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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2403
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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281.  ダウンサイズ 《ネタバレ》 
前半はとてもよく考えられたSFです。税金や選挙権などの人権、そして経済に与える影響など、ミニサイズの人類が登場したらどういう問題が起きるかということを、社会科学的な視点で見せようとする意図の脚本です。その代わりダウンサイズのテクノロジー面の描写はけっこう雑で、注射を打たれてから縮小されるまでのあっけなさには思わず笑っちゃいました。疑問なのはミクロ社会の建物や車などの人工物で、あくまで生体の細胞を縮小するテクノロジーだからモノには通用しないはず(ミニサイズの馬がいるのは納得できます)、じゃあ彼らはそれらのモノをコミュニティ内で製造したことになるけど、そんなことできるわけないでしょう。とすると、あの建造物などは通常サイズの世界で作られて持ち込まれたものじゃないとおかしいということになりますが、車や携帯電話をあのサイズで製造するのは無理でしょう。つまり論理的にはこの映画のプロットは破綻しているわけですが、このお話しのキモは全人類がダウンサイズするわけではなく、ミクロサイズと通常サイズの二種類の人類というか社会が併存する世界であることでしょう。つまりダウンサイズ人間社会は通常サイズの人類なしでは存在することができず、一種の棄民された人類とも言えます。 この映画が迷走し始めるのはノルウェーに舞台を移す後半です。あの地下に潜る選択をする人々は、私にはカルト集団としか思えません。この人たちを揶揄するわけでなく、最後まで善意に満ちた集団として描いているので違和感が半端ないです。マット・デイモンは全編を通して「人生流されて生きてきました」という感じのジェイソン・ボーンとは対極のキャラでしたが、まあ最後の決断は良しとしておきましょう。 余談ですがホン・チャウが演じた元政治犯を刑罰としてダウンサイズした国家はベトナムということになっていますが、なんか違和感があります。たしかにベトナムも今でも共産党独裁国家ですが、ここはやはり中国としたほうがしっくりきませんか。ひょっとして脚本段階では中国だったのかなと邪推したりしますが、これもまたハリウッドを毒しているチャイナ・リスクなのかもしれません。これはあくまで私の勘で、根拠はないですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-01-03 20:50:30)(笑:1票) (良:1票)
282.  パトリオット・ウォー ナチス戦車部隊に挑んだ28人 《ネタバレ》 
期待しないで観たのですが、意外とこれが悪くなかったです。なんでもこの映画が取り上げている戦闘は“パンフィロフの28人”としてロシアでは有名なんだそうです。この1941年11月のモスクワ前面での神話的な戦闘ですが、実は最近当時の記者による捏造説が出てきて、これはかなり真実をついているそうです。とはいえ話が盛られているにしてもその地で戦闘があったことは事実で、映画製作者もそのことは踏まえたうえでの映像化らしいです。 攻めるドイツ軍は三号戦車と四号戦車を大量に投入してきますが、CGではあるけど動作も含めて出色の再現度です。これはWar Thunderというロシアのネット・コンバット・ゲームの運営が出資していることがいい影響を与えたみたいです。他のドイツ・ソ連両陣営の火砲もCGを交えて忠実に再現されていました。塹壕陣地にこもって戦車を伴って攻めてくる歩兵をひたすら撃退するだけというシチュエーションはフィンランド映画の『ウィンター・ウォー/厳寒の攻防戦』とまるで一緒ですが、本作の方が見せ方に迫力があって段違いです。ソ連兵たちは個々のキャラの掘り下げはほとんどないので誰が誰やら戦闘が始まったらさっぱりですが、史実通りらしいのですがカザフスタンあたりのアジア系兵士が多かったです。ソ連側は対戦車砲からモロトフカクテル(いわゆる火炎瓶)まで多様な兵器で防衛しますが、中でも対戦車ライフルが大活躍しています。いくらまだ装甲が薄かったドイツ戦車とはいえ、対戦車ライフルがあそこまで効果あるとは思えません。