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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2018
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 
これは凄い。2から三十余年、こんなに見事に甦ったマッドマックスを観られるとは思ってもみなかった。(3は脳内からdeleteした) マッドマックスといえば、世界観を支える美意識、ワタシ的にはここが一番大事なのだけど果てなく広がる荒涼たる大地と青い空は健在で、そこをゆく生き物のようなマシン群は過去作より一段ギアが上がってより洗練され、アイディアも満載だ。 モヒカンは絶滅しても、人間の生き血をハイオクと称する白塗り集団は充分にイカレているし、特に車輌フロント部で狂気の仕事ぶりを発揮する真っ赤なギタリスト、あいつには狂人No.1の称号を授けたい。 全編に亘って細かいことは問答無用の姿勢を貫き、人物の背景などはほぼ説明無し。実に潔い。 だけど、すごいのは綿々と説明せずとも各キャラがはっきり立っていることだと思うのよ。人物らはおおむねイカレているが、演出は非常にクレバーだ。妻たちは美的なアクセントになってはいるけど、自らの意志を持って闘う存在だ。疾走するマシンから臨月の腹をさらしてジョーに三行半を突きつけるスプレンディッドはすごくかっこ良かった。「悪者」の側出身ながら、実に丁寧に描かれるニュークス。異色なことだ。洗脳されてたウォーボーイ、だけど女に惚れて、人生で初めて信頼を寄せられたことで実にフレキシブルにこちら側につく。中2心理を体現したかのような和みキャラであった。そしてフュリオサ。台詞は少ないけれど彼女の思慮深さはあちこちに散見する。マックスの人物を見抜き、信頼が置けると判断してクルマをまかせる。一匹狼だったマックスは容易に警戒を解かず、車内のあちこちから隠し銃器を片っ端から集めるのだけど、フュリオサは煩わしそうにするだけで、するにまかせる。この場面、フュリオサの方がマックスより少し余裕があることを感じさせるワンシーン。大好きだ。 そしてトム・ハーディ。「裏切りのサーカス」では若さが浮かないように頑張っていた彼が、こんなに渋く成長していてワタシは嬉しい。そりゃかつてのメル・ギブソンのような華のあるタイプではないけれど、武骨で男っぽくて新生マッドマックスにぴったりだったと思うな。 企画として持ち込まれた時点では「この脚本、2と同じじゃないの?」とエライ人たちは思ったかも。にも関わらず大金を出した映画会社は偉い。
[DVD(字幕)] 10点(2016-06-20 23:54:53)(良:3票)
2.  万引き家族 《ネタバレ》 
血のつながりってなんだろうね。6人とも全員が血縁の無かった擬似家族。でも、互いを思いやる気持ちが各々にあって、人間のコロニーとしては理想的だったと思う。 この家族、存続してはダメですか。そりゃオヤジが頼りないとか色々突っ込みどころはあるけれど。昨今の児相の機能不全を考えると虐待されてる子を攫ってきて勝手に保護するのはもうアリなんじゃないのかな。社会全体で認めてしまえばいいのに。そして家庭教育の至らなさがあれば、柄本明のような近所のオヤジがびしっと諭してくれる、そんな社会の方が好きだ。 でも現実は、嘘家族は解体で上の子は施設行き、幼い子は虐待親の元へ戻される。先入観から一歩も出ない意地悪婦警に信代が詰問されてる時、ワタシも信代と一緒に泣いた。悔しくて。「(子供は)あなたのことをお母さんと呼びましたか?」そんなこと言うな。実母なんかより、よっぽど母親だったんだ。 今作は、邦画でも最高峰の演技を見られる作品でもあります。樹木希林の初枝婆ちゃんはアッパレなまでに食えない存在でした。孫娘(擬似)の水着はせっせと試着させたうえ万引き(!)、パチンコ屋で隣のドル箱をつらっとガメて、さらには夫を略奪した家庭(一世代下だけど)へ温厚カツアゲ。まさに年季入り、奥が深い。希林さんを失った喪失感はハンパないけれど、安藤サクラのような若手がいるということは、日本映画界にとってとても幸せだとも思うのです。
[地上波(邦画)] 9点(2019-11-19 17:02:33)(良:2票)
3.  マネーボール 《ネタバレ》 
