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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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21.  トレインスポッティング 《ネタバレ》 
格好良く言えば「刹那的」、悪く言えば「単なるアホ」な若者たちの物語。息苦しい現実から逃避するためにドラッグに明け暮れる日々。彼らの主張は単純明快です。ヨボヨボの爺さんになって何になる。今のこの快楽に意味があるという理屈です。そういう人生観もアリだと思います。明日交通事故で死ぬかもしれないし。ただ、彼らは経験していない。想像の中の漠然とした不安をかき消したいだけ。酸いも甘いも噛み分けた人生の達人が辿り着いた結論とは訳が違います。だから揺れる。ブレブレです。禁ヤク生活を始めてみたり、諦めてみたり。無茶苦茶カッコ悪い。それは主人公自身が一番よく知っていることです。ただ彼は運が良かった。ヤク漬けの生活から足を洗えたことも、一度は就職できたことも。ほぼ奇跡といっていい。でも今までのツケが全部払えたわけじゃない。悪友に巻き込まれて、再びかつての生活に逆戻りかけます。そして最後の主人公の決断。この後味が絶妙でした。軽やかな音楽と相まって、まず先に来るのが爽快感。散々悪友にタカられた主人公の逆襲の一手は気持ちいい。希望もあります。彼は大金を元手に真っ当な人生を目指すという。清涼飲料水の如きノド越しの結末。だのに苦いものが舌に残る。多分アイツはまたドラッグに手を出すだろうなという確信があるから。象徴的なのは、主人公が単語を羅列するところ。ドラッグの名称、不動産屋の仕事、そしてこれから彼が目指す人生について。都合3回同じような言い回しの台詞が出てきます。つまり、ヤク中の時も、就職していても、大金を手にしても、彼は何も変わっていないということ。物語の大半ヤク中だった彼の未来が明るいとは思えない。更に観客も問いかけられます。世間一般で言う“好ましい人生”を表すワードたち。それを耳にして心がザワつきます。こいつらの生活は間違いなくクソだけど、自分の生活はクソじゃないのか。価値観を揺さぶられます。ストーリーは最悪。メッセージには棘がある。でも観客を魅了する技術は相当なものだと思う。こういう映画もキライじゃありません。
[DVD(字幕)] 8点(2007-11-09 18:25:53)(良:3票)
22.  トランスアメリカ 《ネタバレ》 
性同一性障害の主人公に両刀使い?の息子。この2人を「父と息子」と捉えて良いのかよく分かりません。でもよく似ています。やっぱり親子だと思う。本音を言えば、性同一性障害者が家族にいたら、自分なら頭を抱えると思う。ポルノ男優も同じ。親の立場にしてみれば、やり切れないでしょう。世間体も悪いし。主人公の母親の態度は酷いと思うけど、実際はあんなものだと思います。でも血のつながりは断ち切れない。どんなに拒絶しても、結局は徒労に終わる。肯定するしか道はありません。勘当して世間体を保つことに、何の意味もありません。諦めが肝心。とかく負のイメージが強い“諦め”という言葉。でも悪いことじゃない。この場合、違う価値観にシフトするだけのこと。父親と売春男という関係が、母親とポルノ男優に変わっても、大したことじゃない。認め合って肯定し合って生きていくことほうがずっと幸せ。設定は少々奇抜ですが、とても真っ直ぐなファミリードラマ。エピソードも豊富で、ロードムービーとしても面白かったです。それにしても、主演のお父さんが女優だと知ってお口あんぐり。完全に男優が女装をしているのだとばかり。ちんもあったし。物語よしで、演技もよし。得した気分です。
[DVD(字幕)] 8点(2007-11-01 18:26:43)
23.  トゥモロー・ワールド 《ネタバレ》 