そして最後のいちばん都合の良いところでドイツ兵をバッタバッタとなぎ倒すマキシム重機関銃、MVP兵器はこの重機だったのかもしれません。 さすがロシア政府まで出資しただけあって全編にわたって英雄物語に徹していますが、旧ソ連国策戦争映画ほどの暑苦しさはありません。でも当時の赤軍には督戦隊という戦意が低い兵士を処刑する部隊がいて、史実でもこの戦闘で降伏しようとした兵士が射殺されたということはきれいにスルーしています。28人全員が愛国心に燃えて積極的に戦った、というこの映画のプロットはやはり神話だったということです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-12-10 23:52:20)
283.  パトリオット・デイ 《ネタバレ》 
ボストンを舞台にした犯罪・アクション系映画になると、主役キャラが警官ならマーク・ウォールバーグを主演に据えることはハリウッドの最近のお約束事みたいな感じですね。この実録映画で彼が演じるキャラは架空の存在キャラみたいですが、いつものウォールバーグとは違ってすぐに頭に血が昇るタイプではなく自省的で割と落ち着いた男のように見受けました。そうなると、「この役はマーク・ウォールバーグじゃなくても良くね?」、ということになる気がします。俳優も、一度染みついた悪い(?)イメージは払拭するのはなかなか大変です(笑)。 つい最近のことの様な気がしてましたが、ボストン・マラソン爆弾事件は5年も前の事件だったんですね。この映画を観ての感想は、テロなどの犯罪に対するアメリカ人の立ち直りの早さは大したものだ、ということでした。これにはマスコミの対応も影響が大なのかもしれません。日本のマスコミ、とくに社名に「日」が入っているところはすぐに犯罪者側に同情する方向に誘導する記事を載せますからね。彼らは基本的に大衆を見下していますから、世論を善導してやるんだという意識が強いわけです。そしてテロや犯罪をタイムリーに映画化してしまうハリウッドの貪欲さには、毎度のことながら感心するしかないです。日本の場合は、震災の様な天災に関してはトライすることはありますが、犯罪事件などの人災については、映画化された事例はほぼ皆無ですからねえ。 映画の内容についてはかなりオーソドックスな撮り方だったかな、と思います。中では市警察はもちろんFBIですら実態をつかめていない風なワシントンから来た尋問チームが、なんか思わせぶりで不気味でした。実話なのかは不明ですが、犯人兄弟が9.11陰謀説を信じているところも印象に残りました。そして驚くことに、ボストン・マラソン爆弾事件を検索するとアメリカ政府の自作自演だという陰謀説がたくさんヒットすることです。もう狂っているとしか言いようがありません。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-06-09 23:17:17)
284.  エクスペンダブルズ2 《ネタバレ》 
スタローンとステイサム、“群れない孤高の漢”キャラだった二人ですが、このシリーズではコンビ芸がだんだんといい味を出してきましたね。前作の内容はすっかり忘れた状態で観てしまいしたが、別に支障がないぐらいで独立した映画みたいな感じすらします。でもシュワちゃんとブルース・ウィリスのとってつけたような絡み具合は、いただけない。スタローン・シュワルツェネッガー・ウィリスの三人が並んで悪党退治という図柄は、ファンにはたまらないサービスではありますけどね。でも彼らを完全に喰ってしまったのはヴァンダムの悪役ぶりです。彼も自分の需要がどこら辺にあるのかようやく自覚出来てきたのかもしれませんが、悪役じゃ主演を張れないというのは悩むところかもしれません。でもこれに懲りずに、これからも憎々しく残忍な悪人を演じて欲しいです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-22 21:29:33)
285.  探検隊の栄光 《ネタバレ》 
