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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  Dr.パルナサスの鏡 《ネタバレ》 
悪夢の中でもがいているような感覚が全編を貫いていて(鏡の向こう側のシーンだけではなくて、こちら側の世界でも)、正直なところ、そこは苦手。テリー・ギリアムの映画が毎回どうも苦手な原因って、そこにあって。見ていて疲れちゃう。彼の映画はいつだって、足元がもつれるかのように物事が真っ直ぐ進みゃしないです。でも、自分の好きなテリー・ギリアムは、テレビの『モンティ・パイソン』時代の、アニメーターやってた彼だったワケですが、今回の映画はその当時のセンスが意外にもあちこちに出ていて、そこは楽しく、嬉しかったです。警官のダンスに「ああ、そう言えば『モンティ・パイソン』ではよく警官を題材にしてたねぇ」って。鏡の表裏をモチーフに箱庭のような世界に作られたダークなファンタジー世界で美と醜が、神と悪魔が、善と悪が、男と女が、運命と偶然が、様々な対立する要素が絡んで人の生を象徴してゆきます。テリー・ギリアムとしてはあまりに判りやす過ぎな気もしますが。故ヒース・レジャーと、彼への友情から出演した3人がメインのような売り方をしておりますが、見終わってみれば印象に残るのはそこではないあたり、余計にシニカルな映画になっちゃった感じがなきにしもあらず。この映画の色、ワリと好きですけどね。
[映画館(字幕)] 7点(2010-02-12 21:36:10)
2.  ドゥームズデイ 《ネタバレ》 
ううー、酷い。この映画、予告編だけの知識しかなかったのですが、近未来を舞台にしたアクションヒロインものだと思ってました。最初に乗り込んでゆく段階でモロに『エイリアン2』、ただし敵はエイリアンでなくてスコットランド人、って状態でイヤな予感。そしてこのスコットランド人達が『食人族』で『指輪物語』のブラックライダーやウルクで『マッドマックス2』で、って。殺人ウィルスが題材になっているのですが、それは単なるマクガフィンで、要は隔離されて悪の要塞と化したスコットランドに乗り込んで大殺戮、前記の映画群を再現したいだけっていう。グロなシーン続出、特に食人シーンなんて最悪な趣味の悪さ(もう映画館から逃げ出そうかと思いました)。首や腕をぶった切ったり、車がクラッシュしたりっていうのがメインで、物語なんてメチャクチャ。たった25年で何故文化があそこまで退行すんの・・・。ヒロインが魅力的でもなければ強くもなく、いちいち捕まるわ、仲間のピンチを救えないわで、アクションヒロインものとしてもフラストレーション溜まりまくり。オチまでそれでいいんかい、って状態で、私にとってはひたすらストレスだけで構成された映画でした。せめて、この映画独自のセンスってのがあればなぁ。全部借り物。それにしてもこの映画を作った人々はスコットランド人になんの恨みがあるのやら。
[映画館(字幕)] 1点(2009-09-23 10:55:05)(良:1票)
3.  トランスフォーマー/リベンジ 《ネタバレ》 
前作を散々貶したんだから見るなよ、って意見もございましょうが、IMAXデジタルってのを体験しておきたかったもので。アナログな70ミリ15パーフォレーションのかつての新宿・品川に比べて川崎はあまりにショボ過ぎてガッカリ。他のデジタル方式と同じ、ギラついた、明色暗色の極のコントラストに弱い、エッジの浮いた着色写真風な映像の毎度のアレ。アレが六本木7番よりふたまわりほど小さいトコに映ってるだけという。この程度なら私としては35mmフィルムのデカいスクリーンで見た方がマシ。さて本編ですが、映画オタク心をなーんにも刺激しないという。CGで過去の映画の寄せ集めやってるだけ。『グレムリン』とか『エイリアン』とか『インディ・ジョーンズ』とか、臆面もなくそのまんまで出してきて。単純でヒネリがなさ過ぎる物語を、ゴテゴテとした映像と余分な登場人物と、その連中が生み出す意味のないエピソードと、そして神経を逆撫でするような騒々しいバカリアクションで飾り立てた、毎度のマイケル・ベイ製カラッポ映画。必要なカットが抜けてて、要らないカットがいっぱい入ってるのも毎度おなじみ。ほんの数キロ先に辿り着くだけ、っていうのをクライマックスに据えて延々引っ張って、バカじゃなかろか?って。こんな映画をわざわざ見てる自分っていうのが情けなくて惨めで笑えてきました。まあ、それでも未来の映画小僧を生み出すには必要な存在だとは思います。個人的には「必要悪」だと思ってますけどね・・・。