空飛ぶ車もレーザービームも出てこない未来。見て取れるのは、カーナビの進化くらい。現在のペースでテクノロジーが進めば、驚きの発明や進化にお目にかかれそうなもの。しかし世界は薄暗く、貧困ばかりがクローズアップされます。人々は活力を失っている。生きる力が無いから進歩もないということ。その理由は、子が産まれないからだという。日本のみならず先進国と言われる国が皆抱える少子化問題。その究極のかたちと言えます。ですから設定には、リアリティがありました。子がいないIfの未来。世界で一番若い18歳の少年は、スーパーアイドルで人間国宝級。歌いも踊りもしないのに。人々は正気を失っている。もし新たな赤ちゃんが誕生したらどうなるか。法王クラスか、はたまたメシアの再来か。その子が持つパワーと利用価値は計り知れません。母子が逃げる理由には説得力がありました。主人公と母子の逃避行。その緊張感は“凄まじい”の一言に尽きます。守るべきものがある恐怖。内戦の中、母子を探す場面の臨場感に身が震えました。赤ん坊の泣き声ひとつで兵士達が戦いを止める。表現としては陳腐かもしれません。でも心を打たれます。そもそも赤ちゃんの鳴き声や子供の笑顔には、それだけの力があると思う。愛や母性という言葉で説明してもいい。『利己的な遺伝子理論』を持ち出してもいい。いずれにしても、人の心はそうプログラムされていると感じます。私たちには、次の世代に“大切なもの”を受け渡す責任を負わされている。それは逃れられない事実だと思います。“大切なもの”はDNAだけではありません。知識、知恵、文化、思想もそう。喜びや悲しみ、感動だって伝えたい。私たちは、途方もない数の命と、想いと、願いを受けて生きています。だから命は尊い。他人のことは知らない。私が死んだら世界は終わり。そういう価値観も否定しません。でも “繋がっている”と考えると、穏やかな気持ちになれると思う。誰かの手を握るだけで安心するように。伝えたいものがある。託す相手がいる。そのことに感謝したいです。物語は一応ハッピーエンド。しかし銃声は鳴り止まず、トゥモロー号は深い霧の中。希望の光が照らす明日は見えません。だから思う。失ってから気付くのでは遅いと。本作の設定は一例に過ぎません。世界を終わらせるのは、そう難しいことじゃない。今のままで、明日がやって来るのか。私たちは問われていると思う。
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-03 18:14:18)(良:2票)
24.  トレマーズ 《ネタバレ》 
クリーチャー系パニック映画のお手本のような作品。救援を期待できない陸の孤島。相手は得体の知れない化け物。でも生物だからちゃんと殺せる。弱点があるから戦える。でも狡猾で、まともにいったら勝ち目は薄い。設定の加減が絶妙です。相手が強大すぎると戦う意欲は失せますし、逆に弱いと物足りない。相手に分(ぶ)がある中で、如何に工夫して戦うか。冒険心を実にくすぐります。それに人間描写も的確。とくにガンマニア夫婦。自慢の銃のコレクション。チャンスがあるなら何としても撃ちたいし、有事のために備えた水や食べ物だから、こんな時にこそ使いたい。おまけに窮地に陥った原因を他人のせいにしちゃう。とことん人間の本質を突いています。本来ならサスペンス・ホラー寄りになっておかしくないお話を、コメディタッチに清々しく仕上げた手腕はお見事。敵の能力判明後、死者がほとんど出なかったのも上品です。まさに愛すべき作品。カテゴリ的にはB級もB級ですが、これは一級品です。
[DVD(字幕)] 8点(2007-04-19 18:01:01)(良:2票)
25.  トランスポーター2 《ネタバレ》 
これはちょっと凄い。前作よりも数段アクションがパワーアップしています。皆さんご指摘のように、車の底に張り付いた爆弾の剥がし方凄すぎ!それまでも相当ぶっ飛んだカーアクションを披露していましたが、このシーンで一気に常職の針が振り切れました。あとはどんな展開になってもOK。そういう作品だから。物語はシリアス。でもアクションはどこまでもおバカ。そう“おバカー”アクション。とことんエンターテイメントにこだわった姿勢は、清々しいです。こんな何でもアリな作品をしっかりと引き締めているのが主人公。ダンディズムの中に垣間見られるオチャメさがステキです。(あと声が最高)。惜しむらくは、前作でふんだんに見られた足技が少なくなってしまったこと。でも十分満足しました。続編を期待します。本当に意味のないセクシーサービスにまんまとはまって+1点です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-04-17 18:39:00)
