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1.  ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 《ネタバレ》 
いちマリオファンとして楽しかったと同時に、観ても観なくても自分にほとんど影響のない映画だとも思った。マリオギャラクシーやマリオオデッセイなど、マリオシリーズの名作ゲームをプレイした時のほうがずっと世界に入り込めたし、しっかり心を動かされた。アトラクション映画、コマーシャル映画、という辛口評価が上がったのもよくわかる。ただ、任天堂もアトラクション映画でありコマーシャル映画のつもりで作ったと思うから、そこを批判しても仕方がないかなとも思う。マリオが喋ってる!マリオに家族がいる!レインボーロードだ!DKと共闘してる!など、純粋ファン目線で楽しむのがいいと思う。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-12-14 15:04:49)(良:1票)
2.  ゴッドファーザー PART Ⅱ 《ネタバレ》 
パート1のあまりの素晴らしさに感激して一気に2も鑑賞。単純な面白さなら1だが、観賞後の味わい深さは本作に軍配が上がる。 若き日のヴィトー・コルレオーネの物語は闇を伴いつつもずっと上り調子なので華やかだが、個人的には鬱々とした展開のドン・マイケル・コルレオーネのその後の方が興味深い。もしもマイケルがコルレオーネ・ファミリーの人間として生まれていなかったら、彼はマフィアのボスになど絶対にならなかったはずだ。そんな彼がファミリーを守るためとはいえ優れた能力を暴力的な方向に開花させていったことは大きな悲劇だった。 この作品は各所で「父権の崩壊を描いた物語」として語られている。父権が崩壊したのはマイケルの器がヴィトーほどではなかったからだ、との論調も多いが、私には崩壊したのはどちらかといえばヴィトー・コルレオーネの父権であるように思える。 マイケルは父を尊敬していたが、暴力を使って他者を思い通りに動かしていることにはおそらく最初から疑問を抱いていた。父が殺されかけ復讐心に火がついたことをきっかけにマフィアの道に入り、父よりも冷酷なドンと化していくものの、最初の疑念が心の中から消えることはない。冷酷さが加速したのも、そうでもしなければ暴力を使うことへの疑問に自分で蓋をすることができなかったからではないか。やりたくないことをやらざるを得ない時、その行為が極端化してしまうのはよくあることだ。 妻・ケイから投げかけられる疑問の言葉にマイケルは心の底では同意しているが、受け入れれば父を否定することになる。父を否定しないためにはこのままマフィアの道を突き進むしかない。その末に、マイケルはついに自分の家庭を崩壊させてしまう。マイケルが真に幸福となるためには、自分の中の「憧れの対象としての父ヴィトー」を崩壊させ、自分なりの道を進む必要があるが、そんなことは容易ではない。周囲もヴィトーを尊敬しているし、自分にも尊敬の気持ちが残っている。でも心の奥底では、マイケルはヴィトーの威光が「虚像」を多分に含んでいることを理解しているのだ。だからこそ、誰よりも苦悩している。 マイケルは正直で理知的で、暴力をそもそも好まない。それゆえに、誰よりも冷酷で、誰よりも苦悩するドンになった。ヴィトーは「自分にとっての正義」のためなら少々の暴力を使うことなどなんとも思わない、いかにもアメリカ人が好みそうな「強い」男だ。私はヴィトーよりも圧倒的にマイケルに共感する。演じたアル・パチーノは、マイケルの苦悩をこれ以上ないほど明確に深く表現していた。どれだけ称賛しても称賛しすぎることのない、素晴らしい演技だったと思う。
[インターネット(字幕)] 10点(2019-12-22 16:31:34)(良:1票)
3.  運び屋
テンポよく進んでいくので体感時間がとても短く、終演時には「え、もう終わり?」と驚きました。それでいて決して駆け足にならず、必要なことがしっかり盛り込まれていてとても満足。イーストウッドはこの年齢でこのペースで作品を発表してなぜこれほどのクオリティを保てるのか。ただ敬意を表するしかありません。アメリカの大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』に少し通じるところのある内容なので、あの系統の作品が好きな方には特におすすめです。
[映画館(字幕)] 9点(2019-12-22 15:15:44)
4.  ゴッドファーザー
