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タコ太(ぺいぺい)さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1414
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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241.  ザ・ウォード/監禁病棟 《ネタバレ》 
昔読んだダニエル・キース氏の書籍を思い出しました。その書籍とは、解離性同一性障害、所謂多重人格についてのものでした。何故多重人格の症状は出現するのか?また、どのように治療していくのか? 本作では、敢えて交代人格のひとりであるクリステンを一人称に据え、彼女や他の交代人格たちが最も恐れる元々の人格・アリスをモンスターとして描くことで、交代人格がひとりずつ消されていくことへの恐怖を表現しています。その辺りの主客転倒ぶりが面白いですね。交代人格にとって邪魔なのは元々の人格のアリス。交代人格たちは協力し合ってアリスという邪魔な人格を消してしまうのだが、アリスは主たる人格として更なる力を得て、交代人格たちを排除していく。テーマは使い古されているようでいて同時に新鮮でもあり、要所要所を真面目にきっちりと作り込んであるので、矛盾点を矛盾点ともしない流石の作り込みです。無駄な修飾を取り払ったシンプルな表現に好感度大でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-03-20 00:20:47)(良:1票)
242.  スケアリーストーリーズ 怖い本 《ネタバレ》 
お子様向けのファンタジーホラーとでも言いましょうか、怖いところはしっかりと怖く描きつつも、流石企画製作がギレルモ・デル・トロさんというだけあって、メリハリやバランス感覚は絶妙で、大人でも最後まで退屈することなく楽しめる作品だと思います。 物語の背景となっている事件が暗く陰惨だったり、友人たちが消えたまま戻らなかったり。その辺りは間違いなくホラー、それも救いようのない悲劇ですね。 その一方で、ベトナム戦争の悲惨さが紹介されたり、ヒロインと両親との関係性とか、もう少し物語に広がりを見せてくれるのかなと思ったりもしましたが、結局はシンプルにファンタジー、少しダークなファンタジーで完結。その辺りの伏線を回収してくれないところは少しモヤモヤする部分ではあります。必要だったのかな?と。 それから肝心要のエンディング。サラの霊を慰めてお終い。というのは当然の結末なんですが、いまひとつヒロインの言葉に重みがなかったかな?あれだけ荒れ狂っていた霊を鎮めるのには、もうひとひねりした台詞が欲しかったような気がします。代案は思いつきませんが。 全体としては、画面全体の色彩感覚とかクリーチャーのデザインとかも申し分なく、細かなところで不満を述べはしたもののこれは高評価して当然かなという見応え十分の作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-03-19 09:58:33)
243.  アス 《ネタバレ》 
多くの皆さんが書いていらっしゃるように、分身が登場するまでの展開は、先読み出来そうな雰囲気ではあるもののホラー作品として十分に恐い演出です。 自分たちの分身が突如として現れ、動かず物言わず立ち並ぶ。逆光でその表情は判らないまでも、間違いなくそれは自分たちであり、間違いなくそこに居る訳です。これは心理的に相当恐いですね。見た目が自分なだけに見ず知らずの幽霊より恐い。自らの存在の足元がぐらついてしまう。 でも、分身が言葉を発し物理的に接触し、まして刃物を振りかざして襲って来るとなると恐さの種類は一変します。幽霊に対しての恐怖と、殺人鬼に対しての恐怖との違いと言ったところでしょうか。分身は話し声も話し方も、そして動きまでもが奇妙です。所謂ドッペルゲンガーとは異なり、思考や感情的には本体と同一ではないようです。ならば、その恐さはあくまでも現実的な恐さであって、分身たちは単純に生きるか死ぬかの殺し合いの対象となって来る訳です。 そして、挙句の果てに分身たちは科学的に創造されたクローンだなどと種明かしされてしまうと、これはホラー・サスペンスではなくSFスリラー、いや、社会派SFスリラーのカテゴリーの作品と、自分の中での理解の仕方が大いに変わってきます。 