26.  ドラえもん のび太の大魔境
秀逸な設定。テンポ良く盛り沢山な内容。飽くなき兵器開発に対する警鐘というメッセージ。子供向け娯楽映画として洗練されていると思いました。設定を論理的に説明すること。展開に整合性を持たせること。誠実な制作姿勢を感じました。この時期の劇場版『ドラえもん』に共通している長所だと思います。また興味深かったのが、当時の世相を反映した思想・価値観(教育的配慮)について。盛んに「男らしい」を連発するしずかちゃん。今ならこのような表現はしないはずです。やはり映画は時代を色濃く映す鑑だと思いました。満足度の高い作品。ただ、お姫様わんこがカワイクなかったのが残念(笑)。
[DVD(邦画)] 8点(2007-03-02 18:21:30)
27.  トイ・ストーリー2
続編としては、ほぼ完璧な出来だと思います。本作が持っているコメディ、アクション、アドベンチャーの要素が程よいバランスで配合されています。またストーリーもいい。子供と遊ぶのがおもちゃの役割。いつか子供が大きくなって、その役目に終わりが来ることになろうとも、そのときまで一所懸命に楽しもう。ラストでは、あえてアンディの成長(少年期の終わりが間近であること)を見せ、このことを観客に意識付けます。これはそのまま人間にも置き換えられます。いつか来る終わりのときまで、人生を楽しもう。少し切ないですが、ポジティブなメッセージだと思います。映像面も格段にパワーアップ。あえて良くない(好きでない)部分を挙げるなら、ウッディーを救うべく立ち上がるバズを露骨に“アメリカ”に例える場面があったこと。あとエンディングロールの嘘NGシーン。興醒めしてしまいます。でも全体的には◎の作品です。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-12-31 18:37:58)
28.  トイ・ストーリー 《ネタバレ》 
コメディであり、アクションであり、ホラーの要素まである本作品。緩急のある演出で観客を飽きさせません。特に終盤の展開はスリリングで手に汗握ります。また物語的にも心を掴むものがあります。新しいおもちゃが来る度に、戦々恐々とする既存のおもちゃたち。ご主人に飽きられるのではないか、捨てられるのではないか。これは多くのサラリーマンが抱く思いに通じます。ちょっと切ない。映像的にもストーリー的にも上質で、子供はもちろん大人も十分に楽しめる作品です。ただ、個人的に一箇所だけ腑に落ちない場面があります。それは、隣の家の子供からバズを救い出す際に、おもちゃたちが禁を破るシーン。おもちゃいじめの子供にお灸を据えるのは、確かにスカッとするのですが、手法がイマイチだと思いました。“人間の目の前では身動きしない”は絶対に破ってはいけない“掟”のはず。おもちゃたちにとって“誇り”でもあったと思います。それをいとも簡単に反故にしたことにガッカリしました。いかに禁を破らず、目的を成し遂げるか。工夫のしどころです。ここを上手くクリアできれば、本作はもう一段階高みに達したと思います。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-12-30 18:22:28)(良:1票)
29.  となかいロビー 炎のランナー
『ウォレスとグルミット』とはまた一味違った趣がありました。よりくだけたというかポップな感じ。動きの緻密さという点では『ウォレス~』に譲る部分がありますが、エンターテイメント性、物語性では負けていないと思いました。日本語吹き替え陣も流石プロの仕事をしていたと思います。ラストも爽快。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-09-08 17:44:51)
30.  21ジャンプストリート 《ネタバレ》 