自分内「有名だけど見ていない映画ランキング」の第1位だった本作。若き日のアル・パチーノ目当てに鑑賞しました。 今まで10点をつけた映画を全て9点に変更したくなるほどの最高の映画でした。10点じゃ足りない、100点。ストーリーの構成と展開、人物の魅力、俳優の演技、映像の美しさ、音楽、どれをとっても最高中の最高。ラスト近くのモンタージュシーンはカッコよすぎて興奮しました。これが50年近くも前の作品だなんて! 何も予備知識を入れずに観たのが良かったのだと思います。メインビジュアルを見ただけではマーロン・ブランドの映画なんだろうなって思っちゃいますけど、そこから想像するものを遥かに超えるものがそこにはありました。ブランド、パチーノはもちろん、トム・ヘイゲンを演じたロバート・デュヴァルが格別に素晴らしかった。今後も繰り返し観る作品になると思います。
[インターネット(字幕)] 10点(2019-12-22 13:26:37)(良:1票)
5.  この世界の片隅に(2016)
こうの史代さんのファンなので、原作は随分前に読んでいました。映画は原作にほぼ忠実に丁寧に描かれていて素晴らしい出来だったと思いますが、世間で大騒ぎされているほど衝撃を受けたりはしませんでした。ここまで騒ぎになっているのは原作があまり知られていないからでしょうか?過熱気味の評価にちょっとびっくりしています。原作のほうが映画よりも踏み込んだ内容だったので、内容に興味を持たれた方はぜひ原作を読んで欲しいと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2019-08-24 14:30:53)
6.  里見八犬伝(1983) 《ネタバレ》 
小さい頃はテレビでやってたんだけどあんまり覚えてなくて、JACスターたちのアクションが無性に見たくなり完全にJAC狙いで観た。 千葉ちゃんと真田さんの最後の闘いでは思わず声に出して「カッコいい~」って言っちゃったし、志穂美悦子も色気があって運動神経抜群で、ああもうこんな女優いないよなあって溜息まじりに見てしまった。そういう意味では10点満点。深作さんは暑苦しさが魅力だからそういう意味でも10点。 じゃあなぜ6点なんだっていうのは観ていただければご納得いただけるかと思う。主要キャラの寺田農が爆死であっさり退場とかあんまりにもあんまりだし、引っぱりに引っぱったわりによくわからない理由で仲間入りしていの一番に死んだ大葉健二もあまりにお気の毒だ。さっきまで敵だった男と姫をふたりきりにしてセックスさせてあげる7人の剣士たちにもさすがに笑わざるを得なかった。 でも好き。6点でもこの映画は好きだよ!
[DVD(邦画)] 6点(2014-08-19 20:12:08)
7.  桐島、部活やめるってよ
好きではないけどとても興味深い映画で、最初から最後まで飽きずに楽しめた。もともと自分は高校まで学校というものが大嫌いだったけれど、この映画を見ながら、高校以前の時代には何があっても絶対に戻りたくないと改めて思った。鉄筋コンクリートに閉じ込められ、好きで同じクラスになったわけでもない人々と強制的に毎日顔を突き合わせ、勉強やら部活やらやり続けなければならなかった地獄の日々。そのとき自分を覆っていたどうしようもない閉塞感をとても久しぶりに思い出し、あの時代を切り抜けて今が幸せなのは嬉しいことだと感謝した。それぐらいリアリティがあった。だから映画としては成功してるんだろうと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-09-18 00:38:03)(良:1票)
8.  お熱いのがお好き
最高でした。最初から最後までとぎれることのない疾走感が気持ちいい。俳優が魅力的だわ、粋な音楽で楽しませてくれるわ、展開もまったく飽きさせないわで大満足。観ている間幸せな気分になりました。古い作品なのにかなり笑えます。ビリー・ワイルダー初体験でしたが、もっと早く観ておけばよかったです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-21 00:19:46)
9.  エド・ウッド
この映画大好きです。ティム・バートン監督のエドへの愛が溢れています。 自分も現実世界でエドのチームにいたらドロレスみたいに怒り出して距離をおいてしまいかねないけど、この映画を通してみるエドは最低映画監督には違いなくても、映画愛だけが常人よりも突出していてそこにどこまでも正直で、小賢しい考えや他人に対する悪意のない愛すべき人物に思えます。エドが世間から忘れ去られたかつての名優ベラ・ルゴシへの敬意を誰がなんと言おうと忘れないあたりなんか、微笑ましいけどどこか哀しくて最高ですね。バートン監督のこういう人間観を感じられるのがこの作品をみる上でのいちばんの幸せです。 いちばんのハイライトはなんといってもルゴシとタコの格闘シーン。何度も巻き戻して夜中に爆笑させてもらいました。ルゴシ役のマーティン・ランドーがこれでアカデミー賞を受賞したのもなんだか嬉しい。 この映画をみたらエドの作品をみてみたいという気にさせられるくらいバートンの溢れる愛が伝わってくるのだけど、たぶん実際みたらいろんな意味で絶対面白くないのでひとりでみるのはやめときます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-09 21:47:16)