面白かった。支配下選手が二万もいるメジャー・リーグにしても、やはり金満球団と弱小球団があるわけで、お金でラクに選手を調達できないのが貧乏チームの最大のネック。カネが無いから知恵を出さなきゃならないGMビリーをブラッド・ピットが熱演。結果が出ないうちは、辛辣な批判やチームスカウトたちとの軋轢にさらされて、見ているこちらの胃もキリキリ痛い。誰が何と言おうと、自らの経験則(スカウトは口ばっかり)と信念のもと、戦いに身をすり減らす孤独なGM。試合をこま切れに観るシーンでは、彼の心がぎりぎりなのが伝わってくる。贔屓の投手が投げるイニングにはワタシもこうなりますもん。ブラッド・ピットは、私が知る彼のキャリアのうちのベスト・アクト。選手が駒の如く扱われる実にドライなメジャーの経営や、スポーツマスコミの高飛車な感じとか、へえー知らなかったー、と思う描写も多かった。すごく心に残ったのは、ビリーの相方ピーターが見せてくれたマイナーの試合。自分が放った打球がHRとは思わず、転んで動揺して塁にしがみつく巨体の選手を敵も味方も笑ってホームに迎える。数値もデータも超越したこんなシーンが生まれる野球を、かの国の人達が愛してやまないのがよく分かります。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-07-28 00:51:12)(良:1票)
4.  MUD -マッド- 《ネタバレ》 
14歳。100%純な子どもではないけど、大人な割り切りや算段もできない時期。ジュヴナイルドラマにぴったりの年齢なのでした。今作はそんな多感な彼らを取り巻く環境、特に地域背景の描き方がとても秀逸に感じました。アーカンソーの片田舎ってだけで‶古き”南部の街がイメージされるうえ、主人公エリス少年の家はミシシッピ川のほとりのボートハウス。アメリカにこんな住環境があるんだ、と驚きます。もっとも行政からは撤去を求められているとのことだけど。 エリスは両親が離婚寸前だし友人のネックボーンも親がいなくて叔父と暮らしており、決して裕福でない彼らの青春もまた米国のリアルなのですね。 14歳の夏にエリスとネックボーンが遭遇する大人たちの人生ドラマ。いつか彼らも齢を重ねてこの頃を振り返ったら、その眩しさと若さに改めて思い至るのでしょうか。ああ年上の彼女にあっけなく振られたな、バカだったな俺。とかマッドって珍しいほどの純情一徹なやつだったな、でもそんな男にも打算てものがあったんだよね今なら分かる、とか30過ぎたエリスならこんな風に思い出すかな。 若いって、幼いって、「分かってない」けどでも理屈抜きに正しい。 ラストに愛も家も永遠不滅ではないのだと知る14歳の夏。ビターな通過点だけど大人へ向かうエリスたちに強さとしなやかさも感じる素敵な作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-07-02 18:55:19)
5.  Mommy/マミー 《ネタバレ》 
ダイアンは行動障害の息子を持つシングル・マザー。子を持つ母としてなら、私はダイアンであり、カイラでもある。息子を想う気持ちも、一人で生計を立てねばならないシビアさも、共感どころか我が事のように感じて途方に暮れる。ダイアンが息子の幸せな将来を夢想する場面は切なすぎた。 つらいこと ・ダイアンの空元気。若作りな恰好や年甲斐の無い反社会的な振る舞いは弱気を見せないための防御壁。ラストの一人号泣には胸を突かれた。 ・共に頑張ってくれたカイラと、決断後は心の距離ができてしまったこと。あの数か月、うまく行っていたときの輝きが眩しいだけに辛かった。 ・「愛だけではどうにもならないことがある」ということ。冒頭、施設の職員に言われた言葉。ダイアンは反発していたけれど、やはりこの言の軍門に下るよりなかった。 ラストシーンは「自由」を求めて走り出すスティーブ。「希望」を捨てない、とダイアンもドラン監督さえも語っていた。彼らがそう言うのなら私もスティーブやダイアンの目の強さにそれを信じるしかないのだろう。正直大変だけれど。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-05-24 23:51:50)
6.  マンチェスター・バイ・ザ・シー 《ネタバレ》 