久々に“これぞアメリカンコメディ”な映画を観ました。「ポリスもの」「バディもの」「スクールカースト」「ジェネレーションギャップ」「下ネタ」「ドラッグ」「ガンアクション」「カーチェイス」「大爆発」「友情」そして「鳩」。ステレオタイプなキャラクター造形もいい。およそアメリカ人が好きそうな要素全部載せ。続編が制作されたのも納得の快作だったと思います。ただし“アメリカ人にとって”の注釈が付くことも間違いありません。これは本作に限りませんが、特にコメディ(笑い)は繊細ゆえターゲットが絞られ万人受けはありません。日本の国民的喜劇シリーズ『男はつらいよ』だって外国で受けるとは思いませんし、何なら日本国内だって楽しめる年齢層は絞られるでしょう。そういう意味で「お好きな方のみどうぞ」としか言いようがない映画(ジャンル)ではあります。個人的には爆笑こそ無かったものの終始楽しく観られました(※クライマックスで千切れたアレを自ら咥えるシーンは流石に下品過ぎてドン引きしましたが)。倫理や常識といったスイッチは必ずOFFでお願いします。おそらく1年後には観たことさえ忘れているでしょうが、それでいい(それがいい)映画との評価です。
[インターネット(吹替)] 7点(2024-02-11 18:09:40)
31.  ドント・ブリーズ2 《ネタバレ》 
盲目の老人と犯罪者集団のバトルを描くバイオレンスサスペンスの続編。今回老人と相対するのは、老人に娘を攫われた親御さんとその仲間です。『ドント・ブリーズ』の基本構造は犯罪者vs犯罪者ですが、今回は子どもを取り返すための戦い。両者の善悪について議論の余地など無いかと思いきや然に非ず。平気で人を殺したり、犬を見捨てたりと、父親サイドも相当ヤバい人たちでしたが、その正体は想像を絶するド畜生でありました。毒親にも程があるというか、もはや親とは言えないクソ野郎。誘拐犯の方が聖人に見えてしまう始末です。という訳で親側の素性が知れた後は、老人に100%肩入れして物語に挑むことになります。前回は自宅内という圧倒的な地の利を活かし盲目のハンデを帳消しにしましたが、今回は老人にとってアウェー戦。正直勝負にならないシチュエーションですが、そこは様々な工夫を凝らして勝負を成立させているのが凄い。勿論多少の、というか大いにご都合主義が幅を利かせていますが、それでも思わず唸るような仕掛けの数々は努力賞ものだと思いました。胸糞&血塗れサスペンスにも関わらず後味爽やかなのもいい。前作を楽しめた方なら、本作を気に入ること間違いなし。自信をもってオススメします。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-09-02 22:22:32)
32.  とんかつDJアゲ太郎 《ネタバレ》 
立志→小成功→挫折→葛藤→特訓→勝利。これは青春スポコン映画の黄金パターン。本作のような非スポーツ系にもこの絶対無敵の方程式があてはまります。ただし、特訓が派手で分かりやすいスポーツ競技に対し、文化系の訓練は見た目に地味です。さらに芸術系となると、技能向上をどう表現したらよいのやら。では、クラブDJの場合はどうでしょう。私の認識では、ツマミをいじって、レコードをキュキュキュキュやって、フロアを盛り上げるのがDJの仕事(本当は何をしているのか知りません)。もちろん楽曲知識や操作テクは必要でしょうが、一般的な技能習得法など見当もつきません。主人公が弟子入り志願をしたオイリーさんは、当初「そんなもん独学だ」と一蹴し、子弟関係を結んだ後も「フロアの客を具体的にイメージしろ」程度のアドバイスのみ。結局は「経験」と「センス」がモノを言う世界と思われます。これを前述した方程式の「特訓」に落とし込むと、「指たて伏せをする」「洋楽を24時間聴きまくる」「小箱100件武者修行」のような表現になるかと。分り易い。でも汗臭い。そして重苦しい。クラブDJのイメージとはかけ離れてしまいます。そこで本作では、「とんかつ屋」の下積みをそのままDJ修行に置き換え、軽やかに仕上げました。とんかつを揚げるのも、フロアの客をアゲるのも同じという理屈。もちろん詭弁です。しかし的外れでもありません。両者に共通するのは「お客さんの笑顔がみたい」。