その上で改めて考察してみると、次々と生み出されたクローンが何故か出入り自由でウサギだらけの遊園地の地下の秘密施設で育てられ、ついに自分たちの待遇改善を図るべく一斉蜂起。人間、いやクローンの鎖を成して地上の世界を制覇していくという遠大な物語は、ホラーの範疇から大きく離れ、かと言ってSF作品としてはさほど目新しくもないようにも思えてしまいます。 ラストシーンで、ヒロインは実は自分の方が分身だったと思い出した、などと言われても、遡って新たな矛盾を感じるばかりでどうにも釈然としない結末でした。なので、作品としては、未見の同監督作品である「ゲットアウト」に期待したいと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-03-16 22:29:13)
244.  ダーク・センス 《ネタバレ》 
劇場未公開の作品のようですが、ストーリー的にも映像的にも惹き付けられるものがあります。 特に目新しいアイディアが盛り込まれた作品ではありませんが、良い意味で予定調和満載と言うか、期待通りに展開していくので安心して鑑賞できます。 批判的な言い方をしてしまえば、ご都合主義で矛盾点も多々あるものの、全編通じたモノクロ的な陰影に満ちた映像と、正直なところあまり馴染みのない役者さんたちばかりではありますが、出演者の熱演によってテンポよく展開していきます。 主人公の予知能力が少年時代の事件以来どうなっていたのかとか、経済的に決して困窮している様子ではないものの、母一人子一人の家庭事情はどんなものなのかなど、尺が短めなせいか説明不足は否めません。予知能力は断片的なのに何故か関わる相手のことは全てお見通しだとか、ボディガードが犯行現場を簡単に見つけ過ぎだとか、少年期にもその片鱗はあったもののテレキネシスにあっさり開眼してしまうこととか、ちょっとやり過ぎかなとも思いますが、全体としては上手く纏め上げられていると思います。 なんだか批判的だか肯定的だか判らないレビューになってしまいましたが、観終えてみれば素直に面白かったので、我ながら疑問符付の高評価です。この作品のテーマは一体何だったんだろう?サイモンに操られたのかなぁ?
[インターネット(字幕)] 7点(2022-03-10 22:06:40)
245.  コンテイジョン 《ネタバレ》 
現在の所謂コロナ禍より遡ること十年近く前に、この作品が製作されていたことには驚くばかりです。 「感染」をテーマにした作品は、映画やTVドラマ、小説など多々ありますが(ある意味ゾンビものも含まれますね)、フィクションでありながらもドキュメンタリー色を匂わせる作品となるとある程度限られて来るかと。本作はその中でも筆頭に挙げられて良いのではないかと思います。 ひとりの登場人物、ひとつの組織、ひとつのエピソードを掘り下げるのではなく、ややあっさりし過ぎかと思えるぐらいにスピード感をもって描かれる物語は、今だからこそのリアリティをもって迫ってきます。そのあたりは、封切り直後とコロナ禍真っ最中の現在では、大きく印象が異なる部分ではないかと思います。コロナ禍を通じ現実として目や耳にしてきた事柄が、本作では幾つも登場し語られます。そして、登場する豪華スターたちが必要以上に存在感を示さず、寧ろあっさり退場してしまったりするところにもリアル感が滲みます。そのあたりが、本作が他の豪華オールスターキャスト作品とは大きく性格を異にしているところでしょう。有名俳優が演じているからと言って特別な役柄・存在ではなく、生き残りやヒロイズムなど保障されていない。この潔さは好むところであり、本作のような作品にリアリティを持たせる上での重要なファクターであると思います。 ただ、あくまでもエンターテインメント作品であるということを考えれば、そういった描き方は観る者に消化不良感をもたらすものであり、作品世界に惹き込まれつつも漠然とした不満が残りました。エンディングで本作の構成の種明かしをしつつも、何となく語られ足りないものを感じてしまうのも、必要以上の説明を省いた結果かなと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-02-24 23:38:21)(良:2票)
246.  JUNK HEAD 《ネタバレ》 