人生に起きた悲劇とその中をやっと息をするように生きる男。C・アフレックのごつい風貌と裏腹の繊細な表情は痛々しく、話も重いけれどきっちりラストまで見せ切る作品でした。 なにしろリーに起きた事はかなりつらい。自らの過失で我が子三人を失い離婚に至り、その後数年のうちに実兄が余命を宣告され実父は逝き、一緒に支えてくれるべき兄嫁は出奔である。彼にかける言葉が見つからないよ。リーも同情を拒絶してますね。彼が特に激しく拒否反応を示すのがテンプレ的なお悔やみの言葉。冒頭から兄の臨終に立ち会った医者に四文字ワードをぶつけてしまうほど、リーは傷ついている。生半可な他者の介入を寄せ付けない彼が、しかし事故以前は180度違って人好きのする陽気な奴だったという事実がつらい。 もう一人のキー・パーソンはリーの甥。十代ならではの若い精神性で父親の死も強く乗り越えられそうに見えるけれど、本当のところはやはり支えが必要なわけで、だったらこの二人が支えあう状況が望ましいと観てる側は思うのですが。しかしそうは展開させなかった脚本は現実的でした。 だってねえ、リーにとってこの街に住むのは無理だもの。元妻にまでばったり会ってしまうのだもの。涙ながらに「あなたを許す」と他の男の赤ん坊を抱いた彼女に言われたところで、リーにとって何の救済になろう。リーを許せないのは彼自身なのだから。それに、あの台詞は彼女、自分の心が楽になるように口をついて出たように感じた。 きっと、もっと時間がかかるのだ。リーも甥も平穏を取り戻すのには。その時が来たら、サバイバルに成功した彼らにまた会いたい。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-27 00:28:16)(良:2票)
7.  マップ・トゥ・ザ・スターズ 《ネタバレ》 
クローネンバーグフィルターを通して見たハリウッドはエグくてグロテスクの極みでした・・。 理解に苦しむなんてレベルを超えてエゴと自意識に過剰に振り切れた群像劇。付き合うのがなかなかキツくて、なので凄惨なラストにはむしろちゃんとオチた感がありました。 嫌な子役、嫌なセレブ家族、痛々しいまでに自己承認に追われる女優。ジョンキューザック演じるセラピストの自己中な冷酷ぶりには背筋が冷えるし、病んでるジュリアン・ムーアの”ただれた感じ”には胸が悪くなりました。火傷痕の残るヒロイン、ミア・ワシコウスカを応援したくなるのですが彼女もまた近親愛に囚われてて、不気味でよくわからない人なのでした・・。 「そして誰もいなくなった」的終幕はこんな狂った業界を丸ごと焼き払ってしまいたいという監督の願望なんでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-27 16:38:53)
8.  マネー・ショート 華麗なる大逆転 《ネタバレ》 
激震級の経済破綻、リーマン・ショックが何故起こったのか、その数年前からの金融界の動きを複数の投資家らの「読み」を交えながら解説してくれる本作、勉強になりました。 住宅市場の健全性を疑う‟先見性”を持った人たちは存在していて、それがすでに賢すぎて凄いんだけど同時に自分の読みを信じて大量の空売りをかける、その度胸の強さにもまた小心者の私は驚嘆した次第です。 恐ろしいのは、破滅が来ることを判っていたのはごく少数の人だけだったこと。大銀行も大手マスコミも彼らの訴えを相手にしない。だって格付けがAAAなんだもの。住宅債権が超優良物件なのは常識なんだから。クリスチャン・ベールが取引成立のあとメガバンクの連中に大笑いされていたように。 経済市場ってなんだか生き物のようで不気味にも感じましたねえ。ビビるのは債務不履行が明らかになったのに債権が値上がりする現象が起きたこと。まるで心臓が止まったのに血流が流れ続けているようではありませんか。なにこの生き物。さすがにクリスチャン・ベールもスティーブ・カレルも意味分かんなくて取り乱してましたね。もちろんその後予想以上の大破綻は発生するのですが。最終的にベールの会社の利益率が+411%だって(!!) 我々が暮らす資本主義社会の暴走した結果が2008年のこの事件。人類の英知をもってして、この繰り返しは是非とも避けたいものです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-18 23:18:45)
9.  マラヴィータ 《ネタバレ》 
スタッフが楽しんで作っているなあ、と伝わる雰囲気の良い(?)クライム・ファミリー話です。無茶なことを、はっちゃけてやる。いや、面白かったです。デ・ニーロとトミー・リーにこんな役はまあバイトみたいなもんでしょう。余裕のあること、楽しそう。だいたいロバート・デ・ニーロをゲストに呼んで上映するのが“グッド・フェローズ”ですからね。この冗談センスを受け入れられれば楽しめること間違いなし。 おとーさんの過激な倍返し妄想は「わかるわかる」と膝を打ちましたし、凶暴純情長女も知能派謀略家の弟も、若々しいM・ファイファーも、この家族みんな好き。ただ何故犬の名前がタイトルなの?