[映画館(字幕)] 1点(2009-06-28 22:01:13)(良:2票)
4.  トラフィック(2000)
3つの色調で区別されて描かれた3つの物語は、1つ1つを単純に分けて見るとワリと新鮮さのない物語でしかない気がします。でも、麻薬という要素だけで繋がった3つの物語がバラバラに解体され、1本の映画という形で再構築された時、そこに麻薬をめぐる現実が浮かび上がってきます。社会に深く喰い込んだ麻薬というものに対して、楽観でも悲観でもなく、ただ観客に向かって状況を突き付けてみせる映画。キーワードは「子供」。自分じゃない、その子供達の未来にどう落とし前付けるか。その選択を迫られているようです。デル・トロのこってり濃い存在感が目に焼き付く映画でした。
[映画館(字幕)] 7点(2009-06-27 13:49:52)
5.  突入せよ!「あさま山荘」事件
リアルタイムで中継を見た記憶はあまりないのですが(まだ子供でしたしねぇ)、当時この事件が大ゴトだったという記憶はハッキリ残っています。それは山荘の建物を見上げた映像ばかりが記録された世界でしたけれど、その場所で実際に動いていた人達、そこに色々な物語があった事を描いたこの映画、とても興味深く見ました。映画は事件の経緯を殆ど説明せず、起こった事件に対しての警察の対応を描いていて、その混乱ぶりは滑稽でもあり、情けなくもあって、だけど人間臭くて。一方で犯人側については全く語られないワケですけど、別にそこをちっとも見たいとは思わないのは、私が世代的にその人達を理解したくもない状態だからかなぁ。安易に世代論で割り切っちゃうのはいかんですよ、と頭では思ってるんですけどねぇ。デジタル撮りをフィルムに焼いた映像は暗部がごってりとイヤな色の乗り方していて、それが難点と言えば難点でした。
[映画館(邦画)] 8点(2009-06-19 19:56:32)
6.  ドーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
一夜明けると、そこには非日常の世界が広がっていたのでした、という導入部がとっても上手くて、あっという間に映画の世界に誘われてゆきました。でも、さっさとショッピングモールへ行く展開、惨劇が繰り広げられているらしい基地の状況を見せてはくれない状態に、なんだ、製作費足らないのね、ワリとチープだったりするのね、なんて思ったんですが、そうじゃなくて、それは早く閉ざされた世界へ誘うためだったんだな、って後で理解しました。社会との繋がりが断ち切られて孤立してゆく不安感が、躁状態な映像と展開の中にひたひたと染み込んでくる感じが秀逸です。ゾンビという存在そのものが怖いというよりも、コミュニケーションを失った存在になってゆく、というのが怖くて、徐々に失われてゆく仲間という名の希望に、熱い画面とは裏腹な冷たい空虚な気持ちに支配され、見終わってこれが作り物の映画だって事に安心、って感じです。どん詰まりの終末の世界へ向かって疾走するパワフルな悲劇に、意外なくらいに感心しました。ただ、オリジナルとの安易な比較はできません。オリジナルの方は、つい最近見たために、時代性の違いを感じてしまったので、どうしても今のこの時代に語られたこちらの印象が良くなってしまって。映画は作られた時代にリアルタイムに見るのがいちばん、というのを実感させられました。あと、ゾンビものとしては残虐なシーンが少なめ、みたいに言われていたので油断しちゃってたのですが、私にとってはかなりツラい映像いっぱいなのでした。