いろんな意味で緩すぎるけど、こういうのは嫌いな題材じゃないです。テーマにしている『川口探検隊』シリーズは実際にはもっといい加減で煽情的な番組だったけど、たしかに当時には落ち目だった川口浩が捨て身のロケで起死回生を果たしたという事実は上手くパロっていますね。時おりアーカイブから引っ張ってきたような熱帯カットを挿入してますが実は国内でロケ撮影したのは見え見えなんですが、かえって本家の『川口探検隊』が漂わせていたチープ感を上手く再現することにつながっている気がします。何でもかんでも「ド~ン」とかの擬音で済まそうとするユースケがツボにはまった適役で、もっと彼に活躍して欲しかったぐらいです。藤原竜也のコメディ演技もなかなかのもので、新境地を開いたかもしれません。まあ予算も製作者の熱意も大して高くない企画なので酷ですけど、較べてみると『トロピック・サンダー史上最低の作戦』がいかに傑作だったか再認識させられました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2017-12-16 23:14:56)
286.  幕が上がる 《ネタバレ》 
昔のモーニング娘。の超駄作を引き合いに出すまでもなく、日本のアイドル映画というやつはロクなもんがないというのが世間の常識。そう考えると(あくまで)アイドル映画として観る限りでは最も良く撮れた作品と言えるかもしれません。これはもう原作があるので如何ともし難いところなんですが、登場するJKたちがあまりにも優等生過ぎるのでリアリティーが無さすぎるところで、原作者の平田オリザの作家としての限界なのかなと感じます。授業シーンなんかでは確かに存在は確認できるのに、男子生徒がまったく登場しないのは、これまたストーリーテリングの不自然さを際立たせている気がしました。存在感の希薄な他の演劇部員どころの騒ぎではありません、まるっきりエキストラしかいないんで、ここは女子高かと突っ込みたくなります。色恋沙汰に発展させないためかもと思いますけど、こういうところがアイドル映画の限界なんでしょう。 ももクロの中でひとりNHKのオーディションに合格するだけあって、百田夏菜子の演技力はちょっと光ってました。あの演出センスを疑うモノローグがなければもっと印象が良かったと思うんですけど、これは彼女の責任じゃないですね。この人はアイドル辞めても女優として成長してゆく予感がします。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2017-09-23 21:43:12)
287.  テッド2 《ネタバレ》 
前作からは綺麗につながったオープニングですけど、ジョン・ベネットがまさかの(でもないか)離婚、そしてテッドがまさかの結婚です。前作を観てからだいぶ時間がたっているんですが、正直言っていろいろな面で毒気やパワーが落ちてしまっているのは否めないんじゃないでしょうか。ここにきてテッドが人間(のわけないですが)的な存在なのか単なる工業製品なのか割とシリアスなテーマを持ち出してきましたが、「なんで今頃?」という観客の突っ込みは当然です。でもその製作者の言い訳が、「役所が見落としていたから」なんですから怒る気にもなれません(笑)。この裁判のテーマは、法学部の模擬法廷なんかで真面目にやってみたら面白いかもしれません。 端的に言って前作よりもパワーダウンしてしまった最大の原因は、パロディネタの詰め込み過ぎでしょ。あとモーガン・フリーマンを起用しちゃったことで、こういう名優を使うとそのキャラで先行きの展開がわかっちゃうし、だいいちこの人だけが大真面目に芝居してるので浮いている感じがしました。 個人的にはこの映画での最大のサプライズは、テッドにはチ〇コがないということでした。そりゃ元がテディベアなんだから当然でしょうが、あのムクムクの中に隠されているのかと思ってました。じゃあ、あの腰振りはいったい何だったんでしょうかね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-09-19 22:17:56)(笑:1票)
288.  7500(2014) 《ネタバレ》 
前のレヴュアーの方、途中でオチに気が付いたとのことですが、恥ずかしながらわたくしめは全然ダメで意表を突かれてしまいました。ですけどストーリーテリングにはけっこう疑問が残りますね。 飛行中の旅客機の中で男が突然死するところから異変が始まるわけで、その後の怪異現象を見せられると、これはいわゆるパンデミック・ゾンビものなのかと思っちゃいます。飛行中の航空機という密室で繰り広げられるゾンビ劇ってなんかそっくりのB級ホラーがあったよな、って余裕こいていたらあの結末です。それはそれでいいんですけど、そしたらあの勿体ぶった怪異現象はいったい何だったの?と首を傾げたくなります。こういった思わせぶりな見せ方は清水崇の得意技ですから、しょうがないのかもしれません。でもこれは日本人的な怪談趣味にはマッチしていることは認めます。 ちなみに、この脚本家はギリシャで実際に起こったヘリオス航空522便墜落事故を参考にしてますね。信じられませんが本当にこんな事故があったんです、CSで放送している『メーデー!航空機事故の真相と真実』でやってました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-07-28 22:19:00)