果たしてとんかつDJは、とんかつ屋修行で身に付けたスキルを武器に、フロアの観客に最高のグルーヴを巻き起こしました(調子乗って使ったけど、グルーヴってなんだ?)。オチもまた良し。アゲ太郎よ、DJである前にとんかつ屋たれ。まずは本業で一人前になること。そのとんかつ道はDJにも続いているに違いありません。 最初に『とんかつDJアゲ太郎』なるパワーフレーズを耳にしたのは、伊集院光の深夜ラジオだったと記憶しています。氏のフェイバリットフレーズ『岡村孝子のうどんの歌』と同じ悪ふざけかと思いきや、本当に漫画が存在するとは。さらに映画化と聞いて驚いたものです。しかも実際観てみるとキワモノではなく、正統派の青春映画で2度びっくり。タイトルで先入観をもってはいけませんね。それにしても、とんかつ美味しそうでした。本作鑑賞後、馴染みのとんかつ屋に走ったのは言うまでもありません。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-09-16 22:20:23)
33.  透明人間(2020) 《ネタバレ》 
(ネタバレしてます。ご注意ください)  私の世代ですと美脚も露わな2人組女性アイドルの歌声が脳内リフレインしてしまう『透明人間』でありますが、人間透明化の手法は大きく2種類に分けられると考えます。『物理的要因』と『心理的要因』。前者がサイエンス、後者がオカルトと言い換えても構いません。かつては前者が主流だった気がしますが(例:博士が透明薬を発明)、最近は後者のパターンが多い気がします(例:『ハンター×ハンター』の某キメラアントが有名でしょうか。同じジャンプ漫画の『アウターゾーン』でもそんな話がありました。あれ?最近でもないな)。いずれにせよサイエンス(SF)の切り口で『透明人間』を理論づけるのは無理があります。理屈不要のオカルトの方がまだ説得力があるでしょう。そんな事情などお構いなく、本作では『物理的透明人間』が採用されていました。しかもナノテクノロジーなんて『流行りの言い訳』には目もくれず、旧知のアナログ型テクノロジーで勝負です。私のようなメガネユーザーにしてみれば、あのスーツがメガネ着用に対応しているのか大変気になるところですが(いや、そこはコンタクトレンズにすればいいのか)、やはり空想科学はロマンに溢れており好感が持てます。とはいえ、トンデモサイエンスとシリアスな社会派サスペンスの相性が良いとは思えません。ドラえもんはコメディマンガ(アニメ)だから愛されるのであって、リアルドラマ、ましてや実写など誰も望んでないでしょう。ですから、ツッコミ耐性ゼロというハンデを負ってまで、あえてシリアスドラマに『物理的透明人間』を採用したのには、何らかの意図があると推測します。例えば、どんなに狡猾なモラハラ男が相手でも、立ち向かう術はあるというメッセージが隠されていたとしたら。それなら、手に負えない魔法ではなく、タネも仕掛けもある、ある意味弱点だらけの『物理的透明人間』が採用されたのも頷けます。最後に透明スーツについて。発明者は光化学研究の第一人者だそう。光の屈折?反射?を使って透明化するという理屈は、それなりに説得力があります(ホントにそう?)。しかも私たちは、『アイアンマン』という奇跡を既に目の当たりにしており、『そんなスーツがあっても、まあいいか』程度に騙される用意は出来ていました。ただそうだとしても、ペンキを浴びても水洗いで元通りとか、部分破壊されても機能は失われないとか、流石に好き勝手が過ぎました。空想科学は、奇想天外な設定の中にも科学の足枷を完全に無くさない部分にロマンがある訳で、何でもアリだとオカルトと区別がつかなくなってしまいます。もう少し謙虚に『空想科学』と向き合って欲しいのです。
[インターネット(吹替)] 7点(2021-04-15 18:53:34)
34.  ドロメ【男子篇】 《ネタバレ》 
