと思う反面、意外なまでの濃さにオタク歓喜!みたいな状態で。   「もう別にダメでもいいんじゃない?」なんて言ってる映画な気がしないでもないんですが、楽しかったから別にいいや。
[映画館(字幕)] 8点(2013-01-23 23:12:38)
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