10.  現金に体を張れ
面白かった。犯人グループの現金強奪計画とすすめかたは素人目にみてもざっくりしてて危なっかしかったけど、テンポの速い台詞まわしとスピーディーな展開、とことんまで悪女なシェリーをはじめとしたキャラクターの面白さでそういったことはチャラにできた。台詞のテンポも速いんだけど、歩き方とかロッカーの開け閉めとかカギの閉め方とか、タバコなんかの物の扱いの細かい動作ひとつひとつがいちいちテンポが良くて気持ちよく見られる。空港でのラストシーンはカッコよくてしびれました。時間も短いし、なんかみたいな、って時におすすめの一本。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-09 21:26:36)
11.  トッツィー 《ネタバレ》 
ひとことで言って、ダスティン・ホフマンすげー。「レインマン」を見た直後なのでなおさら彼の凄さに驚いてしまいました。 全体にもコメディ映画のお手本のような作品で笑いどころ満載。脚本も、要所要所で安易なところに逃げず、よく練られていて見応えがあります。特にマイケルがカミングアウトしてからのシーンは最高。プロポーズまでされてしまった父親との微妙な空気はなんとも言いようがないおかしさ。ジュリーとの、いちど「女同士」をくぐり抜けたからこその爽やかで豊かな友情。ふたりが羨ましくなりました。 見てよかったー。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-03-03 00:23:00)
12.  その男、凶暴につき 《ネタバレ》 
みなさんおっしゃってますけども、これが初監督だなんて信じられない。なんという完成度の高さ。脚本、演出、キャスティング、美術、どれも文句なし。 ビートたけし演じる主人公・吾妻の、静かで冷たい氷のような狂気。頭がおかしくなってしまった妹の、無垢な狂気。白龍の、闇を思わせる底知れぬ狂気。岸部一徳の、一見穏やかな狂気。ラスト近くの台詞どおり「どいつもこいつもキチガイ」なんだけど、どいつもこいつも哀しく切ない。退廃的という言葉がよく似合う、なんともいえない世界観だった。 ラストの、倉庫のシーンは圧巻。死んでいる吾妻のカットは、白と濃い藍色のような闇と血の赤が印象的で、一枚の絵画のようだった。 第1作で誰にも真似できないところまで到達してるなんて、北野監督はほんとに天才なんだと思う。ちょっと怖くなるほどの。
[DVD(邦画)] 9点(2012-02-27 20:50:54)(良:1票)
13.  コクリコ坂から 《ネタバレ》 
まったく期待せずに観に行ったのですが、おもしろかった。「ゲド戦記」がひどすぎたので、期待値が下がりに下がっていたというのもある。「ゲド」を見て絶望した方は、その絶望感を抱えたままみてみたら意外にやるじゃないか、と思えるかもしれない。 良かったのは、主人公の少女・海がさほどジブリ的でなかったところ。駿監督だったら、苦境にあってもがんばりを忘れないはつらつ前向き少女になっていた可能性があるが、吾郎監督の描き方は、非常に淡々としていた。ヒロインだけど、ぜんぜんヒロインらしくない。活躍はするんだけど、その活躍もめちゃくちゃがんばってそうしたというよりも、気持ちの流れに従っていたらスルスルとそっちに引き寄せられていった感じ。キャラクターが全般的に薄味なんだけども、その薄味感が本作にはなかなかマッチしていたんではないかと思う。 「耳をすませば」にかなり通じるものがあるので、好きな方にはおすすめできる。あれがダメならたぶんこれもダメ、かも。 余談だけど、映画みたあと掃除したくなった。
[映画館(邦画)] 7点(2012-02-27 18:44:40)
14.  アウトレイジ(2010)