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-06 00:09:53)(良:1票)
10.  マーシュランド 《ネタバレ》 
猟奇事件は田舎で起きる。今作の舞台はスペインはアンダルシア地方であります。アンダルシアにはこんな湿地帯があったのか、と瞠目しました。両サイドに延々と広がる沼地の中を走る一本道。走り抜ける車に覆いかぶさるような水鳥の群れ。しっとりしつつ、広々したロケーションはなんとも目に新しく、映画全体が陰鬱ながらも目を引く美しさがあります。少女たちは美しい娘ばかり。彼女らが殺害されてしまった事を、撃たれて血を流している水鳥のショットとだぶらせていたり、隠喩のセンスもなかなかです。 殺人犯の真相はかなりあっさりしているといえます。何故ならこの話は、事件の犯人が分かったところで結、としていないからです。 信頼していた同僚に対して生まれた黒い疑惑。打ち消したい、との思いは証拠写真を破らせる。けれど若き刑事ペドロに生まれた疑念はおそらく一生晴れることは無いと思われます。 思えば最初からフランコ政権の爪あとを所々差し挟んでいたのでした。 このラストの衝撃はおそらく日本人の私よりスペインの人たちに、よりダイレクトに伝わるものでありましょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-24 00:02:15)
11.  マリー・アントワネットに別れをつげて 《ネタバレ》 
フランス革命という題材は創作者の想像を色々と搔きたてるのですね。男装の麗人も良いけれど、王妃に心酔するおぼこ侍女、という視点もなかなか面白かったです。 王妃という絶対的な存在に心底入れ込んでしまうシドニー。若い女の子がアイドルを神格化してしまうような熱中でありましょう。想いは権力者の非情な仕打ちに粉々にされてしまうのだけど。苦し切ないレア・セドゥーの表情が見事です。 ベルサイユの内側から見た革命の足音、その緊迫感もリアルに迫ってきます。パニックになる貴族ら、逃亡する者たち。どうしたらよいか分からない大勢の侍従たち。実際に撮影されたという宮殿内部も興味深く観賞しました。王侯関係者の場は金ぴかだけれど、従者らの生活空間の質素なこと。むき出しの石壁に最低限の家具。あまりにあからさまな差に口があんぐり。この時代に福利厚生の発想なんかあるわけないのよ、と視覚に訴えられました。 D・クルーガーはクール美女なのでマリー・アントワネットのイメージとはちょっと違うかなあと思いましたが、そこは演技力でカバーしました。ポリニャック夫人に心掴まれている姿など儚げでしたしね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-04-29 00:54:07)
12.  マリリン・モンロー 瞳の中の秘密
大女優マリリン・モンローという人格を被って生きなければならなかったノーマ・ジーンの悲劇を知った。 あんなに明るく素敵な笑顔で世界を照らしてくれたマリリンがこんなに苦しんでいたとは、ファンもつらい。 見つかったメモは走り書きのようであり、散文的であり、そして一貫してもがいている。複数の後輩女優らが、彼女の語り部となって半生をつづる本作はドキュメンタリーのようであり、舞台劇のようでもあり。皆 マリリンを敬愛しているかの打ち込みぶりだ。泣ける。 彼女のファンでなければ興味の持てない淡白な内容ではあるけど、私はマリリンが大好きだし、特にジョー・ディマジオが病院から彼女を奪還するくだりには泣けて泣けてしょうがなかった。そして、アーサー・ミラーに厳しい視線を向ける制作の姿勢には大いに同意した。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-09-13 23:59:33)
13.  マッキー 《ネタバレ》 
