1. スワロウテイル
わかりやすいLoveLetterも良いが私はどちらかというとスワロウテイル派。今作は殺伐とした退廃的な雰囲気の中で懸命に生き抜く不屈のタフネスが描かれている。言葉、人種、国籍について考えさせられる。CHARA、三上、伊藤歩、渡部が役にマッチしており素晴らしく好演している。何度観ても深い感動がある。題材が題材なだけに評価がわかれるのもわかる気がするが、エンターテイメント、アーチスティックという両面を満足させてくれる良作であると私は思う。 10点(2004-02-10 22:01:50) |
2. クール・ランニング
明るく笑って泣ける起承転結のはっきりしたスポーツ感動映画。そして実話ベースという点に驚かされる。舞台がアメリカではなくジャマイカというところもお国柄が物語に非常に合っていたようだ。何度観てもラストでは泣かされてしまうが観賞後の爽快感は素晴らしい。子供から大人まで万人に受け入れられる器の広さと高い好感度は十年たった今みても色褪せていない。スポーツ映画の傑作である。 10点(2004-01-27 12:12:28) |
3. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 これぞまさに理想の映画である。観る者に希望や爽快感を与え、じんわりと何年たっても感動を思い起こすことができる。地道に壁の穴を掘り続け、ついに脱出したティムが嵐の空を仰ぐシーンが忘れられない。最後まで希望を捨てず決してあきらめない彼の姿は、我々に多くの勇気を与えてくれる。 10点(2004-01-27 03:39:28)(良:3票) |
4. ターミネーター2
《ネタバレ》 何度観たかわからない。ストーリーも勿論、音楽も映像も含めトータルでみても最高傑作。人間自らが作り出した機械文明がやがて核戦争を引き起こす。それを阻止する親子。そこに前作からの流れと叙情的エピソードを多く盛り込むことによって奥の深い作品になった。ターミネーターが自ら沈んでいくシーンは名場面といってもいいのでないだろうか。スリル、アクション、メッセージ性、どれをとっても文句のつけようがない。 10点(2004-01-27 02:58:24) |
5. シザーハンズ
《ネタバレ》 観る前はホラーだと思っていた。他の方のコメントにもそう書いてあるあたり、これは本作の宣伝を失敗したと思ったほうが良いかもしれない。内容的には非常にファンタジックなラブストーリーである。手がハサミだという人物設定の発想も良かった。ヒロインのBFのせいで二人は引き裂かれてしまうのだが、彼女はエドワードの為に自ら別れを選択する。このあたりは賛美両論かもしれないが、複雑な女心をよく表していると私には思えた。ラブストーリー物としてはなかなか良作。 9点(2004-06-13 20:50:41) |
6. 耳をすませば(1995)
青春真っ盛り。青臭くて切ない。このような純粋さをいつまでも失いたくないものだ、と思わずにはいられない映画。内容的には質の高い少女漫画のようでありながらも、絵の綺麗さはさすがジブリである。色彩豊かな映像にしばし目を奪われた。 9点(2004-03-17 01:41:35) |
7. トゥルー・ロマンス
豪華な出演陣、脚本はタランティーノ、音楽に定評のあるハンスジマー。これらを抜きにしても楽しめる痛快なアクションは何度観ても楽しめる。盛り上がっていくワクワク感、それをきちんと消化してくれるラスト。観た後にとても満足できる映画だ。 9点(2004-02-02 21:33:21) |
8. Love Letter(1995)
《ネタバレ》 ロマンチックなストーリーと岩井監督らしい映像美、切ないピアノ曲が見事に融合した傑作。ノスタルジーを撮らせたら右に出る者はいない、と個人的には思っているのだが中でもこの作品は別格である。全体的にゆったりと流れていくのだがハラハラさせられる場面も盛り込んであり飽きずに観ることができる。酒井、柏原の両者が中学時代のリアルな初々しさを好演している。ひとつ残念なのは、中山美穂が一人二役の為、冒頭の部分がわかりづらい点。もう少しわかりやすく差別化したほうが良かったと思う。しかしラストのオチは何度観ても心を揺さぶられるほど素晴らしい。本のタイトルが「失われた時をもとめて」だったのは今作のテーマを隠喩しているのだろう。 9点(2004-02-02 19:14:04) |
9. タイタニック(1997)
泣きどころが幾つも盛り込まれているのでどこで泣くかは人それぞれだと思うが(特に男女間で泣きのツボが違うようだ)、この映像と音楽の素晴らしさには心の底から感服である。それに付け加えセットの細かさ、衣装などチープさが微塵も感じられない。ロマン派・完璧主義のキャメロン監督の真骨頂といったところか。三時間という大作のせいか中盤で少々間延びしている点が惜しい。やむなく運命に引き裂かれた悲恋物語は手垢がつくほど作られてきたが、今作は堂々と王道をいっているし終わり方も綺麗。 9点(2004-01-27 05:02:12)(良:1票) |
10. バックドラフト