暴力映画というよりも、もはやスプラッタ映画だと言っていいほど気持ち悪い残虐シーンが多い。とくに歯医者と中華料理屋のシーンはトラウマになりそうなほどだった。歯医者の予約をキャンセルした人がいるというのも頷ける。血みどろ系無理な方はまじでやめといたほうがいいです。しかも何のために争っているのかぜんぜんわからない。なにか根拠がほしいというわけではないのだけど、根拠がないからこその面白さも私は見つけられなかった。 俳優が豪華すぎるのも私的にはマイナスポイント。映っても映っても知っている顔なので、目の前に映っている世界がヤクザ界というよりも芸能界にしかみえなくてちょっと興ざめしてしまった。 とはいえ、次はいつ殺しの瞬間が訪れるのだろう…次はどんな殺し方がされるのだろう…という緊張感は凄まじく、そこは北野監督さすがの手腕だと思いました。日常と隣り合わせに潜んでいる暴力の恐ろしさをいやというほど味わわされて、終わってからどどっと疲れがきました。心から辛かったです。ものすごく怖いお化け屋敷に喜んで入るような、「恐怖=娯楽」変換が上手な人ならきっと楽しめるんだと思います。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-02-27 17:46:43)(良:1票)
15.  ミスター・ベースボール
まったく期待せずに、たまたまつけたらやってたので見始めました。結果、なかなか面白かったです。ストーリーに関しては「ん…?」なところはありましたけど、シーンごとの演出がとてもよく出来ててついつい続けて見ちゃいました。ロッカールームの男くさい感じ、日本人野球選手のスポ根な感じ、コーチや高倉健さん演じる監督のいかにも上司的な威圧感、といった雰囲気・空気感がとてもよく出ています。わりと難しいと思うんですが、どうやって撮ったんでしょうか。日本文化や日本女性、恋愛、親子愛の描き方についてはもちろんツッコミどころは満載ですが、当時としてはよく調べてるんじゃないでしょうか。野球のラジオを聞いたりテレビを見ていたりする一般庶民は、日本人の私でも昔を懐かしんでしまうようなリアリティがありました。ちょっと前の日本野球ってこんな風に何気なく愛されてたと思います。野球ファンにはおすすめできます。
[地上波(吹替)] 6点(2012-01-29 08:58:26)
16.  少女ムシェット 《ネタバレ》 
印象としてはとてもシンプルなのに、一見関連のなさそうな要素が丁寧に複雑に組み合わされていて、ブレッソンの確かな腕を感じられる良作。 おそらく中学生くらいと思われる少女・ムシェットは貧しい家に暮らしている。病気の母を看病し、母のかわりに乳児の世話や家事を引き受け、若くして働き、父には働いた金を奪われ楽しみを禁じられ、学校では劣等生で同級生にもなじめない。そんな彼女が、森番と密漁者の争いに巻き込まれ、密猟者に犯されてしまう。翌朝ついに母が亡くなり町の大人たちは彼女を哀れむが、その大人たちも犯された傷をみて誤解し「ふしだら」と彼女を蔑んだり等、真の助けにはならない。ムシェットは、象徴的に登場する「狩人に追われる動物」のごとく、逃げ場のないところへ追い込まれていく。 これほど悲惨な物語なのに「かわいそう」と涙する気にはならなかったのは、ひとつには意図的に演技が記号化されていたからかもしれない。直接的感情表現は一切排除されていて、どこかウソっぽい。たとえばムシェットの涙はいかにも目薬をさしたようなおかしな流れ方をする。しかしそれがなんともいえないおかしみを誘うし、安易な共感でなく人物の心の動きをじっくり探るという意味での想像力が刺激されて興味深かった。 ムシェットに人生を方向転換するチャンスがなかったわけではない気がする。とくに最後の森番の妻は本物の助けになる可能性があった。が、そのときには既に、ムシェットの心は完全に閉ざされ、猜疑心でいっぱいになっていた。だからといって、それが彼女の責任とするにはあまりにも酷だ。あの場面で素直になるにはよほどの精神力が必要だが、彼女はその精神力を養う機会をことごとく奪われてきた。犯されたときも、彼女は男を性欲的な意味では受け入れていたから、ふしだらといえばそうかもしれない。でも、思春期の女の子だからもちろん異性に興味はあるのである。それをまっすぐ表現することも、父親により阻まれてしまったのだ。 ムシェットは不幸に始まり、その不幸が不幸を呼んで、逃げられない不幸のスパイラルに陥って死ぬしかなくなってしまった。本当にどうしようもなくどうしようもない話である。こういう話に「こうすればよかったのにね」というのは不粋以外のなにものでもないだろう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-11-19 12:32:20)(良:2票)
17.  天使のくれた時間 《ネタバレ》 
