281. シザーハンズ
オープニングからティム・バートンの世界観バリバリ。見たまんま“モンスター”の「エドワード」の出現によって顕在化する、中流で善良な小市民の心に巣食う“モンスター”をユーモラスに批判したお伽噺。寂しすぎるラストが、美しすぎて辛い。 7点(2003-05-29 11:41:54) |
282. ゴースト/ニューヨークの幻
なかなか良質なラブ・ファンタジー。公開当時はイイと思ったものの後で見返すと大甘でとても浸れなかった(歳をとるってカナシイ)。これを観た翌日、ロングの髪をバッサリショートにしちゃった恥ずかしくも懐かしい思い出を持つのは、きっと私だけじゃないハズ! 6点(2003-05-28 19:22:08) |
283. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
米ソ冷戦下において、このような作品を作ってしまうキューブリック。すさまじいばかりの皮肉とユーモアとエロス。このように完成された作品をコメントする言葉など見つかるはずもなく、「また逢いましょう」の甘美な調べに、ただうすら笑いをうかべるだけの「いいカメラを作るブタ野郎」なワタシは、愚かにも人間の英知を信ずるのでした。 10点(2003-05-28 12:53:53) |
284. 運動靴と赤い金魚
この時代の日本に、にたまたま住む私達には想像もつかないほど優しい、美しい映画。たった1足の靴に象徴された倹しい暮らしとささやかな喜び。無くしてしまったものの大きさに圧倒されながら、それでも隣で涙ながらにお兄ちゃんを応援する娘に救われた。日本のコドモだって捨てたモンじゃない、みんながんばれと願わずにいられない。余韻を残すラストもいい。 9点(2003-05-28 12:42:07) |
285. アポロ13
文明とは、まさに偉大なる失敗の積み重ね。結果ではなくそこに至るプロセスこそがドラマだということを強く感じた。あと一歩のところで、夢に手が届かない主人公の切なさに泣けた。CGを駆使したリアルな映像はもちろん、管制室の人々の熱い思い、地上で信じて待つ家族など人間ドラマの描き方も秀逸。 9点(2003-05-28 11:56:19) |
286. ブレイブハート
ハリウッドでしか撮れないであろうスケールの大きな歴史大作。イングランドの支配から自由と独立を求めて立ち上がる、実在したヒーローという題材も良い。戦闘シーンの映像も迫力満点。複雑な英国史もわかりやすくまとめている。でもな~。全体の出来が良いゆえに、なんで主演まで自分でやっちゃったんだ、メル・ギブソン!と言いたい。年齢的にも設定上無理があるし、どこを切ってもメル・ギブソンのバリバリのヒーローものになっちまいました。中盤いらないロマンスシーンを描くなら、望まずして英雄になったウォレスの苦悩や、後に彼の意志を継ぐことになるロバート1世との関係を描いてくれ!と切に思った。監督として作品を俯瞰に眺めたら、ああはならんだろ。 8点(2003-05-22 13:03:58) |
287. フルメタル・ジャケット
戦場において人間性を描くことをきっぱりと拒絶したキューブリックの誠意を賞賛したい。このような題材でこそ、彼の皮肉は素晴らしく光り輝く。この映画の前半部はフルメタル・ジャケット(完全鉄鋼被覆弾)の製造過程、後半部は消費過程として見ることができる。前半、「デブ」は殺人マシーンとして完成することなく人間のまま死んでいった。彼の狂気は正に人間としての狂気だった。後半、その秀逸なカメラワークによって、狂気の満ちた戦場に立ち会わされる私たち観客は、ジョーカーやカウボーイやあの少女といったかつて人間だったはずの彼らが「消費」されていく様に、ただ圧倒されれば良い。なぜならばそれだけが唯一の戦争の本質だからである。そして「それがまた人間の本質だろ?」とでも言いたげなキューブリックに、今回だけはやられた感じ。 10点(2003-05-21 13:36:01)(良:6票) |
288. ギルバート・グレイプ
ここまで評価が高いとは知らなかった。レオナルド・ディカプリオもジョニー・デップも素晴らしい演技だったと思う。ささやかなエピソードを丁寧に丁寧に積み重ねていくハルストレム監督の緻密さも良い。淡々と綴った物語も好きだ。でも、なーんか感情移入し難かった。幸せになりたくてもがく方が人間らしい。ああいう結末以外に彼らの解放がなし得なかったことも脱力感を覚える。つまりは登場人物のメンタリティが私には理解できず、共感できなかったということか。 5点(2003-05-20 21:26:40) |
289. レオン(1994)
孤独なふたりの関係性を肯定的に受け止められれば○、そうじゃない人には×。私は同じ年頃の娘がいるせいか、何となくお尻の座りが悪くって、最後まで「楽しめ」なかった。 5点(2003-05-18 20:33:00) |
290. もののけ姫
鑑賞後の素直な感想「で?一体どうしろと?」言いたいことは解る気がする。宮崎氏の危機感や無力感は充分伝わってくる。でも、だ。でも「で?どうしろと?」と、その思いの丈を一方的に叩きつけられた私には言う他ない。人間は確かに他の動物を追いやったり、自然を破壊しているかもしれない。しかしその一方でまた、それらの問題を英知を持って乗り越えようと努力もしている。先人が幾多の苦難を越え、営々と築いてきた現代の文明を、独善的に裁いてほしくはなかった。裁くからには何がしかの結論から逃げないでほしかった。結果として本作には明確なメッセージなどないのだから「何が言いたいのかわからない」という感想が多いのも当然といえば当然。映像や世界観などのqualityはさすがなだけに、この後味の悪さが悔やまれる。でもさぁ、自然(神)と人間の対立って…、な~んか驕ってないかなぁ~、という気もする今日この頃。 2点(2003-05-18 15:10:38) |