[映画館(字幕)] 8点(2009-06-14 22:13:34)(良:1票)
7.  トワイライト~初恋~ 《ネタバレ》 
邦題に恥ずかしいオマケが付いちゃってるじゃないですか。~初恋~。やめてくでー。映画そのものの地雷臭を更に彩ってるわぁ、みたいな。で、映画は・・・青いよ。ずーっと画面青いよ。カメラマンの助手がタングステンタイプのフィルムにフィルター忘れちゃったんじゃないかってくらいに青いよ。それはともかく、なんか地雷かと思ったらそうでもなくって、ワリと楽しんでる自分がいて。いやいや、とってもユルくてヌルい映画なんですよね。一体いつになったら物語が展開するの?ってくらいにユルユルな状態が殆どで。ラスト30分くらいだけ、一応バタバタして。青年はつよぽんにウド・キア混ぜたような顔で、いいオトコ・・・かぁ?みたいな(ウド・キア入ってる時点で吸血鬼顔としては合格なんですけどね)。だけど、最近のハリウッドの脂身タップリコッテリクド過ぎ状態とか、エログロに走って汚物をスクリーンにぶちまけてるような感覚のとか、ああいうのにゲンナリした目に、このユルさは心地良いです。悲恋として伝わってこない(ヒロインが「さあ殺せ~、とっとと殺せ~」って状態じゃあねぇ)とか、展開ヘンとか(野球で唐突にクライマックス突入、追う事を楽しむって言いながら卑怯なテでおびき寄せる敵さん、なんやの?)ありますけど、私としては、こんくらいのヌルさが本来のアメリカ娯楽映画(ハリウッド製だと思ってましたが、製作会社、ネバダ州にありますね)の良さだと思ってるんですけどねぇ。スプラッタなし、ホラー要素も殆どない、バンパイアものにつきものな耽美すら微量な安心ラブラブ映画ざんした。
[映画館(字幕)] 6点(2009-04-06 10:47:35)(良:1票)
8.  DRAGONBALL EVOLUTION
鳥山明というと『ドラクエ』や『ブルドラ』等、ゲームのキャラでは今も馴染んでおりますが、マンガは『Dr.スランプ』止まりというか、『ドラゴンボール』は悟空が小さい頃までがせいぜい。延々と続く天下一武闘会とか、死んだ人間が平気であの世とこっちとを行き来してたりとかいう状態になると、全くついて行けなくなったワケで、だから原作に全く思い入れがない分、まだ楽しめるんじゃないかなぁ、と期待しておりました。まあ、結果はほぼ思った通り。ゆる~くそこそこ楽しめるアジアンテイストB級アクション映画、ってところで。ミョーにテクノロジーが進んでるかと思うと学校は現代風だし、日本語を話してる村は弥生時代みたいだし、一体いつの時代よ?みたいなヘンな世界観は、やる気があるんだかないんだか、とにかくツッコミどころ満載って感じですし、地球の危機もへったくれも、具体的な描写がなくて、ごくごく一部の人間が「エラいこっちゃ!」って騒いでるだけなので、なんにも迫ってきません。大体、駆け足でサックリと終わり過ぎ。何しろ映画が始まって1時間15分ほどでエンドクレジット出てきちゃいますから。でも、『ベスト・キッド ファンタジー編』みたいなノリを楽しむが勝ち、ってところですかね。その、イメージを上手くまとめる力がないために、色々な素材が調和せずにごろごろ溢れ出てます、ってカオスっぷりがいっそ楽しいや。個人的には最初の方で関めぐみが出てきた時点でさっさと全肯定!ってカンジですが・・・
[映画館(字幕)] 6点(2009-03-15 17:13:15)(良:1票)
9.  とかげの可愛い嘘 《ネタバレ》 
前半笑わせ、後半泣かせの毎度の韓国恋愛映画フォーマット。いい加減飽きるわ!ってところですが、あの手この手で料理法を変えてくるので、なんとなく楽しめてしまうのですよね。でも、冒頭の子供映画風、前半の『アメリ』風な物語がそれぞれ楽しかったので、もうそこだけで映画作ってくれればいいんですけど。HIV感染のお話、という種あかしが登場した時点で全てがばーっと見えてしまって、映画の底と限界が露わになって、あとは消化試合状態になってしまうのが残念です。境界を越えてしまった事で訪れた出会いと喜劇と悲劇の物語は、全編に渡って人と人とを隔てるものとして象徴的に境界が描かれてゆきますが、そんな凝った作りも、辿り着く世界が当たり前の場所ではもったいないなぁ、って感じがします。いっその事、『ドリームキャッチャー』『フォーガットン』くらいのトンデモ系に走っちゃった方がスッキリするんですけどね・・・ダメか・・・。