よくあるパニック映画なのだが、兄弟愛というテーマが映画の質を底上げしたように思う。前妻とのゴタゴタは余計。しかしながら消防士を凛々しく描いた点と音楽が素晴らしい。火の迫力も満点。 9点(2004-01-27 03:50:38) |
11. シックス・センス
一度目はオチに気付かず「そうきたか」という驚きがあり、二度目はオチを知っているから数々の計算された伏線に頷きながら楽しめる。謎が気になってひきつけられることは間違いないし、サイコホラー的なゾクゾク感もある。そういったミステリーホラーでありながら感動の要素も忘れておらず、様々な層に受け入れられる作品である。 8点(2004-02-24 23:16:05) |
12. 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)<TVM>
これほどまでに小学生の視点で世界観が描かれていることに素直に驚く。そして時代の空気を切り取るのが非常に上手い。「スタンド・バイミー」に近い秀逸なノスタルジームービーと言えるだろう。誰もが自分の小学生時代を思い起こすに違いない。時間的にも一時間未満と手ごろなので、もう一本借りたいけど長いのはちょっと・・・という時にもお薦めである。岩井氏の感性が合う人にはたまらない作品。 8点(2004-02-17 23:27:55)(良:1票) |
13. Shall we ダンス?(1995)
シュールな笑いを提供してくれ、なおかつじんわりとした感動も与えてくれる。邦画の良さがうまく表れている作品。何度みても落ち着いて観ていられる。役所を始めとする個性的な俳優陣も見所である。 8点(2004-01-27 17:25:17) |
14. レオン(1994)
ラストシーンが鮮烈に忘れられない。美しくも悲しいバッドエンド。音楽も良い。ただ切なすぎるせいか巻き戻してもう一度観ようという気になれない。それぐらい重たい作品。 8点(2004-01-27 12:38:09) |
15. リング(1998)
とにかく貞子のインパクト。これに尽きる。思い返してみると特にコワイ場面は少ないのだが、気味の悪いビデオ内容は強烈に印象に残っている。後に引く怖さがあるのだ。これを観てから和製ホラーに目覚めたほど。静子の苦悩、貞子の孤独などが背景にあり、ただ驚かすだけのホラーには無い奥の深さがある。 8点(2004-01-27 05:13:14) |
16. シュリ
日本やハリウッドでは作れない映画という点をまず評価したい。アクションシーンはハリウッドには及ばないが、なかなか健闘しているほうだと思えた。女の正体は序盤で気付かされるし、オチは読めてしまうものの、最後まで惹き付けるパワーが確かに本作には存在している。魚をネタに使った点もよかったし、ラストも綺麗に締めていたので好印象。しかし俳優陣にどうも魅力が感じられない。女のほうは非常に人間臭さが出ているのだが、肝心の主人公の内面があまり見えてこないのである。主人公の友人も同様。そのあたりをもっと丁寧に描いていれば、さらに涙を誘う作品となっただろう。そう思うとやや惜しい感が残る。 7点(2004-06-13 19:47:22)(良:1票) |
17. プリティ・ウーマン
シンデレラストーリーといえども、主人公は自ら努力もしている。そこに逞しさを感じ憧れを抱くわけである。ストーリーも綺麗にまとまっていて素直に楽しめる。主題歌の選曲が良かったのとジュリアが奔放な女の子を自然に演じていたのが高ポイント。 7点(2004-01-27 15:39:04) |
18. 古畑任三郎vsSMAP<TVM>
連続ドラマファンは古畑の出番の少なさにがっかりしたかもしれないが、私はかなり楽しめた。SMAPのファンというわけではないけれど、ミステリードラマとして充分な内容だ。連続ドラマの時は単独犯が多かったが、今回は複数犯、しかも用意周到な計画は一見完璧のように見える。SMAPが実名で登場しているところも成功要因。映画にするほどのレベルじゃないにしてもTVMとしては非常にハイレベル。 7点(2004-01-27 13:05:15) |
19. Kids Return キッズ・リターン
センチメンタルな雰囲気の青春映画。私は北野作品を観たのはこれが初だったので、こういう静かな青春物を撮る監督だと勘違いしてしまったほど。セリフで語らせるのではなく表情で魅せる演出が良い。北野氏にはまたこういった作品を作ってほしいと密かに願っているのだが。 7点(2004-01-27 04:49:12) |
20. CURE キュア
誰の中にでも潜む狂気。ふとした瞬間に芽生えてしまう殺意。殺人は決して特別な人間が特別な感情で犯してしまうコトではない。それがひしひしと伝わってくる恐怖。思わず目を瞑りたくなるようなエグい場面もさることながら、次第に狂っていく周囲の人間たちの描き方が秀逸である。和製サイコホラーとしては成功だろう。飄々としている犯人役の萩原と感情が空回りしてしまう刑事役の役所というキャスティングも適役である。 7点(2004-01-27 00:21:50) |