7年もの歳月をかけて(元の短編作品の分を入れれば11年?)殆ど独りで、しかも独学で製作した作品というだけで既に感動的であって高評価を禁じ得ないのですが、それではある意味本質的な評価と言えないような気がして製作者に失礼だとも思うので、そのことは脇に置いてレビューします。  地球や人類の未来を描いたSF作品は既に星の数ほど語られていて、ここで描かれる世界観についても今まで見たことも聞いたこともないオリジナリティ溢れるもの、とは言い切れないところです。とは言え、決して多くを語ることなくその世界観をビジュアル化している感性と技術には並外れた才覚を感じます。凄いとしか言い様がない。凄みとも言える、徹底したリアリティ追求の姿勢を感じます。 正直なところ、序盤は緻密で迫力ある映像に圧倒されつつも、個人的な好みの問題で世界観に若干引いてしまった部分もありましたが、物語が進むにつれ次第次第に作品世界に惹き込まれ、徐々に密度を増していく表現力・空気感に否応なく感情移入していってしまいました。気が付けば、クレイモデルのストップモーションアニメであることや、そのスケール感までも見失ってしまうほど作品にのめり込んでいる自分が居ました。 本作の段階では、ストップモーションアニメとしてのビジュアル面の凄さにばかり目が行きがちですし、主人公はロマンと冒険を求めて地下世界に飛び込んでいく若者といった設定で、必要以上にその精神世界にまでは踏み込んでいない様に思えます。エンディングからも当然製作されると思えてしまう後日談の中で、主人公が地上では当たり前だった命の永続性が地下では必ずしも成立しないことに気付き、徐々に生命の在り方や価値観に目覚めていく姿が描かれていき、より深みのあるファンタジーとなるのかなと期待しています。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-02-23 11:30:53)(良:1票)
247.  フローズン 《ネタバレ》 
極限の状況に置かれた人間がどうなってしまうのか?というテーマのソリッドシチュエーションホラーかと思いきや、そこまで深く掘り下げてはいない作品でした。 とは言え、現実にこんなことがあれば普通にこういう行動をとってしまうのだろうなという理解も出来、制作者が敢えて極端に掘り下げずに作ったのかなとも思えます。それによって、観る者は「ここでこういうことしちゃダメだよ」とか「こうすればいいじゃないか」といった「自分だったらこうする」といったことに考えを巡らすことになり、それこそが制作の狙いかな?と。 そう考えると、3人の登場人物の行く末が早い段階で見えてしまうというあたりも、敢えてそういう演出なのかなとも思えてしまいます。観る者は、まず始めにセコイ男たちのリフト券詐欺に腹が立ったり、主役のカップルの関係性の浅さに閉口したりして感情移入拒絶状態になって早々に2人の男に死亡フラグを立ててしまい、浅はかな行動で結局命を失っていく若者の姿に「自業自得じゃん」みたいな感情を抱いてしまう。そんな風にリードされているとしたら、見事にしてやられたと思えないこともありません。 ホントのところはどうなんでしょうか?単に教訓的な作品と言う訳でもないと思うのです。少し謎が残りました。 それと、ラストの「ハニー」の一言は、彼女の幻聴だったのか?それとも?幻聴ということにしておきたいな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-02-17 01:08:58)
248.  ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男 《ネタバレ》 
怪しげなタイトルではありますが、なかなか楽しめる作品でした。けれど、何故にビッグフットなんでしょうか?そこのところがどうしても理解できない。拡大する恐怖の感染症を食い止めるという任務。元凶であるビッグフットを倒せなければ、人類は滅亡の危機に晒される。ストーリー的には解るのですが、何にせよビッグフットですからね。造形的にもあまり魅力的ではないのですが、いずれにしてもビッグフットですよ。何で??どこからどこまでが真剣に作られているのか、かなり理解不能の消化不良でした。 とは言え楽しめてしまいましたので6点献上です。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-02-15 21:12:59)
249.  ゾンビ津波 《ネタバレ》 