[DVD(字幕)] 6点(2008-01-29 20:14:30)
10.  トランスフォーマー
中学生なら楽しめるんだろうなぁ、と思いつつ、じゃあ自分が中学時代にコレ見たら、本当に楽しかったか?っていうと多分あんまり楽しめてないだろうなぁ、なんて。自分には徹底的にマイケル・ベイマインドが欠けてるようで。例によって物語に大して重要でないエピソード、ちっとも役に立ってないキャラクターが大量動員されていて、いい加減ウンザリゲンナリ。前半1時間くらいで飽きました。予告で見た時には、『トランスフォーマー』とは名ばかりの、メカ生命体侵略話か?って感じでワクワクしたんですが、蓋を開けてみれば、きっちり『トランスフォーマー』だったりして、ファミコン版のコンボイの謎って結局何が謎だったんだろうねぇ?なんてどうでもいい事を思いながら見てました。なんだかカメラワークで誤魔化されてるようなバトルシーンと、繋がってないカットで(この映画にはモンタージュ理論って言葉はないのきゃ?)、映画に集中しろ、って方が無理な状態で。シネスコ、DTS、THXってせっかくのステキな環境で見てる事も、どうでも良くなっちゃった。メカメカしいモノがガチャガチャ動いたりぶつかったりしてる感覚は面白かったです。それもあんまりクドイと煩わしいですけどね・・・。
[映画館(字幕)] 4点(2007-09-01 18:14:54)
11.  ドリームガールズ(2006)
私は昔から「シュープリームスよりはスリーディグリーズ」ではありましたけど、眩い歌の世界は最初から鳥肌モノでしたね。もう冒頭の世界だけで描いてくれればそれで充分、物語とかいらない、とか思っちゃいました。まあ、そうはいかないでしょうから、成功とそこから生まれる影のドラマが描かれてゆく訳ですが、その部分はどうも今ひとつピンと来なかったかなぁ。散文調で一本芯を通す部分がなくて、それは舞台のミュージカルのスタイルにはありがちなのですが、映画としては脚本に芯を与えて流れを作って欲しかったな、と。観客に注目ポイントの選択肢のある舞台と違って映画って決まった映像だけをキッチリ見せるものですから、案内役不在だと意識が映画から離れる瞬間が生まれてしまって。でも、ソウルって何よ?ファミリーとかブラザーとか言うけど、言葉に縛られてるばかりじゃないの?っていう、内省的な意識は、ちょっとグッと来ました。劇場の音響が少々過剰気味な上に、ちょっと盛り上げ過ぎじゃない?って曲が多くて、最後にはぐったりって感がなきにしもあらずでしたが・・・。
[映画館(字幕)] 7点(2007-03-03 21:52:13)
12.  どろろ 《ネタバレ》 
品揃えだけはたっぷりの、大して美味しくない和・洋・中・デザートごっちゃなバイキング料理みたいな映画でした。一応時代劇なハズですが、ベリーダンス出てきたり(髪形がモロに現代風)、香港映画風だったり、西部劇風だったり、CGバトル炸裂だったり、とにかくいろいろやりたくて、でもやったはいいけどまとまってない、って。まあ『タオの月』とか『さくや妖怪伝』とか『SHINOBI』とかいったインチキ時代劇と同じようなカラーの世界ではあります。半端にギャグ入れてみたり、唐突にそこだけ変形ワイプ入れたり、その場で思いついたような、映画の流れを無視するようなゴチャゴチャさ加減にはちょいと辟易。失速して後半ダレますしね。CGなんかモノによっては未だにモーションブラー入れてなくてパタパタ動いてたりしますし、途中のダイジェスト展開な妖怪退治シーンは下手すると『ウルトラファイト』並の映像を見せられたりもしますし。第一、あのダイジェストシーンでドラマが切れてしまうので、テンション下がっちゃうんですよね。それでもなんとなく楽しめてしまったのはどろろの存在かなぁ。柴咲コウ自身は役に合ってるとは思えない気がしてならなかったんですが、それでもどろろのドラマ部分に関しては楽しめたって感じ。加工し過ぎな画調やら、バラバラ好き勝手に見える脚本や演出やらを、コウちゃんが合わないなりに頑張って補ってました、みたいな、ちょっと同情点入れたいような映画でした。