289.  ロック・ザ・カスバ! 《ネタバレ》 
いかにもインチキ臭い音楽エージェントが軍の慰問ショーを引き受けて女性シンガーを連れてアフガニスタンに赴きます。もうこのプロット自体はどっかで一度は観たことあるパターンで、お約束通り戦地にビビったシンガーはマネージャーのカネを盗んで遁走してしまいます。このインチキ・マネージャーであるビル・マーレイと女性タレントのゾーイ・デシャネルの絡みのところがまあこの映画でいちばん笑わせてくれるところです。ビル・マーレイが帰国資金を稼ぐために乗った危ない仕事で赴いた奥地の村で、メチャクチャ歌が上手い娘に出会って彼女をアフガンのTVコンテストで優勝させようと奮闘するというのがいわばメイン・ストーリーとなります。 アフガンでタレント・オーディションのTV番組が放送されているってのは意外ですが、このお話が実話をヒントにしているみたいなのでホントのことみたいです。女性の権利がないに等しいアフガニスタンのような国で、人前で素顔をさらして歌唱するということがいかに危険なことかは容易に想像がつきます。“問答無用で殺されちゃうでしょ”と思いますけど、それじゃ映画にならないので一工夫が必要ですけどこの映画の脚本はそこがとてもあっさりし過ぎです。超絶技巧を持った娼婦ケイト・ハドソンや民間軍事会社の傭兵ブルース・ウィリスなどが脇を固めていますが、どちらも精彩を欠く存在でした。だいたい、オーディション番組に挑戦するパシュトゥーン人の女性のキャラがほとんど描かれていない脚本が、この映画の最大の欠点だと感じます。この役を演じている女優はすっごい美人なだけに、もったいないことです。 拳銃やライフルがバンバン撃たれるのに誰も死なない、現代アフガンを舞台にしているにしては珍しい映画だとも言えます。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-04-27 22:28:29)
290.  SHORT PEACE
『武器よさらば』、そういえば昔ヤングマガジンかなんかに載っていたのを読みましたよ。あのころの大友克洋は『童夢』も描いていたし、この人の才能が満開に近かった時期ではなかったかな。それがこうやって30年の月日が過ぎてアニメになって甦るとは感無量です。彼の画はとてつもなく緻密だから、これぐらいの短編の尺が製作側としてもちょうど良いんじゃないでしょうか。いかにも大友らしいオチが微笑ましいとも言えます。他の三篇は時代設定が戦国時代や江戸時代という最近の彼の趣味が反映している感が強いですが、『武器よさらば』との組み合わせは映画としてはどうなのかなと首をかしげるところがあります。でも個人的には『火要鎮』の独特の世界感がツボでした。 大友克洋と言えば『気分はもう戦争』や『童夢』のアニメ化が実現する可能性はないんでしょうかね?やっぱり『童夢』はあまりに画が凄すぎて無理かもしれない。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2017-02-27 23:38:10)
291.  ヒトラー暗殺、13分の誤算 《ネタバレ》 
『ヒトラー最期の12日間』を撮ったオリヴァー・ヒルシュビーゲルが、ヒトラー暗殺未遂事件である“ビュルガーブロイケラー爆破事件”にスポットをあてて再びヒトラーものに挑戦です、もっともヒトラー自身はほんの一瞬しか登場しませんけど。 田舎の工員だったゲオルク・エルザ―という男がヒトラーが毎年演説するミュンヘンのビヤホールに爆弾を仕掛けますが、見事爆破には成功したが13分早くヒトラーが退出してしまったために暗殺には失敗した事件です。冒頭でエルザ―はあっさり逮捕されてしまい事件をクライマックスにしての緊迫感をあおるようなストーリーテリングではなく、ゲシュタポがエルザーを取り調べる過程がこの映画のメイン・プロットということになります。エルザ―は割とあっさり自白してどうやって事件を仕組んだかを回想するわけですが、実は彼の単独犯行でした。史実通りなんですけど、確かにヒトラーまでもが背後の陰謀組織の存在を疑ったのは納得できるほど、この男の行動は不思議です。