津波に乗って、てか巻き込まれてゾンビが浜に押し寄せるというのはなかなかのインパクト。邦題もトンデモ感がありながらもマッチしてますね。ゾンビの常識となっている「頭を撃てば無力化」が否定され、電気ショックで無力化というのもオリジナリティを感じます。 が、そこまで。全体の流れは怪物系ホラーのお決まりパターン。幸せ感に満ちた登場人物がいきなり犠牲になり、平穏な世の中が一気に地獄化。主人公は仲間を失いながらも決定的な対応策を見つけてバケモノ退治。沢山犠牲が出たにも拘らず、生き残った主人公たちは何事もなかったかの如く幸せそうな笑顔に包まれる。てな感じ。実にオーソドックスな展開ですね。 ですが細部はかなり雑。あんな小さな沈没船のどこにあれだけ大量のゾンビが居たの?浜におびき寄せて電気ショックで退治するにしても、島中に散らばったゾンビがあれっぱかしで全部の訳ないし。あの爆薬の量からすると、島の形が変わるくらいの威力じゃん?海に飛び込んだ女の子が無事の訳ないし。そして、総じてゾンビの量的表現がバラバラで、もっと居るんじゃね?と感じてしまいます。 ゾンビ映画は余程のことがない限りそこそこ楽しめてしまうもの。嫌いじゃない限り。なので決してつまらなくはないのだけれど、物足りなさに包まれたまま終わってしまうのは何だかなぁ。「シャークネード」よ今一度!との思いがつのるばかり。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-02-12 00:39:36)
250.  熟れた快楽 《ネタバレ》 
信仰に疑念を抱き人生に悩み苦しむ熟年の主婦、妻の苦しみを自らの事として受け入れることはせず只管に妻を所有したがるだけの夫、性犯罪者の心理を追求するうちに倒錯した性の虜になってしまった脳科学者。物語はこの三人だけによって展開していくという舞台劇的な作品です。 邦題は大いに的外れ。メインテーマは「愛」もしくは「心の解放」そして原題どおり「新たなる至福」と受け止めました。ですから、手段としての性行為やポルノといったパーツは散りばめられてはいますが、R指定であることはあまり意識せずに鑑賞出来る奥深い作品だと思います。 悩み苦しんでいたヒロインが、第三者に救われていくのではなく自らの強さで新たな世界に踏み出して行く。その結果として、少なからず問題を抱えた二人の男が救われていく。(夫の方は救われていないかも知れませんが)彼女は、信仰によってでも科学によってでもなく、彼女自身の生きる強さによってこそ救われたということなのでしょうね。 思いがけず出逢えた佳作に7点献上です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-02-12 00:37:11)
251.  スキンウォーカー 《ネタバレ》 
冒頭のサービスカットとそれに続く証拠隠滅シーンを観る限りでは、如何にもB・C級低予算エロティックホラーか?!と思ってしまうところですが、観て行くうちに、実は違うぞ!もしかしたら奥が深いのかも。と印象が変わります。しかしながら残念なことに、存在とは何か?という哲学的なテーマを表現するには、短い尺の中での寄生体(実は寄生ではない?)をモチーフとした展開は、かなりハードルが高かったように思えます。結果として、物語として何か不完全燃焼感が残り、残酷だったり不快だったりのシーンばかりが印象に残ってしまいました。ラストの再生シーン、何故シニア男性として生まれ変わったのか?愛を知り、生きながらえることを放棄した結果、純粋に一人の人間としてこの世に生を受けたのか?個人的には謎は解けず仕舞いでした。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-01-31 22:28:07)
252.  ドント・ハングアップ 《ネタバレ》 
冒頭のイタズラ電話シーンで主人公たちに激しく嫌悪感を覚えてしまい、その後の展開で彼らがひどい仕打ちを受けても同情できないと言うか、自業自得と受け止めてしまいました。個人的には謎の男の方に感情移入してしまいます。ただ、謎の男の方が主役ならばそれはそれでいいのかも知れませんが、作品的にはどうなんでしょう?製作者の意図するところがそこなのかどうか?ネット社会、SNSへの無責任な投稿がどんな危険を孕んでいるかの警鐘であって、どう受け止めるかは観る者に委ねているようにも感じます。尺が比較的短いので作品としての深みはあまり感じられませんし、シチュエーションスリラーとしての既視感は否めませんが、演出やカメラワークに新鮮さを感じる部分もあって、緊迫感をもって一気見出来る佳作かなと思います。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-01-17 09:57:54)
253.  ゾンビマックス!/怒りのデス・ゾンビ 《ネタバレ》 