[映画館(邦画)] 5点(2007-01-27 17:49:07)
13.  トンマッコルへようこそ 《ネタバレ》 
迫力のある戦闘シーンの一方で、基本はあくまでファンタジー。久石譲の音楽もあってか、宮崎アニメのような世界ではありました(明らかな影響も感じます)。朝鮮戦争の中、戦争が起こっていることすら知らない平和でのどかな村を訪れた北の兵士、南の兵士、アメリカの兵士。ここには戦争によって営みを踏み躙られてゆく人々の姿があります。戦争は人が始めるものですが、全ての人々の意思によって起こるものではなく、平和に暮らす人々も、また徴用によって戦場に駆り出されてゆく人々も、必ずしも戦いを望んでいる訳ではない、そんな事を思いながら見ていました。人が本当に守るべきものって、なんなのでしょう? 戦争であれ紛争であれ、国家や民族、思想で十把一絡げに捉えて、そこに生きる人間を見ないのは思考停止状態に他なりません。朝鮮戦争が半島の人々に与えた傷、それはこの映画に限らず、多くの韓国映画に今も色濃く表れています。敗戦国であるこの国におけるアメリカの存在とはまた違った在り方をしている韓国でのアメリカの位置を踏まえて見ることもまた重要なポイントですね。今や日本では声高に反戦を叫ぶ事すら憚れるような風潮がありますが、これはバリバリの反戦映画、国を愛するっていうのがどういう事なのか、っていうのはこういうところから見えてくるんではないかなぁ。
[映画館(字幕)] 8点(2006-10-28 20:50:59)(良:1票)
14.  東京ゾンビ 《ネタバレ》 
前半が「ゾンビ」「ショーン・オブ・ザ・デッド」で後半が「ランド・オブ・ザ・デッド」に「マッスルヒート」を混ぜたような映画でした。でも原作は「ランド~」よりも先なんですよね。「マッスルヒート」は脚本書いた人が同じなので納得ですが。ゾンビものとしてはゆる~いカンジですね。ゆる~いキモチで見てください、って作りですし。でも、画面の作りそのものまでゆるくなってしまってるのはダメかなぁ。ちょっと今のNGじゃない?みたいな映像が結構あって。ゆる~い気分を与えるのに、現場までユルくなっちゃダメなんでないの?と。アフロ浅野とハゲ哀川コンビが楽しくて、だから前半は楽しめましたが、後半に入るといかんせん「マッスルヒート」のイタさと同じだなぁ、と。それに、非常識が常識な世界の物語なので、何が起こってもバカ映画モードな心は動きゃしませんし。むしろシリアスになられると違和感、みたいな感じで。それにしても、思い込み哀川の伏線が最後にあんな風に生きてくるとは思いませんでした。ああいうバカさでもっと全編が彩られてたら最高だったんですけどね。
[DVD(邦画)] 6点(2006-10-13 23:43:43)(良:1票)
15.  ドラッグストア・ガール 《ネタバレ》 
なんだかかなりメチャクチャな映画で、予想される展開がどんどんと裏切られてヘンな方へ向かって行く、って感じでした。失恋した田中麗奈とドラッグストアがどう絡んでくるのかな?と思うと、そこはあんまり重要じゃなくって、オヤジ達のラクロス話がメインになっていって。でも、オヤジ達がみんな頑張って感動的なクライマックスを迎える!ってワケでもなくって、基本は延々とバカ映画。オヤジ達がみんなヘンですけど、そもそも田中麗奈ですら、ヘンなキャラですもんね。なんでオヤジ達につきあってんの?みたいな(テレビのインタビューで「見返してやるため」って宣言しますけど、それだって、映画において大した扱いになってませんし)。