次に『男子篇』の感想です。物語のベースとなる『女子篇』を補完するのが男子篇の役目。「あれは一体何だったのだろう?」の種明かしがお楽しみ。さて、そんな男子篇の目玉は、何と言っても幽霊の存在でしょう。霊がいること自体は女子篇でも見当がつきましたが、正体がまさかオ〇ンとは。何なら男子篇のタイトルは『ドロメ』よりも『オ〇ン』の方が相応しい気もします(あれ?関西じゃないから『マ〇ン』かな)。ドロメを悪意の塊と捉えるなら、こちらは善意、いや愛の塊。ただし、過ぎたるは及ばざるが如しで、悪意より厄介かもしれません。霊体なのに物理攻撃が効くばかりか〇〇化までする、映画史上初(?)の快挙も見どころの一つ。おっと、○○化の方は『○ーストバスターズ』という先例がありましたね。女子篇と比べると圧倒的にコメディテイストが強いのは、それだけ男の子の方がアホだという事でしょう。とはいえ、女子風呂の残り湯を頂戴するお約束が見当たらないあたり、相当に育ちが良いか、あるいは俗にいう草食系男子とお見受けしました。カレーもおでんみたいでしたし。注文を付けるとすれば、キャラクターにメリハリが欲しいこと。これは女子篇にも共通しますが、美男美女揃いで特徴がありません。例えば、メガネ、デブ、お金持ち、お風呂好き。まずは見た目で差異を。性格で厚みを与えましょう。キャラクターの魅力はコメディの面白さに直結しますから。あれ、そもそもコメディではありませんか。ただし、本作の楽しさは完全にコメディのそれであります。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-05-10 10:28:11)(良:1票)
35.  トリガール! 《ネタバレ》 
スポ根青春ラブコメディの王道フォーマット。そつのないつくりで、大変楽しく観させていただきましたが、本作最大の魅力はやはり土屋太鳳さんにあります(断言します)。まさに魅力爆発!「何すか」の言い方が、もうたまらないです。ヤンデレ系とでも言うのでしょうか。彼女より美人でスタイルが良く、演技も上手い若手女優さんは沢山いると思いますが、彼女ほど“人間力”が高い方はそう居ないでしょう。比肩できるのは、吉岡里帆さんくらいかな。とにかく、土屋太鳳、恐るべしと。
[DVD(邦画)] 7点(2019-06-16 20:24:34)
36.  翔んで埼玉
郷土”愛“が根底にあり、かつ実際は”そんなわけない“から成立する差別ギャグ&自虐ギャグ。当事者となった埼玉県民や千葉県民が一番楽しめるのは間違いないでしょう。かくいう私も、川口と八王子に在住経験ありで親近感もあり。地名で笑えるのは、その土地に大なり小なり愛着があるからに他なりません。他の地域でも、同じようなライバル関係はあるでしょうし。散々な言われようをした関東北部県の皆さんは楽しめたのか気になるところです。関東全部引っくるめて『首都圏』でくくっていまう田舎者(新潟県民)としては、微笑ましい兄弟喧嘩を眺めさせていただいた感じでございます。Gacktさんや、伊勢谷さんは、注文通りのキャラ設定に熱演で安定感あり。二階堂さんの男性役は、正直たまらんものがありました。もしかしたら自分、新しい世界が開けたかもしれません涙驚。(以下余談)今回錦糸町で劇場鑑賞したのですが、勝手に錦糸町って千葉県だと思い込んでおりました。だから、どうということもありませんが、警鐘を兼ねてご報告まで。そんな警鐘要りません?失礼しました。
[映画館(邦画)] 7点(2019-02-24 21:13:45)(良:1票)
37.  トランセンデンス(2014) 《ネタバレ》 
究極のIOT(インターネットオブシングス)、シンギュラリティ(人口知能の技術的特異点)がもたらす人類にとってのネクストステージとは一体どんな世界か。同じテーマを扱う『ターミネーター』と比べると、その技術進化のスケールは、本作の方が二歩も三歩も先を行きます(製作年が違いますから当然ですが)。特徴的なのは、単に“人類滅亡”の恐怖を描くのではなく“人類の進化”を提示した点。ナノテクノロジーの恩恵は、“何かを手放したとしても”手に入れたくなるほど魅力的なものに思えました。人としての幸福と、人が人であることの証明。どちらを優先させますか?いやー考えれば、考えるほど面白いです。かなり興味深く観させていただきました。満足度は高めですが、最終的に“夫婦の愛”に落とし込むあたりは、やや陳腐な印象を受けます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-11-10 00:58:31)