皆さんのご意見のとおり、怪しげな邦題からは想像出来ないような佳作ゾンビ映画ですね。「28日後」を髣髴させる全力疾走する狂暴ゾンビは造形も素晴らしく、「マッドマックス」的デザインのピックアップトラックはカッコいい!グロ描写の特殊効果もリアリティに溢れてますね。ゾンビの身体から発せられるガスがエネルギー源として活用可能だとか、感染しない血液型の人間にゾンビの血液を注入すると亜種となってゾンビをコントロール出来るとか、かつてないアイディアも盛り込まれています。そして、肝心のストーリーは、きっちり人間ドラマを挿し込みつつも、ちょっと省略し過ぎなぐらいに短い尺の中で纏められていて、ゾンビの動きと同様にスピーディに展開していくところに好感が持てます。マッドサイエンティストのいかれっぷりを始め、何気にコメディ的要素まで盛り込まれていてバラエティに富んだ仕上がりです。ある程度ゾンビ映画を観慣れた観客に向けた意欲作と受け止めました。初心者向きではないですね。 ちなみに、まるでパロディ作品かと思われてしまうような無理やり感溢れる邦題よりも、私的には初見の単語でしたが、原題直訳の方がいいのではないでしょうか?「苦い経験」とか?それじゃますます意味不明かな?(笑)
[インターネット(字幕)] 7点(2021-12-26 01:15:13)
254.  ザ・サークル 《ネタバレ》 
2時間弱の作品ですが、ヒロインが「サークル」に入社してメインテーマに入り込んでいくまでに尺を取り過ぎているように思え、序盤だけ観ていると長編作品なのかと思いました。あらすじを読んでいなければ、この作品はどういうカテゴリーの作品でヒロインはどんな事態に巻き込まれていくのか、中盤以降まで今ひとつ分からないように思えます。もっとスピーディな展開であれば、観客は作品世界に惹き込まれるのでは?言葉は悪いかも知れませんが、展開がダラダラし過ぎているように感じました。 ヒロインが「サークル」の進もうとしている方向に疑念を感じているところを描きつつも、経営者イーモンの理念や行動を真っ向否定しないどころか寧ろ肯定的とも思えるように描いているところも、観客としてはどっちつかずで感情移入したくとも出来ないというところでしょうか。この巨大SNS産業の在り方、存在意義に対して断罪はすべきではないというのが製作者のスタンス?と感じてしまいます。 家庭内にも悩みを抱え、苦情窓口でくすぶっていた頃のヒロインが、まるでカルト教団のような「サークル」での日常に次第に馴染んでいくものの、やがては強く疑念を感じ、それを晴らすべく反旗を翻す。けれども、結局彼女の目指すところは「サークル」の目指すところと変わらないのでは?という何ともすっきりしないモヤついた気分が残る結末でした。 ネット社会の走り始めの時代に作られた近未来SFであれば、印象も感想も全然違うものになっていたと思いますが、公開から5年も経っていない最近の作品だけに、巨大化するSNS産業に内在する現実の危険性や懸念について、もっと踏み込んでもらいたかったと思います。
[CS・衛星(吹替)] 4点(2021-12-15 01:55:41)
255.  ヘレディタリー 継承 《ネタバレ》 
悪魔崇拝というある種の文化について、映画の世界ぐらいでしか触れることのない自分にとって、この作品で表現されている事象は、ある程度理解出来るものではありますが、興味や探求心の範囲外であって感情移入し得ないものでした。 何よりこれはホラー映画なんでしょうか?自分なりの定義ではありますが、「オカルト」=「ホラー」ではないと思うのです。グラハム家が経験する出来事は不快極まりないものばかりで、現実として捉えれば相当に恐ろしい出来事の連続ではありますが、スクリーンを観ていても正直なところ「怖さ」には繋がっていかないのです。 敢えて音や映像で観客を驚かせるような直接的な刺激は抑え、陰鬱な演技と不快なビジュアル、サウンドでじっくりと恐怖を積み上げていき、やがては観る者、聴く者の心の奥底に恐怖を芽生えさせるというような監督の思惑なのかもしれませんが、やはりホラーにはホラーなりのストレートな怖さがあっても良いような気がします。一旦そんなイメージで見始めてしまうと、特殊メイクやCGの場面に低予算映画的なチープささえ感じてしまい、余計に怖さが遠退いてしまいました。 確かに張り巡らされた伏線をひとつひとつ回収していく展開は、非常に丁寧で解りやすく作り込まれていて、この作品が長編デビュー作とは思えないような円熟味さえ感じるところですが、その一方では思いのほか意外性には欠けていて、結構先が読めてしまったりもしました。 事前に「凄いホラー」「過去最恐のホラー」みたいな評価をやたらと見聞きしてしまい、期待し過ぎてしまったかもしれません。出演者さんたち(一家四人とも)の熱演・怪演が光るところと、エンドロールで穏やかなテーマに載せて血の色の文字が継承されていくお洒落さへの評価を加味しての6点献上です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-12-11 00:44:40)(良:1票)