人間がハエになるって聞くと、わたしはグロくて切ない「The Fly」の発想をする世代です。そんな固定観念はインドからちゃぶ台返しを食らいました。なぜ明るい?なぜ踊る?文字通り人がハエになっているというのに。 彼女まであっさり「元カレ→今ハエ」状態を受け入れて、一切の葛藤無し。さすがインド、混沌の国。死してハエになる輪廻くらい死生観に織り込み済みなのでしょう。おそらく。 設定はぶっ飛んでますけど、ハエになっての仕返しの諸々は耳元でブンブン言ってイライラさせるとか、こちらの想像の範囲内でなかなかにユルかったな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-07 23:14:31)
14.  マローボーン家の掟 《ネタバレ》 
ネタバレありありです。 ミステリアスな導入部、古い屋敷、隠された鏡、深い森と海。これだけ舞台装置が揃っているのだから、ああこれはゴシック・ホラーなのだなと思い込んだのが間違いのもと。現実では連続殺人鬼が報じられ、おやこれはクライム・サスペンスなのか?とその辺から困惑してしまいました。どうもジャンル分けの難しい作品です。多重人格まで動員されてはサイコサスペンスの要素も入ってくるしで。 なんとしても幻想系ホラーで押してほしかったなあ。個人の好みですが。屋根裏のイカレ親父が生きていた、というオチには心底がっかりしました。殺人犯がしつこく生き延びていただけか。生きていては実体があるわけで幽玄のはかなさも耽美も何もない。 鑑賞するにあたって、監督が脚本を手掛けた前作「永遠のこどもたち」の印象を引きずり過ぎたかもしれないです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-22 00:19:56)
15.  マグニフィセント・セブン 《ネタバレ》 
名作をまんまリメイクしてもしょーがない、てんで色々と工夫してますけども。それが人種を色々取り揃えるとか、武器を銃のほかナイフや槍を使用するといった程度の小手先に終わってて、むしろいらんことしなくていいのにという感を抱きます。一人一人、キャラの立ち方がオール白人だった「荒野の七人」にてんで及ばないんですもん。印象の強弱が演じる俳優のネームバリューに比例しちゃって、まあ7人中3人は影が薄い。もっとも私は「デンゼル・ワシントン」や「クリス・プラット」を見に映画館に来たわけではないのだ。新しい解釈の名活劇をそれなりに期待していたのでしたが。 「七人の侍」は別格だし、「荒野の七人」を観たらコレはわざわざ観なくても人生後悔しないレベルに留まった出来です。 もっとも、戦いの場面の臨場感はなかなかでした。仕掛けが上手く発動して次々と敵が呑まれるのは迫力があったし、駆ける馬の速さを捉えるカメラは流れるようで、現代技術の高さをいかんなく発揮していました。あ、あとイ・ビョンホンのファンなら、アジア人俳優が色気で白人俳優を押しているその存在感を堪能できて、大満足かと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2019-12-09 23:43:47)(良:1票)
16.  MAMA(2013) 《ネタバレ》 
お化けがついてきちゃう、というよくあるパターンに「切なさ」をプラスしたところが、凡百のホラーとはちょっと一味違います。 かつて迫害されて我が子を失ったMAMAの、まあ人違いかつ筋違いな執着母性がこのオバケの本質。凶暴な振る舞いも、わが子を守るためと思えばMAMAにも一分の理がありましょう。 叔母さんの身体を乗っ取ったのも、この世での「本体」が欲しかったのかもと考えると、あのかくかくした動きには哀れすら漂います。MAMA、ソレ上手くいってないよ・・。 全体の落ち着いた色彩やトーンはいかにもギレルモ印。才女のイメージが強かったジェシカ・チャステインが気のいいロック姐御を演っててびっくりしました。演技力の幅の広さを感じましたね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-07-18 20:03:01)
17.  マダム・フローレンス! 夢見るふたり 《ネタバレ》 