38.  東京喰種 トーキョーグール 《ネタバレ》 
青年漫画ならではのトンデモ設定に、始めは呆れ気味でした。怪物の臓器を人間に移植?人間がヒト喰いに変化?二次元なら許容される世界観も、実写では流石に無理が過ぎました。怪物と人間の戦いにおけるパワーバランスも不自然さを通り越してミステリー。ところがどうでしょう。観終えてみると、不思議と腑に落ちたのです。その理由を考えたところ、次の結論に至りました。“グール≒捕食者(肉食動物)”ではなく“グール≒人間”と認識出来たということ。見た目は勿論のこと、言語や文化を共有し、おそらく性交も可能で、臓器移植は実証済み。ここまで来るとグールを“別種”や“向こう側”と割り切るのは難しくなります。ただし積極的に共存しようとは思いません。脅威を排除できるなら、それに越した事は無いでしょう。少なくとも、上から目線かファッション感覚で“○○○を守ろう”と声を上げる意識高い系(又は恥知らず)ではないつもりです(失礼、言葉が過ぎました)。ただし、決して分かり合うことのない同じ人間と、グールでは何が違うのだろう(どちらがマシだろう)とも思うのです。人間より運動能力で遥かに勝るグールが、捜査官と一対一で遅れをとってしまう謎の補整も、この事実を示唆するためと考えれば納得できます。反芻すればするほど、味わいが増す気がしました。主人公の生き物としての属性を完全にグール側に置いたこと、人間(捜査官)が掲げる正義に裏付けを与えなかった点など、観客をグールサイドに肩入れさせるやり口は上手いと思いました。設定・テーマ被りの『寄生獣』との比較も興味深いところ。続編が期待されます。最後にキャストについて。そもそも原作未読につきキャラクターのイメージは持ち合わせていませんが、大泉洋はミスキャストと感じました。シリアスに寄せる事を拒絶するナチュラルボーン・コメディアン。存在そのものがマンガでした。佐々木希も?が付く配役。存在感の薄さには製作者の悪意さえ感じます(もしかして渡部の嫁になったからか?そうなのか?)。そして清水富美加。演技云々とは別次元で、続編での続投が望めないのは残念で仕方ありません。そして窪田くん。蒼井優様にお顔をぺろぺろされて、羨ましいったらありゃしない(どんな締めだ。反省)。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-05-05 09:56:20)
39.  ドクター・ストレンジ 《ネタバレ》 
小難しい理論は差し置いても、この映像美は大ご馳走。折りたたまれるビル群、歪む次元、私たちの知る法則の外の世界。映画館の大スクリーンで鑑賞したら、さぞや楽しめた事でしょう。それにしてもティルダ・スウィントン。『コンスタンティン』の大天使役のときも感心しましたが、年齢性別を超越した存在感は素晴らしいですね。折角魔法を題材とした物語ですから、よくわからない念の縄みたいな攻撃だけでなく、様々な種類・属性の魔法を見たかった気がしますが、続編に期待ということで。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2018-01-10 18:21:15)
40.  DRIVE 《ネタバレ》 
2017年の時点で観ると、まず驚くのがキャストの豪華さ。松重豊、ピエール瀧、津田寛治、松雪泰子ら人気と実力を兼ねそろえた味ある俳優がチョイ役で色を添える贅沢ぶり。まあ15年も前の作品ですから今とはネームバリューが違いますけれども。ホント、どのキャラクターも濃いめの味つけで自分好みでした。趣としては、『世にも奇妙な物語』風のファンタジックな仕上がり。テーマは人の縁。マヌケな銀行強盗たちと生真面目主人公の偶然の出会いが化学変化を引き起こし、各人の人生が好転していく様は観ていて気持ちの良いものでした。因果応報の原則が効いているのかいないのか微妙なところですが、強盗たちは皆その後お縄になったと考えるのが自然なのでしょうね。
[DVD(邦画)] 7点(2017-12-25 19:50:57)
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