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1.  波の数だけ抱きしめて 《ネタバレ》 
意外に堪能させてもらいました。終始浮わついた雰囲気ながら、あり得ないほどではなく、広告研究会とかの一部のチャラい学生ならこれぐらいのことはしていたかもしれないなという感じ。 それに、せつなさとかほろ苦さを味わわせてくれるところがいい。何もかもうまく行ったら、面白くないですからね。 そしてラストシーンが印象的。時代はバブル崩壊直後あたりに戻り、彼らは過去に踏ん切りをつけるように浜辺を歩き始めるわけですが、まさかこの先に「失われた30年」が待っているとは思ってもいないでしょう。もう若さとともに、浮わついた日々も二度と戻ってこないんだよということを、彼らに教えてあげたいような、教えたくないような。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-03-05 02:13:15)
2.  ナイト・オン・ザ・プラネット
特に大事件が起きるわけではなく(1人を除いて)、市井の人々の些細な日常を切り取っただけですが、妙に共感するばかり。たしかに世の中にトム・クルーズやディカプリオのような人生を歩む人はごくごく少数で、圧倒的多数は小さなことで笑ったり怒ったりしているわけで。そんなことをしみじみ感じさせてくれました。 全編に共通するのはタバコ。あの狭い空間であれだけ吸われると、さぞかし煙たかろうと。しかしそれによって、車内の一体感というか、運命共同体的な印象を強めているのかもしれません。 個人的に好きなのはニューヨーク編かな。かのドライバー氏、後のドラマ「ブレイキング・バッド」における麻薬王氏だったんですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-02-20 23:32:06)
3.  NINE(2009) 《ネタバレ》 
やたら豪華な女優陣。しかし話の意図がよくわからず。映画監督というのは大変な仕事なんだぞ、と言いたいだけ? なんだか楽屋オチというか、傷の舐め合いというか、手前ミソというか、自己顕示欲の爆発というか。他のどんな職業でもいいのですが、映画監督が主人公の映画だけはちょっと違う気がします。 まあダニエル・デイ=ルイス扮する〝巨匠〟はいろいろ苦悩していたようですが、あれだけ大物女優に囲まれていたら、トータルでプラスでしょう。それから唐突にハッピーエンドで終わるのも戸惑うばかり。「NINE」の意味も不明。思いっきりショートカットされている感じ。所詮ミュージカルなんてこんなもの、歌と踊りがあればOK、と思って見ればいいのかな。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2022-07-13 02:37:49)
4.  ナイトクローラー 《ネタバレ》 
これは傑作。とにもかくにも、ジェイク・ギレンホールの病的に鋭い目つきがいい。この目力がすべてを物語っている感じ。 どうしても実際のニュース番組と比較して見てしまいますが、当たらずとも遠からずではないかなと。ある意味で主人公ほど〝ガッツ〟のある人間は現実には少ないかもしれませんが、モラルのぶっ壊れ具合はよく似ている気がします。むしろ主人公は、多少の演出を加えつつも基本的に現場を追うことにこだわったわけで、薄っぺらなイデオロギーを振りかざしたり、そのために事実を捻じ曲げたり捏造したりはしていません。その意味では、よほどジャーナリストとしての矜持を守っていたと言えなくもありません。 ただし、主人公のモチベーションがカネなのか、名誉なのか、承認欲求なのか、今ひとつ判然とせず。また、主人公にもテレビ局にもいつか〝神の鉄槌〟が下されるだろうと期待していたのですが、それもなし。より過激なニュースをエンタメ感覚で求める視聴者の1人として、こちらまで共犯者になったような後味の悪さを残して終わるわけですが、それもまた一興でしょう。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-12-26 02:44:06)
5.  ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
ダニエル・クレイグもアナ・デ・アルマスも老けたなあというのが最初の印象。特にダニエル・クレイグなんてお爺ちゃんじゃないですか。「007」引退もやむなしという感じ。 それはともかく、きわめて上質なサスペンスでした。とりわけ面白いのが〝格差問題〟の描き方。最初はみんな優しかったのに、立場が逆転して以降急に態度が変わるというのが、なんともリアルというかえげつないというか。というわけで、皮肉混じりの(というか皮肉しかない)最後のワンシーンがけっこう好きです。アナ・デ・アルマスは老けたけど、セクシー系を脱していい女優さんになりそう。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-12-15 23:15:13)
6.  ナイスガイズ!