291. Shall we ダンス?(1995)
いつもながら、この監督は脇役を輝かせるのが上手い。役所広司も上手い。完成度が高く大変楽しめたのですが…。内容的には「しこふんじゃった」の大人バージョン、とでも言いましょうか。。。こうも3作続けて同じテイストだと、ちと減点したくなってきます。周防監督の今後作に期待大です。 7点(2003-05-18 13:18:44) |
292. スタンド・バイ・ミー
ロブ・ライナーが実に上手にキングの原作を調理している。原作ではややもすると悪い後味を残しそうな結末を爽快にし、うかつに扱うと甘ったるくなりそうなノスタルジーが、若さという残酷を描くことで深みを出している。そしてベン・E・キングの主題歌が、本作を傑作にした。 8点(2003-05-18 12:53:03) |
293. フル・モンティ
好きな男→フラれて強がりを言う寅さん、曙と立ちあう舞の海。私は満身創痍戦う男が根っから好き。ゆえに彼らの滑稽な一生懸命さとおどける悲哀に、のっけからハート鷲掴み状態。声をあげて笑いながら、涙が止まらない。そしてラストの一瞬のカタルシス。そうか、私が求める「男らしさ」ってのは、どん底で笑ってみせる男意気なんだな、と気付いた。それにしても、ブラス!、リトルダンサーにも見られる当時の炭鉱・鉄鋼労働者に襲い掛かった不況って、本当に深刻だったんだなぁ。さあ、今度は日本が不況を乗り越える番だ、がんばろう。 10点(2003-05-18 11:17:15) |
294. オズの魔法使
これまでの人生で一番たくさん観た作品。娘が2歳頃からの一番のお気に入りで、毎日のようにビデオを観ていました。遊びに来ていた近所の子供たちも気に入ってくれて、みんなで♪Somewhere、 over the rainbow、 skies are blue~って歌っていましたっけ。いまだ映画史上№1ではと思わせる美しいカラーと、甘く懐かしい思い出とともに、私にとって宝物のような映画。 10点(2003-05-17 19:56:09)(良:2票) |
295. 鳥(1963)
この映画が父に連れられて(おそらく)初めて観た映画だったと思う(もちろんリバイバル上映)。空一面を埋め尽くす凶暴な鳥の画に驚愕し、恐れおののいた記憶は今も鮮明だ。何の理由もなく、理不尽に襲われるからこそ恐ろしい。そもそも鳥に訊ねたところで論理的な理由などあるはずなく、あったとしても納得などできようもない。そしてその後追随して現れたいわゆる「動物パニックムービー」のうちのいくつかと、本作から間違いなく私は「自然への畏怖」を学んだ。後にジョーズも、父と映画館で観たが、父が私に何を教えたかったかは謎である。(多分、自分が観たかっただけであろうことは、ほぼ確定的だが) 9点(2003-05-17 13:21:38)(笑:1票) (良:1票) |
296. ターミネーター
アメリカで観たため、字幕がなかったのですが、十二分に楽しめました。娯楽映画に国境はない、と感じさせてくれた作品。 7点(2003-05-16 20:18:47) |
297. 時計じかけのオレンジ
とかく「映像美」だの「センスが良い」だの「芸術的」だのと言われる本作だが、私はひとつもそれらを感じることはなかった。ただこの映画に終始漂うものは「不在感」。シンメトリーで一切の温もりを排除した絶対に真似たくないインテリア、ファッション、ミスマッチとも言えるクラシック音楽の洪水、誰ひとりとして感情移入させることを許さない登場人物。一貫して描いたのはただ暴力。当初、それは冷酷で傲慢なキューブリックの人物像を連想させたが、あるいはそれは偽善や欺瞞を許さない孤高の姿だったかもしれない。いずれにしても私にとってキューブリックは、好きにはなれないのに、どうしても観ずにいられない監督であることは間違いない。 7点(2003-05-16 14:07:26) |
298. 恐怖の報酬(1953)
奥歯を強く噛みすぎて、こめかみが痛くなりました。そういう映画です。それだけの恐怖とスリルを味わえるのも、傑出した人物描写の成せる業。掃き溜めの中から一縷の希望に命を賭ける男たちの、やるせなさ、焦燥、行き場のなさを濃密に描いた前半部が、後半ボディーブローのようにじわじわ効いてきます。-1点は、いくらなんでもこめかみがあまりにも痛かったから。←逆ギレ 9点(2003-05-16 11:39:04) |
299. 8 1/2
天才は何をやっても許される、という「良い」見本。 7点(2003-05-16 11:13:42) |
300. オースティン・パワーズ:デラックス
幼なじみで中学時代のボーイフレンドが「面白いよ~」ってビデオを貸してくれました。鑑賞後、その彼に「ワタシがアレ観て、腹抱えて笑うと思ったの?」と訊ねるとにっこり笑って「うん!」と。私のイメージって一体…???ま、確かにちょっとは笑ったんですけど。 4点(2003-05-14 13:16:37) |