あれこれといろんな要素が散りばめられてゆきながら、いちいち放り出しっぱなしだったりして(学校とクラブとバイトとチームと一体どうかけもちしてんの?とか、町おこしどうなったのよ?とか、主人を失ったパン屋はどうなったの?とか、元カレあれでおしまい?とか)、かなりいい加減な映画。だけど、バカで軽いノリを単純に楽しんでいれば十分、情感もドラマもへったくれも必要なし、っていう映画なので、細かいツッコミは野暮ってモンですね。もう少し演出とカメラと編集にキレがあれば良かったんですけどね。後半息切れしちゃったような感じがしました。でも結構笑えたんで(体ガタガタな状態で始まるキャバレーのサービスタイムにオヤジ一同悶絶!ってシーンで大笑い)この点数。
[DVD(邦画)] 7点(2006-09-16 00:45:31)
16.  とらばいゆ
wunderlichさまがご指摘の通り、見ていて「ああ、これは小津映画の世界だなぁ」と思いました。いちいちお好み焼き屋を営む実家に帰るあたりは『早春』かな。元ネタの方はおでん屋でしたが。ご丁寧に「ダンナに持って帰りな」って部分も入ってますし。小津映画との大きな違いと言えば、男側が『お茶漬の味』の佐分利信とは違って広い心と言うよりは気が弱いので耐え忍んでおります、ってカンジなところですか。『お茶漬の味』のレビューで書いたように、登場人物がキャンキャンと価値観を押し付ける状態だったりもするのが現代的だったりもして。でも、時代が変わっても結局のところは同じ場所に落ち着くのですね。カメラが落ち着きなくくるくる動くのがちょっと煩わしく、でも、最初の方で3人対1人を交互にパンして瀬戸朝香が芋けんぴをがしがし食べながら「ケッ!」と言うあたりはイイ感じ。大笑いではないけれど、くすっと笑えるようなエピソードが並んでいるのが楽しく、ただ、登場人物全てに画面で見えている以上の奥行きはまるっきり感じられないって点では、まあ軽い映画ではありました。将棋が姉妹にとってどれだけ大切なものなのか、セリフで伝わってくるもの以上の大きさは感じられなかったのが残念。
[DVD(邦画)] 6点(2006-08-24 00:37:10)
17.  時をかける少女(2006) 《ネタバレ》 
原作タイトル「時をかける少女」の「かける」は「翔ける」のか「駆ける」のかはたまた「架ける」のか?って解釈は色々できそうですが、今回は見事に「駆けて、翔ける」で勝負に出ました。巻き込まれるように受動的に時をかけていた芳山和子さんと違い、今度のヒロイン真琴は積極的に時を翔けてゆきます。最初はひたすらいたずらに浪費しますが(プリンのために何度も、なんて・・・)、やがて大切なものを守るため、貴重な時間を守るため・・・。若さ、青春、恋、そういう気恥ずかしさを覚えるキーワードが、もう真っ直ぐに突っ走ってスクリーンに叩きつけられ、一度だけの若い日々の時間を大切にしようね、ってメッセージがなんの抵抗もなくストレートに素直に爽やかに、こちらに入ってきます。作画、声、美術、音楽、そして演出の、なんて見事なハーモニー。アニメならではのスピード感と表現の豊かさに溢れ、コミカルで弾んでてパワフルで、そして別離のあとのラストシーンすらもキーワードになっている無限の空を見上げてあくまで前向き。大林監督版のしっとりとした切ない物語とは、同じ原作を起点にしながら全く違った世界になっているのですが(唯一、実験室に入る1カットだけが、大林監督版とそっくりだったりして、オマージュ?って思いました)、私の中で「安易に他を認めてたまるか」くらいに神格化された大林監督版を凌駕してしまうくらいに大好きな映画になりました。最近不幸な生い立ちのアニメ映画を何本か見たので、見事に幸福な成立の仕方をしているこの作品を見て、心が浄化されるようですらありました。
[映画館(邦画)] 10点(2006-08-07 00:05:10)(良:4票)
18.  トレジャー・プラネット