共産党シンパなのに敬虔なクリスチャンというだけでも矛盾していますが、人間の心の中なんてそう簡単に割り切れるものじゃないのも確かでしょう。その辺りは余り突っ込んだ描き方をしていないところがあり、自分としてはちょっと不満です。この映画の脚本の肝は、取り調べるゲシュタポ高官のアルトゥール・ネーベとエルザ―のやり取りにあるのは間違いないでしょう。このネーベという人は、映画のラストでもふれられている様になんと1944年のヒトラー暗殺未遂事件に関与して処刑されているんです。もっと驚くことはエルザ―自身も終戦1か月前までざっと6年近く処刑されなかったということでしょう。こうなるとヒトラーの考えることですから謎としか言いようがありません、「俺を殺そうとしたエルザ―が死ぬときは、自分も死ぬときだ」とでも思っていたのかな? 最近ドイツではエルザ―の記念切手が発行されたりして英雄扱いなんだそうですが、なんか「ドイツ人よ、ちょっとおかしくないか?」って気がします。結局彼が仕掛けた爆弾ではナチ党員とはいえ普通の人が死んだだけなんですから、こうなるとテロリストと英雄の違いとはいったいなんなんだろうと悩んでしまいます。彼を英雄視するのは、民主的な選挙でナチスに政権を取らせてヒトラーを国民投票で総統にしてしまったドイツ人の後ろめたさの現れかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-24 21:49:28)
292.  SPY/スパイ 《ネタバレ》 
最近ブレークしているメリッサ・マッカーシー、こないだ刑事役をこなしたんで予想通りの女スパイ役が回ってきました。ジェンダーレスなヒロインが流行っている昨今ですから当然といえば当然。CIAの後方支援OLが現場に出てゆきスパイとして意外な大活躍をするというのは誰でも考え付きそうなプロットで、内容もいろんなスパイ映画やアクション映画の軽いパロディをちりばめて引っ張る安定のコメディです。ジュード・ロウは最初の登場シーンからその後の展開が読めるベタさで、彼自身も「遊びで出演してます」と言い出しそうなリラックスというか軽い演技ですね。相変わらず役作りもしないでいつものまんまの無精ひげキャラのジェイソン・ステイサムの方が、仕事のし過ぎでパンチ・ドランカーになってしまったようなドジなエージェントで妙に可笑しかったです。主演のメリッサ・マッカーシーははっきり言って日本じゃ人気が出そうもないタイプですけど、このおばさんの軽い下ネタをちりばめたしゃべくりはなかなかの迫力です。最後まで引っ張ったIDネタはベタですけど笑っちゃいます。でもなんで彼女が銃を撃たせたら百発百中なのかは、マジで謎です(笑)。 さてメリッサさん、次はどんな危険な職業を演じるんでしょうか、消防士か兵士あたりかな?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-21 22:38:33)
293.  ラストベガス 《ネタバレ》 
『ハング・オーバー』シリーズの後期高齢者版かよ、って思って観始めましたが、さすがにあれほどバカバカしく弾けてはないしそこそこ品よくまとめましたって感じです。なんてたってこの4人のオスカー俳優を揃えたってところはすごいもんです。デ・ニーロとマイケル・ダグラス、デ・ニーロとモーガン・フリーマン、この組み合わせは今まで観たことないし、4人目にケヴィン・クラインを持ってくるところがまたセンスがイイですね、まさに夢の競演(ちょっと渋いんですけど)でしょう。 脚本自体は映画学校の生徒が書いたような臭さがありますけど、それでも終盤にかけては名優たちの渋い演技のおかげでグッときましたね。それしても、マイケル・ダグラスとメアリー・スティーンバージェンが乗る高層ホテルの天辺から落ちるコースター、観てるだけでもマジで怖かったです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-13 22:26:55)
294.  ガガーリン 世界を変えた108分 《ネタバレ》 
