261. 偽りの忠誠 ナチスが愛した女
齢87歳にして矍鑠としているクリストファー・プラマー。往時より軍服姿が誰よりも板についている彼は本作でも威厳に満ちた佇まいを見せる。 印象深いのはエディ・マーサンが演じたハインリヒ・ヒムラーで見事な役作りだった。 漂う残忍さはナチスそのもので、傲慢な皇帝を黙らせる冷徹さだった。 物語としては大尉とメイド、皇帝とメイドの交流に現実味を感じなく、肝心のサスペンス色も弱い。都合よくまとめられた結末もまったく物足りない。 [DVD(字幕)] 6点(2017-11-02 13:37:24) |
262. 王様のためのホログラム
ホログラムの商談が二の次三の次なのは大いに不満。心身共に疲弊してゆくアランがユセフやザーラとの出会いを通じて活力が甦る模様は、「プロの仕事人」とは別の顔「困ったなぁ、トホホ」のトム・ハンクスのオーラが全開。「大丈夫、まだ時間はある、必ず時間はある」という彼の言葉を心に留めておこう。砂上の楼閣を形にしたようなサウジアラビアの建築物が印象的。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-08-16 13:30:09) |
263. 愛、アムール
冒頭に示される結末に至る過程。じりじりと衰えて行く誇り高いアンヌ、じわじわと追い詰められて行く慈愛深いジョルジュと演ずるすっかり老いてしまったジャン・ルイ・トランティニャン。直視が辛く苦しい思いに耐えに耐えながらの鑑賞でした。この夫婦にしてこの結末に「介護は他人に、愛情は家族が」を痛感させられる作品。 [DVD(字幕)] 6点(2017-05-28 01:38:17) |
264. 涙するまで、生きる
《ネタバレ》 舞台は1954年、独立戦争のアルジェリア。西部劇と「さらば冬のかもめ」が思い浮かんだ不思議な作品。部族の因習を甘んじて受けようとするモハメドに「生きろ!」と励ますダリュ。自身もアルジェリア生まれのスペイン人移民としての諦念を振り払おうと教師を辞める。授かった命は事切れるまで諦念に押し潰されず全力を尽くして生きるのだと認識させられる。 [DVD(字幕)] 6点(2017-05-12 01:20:47) |
265. 独裁者と小さな孫
《ネタバレ》 舞台である国を特定せず寓話を装っているが、これまでも今もこれからも地球上で起きている話。独裁者と孫の逃亡劇。無垢な孫が最後に「こんなゲームはもうしたくない」と涙する姿に、力だけが正しい統治の虚しさを観る。独裁者を擁護する者の台詞は蛇足だった。 [DVD(字幕)] 6点(2017-01-31 23:59:16) |
266. ゼロ・ダーク・サーティ
《ネタバレ》 無辜の人をテロで闇討ちにする輩に対する拷問(新大統領が復活させたがっている水責めもありました)は仕方ないと思います。マヤが同僚を爆殺された後私怨に走ったのも仕方ないと思います。ラストで独り涙する彼女が将来、両親を目の前で殺された子供達の報復に怯えて生きてゆかなければならないのも仕方ないと思います。力だけが正しい憎悪の連鎖が終わらないのも仕方ないと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2017-01-29 15:10:22)(良:1票) |
267. リピーテッド
《ネタバレ》 今作のコリン・ファースは誠実なのか不誠実なのか、あれこれ想像しながらの鑑賞。気怠い展開に催してきた眠気を体重の乗った左張り手が覚ましてくれました。そこからラストまで不誠実を堪能できました。鑑賞後にあれやこれやの疑問が。①壁に貼られている二人の結婚写真 ②先の事件でホテルから発見現場までの目撃者がないのか ③警察の捜査 ④あの場所にあったアイロン ⑤眠ると無くなる記憶はうたた寝や昼寝や徹夜の場合は。 毎朝「僕は夫のベン・・・」と説明する幸せに思えない生活を続ける彼女への愛情と犯行発覚の恐れが綯い交ぜになった歪んだ人格者を好演した彼に惹かれた思いが、無理があり深みのない展開に醒めてしまった作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2016-11-25 14:08:28) |
268. マネーモンスター
大がかりで華やかさに溢れた演出でもってテンポよく進んでゆく起承転結を楽しめました。「汗水垂らしてコツコツと働く」は死語なのだろうかと考えさせられました。 [DVD(字幕)] 6点(2016-11-14 00:04:21) |
269. さざなみ
《ネタバレ》 邦題のほうが物語を言い表していて齢70にして枯れていないシャーロット・ランプリングに惹きつけられた作品。結婚45周年パーティを間近に迎える夫妻の様子からは共に穏やかに齢を重ねてきたと思われる。50年前にクレパスに滑落死した結婚を考えていた彼女の遺体発見の報を受けて彼女を懐かしむ夫に心掻き乱されてゆく妻の様子が丹念に描かれている。妻の嫉妬に共感できる部分もあるが度が過ぎているように見えた。二人の今後を想像させられるラストショットが秀逸。 [DVD(字幕)] 6点(2016-11-03 01:57:02) |