最近のディズニーアニメ(ピクサーを除く)は安易な感情移入を拒むかのようなキャラクター設定をしているような気がして仕方ありません。てか、主人公を始めとして見ていてウザいキャラが多すぎ・・・。生身の人間ならば伝わってくる感情も、アニメの単純な表現では単なるイライラ小僧だったり、単細胞的に気分が変わる悪人だったり。主人公の成長物語だけに絞った事で、物語にゆとりがなくなり、入り込めないとひたすらツラい、という映画になってしまっていると思います。ヒロインとなる存在くらい設定すれば良かったのに。「宝島」を「スター・ウォーズ」風に描いてみました、ってところから生じる安易なデザインや視覚効果や展開が、ディズニーアニメ部門の混迷を感じさせて、その末路を知っているだけに複雑な気持ち。第一、この規模のアニメ映画を作るのに、一体どれだけのスタッフを動員してどれだけの製作費をかけているのよ?と。一から十まで日本のアニメに学べ、とは思いませんけど(テレビで垂れ流されている記号化されたアニメとか、アニメーターの安い賃金と過酷な労働時間を考えたら、日本のアニメだって改善されなくちゃいけない事はいっぱいあります)、この映画の数分の一の規模で製作されている日本製のアニメが、なんで世界で支持されているのか、なんでアニメーションにおけるディズニーブランドが失墜してしまったのかを研究して、再び世界のディズニーアニメを復興させて頂きたいと切に願います。あ、もちろんディズニー製萌えアニメ作れ!ってワケじゃないですよ。
[DVD(字幕)] 4点(2006-07-26 00:16:32)
19.  東京ゴッドファーザーズ
アニメの力、ってヤツがすっごい実感できるんですよね、この監督の映画って。「PERFECT BLUE」では作画力の問題でソレがいまひとつ感じられなかったんですけど、「千年女優」とこの映画は、なんつーか凄いなぁ、って。3作品、どれも実写的なのですが、じゃあ実写で成立するか、っていうとムリで、アニメだからこその世界だと思います。今作はもし実写でやっちゃうと、ひたすら偶然が生み出す奇跡がインチキ臭くて仕方なくなりますもんね。リアリズムとデフォルメの程よいバランスが、心地良い時間をもたらしてくれています。これって、脚本段階にしろ、作画段階にしろ、アフレコ段階にしろ、少しでもバランスを崩すと、たちまちのうちに「実写の代用物」か「そこら辺にゴロゴロ溢れてる系絵空事アニメ」かのどちらかに転がると思うんです。その、危うい中間のところでちょうどいいキャラクターとちょうどいい物語とちょうどいい世界が出来上がってる、そんな感じ。もちろん、確かな作画と多彩な表現で昔から定評のあるマッドハウスの力によるところも大きいのですが。東京の街は実際に絵として切り取ると、必ずしも東京らしさが伝わらなかったりするものですが(生身が感じる東京は写真で捉える東京とはまた別ですから)、あくまで写実的なディティールの細かさとアニメ的色調や構図の強調とで上手く東京の空気を伝えているなぁ、と感心します(雪に埋まった灰色の東京なんて、そうそうこんな感じ、って)。アニメだからこそ描けるもの、アニメでは描けないもの、アニメにしか描けないもの。この映画はそれを弁えているからこそ辿り着けた世界だと思います。
[DVD(邦画)] 9点(2006-07-14 01:56:36)(良:1票)
20.  トゥームレイダー
実写でララ・クロフトを再現、という点では合格ですが(いや、本来のララ・クロフトはあんなに肉感的じゃないですが)、映画は随分遅れて出てきた「インディ・ジョーンズ」の亜流、って感じで楽しめませんでした。元のゲームが「インディ」ノリなワケですから、まあ、そうなっちゃうのも判るんですが、この映画は、あんまり「インディ」にもゲームにも敬意を払ってない気がします。CGだけが今風で、あとは古臭いB級冒険映画の世界。ゲームのファンを納得させるショットの1つくらい入れてもバチは当たんないよ、って思いました。ララの後ろからステディカムで一緒になって遺跡を走るくらいのノリが欲しかったですね。
[映画館(字幕)] 4点(2005-04-17 02:37:58)
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