ストーリーテリングは伝記映画としては王道というか極めてオーソドックスです。感じとしてはソ連版『ライトスタッフ』という雰囲気もあります。でもその視点にはまるで旧ソ連の時代の映画のようなところもあり、西側を「敵」と呼んだりボストークの成功を喜ぶ市民の描き方がとっても臭かったリします。あといろいろと初めて聞くような事実も盛り込まれていて、もし西側に着陸した場合に「敵」の手に渡らないようにボストークには爆薬が仕掛けられていたなんてびっくりです。でもガガーリンの帰還方法はマジで驚愕ものです。大気圏突入後に射出座席で脱出してパラシュート降下していたなんて初めて知りました。これって、もし水面に着水しちゃったらどうするつもりだったんでしょうかね、たぶん溺死でしょう。たしか私の子供ころはカプセルとともに着地したってことになってましたけど、調べてみるとそれはソ連が発表したウソだったそうです。 ガガーリンは史上初めて地球を宇宙から観た人類なんですから、その体験の意義をもう少し突っ込んで描いても良かったと思います。たとえ「そこに神はいなかった」が本当の感想だったとしてもね(“地球は青かった”という有名な言葉はジャーナリズムがこれまたでっち上げたものらしいです)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-12-16 22:35:33)(良:1票)
295.  提報者~ES細胞捏造事件~
そう言えばありましたね、ES細胞捏造事件って。当時の報道を見て、一教授のインチキ騒ぎでなんでこんなに国中が大揺れになるのか不思議でした、STAP細胞騒動と較べても将に桁違いという感じです。強く記憶に残っているのはインチキ教授が「なぜ韓国でES細胞の開発に成功したのか?」とマスコミに聞かれて「我が国には古来より金属の箸を使う文化があり、それが細胞作製技術に繋がったからです」と答えていたことで、私はてっきりジョークだと思ったらマジで語ってるみたいなので仰天しました。案の定その後に全てウソだったことがばれてしまったのは、皆さんご承知の通りです。 この映画はあのドロドロな事件を、一社だけ疑惑として追及したTVドキュメンタリーのスタッフたちを主役に据えてかなり綺麗ごとにまとめたな、と言うのが感想です。まあこの題材をエンタメとして映像化するなら、まあこれが妥当な手法でしょうね。ディレクターとアシスタントの関係などは、典型的な韓流ラブコメみたいで失笑させられましたけど。じゃあSTAP細胞事件を日本で映像化出来るかと言うとはっきり言って実現性ゼロですから、お隣の国の映画界の根性を少しは関係者は見習えと言っておきます。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-05-04 21:48:55)
296.  シン・シティ 復讐の女神 《ネタバレ》 
ハーディガンは幽霊となって登場するのにマーヴはピンピンしているなんて、前作を観ているともう頭が混乱してしまいます。良く考えると、ブルース・ウィリスは有名な例の映画のパロディみたいでした。でもいちばん頭を抱えさせられたのはドワイトで、ジョシュ・ブローリンはどう観てもミス・キャストです。ドワイトは警察に追われて整形したという前作のキャラと繋がっていますが、整形前と後は髪の毛があるかないかだけのような気がするんですけど(笑)あとマヌート、彼に至っては二作とも出場しているのにどっちも殺されちゃって、もう実に不思議なフランク・ミラー・ワールドです。 まあスケール・ダウン感は否めませんが、ニヒルな世界観は前作以上にエッジが効いているかなと思いました。でもなんかイマイチ愉しめなかったんですよね、やっぱブルース・ウィリスが活躍しなかったからかな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-02-14 00:12:41)
297.  野蛮なやつら/SAVAGES 《ネタバレ》 
どんなテーマだろうが今まで正攻法で撮って来たオリヴァー・ストーンなんですけど、本作では小細工感いっぱいのストーリー・テリングで、「どうした、オリヴァー・ストーン!」と思わず叫びたくなりました。かつて自身が脚本を書いた『スカーフェイス』に『明日に向かって撃て!』を足してごった煮にしたのかと思いきや、終わってみれば『トゥルー・ロマンス』でした、ちゃんちゃん(笑)。こういうテーマだとどうしてもタランティーノと比べてしまうんですけど、やっぱタラには全然かないませんね。なんというか、ケレン味が不足しているというところでしょうか。あとヒロインに魅力が無さ過ぎなのも決定的で、サルマ・ハエックの方がはるかに目立っちゃってます、それにしても彼女ももういい歳なのに相変わらず凄いオッパイですね。“ミドル・エイジ・クライシス”のお二人が最後は美味しいところを持って行っちゃうのですが、やはりベビー・ブーマー世代のオリヴァー・ストーンの「まだまだ若造には負けないぜ!」という雄叫びが聞こえるみたいです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-12-11 20:51:36)