270. 007/スペクター
哀切感に満ちた主題歌に圧倒されるも、プロフェルドとボンドの因縁、プロフェルドの企み等、お話のレベルが曲と不釣り合い。残念。 [DVD(字幕)] 6点(2016-04-26 01:19:27) |
271. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
《ネタバレ》 シリーズ初見。レベッカ・ファーガソンに釘付けで、トム・クルーズが脇役に見えた。大義名分を振りかざす組織がいとも簡単に、命懸けで働く部下を裏切る話は切ない。敵ボスの生け捕られ方と英国首相からの暗号解除させ方に、盛り上がった思いに水を差されてしまった。 [DVD(字幕)] 6点(2016-04-24 19:21:36) |
272. 許されざる者(2013)
人斬りは戦争行為においてのみでないならず者十兵衛とサディストな署長の対決。つまらない話で、女性達の描かれ方が半端であるのが奥行きが感じられない作品の要因に思えます。ただ、ならず者なりの気魄を示す渡辺譲は瞠目すべき存在でした。未見の原作に興味が湧いています。 [映画館(邦画)] 6点(2013-10-11 19:50:40) |
273. エンド・オブ・ホワイトハウス
《ネタバレ》 主人公の辛い過去が展開に生かされていないのが残念。彼の神出鬼没ぶり天下無敵ぶりは安心感と緊迫感の欠如がありました。(私が手に汗握ったのは漢な国防長官の姿)それは残虐一辺倒で狡猾さが皆無であるテロリスト一味によるところが大きいようです。余談ながら、北朝鮮出生の一味のボスの要求に北東アジア緊迫の状況に触れられている中で日本の「に」の字も出てこなかった事には苦笑しました。 [映画館(字幕)] 6点(2013-06-14 22:43:17) |
274. ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
マックス・フォン・シドー演ずる間借り人に釘付けで、一枚一枚のコメントが沁み入りました。 [DVD(字幕)] 6点(2012-12-24 03:48:21) |
275. 塔の上のラプンツェル
《ネタバレ》 それ自体が生き物であるかのような髪の描写に目を見張りました。CG凄い。他愛のない物語ですがマキシマスとフリンが銭形警部とルパンに見えてきて結構楽しめました。なのでラプンツェルと結ばれる結末はいただけないのであります。 [DVD(字幕)] 6点(2011-11-03 16:38:44) |
276. オートマタ
だるい展開を黒幕は誰かの興味で我慢して観た甲斐無かった結末に脱力。 無機質な中に感情が微かに見えるクリオは印象深い(+1点)のですが、連れのラーテルのようなロボットは気持ち悪いだけでした。 [DVD(字幕)] 5点(2024-06-04 16:22:14) |
277. インビジブル・ゲスト 悪魔の証明
話が進んでゆくにつれグッドマンはダニエルの両親の依頼を受けていると見たのですが・・・ 斜め上の結末に驚くと共に無理筋にも思えました。 ローラ殺人の真相も雑に感じ、鑑賞後急激に冷めてしまった微妙な作品でした。 [DVD(字幕)] 5点(2024-02-16 02:36:36) |
278. おもかげ
《ネタバレ》 冒頭の母と6歳の息子の電話越しの会話は手に汗握るもので、あっさり場面変わってそれから10年後というのに期待がうなぎ上りになりましたが泣く泣く中断。喜び勇んで続きを観ましたが、エレナ39歳(だったか)らしからぬ浅はかな言動にガックリ。結末に今度は元ダンの家庭をかき回そうとするのか! 更にガックリで、お目当てアンヌ・コンシニもパッとせず・・・残念さでいっぱいです。 [DVD(字幕)] 5点(2023-10-14 23:36:42) |
279. 崖っぷちの男
捻った脚本に面白くしようとする意図が見えますが、無理筋が過ぎるかと。ただのアンポンタンだったエド・ハリスがイタくて残念。交渉人のお姉さんの空回りぶりもイタかった。 [DVD(字幕)] 5点(2023-07-27 00:08:00) |
280. 夜明けの祈り
《ネタバレ》 冒頭に実話であると示される作品。修道女を集団レイプする犬畜生以下のソ連兵。身籠もった事、身籠もった子供を堕胎する事が罪とされる苦しみ、それでも生まれた子供を慈しむ、同じ人間でありながら同じではない修道女の姿を見ました。奮闘するフランス人女医が声高に叫ぶ事無く意志を貫くのが深刻な内容でありながら辛気臭ささが薄まっています。彼女自身がソ連兵に危うい目に遭わされるシーンはわざとらしい演出に思えました。 こういう戦争犯罪もあるのですよと知らしめる、可も無く不可も無しの作品です。 [DVD(字幕)] 5点(2023-07-24 03:18:43) |