恥ずかしながら、この作品の舞台が1970年代だと気づいたのは、終盤の自動車ショーの映像が流れてから。それまでさんざん見てきたはずのクルマも、服装も、家やホテルの調度品等もたしかにレトロな感じだったのに、勝手に21世紀の話だと思い込んでいました。もっと早く気づいていれば、見方は変わったかも。 それはともかく、どこまでもマヌケなライアン・ゴズリングがいい感じ。終盤はいろいろゴチャついていますが、笑えたので問題なし。できればこのコンビの続編を期待したいところですが、すでに5年を経過してそういう話を聞かないところを見ると、興行的にはダメだったのかな。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-05 03:24:49)
7.  七つの会議
日本人が現代の日本企業を舞台にして作っているはずですが、すごい違和感。日本のことをよく知らない外国人が、バブル全盛期の「ライジング・サン」のイメージだけで「日本のカイシャなんてこんなもんだろ」と勝手に創作している感じ。もちろんいろいろデフォルメしているのはわかりますが、人物もセリフもみんな安っぽいんですよねぇ。私も長く日本人をやっておりますが、こんな奴らは見たことねえぞと。 見どころといえば、歌舞伎vs狂言のオーバーアクション合戦といったところでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2021-04-03 00:44:46)
8.  ナイト&デイ
トム・クルーズとか、キャメロン・ディアスとか、アクションとか、サスペンスとか、コメディといったキーワードをAIにインプットしたら、一瞬でアウトプットしてくれそうな作品。少し長めで緩めなジェットコースターに乗っている感じというか、まあつまらなくはないがこんなもんだろうと。降りた瞬間には忘れそう。 唯一面白かったのが「永久電池」とかいういうやつ。いかにもフィクションなシロモノですが、しっかり現実を見据えて〝処理〟してくれたあたりに、ささやかな良心を感じました。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-02-18 01:51:11)
9.  眺めのいい部屋
最初から最後まで違和感だらけ。なぜなら、登場人物ほぼ全員が推定無職だから。ブルジョアジーという設定なのかもしれませんが、いい若い者が日がな1日ピアノを弾いたり、テニスに興じたり、ピクニックに出かけたり、読書三昧だったり、水浴びしてはしゃいだり。他にやることはないのかと。いい大人なんだから働けよと。 願わくば、登場人物全員をそのへんの物流倉庫にでも送り込み、終日私語厳禁で働かせてみたい。結婚相手を決めるのは、その様子を見てからでも遅くないと思いますけどね。
[映画館(字幕)] 3点(2018-07-20 01:47:58)
10.  ナイト・アンド・ザ・シティ
デ・ニーロが演じている役、どこかで見覚えがあるなと思ったら、植木等の演じる無責任男でした。いずれも口先ばかり達者なお調子者。まったく共感できないし、かといって憎たらしいと思うほどでもない。要するに魅力がないんだと思います。それでも主人公になってしまうのですから、世の中は不思議です。 もっとも、植木等は何をやってもスイスイとうまく行ってしまうのに、デ・ニーロは何をやってもうまく行きません。まあ自業自得という話なのですが、鑑賞に堪えるという意味では、圧倒的に後者でしょう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-08 02:01:13)
11.  永い言い訳
久しぶりに大人な日本映画を見た気がします。冒頭の事故を除いて大きな事件が起きるわけではないし、派手なスーパーマンも登場しないし、「これでもか」と言わんばかりに有名な役者を揃えているわけでもありません。あくまでも、主人公の微妙な心象の変化を丁寧に描いているだけですが、それが心地いい。それに主人公とは対照的な、竹原ピストルの無骨な存在感が際立っています。私小説的な映画、といったところでしょうか。 しかし公開当時、けっこう宣伝していたと思うのですが、ここのレビュー数が少ないのは意外。
[インターネット(邦画)] 8点(2017-12-29 23:14:48)
12.  ナイル殺人事件(1978)
最初のうちは、バタバタと登場する人物の名前と関係性を把握するだけで手一杯。見覚えのある役者はジョージ・ケネディとオリビア・ハッセーぐらいなので、けっこう焦りました。 で、気づいたら濃いキャラの客たちが絶妙な規模の客船に乗っていたわけですが、いかにも芝居がかっていていい感じ。しばし現実から逃避して、一緒にクルージングを楽しんでいるような気分に浸れます。一連の殺人事件は、濃いキャラ一座による余興といったところでしょうか。 というわけで、エンディングを見ながら久しぶりに一抹の寂しさを覚えました。もう下船させられるのかと。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2017-06-07 02:18:24)
13.  ナバロンの要塞
文句なく傑作でしょう。さすがに「ジェットコースタームービー」とまでは行かないまでも、「スプラッシュマウンテン」ぐらいのドキドキ感はありました。「プライベートライアン」の前哨という感じですかね。敵陣ど真ん中を舞台としながら色恋沙汰(プラス裏切り)まで盛り込むあたり、なかなかエンタテイメントしてます。けっして策に溺れない策士G・ペックがいささか鼻につきますが。 
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-07-24 20:21:06)
14.  なごり雪
強引な舞台設定(「なごり雪」といえば、やっぱり舞台は東京でしょ)、あまりにもクサいセリフ(聞いているほうが恥ずかしくなってくるのはナゼでしょうか)もさることながら、最大の感想は「ヒロインを安易に殺すなよ」ということ。この映画に限らず、最近よくありますが、主役級の登場人物を簡単に死に追いやって観客の涙を誘うというのは、下品で安っぽい演出だと思います。人が死んで哀しいのは当たり前。生かしてなお、人の魂を揺さぶるような作品に仕上げてほしかった。特に多くの人が何らかの思い入れを持っているであろう名曲「なごり雪」がテーマなだけに、残念です。
[地上波(字幕)] 3点(2005-12-03 15:16:11)
15.  ナチュラル
「ピーナッツ」のチャーリー・ブラウンが「この映画のラストにはいつも泣かされる」と言っていたので、観てみました。泣きはしませんでしたが、そこそこいい映画だと思います。恐らくロイ・ホブスは米人にとって伝説上の人物でなのでしょう。そういう予備知識やリスペクトがあれば、きっともっと楽しめたと思います。ある種のファンタジーですから、オーバーな演出も気になりません。ただ唯一、R・レッドフォードがどうしてもメジャーリーガーには見えませんが…。
[DVD(字幕)] 7点(2005-04-09 02:38:03)
16.  ナインスゲート 《ネタバレ》 
雰囲気はいいよね。J・デップのキャラも好き。でも、オチでがっかり。おそらく万人が途中から薄々気づく結末ですよね。あまりのヒネリのなさに、唖然としてしまいました。そしてもう一つ、最初の殺人の動機と経緯がよくわからん。古本屋の兄ちゃんを殺したのは誰?、何のため? そしてなぜあんな晒し方? 私が見逃しただけかもしれないので、わかる方はご教授くださいませ。
5点(2004-07-04 16:24:59)
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