298.  エリジウム 《ネタバレ》 
傑作『第9地区』の監督にしては、なんかしまらないお話しでしたね。ゴチャゴチャしたスラムが舞台というとすっかりこの監督のトレードマークみたいな感じですけど、『第9地区』ではそのスラムに住むのがエイリアンだというとびっきり秀逸なプロットだっただけに、「下層階級が押し込められてます」と言われたって同じ様なプロットの映画は腐るほどあるので全然新鮮味がありません。メキシコシティでロケしたそうですけど、曲りなりにもOECD加盟国の首都が既にこんな状態になっているという現実の方がはるかに恐ろしいです。荒廃した未来のLAというのが発展途上国で楽園エリジウムが先進国、という判り易いメタファーなんですけどなんか薄っぺらい思想を聞かされている様で白けます。アメリカやEU諸国のどこが楽園なんだよ、とマジで突っ込んでおきます。 マット・デイモンも訳のわからないスーツを装着してるけど致死量の放射線を浴びて余命5日の身体とは到底思えない元気っぷりです。どうもあのスーツはイマイチ意味が判らない代物でしたね。でも最大の失敗は、すっかり皺くちゃおばさんになったジョディ・フォスターの中途半端な悪役ぶりに尽きるでしょう。せっかく大物女優を引っ張って来たんだから、実は彼女はエイリアンでした、ぐらいの弾けっぷりを見せて欲しかったです。そこら辺がこの監督は真面目すぎるんですよね。 とはいえ、格差社会において最大の問題は医療である、という指摘は実に正しいと納得せざるを得ません。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-12-07 21:53:42)
299.  マチェーテ・キルズ 《ネタバレ》 
ロバート・ロドリゲスって人はほんとおバカですねえ、これはもちろん褒めてるんです。中坊のときにこの脚本を書きました、ってロドリゲスに告白されても余裕で納得のまるでリュック・ベッソンの『フィフス・エレメント』みたいなバカなストーリー。いま話題のチャーリー・シーンを大統領にキャスティングというのもB級映画道が良く判ってらっしゃる、またそれにチャリ公がまるっきり素のままの演技で答えてくれます。おまけにあのガガ様までムダな使い方してくれちゃって、と言うかあの殺し屋全然意味が判らないんですけど(笑)。マチェーテ=トレホもどんどん初期のジェームズ・ボンドみたいに無敵になってくるし、だいたいあんだけ撃ちまくられても弾が中らない、中ったら中ったで再生手術みたいなもので甦っちゃうし、けっきょくお前は不死身じゃないか! くだらないガジェットが次々登場するのはご愛敬ですけど、あのミサイルだけはほんと参りました。マチェーテを載せたまま発射されるけど青い線を切ったら無力化されて墜落って、心臓が止まったらミサイル発射というサスペンス(らしきもの)はいったい何だったんだよ!始めから導線を切断するだけで良かったんじゃん!…でもこのバカバカしさは好きです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-11-20 21:07:09)
300.  サプライズ(2011) 《ネタバレ》 
配給会社の担当者は、この映画のどこを観て『サプライズ』という邦題を思いついたんでしょうかね?、やはりあの殺人マシーン・女ランボーの彼女のことだったんでしょうかね。彼女の口からサバイバル・キャンプのことが語られるのを聞いたときには、あまりのご都合主義な脚本に思わず感心してしまいましたが、良く知らないけどあちらのサバイバル・キャンプって殺し屋教室なんでしょうかね。でも敵があまりにも弱すぎかつ頭悪すぎなんでつまらなかったです。いちおうスプラッター・ホラーの定石を再構築したいという意気込みは認めますけど、種明かしするのがちょっと早かったのも失敗でした。前半の家族兄妹のやり取りをみただけでも犯人フラッグが立っている奴は判りますけど、それがほんとのフラッグでしたという展開はこの手の映画としては珍しく、自分にはこれこそがサプライズでした。 それにしてもあの女ランボー、殺し方がほんとエグ過ぎです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-08-15 22:00:44)(笑:1票)
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