1. ホテル・エルロワイヤル
《ネタバレ》 マジックミラーで客室が覗ける怪しいホテルが舞台。そのホテルに居合わせた、ワケありの客たちのあるひと晩が描かれる。ベトナム戦争が泥沼化したニクソン政権時代が背景にあるのがミソなのだろうけど、捜査官の男性があっさり殺されてしまい、盗撮云々のくだりは伏線がうまく回収できていないような。登場人物一人ひとりの背景を過去に遡る展開も、意外性に乏しい。人物紹介が後半まで続くことで物語のメリハリがなくなってしまい、冗長な印象になる。後半に期待したドンデン返しはなく、配役がいいだけに少しもったいない仕上がりの作品。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-07-16 08:45:48) |
2. ボヘミアン・ラプソディ
《ネタバレ》 前半は凡庸、後半は魅力大。この作品、ストーリーの主軸が結構ボケている。「Ray/レイ」のような一人の天才的ミュージシャンの人生を描くなら、この傑作たるお手本に倣ってもう少しフレディ・マーキュリーの生い立ちとその人生を深く語ることができただろう。しかし、その一方で「ジャージー・ボーイズ」で主体であった音楽グループとしての家族関係も盛り込んでいる。そのためか、前半は展開が駆け足すぎて、ドラマ映画としては物語を十分に語りきれず、焦点がボケている。しかし後半、フレディが自己の破滅と原点への回帰に至るシークエンスは魅入られる。この王道の展開こそ、クイーンの名曲に見事マッチして、現代に受けてヒットした要因なのであろう。ある時代の若者たちを熱狂させたクイーンが、現代に小さな鬱憤を抱いて映画館に出向いた観客がたちと融合して、2時間で経験したあれこれ全てがライブエイドのシーンに集約し、「昇華」する。これら全てのプロットに、映画としての魅力を感じざるを得ない。 [映画館(字幕)] 7点(2018-12-15 23:42:44)(良:1票) |
3. ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ
《ネタバレ》 監督は交代したが脚本は続投なので、前作の圧倒的な緊張感と息苦しさは引き継がれている。傍観者的主人公の目線を意識した前作から一転、今回はベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンが物語の中心だ。前半はアクションが大半を占めるが、後半は情と裏切りの間で選択を迫られる彼らの人間ドラマがサスペンスたっぷりに描かれる。今作では、聾の人物や少女との触れ合いを通してデル・トロの内面も描かれている。彼の背景を掘り下げた意味は、終盤の展開に大きく効いてくる。期待に沿う続編になっていた。 [映画館(字幕)] 8点(2018-11-24 10:15:44) |
4. ボーダーライン(2015)
《ネタバレ》 乾いた映像と重厚なサウンドによる緊張感が全編にみなぎる。特に、前半のフアレス往復シーンは圧倒的。麻薬絡みの捜査にエミリー・ブラントが加わって鍛えられる映画かと思っていたが、そうではない。主人公はジョシュ・ブローリンをリーダーとして展開されるカルテル弱体化作戦に付いていくだけ。理由は後半で明かされるが、主人公の傍観者としての視点は麻薬闘争の陰湿さと恐ろしさを観客に問題提起しやすくしている。そして、なんといっても映画の核はベニチオ・デル・トロ。終盤まで彼の目的と正体は明かされないが、その不気味さ、威圧感、哀愁、そして一瞬だけ見せる優しさはスクリーンにいるだけで惹きつけられる。久々の重要ロールで、デル・トロの存在感が際立つ。社会問題を下地にエンターテイメント性もたっぷりの良作だ。 [映画館(字幕)] 8点(2016-04-10 12:41:33)(良:2票) |
5. ホビット/竜に奪われた王国
《ネタバレ》 1作目はLOTRとは異なる雰囲気ながらも、登場キャラクターの多彩さで楽しめたのですが、2作目の本作は話がなかなか進まず少し残念な仕上がり。特に、ドラゴンとのやりとりが長い。キャラクターの描き方も、アクション重視なのだと思いますが、LOTRに比べて薄く感情移入しにくいです。エド・シーラン唄うエンディングの“I See Fire”が良く、救われました。3作目に期待。 [映画館(字幕)] 5点(2014-03-13 07:45:47) |
6. ホワイトハウス・ダウン
《ネタバレ》 ストーリーはまったく「ダイ・ハード」1作目。主演の2人は息が合っていてよかった。敵側の動機がいまいちハッキリしないのが難点。金か、復讐か、もう少しハッキリさせた方がいい。こういう映画は悪役がアクション演出より大事ですから。そして、ジェームズ・ウッズだと、いかにもワルすぎて工夫がないです。 [映画館(字幕)] 7点(2013-09-01 20:12:06) |
7. ホビット/思いがけない冒険
『ロード・オブ・ザ・リング』3部作に比べ感情移入しにくかった。それは、主登場人物がホビット、ドワーフたちとガンダルフであり、人間でないからだと思う。『LOTR』では、指輪がもつ魔力の誘惑や、権力やプライドに固執する人間性がうまくドラマ部分に取り入れられていた。今作ではそのドラマ部分が弱まっている。その反面、『LOTR』の世界観はよりスケールを増して継続され、トロルやゴブリンなど人間以外のキャラクター造形に力が入れられている。なお、3D映画はすぐ目が疲れるのだけど、3時間の本作ではあまり疲れず目に優しい3Dでした。 [映画館(字幕)] 8点(2012-12-16 14:32:35) |
8. ボビーZ
《ネタバレ》 ポール・ウォーカーに魅力を感じて楽しめるかどうかという作品。別人になりすます緊迫感を感じないので、どうも軽くなってしまっています。 [DVD(字幕)] 5点(2008-08-30 22:20:26) |
9. ボーン・アルティメイタム
ドキュメンタリー風のアクション作りがこの映画の魅力ですね。迫力と緊迫感があって、最後まで楽しめます。今回は配役も豪華でした。 [映画館(字幕)] 7点(2007-12-06 10:00:19) |
10. ホワット・ライズ・ビニース
《ネタバレ》 後半はおもしろかったですが、前半は伏線にもなってない話が続き、拍子抜けでした。ミシェル・ファイファーは適役でしたが、意外な素顔を現す夫がハリソン・フォードである必要があったのかどうか疑問です。2人のおかげで、飽きることなく見れたのではありますが。 [DVD(字幕)] 6点(2007-11-19 10:17:18) |
11. ボルベール/帰郷
「トーク・トゥ・ハー」「バッド・エデュケーション」とシリアスドラマの続いたアルモドバル映画ですが、今作はかつてのユーモアが戻ってきた感じです。殺人、近親相姦、死とテーマは重いですが、その中で生きる女性たちが笑いを忘れないところに強さを感じ、元気をもらいますね。ペルロペの美しさも光っています。 [映画館(字幕)] 9点(2007-07-25 09:54:53) |