たまたまテレビでやってたので観ましたが、良い作品でした。テーマの捉え方は人それぞれかもしれませんが、自分的にこの作品は「自己実現」と「愛」の狭間で揺れ動くなかで、個人はどのような決断をしていくのか、ということについての映画な気がしました。現実世界でビジネスマンとしての能力を完全に開花させている主人公。自分は欲しいものを全て手に入れたと思っている彼の無意識に眠る「ほんとうにこれでいいのだろうか?」という疑問が黒人のナビゲーターという形で現れ、「あったかもしれない世界」を夢のなかで体験したのかもしれません。自己実現も大切だけれど、愛がなければ淋しい。人生のなかで誰でもが抱える葛藤を、素晴らしく良くできた脚本と丁寧な演出、魅力的なキャストで描いています。ラストが曖昧な点については、「こうである」という結論がなかなか出ないのが人生ですから、私はとても気に入ってます。観て損はない作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-10-02 23:44:48)(良:2票)
18.  仁義なき戦い
そうそう簡単に10点やりたくないと思いつつも、この映画に10点をつけないわけにはいかない。画面からはみ出さんばかりのエネルギーに圧倒され続けた。目を背けたくなるようなバイオレンスシーンの連続。俳優の演技が熱いのはもちろんだが、下からや斜めからの至近距離ショットや、カメラマンが雑踏・乱闘の中に突っ込んでいったかのように揺れ動く画面が臨場感を増幅させている。抗争を引き起こした人間関係の描写も興味を引き、こいつらどうなるのだろう、と見守らずにはいられなくさせる。ヤクザが組織運営という地味な話を思いっきりやくざ口調で話しているのがちょっと笑えたが…。確かに前半はとくに何を言ってるのかわからないし、顔がよくわからんまますぐ死ぬので主役級以外は誰が誰かわからん。でもなんか、何が言いたいのかわかってあげたくなるのだ。だからこの映画に限ってはそんなことどうでもよしとさせてほしい。そしてなんといっても菅原文太カッコイイ!!!自分内タバコが似合う男ランキング不動の一位は次元大介であったが、このたび文太がチャンピオンになった。渡瀬恒彦も捨てがたかった。渋好みの人は必見。観ておかねば大損です。
[DVD(邦画)] 10点(2008-06-30 19:26:52)
19.  ブレードランナー/ディレクターズカット<最終版> 《ネタバレ》 
私には全体的にちょっと退屈でした。原因は、心理描写の粗さにあるのではないかと思われます。レプリカントが労働者として酷使された上に非常に短い寿命で生きねばならないという哀しみ、また、やめたはずのブレードランナーにまた復帰する主人公の苦悩、といった、登場人物たちがこれまでどんな時間を過ごしてきて、そして今どう感じているのか…という内面の情報提供への比重がとても少ない。その代わりに多くの時間が、煙る未来都市、雑踏、グロテスクな小道具など、「退廃的な未来都市」の雰囲気描写に使われていて、自分の中でドラマの時間が積み重なっていかないのです。なので、主人公がレプリを追いかけて殺してしまうシーン、なんだか「何もそこまでせんでも…」という感じがしてどうも入り込めませんでした。レプリたちや主人公(私は彼=レプリ派)の背景をもう少し観たかったです。そしたらきっと最後のレプリが寿命で死んじゃうところも涙なしには観られなかっただろうに…。 日本語の看板や舞妓?の巨大映像が煙で霞んだ雨のロサンゼルスに溶け込んで、独特の退廃的な未来像を創り上げているのには新鮮さがありました。
[DVD(字幕)] 6点(2008-06-22 18:12:33)
20.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 
超大ヒット作品であるにもかかわらず今まで見たことがなかった自分にまず反省。しかしこれは本当に文句なく面白かったです。20年前という古さを全く感じさせませんでした。 ある意味で教科書通りの構成なのですが、その中にこれでもかと凝らされた工夫の数々に感心し通し。主人公・犯人グループ・人質たち・警察・FBI・マスコミ等々、これ全部入るのかというくらいの要素がてんこもり。しかし全く混乱せず見られたのは脚本の素晴らしさと監督の技量でありましょう。 しかし主人公・ジョンと人質の一人である社員の男が無線で会話したあと社員の男が殺されてしまうシーンだけはどうもすっきりしない。ジョンが無闇に興奮してるので単純バカに見えてしまってもったいない。人質が撃たれるまでのやりとりにもう一工夫ほしかった。 いやまあしかし、面白かったです。続編はどうなんだろう。面白かったからあんまし見たくないかも。 関係ないですが、警察さんが水野晴郎氏に見えて仕方なかったです。
[DVD(字幕)] 10点(2008-06-22 11:10:05)
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