同一女性をモデルにしていながら、この英作品と仏映画「偉大なるマルグリット」の手触りのあまりに違うこと。これって国の文化の違いなのか、解釈が色々できそうで興味深いですね。 まあ、フランス作の方が主人公に対してアタリがキツイです。夫の造形もヒュー・グラントよりずっとイジワル度が高く描かれている。やはり芸術の都を擁するフランス人としては、彼女のしてきたこと、そしてそれを隠蔽し煽った周囲の人間らは音楽に対する冒涜だと感じるのでしょうか。 対してメリル・ストリープ版はフローレンス女史のカーネギー公演は今尚人気が高い、その側面を評価して人物像を創っています。彼女はいたって純粋に音楽を愛し、人はその一途さに何故か惹かれる。ちょっとエド・ウッド人気に近いものを感じます。 両作品、趣は違えど印象に残る映画です。 私は映画作品としてはフランス製のガツン、としたパンチ力を買いますが、フローレンス女史への眼差しは本作の優しさが好きです。伴奏者のピアニストの彼が良いです。戸惑いつつなし崩しに巻き込まれる彼が、いつしか彼女に心を寄せてショパンを一緒に奏でるシーンはほろりとしました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-12-09 17:22:14)
18.  マリアンヌ 《ネタバレ》 
ベースはラブロマンス、それも悲劇。で、そういうことなら(個人の好みでしょうが)私はもう少し若いカップルの方が好みです。スパイという職業柄、誰が敵かプロとしての嗅覚が備わっているはず。それが機能せずに情欲に走る、そんな情熱はやっぱり20代にMAXで たぎるんじゃないかしら。ブラピやコティヤールでは結構な経験を積んでそうな年回りなので、なんかねえしっくりこないんですよ。敵方と結婚することの危険を甘く見すぎたこととか(女)、二重スパイを妻にしちゃう目の曇り(男)とかが。ラブシーンなんか、中年の不倫現場みたいだし。 いろいろ不満は感じたけれど、でもドイツ大使暗殺の場面の緊迫感とか、マリアンヌという女の実像が明らかになる冷や冷や感(小道具はピアノでしたか。ベタだけど上手い)とか、盛り上げの演出はさすがに大監督の技ありでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-07-17 23:18:36)
19.  マジック・イン・ムーンライト
曲者W・アレンが少女マンガを撮ってる!どうした年取って丸くなりすぎたのか。 男と女が意地張り合って、本音は惹かれているのに距離をなかなか詰められない。恋敵は女に求婚するし、さあ二人の行く末やいかに、ってひねりの無いラブコメの王道ですな。いつものアレン毒はどうしたんだろう。エマ・ストーンが可愛すぎなのでじじー毒気を抜かれたのか? お話はコリン・ファースも気恥ずかしかろう的にガーリーで甘甘。でも南仏の風景の力は偉大でして、映像がきらっきらで綺麗この上ない。思いっきり純情ぶりっ子しているエマ・ストーンもすんごくキレイ。 アレン好きなら物足りないかもですが、たまにはこんなストレートなのも飲みやすいかも。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-12-05 23:47:40)(良:1票)
20.  マネーモンスター 《ネタバレ》 
才媛ジョディ・フォスター監督にしては、ひねりの無いやけにストレートな出来でした。ウォール街全体にはびこる搾取システムを糾弾するのかと思ってたんだけど、一企業CEOのセコイ企みを暴くだけでした。その発覚の仕方もやたらイージーで頂けません。TV局とハッカーが結託してものの数十分で真相が明らかになるのですよ。そんな簡単な。 G・クルーニー扮するTV司会者と投資に失敗してキレた襲撃犯がなんとなーく心通わすんだけれど、その辺の心理機微もざっと済ませてしまってる。ほかにも「何をどう考えてるのかなあ」と物足りないキャラばかり。悪徳CEO本人やその背反秘書の気持ちとかジュリアとクルーニーの関係とか、私には今ひとつぴんと来なかった。 もっとも、個人の内面等をすっ飛ばした結果、事件の展開がテンポよくさくさく進んだともいえますが。 そうそう、ジョディ監督が”awful"と評したクルーニーの下手くそダンスシーンが見どころでもあります。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-10-08 16:49:28)(良:1票)
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