256.  アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲 《ネタバレ》 
前作については、馬鹿馬鹿しい中にも社会に向けられた鋭い視線を感じて高評価しましたが、これは全くの別物と受け止めました。前作の作品世界を踏襲しつつギャグやパロディを次々に繰り出して来るものの、ことごとく滑ってしまう。個人的に感性が合わないだけかもしれませんが正直なところ殆ど笑えませんでした。前作をSF社会派コメディとすれば、今作はSFドタバタコメディといったところでしょうか。そもそも、人類の起源は地球外知的生命体であり、彼らが創造主というところに話を持っていったところで、前作はもうどうでもよくなってしまった感がします。前作製作時に思い付いていたけれどボツになったネタをここぞとばかりに詰め込んだような印象で、無理無理続編にしなくても、新作として製作した方が良かったような気がします。さらに、ラストシーンで次回作ありな感じが見え見えなところからも、余計に印象が悪くなってしまいました。邦題もイマイチしっくり来ません。どのあたりが逆襲なんだか?もっとも、原題も良く解りませんが。 という訳で、続編ということを脇に置いた上での3点献上です。
[インターネット(字幕)] 3点(2021-12-07 23:47:27)(良:1票)
257.  ミッドサマー 《ネタバレ》 
評価が大きく分かれる作品だと思います。 ホラー映画らしからぬ明るく美しい風景に、狂気さえ感じてしまう異文化のエッセンスが散りばめられた独特の映像は、細かく書けばキリがないぐらい観る度に新たな発見があるという、凝りに凝った拘りたっぷりの作り込み。冒頭ダニーに降りかかる厄災には何の意味があるのかと途中まで思っていましたが、観ていくうちに、その事件こそが、エンディングまでその影を落とし続け、それがなければこのストーリー自体が成立し得ないという重要なファクターであることに気付きました。スクリーン上の色彩のとおり、ダニーが暗闇から這い上がり、日の落ちることを知らない白夜の中、魂が白日の下で蘇っていくという物語、というところでしょうか。狂気を帯びた歪なハッピーエンドですね。モチーフを少々変えることで、青春ドラマや人間ドラマとしても成立しそうなストーリーに思えます。 しかし、敢えて衝撃的だったりグロテスクだったりするシーンを差し込んでいるところがこの作品をホラー映画たらしめている訳で、そっと忍ばされたソフトなタッチの恐怖描写のひとつひとつまで拾い上げて行くと、とんでもなく不気味で恐ろしいホラー映画であることに気付かされます。 カルト的なコミューンを題材に持って来たというところで何でもありの世界になっていて、無理難題、現代の法治国家でこんなことまかり通るのか?という部分をクリアしているあたりは決して好むところではありませんし、次から次へと死亡フラグ立ちまくりの登場人物たちにはほぼ感情移入不能ですが、綿密に練り上げられた隙のない映像表現はホラー映画の新たなスタイルを感じさせてくれるもので、このレビューを書きながら自分の中での評価が次第に上がって行った結果、7点献上します。 ちなみに、飛び降りやとどめ刺しシーンは入村後の最初の衝撃シーンですが、監督の作品全体を通した映像表現への拘りのひとつかなと思いつつ、ゴム人形感が強く、デジタル的によりリアルに加工するとか、逆にもう少し直接表現を抑えるとか、正直自分的にはあまり衝撃を感じませんでした。また、私の観たバージョンではクリスチャンの性交シーンにボカシが入りまくってましたが、エロティックな意味ではなく異文化に内在する狂気が現れているシーンであり、ボカシは表現をかなり損なっているかなと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-12-04 13:17:25)(良:1票)
258.  帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 
強烈な風刺劇ですね。タブーと禁句の地雷を潜り抜け、よくぞ製作&上映出来たものだと思います。主演のオリバー・マスッチさんは、ヒトラー役のリアリティを追及するために抜擢された舞台俳優さんということですが、顔立ち風貌と言うより、語り口と存在感がまるで本物かと思わせるぐらいの完成度じゃないでしょうか。現代の問題点や政治の望ましい在り方を訴える彼の言葉の数々には、気を抜くと頭から信じて支持派になってしまいそうな説得力を感じます。作り手は、決してヒトラーの存在と主張を肯定していないであろうにも関わらず、あたかも彼の主義主張を世界に向けて肯定的に発信しているかのような錯覚に陥ります。それも、すべて脚本の妙と主演俳優の力量に依るものだと思います。これはコメディ?いや単純に笑えるものではないですね。劇中のヒトラーの言葉と、彼に関わる周囲の人々の振る舞いとその変化を通じて、現代社会が解決すべき問題点について投げかけている優れた風刺劇と受け止めました。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-11-25 23:32:41)(良:2票)
259.  グッド・ネイバー 《ネタバレ》 
皆さんご指摘のミスリードの部分は確かに好ましくないのですが、取り敢えずは脇に置くとして、優れたヒューマンドラマと受け止めました。 作品中では直接的に表現されていない部分が実に重い。 老人が亡くなった妻に対して死をもって償いたいと思うぐらいの後悔の念。妻が末期がん(おそらく)で最期の時間を自宅で安らかに過ごすため、退院して帰って来た時の老人の思い。夜中に独りリビングで踊る妻の思い。老人はどれだけ妻を苦しめてしまっていたのか。一体どれだけの時間、地下室で妻とそして自分と向き合って来たのか。 ショーンは両親の離婚の後、どれだけ苦しんで来たのか。非行に走り自暴自棄になりながらも、本当の悪には手を染められなかった彼の思いは、両親の争いに好意で関わった老人への逆恨みでは決して救われることはないのに、そうせざるを得なかったのか。またその際、共に助け合い支え合って生きて行くべき母親の存在をどう思っていたのか。 裕福な家庭で不自由なく暮らすイーサンは、なぜショーンに言われるがままに行動し、反発の素振りを見せながらもそう出来なかったのか。いつでも守り続けてくれる両親への思いはどのようなものだったのか。 裁判長は判決の前に厳しい私見を述べるが、それは確かに世論を代表する内容なのかもしれないけれど、果たして正しい判断なのか。 ショーンは「実験」について語る中で、幾度も「客観的」という言葉を用いるけれど、彼もイーサンも彼の母親も、そして裁判長でさえも、客観的になり切れていない、主観によってのみ突き動かされる人々なのだと思う。 学生二人の悪行がメインになっているような作りの作品ですが、登場する一人ひとりの思考や言動を客観的に捉えることを求められる作品でした。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-11-20 22:53:40)
260.  ゾンビワールド 《ネタバレ》 
如何にも低予算映画風に始まる冒頭シーンから、何やら嫌な予感にかられつつも鑑賞していくと歴史を遡ること二千年。なんとイエスキリストが登場。これには引きました。怒られるでしょう、これは。キリスト教徒ではない私から見ても不道徳に過ぎるし、意味もなく歴史公証無視と言った様相。ただし、その後の作品群は徐々に小洒落た短編集になって行き、アイディア的に目新しくはないまでも、花嫁のストーリーは作品全体を引き締めていますね。それなのに最後というかラス前というか、ビーチで繰り広げられる大乱闘では、こともあろうか犠牲になった子どもの亡骸を武器代わりに使うという、これまたとんでもない不道徳ぶり。それがなければ馬鹿馬鹿しくて笑える小品だったのに。 ゾンビに嚙まれて自らもゾンビ化していくニュースキャスターを軸に進めて行くところは決して悪くないのですし、オムニバスの中には好感の持てる作品も含まれていますが、各作品の作風や尺がバラバラで何とも纏まりがない上に、一部に相当不適切な部分があったりもするので、これは2点が妥当かな? ちなみに、キャスターが登場するたび、ゾンビ化の進行具合よりも「髪型」が気になってしまったのは私だけでしょうか?
[インターネット(字幕)] 2点(2021-11-20 22:08:41)
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