301. その男ヴァン・ダム
ヴァンダムさんかっけー! なんだか映像はスタイリッシュで、音楽もカッコイイのに、ヴァンダムさんの自虐ネタが、とてもおかしくて笑えるが、切ない。正直僕は、ヴァンダムさんはストリートファイターのイメージが強すぎてB級アクションのダメ俳優だと思ってましたが、まさか本人も代表作がないことをこんなに気にしてたとは…。 がんばれヴァンダムさん、あんたかっこいいよ。役者としても全然いけてるよ。これを観れば、ジョン・ウーだって最新作でヴァンダムさんをきっと起用するよ。 ヴァンダムファンと本人にとっては眼を背けたくなるような傑作でしょうし、そうでない人もヴァンダムさんを観る目が間違いなく変わる一本。 [DVD(字幕)] 8点(2009-07-11 21:37:03)(良:2票) |
302. ウルトラミラクルラブストーリー
半分くらいしか理解できない青森弁のガチンコっぷりは伝わってきました。 この題材、キャスト、設定なら感動の話にもできたろうし、おもしろおかしい話にも出来ただろうに、このわけわからなさ、伝える気のなさ、敷居の高さにビックリ。 隠喩が多く含まれているような物語も、伝わらなくては適当に作ってるんじゃないかとも取れてしまいます。 通常の物語なら、町子先生が過去のトラウマを払拭し、陽人君を受け入れるまでの流れなんかを一番の肝として描くと思うのだが、すべてのシーンは平等にほぼ同じ温度で非説明的に通過点としてあっさり流され、話は妙な方にコロコロ転がされ、観ているこちらの脳は混乱するばかり。 わかりやすい予定調和邦画ばかり見てる人がとっつきやすいラブストーリーと勘違いしてデートムービーに選んで後悔してほしい、微妙なヤバさで平熱を保つ一本。 どちらかと言えば好きです。 [映画館(邦画)] 6点(2009-07-07 11:27:33) |
303. ディア・ドクター
《ネタバレ》 善人や、スターや、神様は周りの人間次第でいくらでも作りあげられるものです。本人に善意があろうがなかろうが、能力があろうがなかろうが、祭り上げれば人格は出来上がってしまう。それは時に心地よく、時に恐ろしいことであったりする訳なんです。 一見、人情ドラマのようなこの作品ですが誰もストレートに感情を表現しません。とても淡白なので、わかりやすい感動ドラマを見たい人には到底オススメできません。イノ先生が結局どういう思いで医者をやっていたのか、それは本人にしかわからないし、周りの人々がどういう思いでイノ先生と接していたのかも多くは語られません。人それぞれの解釈ができると思いますが、素敵なラストシーンが全てを物語っちゃってる気がしますね。やはり一味違う映画を撮る西川監督ですが、間を大事にしすぎるあまりか、テンポの悪すぎる進行は、長さを感じさせ、眠気を誘いました。 [映画館(邦画)] 6点(2009-06-30 11:41:00) |
304. K-20 怪人二十面相・伝
邦画でこんな映画らしいアクション活劇を観れたのははじめてかも。 滑舌悪ぎるのが気になる金城さんですが、華麗な身のこなしには惚れ惚れしました。 アニメっぽい演出で、大げさな演技とかも面白く、楽しんでやっているというのが伝わってきます。ゴージャスさとチープさの同居が何とも言えなく良い。 退屈することはないが、ケツがだらけてるので、もうちょいシメてほしかったところではありますし、傑作!てほどではないと思いますが、楽しかったし、邦画の今後に光明をあたえる一本なんじゃないかなぁと思うんです。 [DVD(邦画)] 8点(2009-06-29 13:15:35) |
305. ターミネーター4
《ネタバレ》 あんなに巨大なターミネーターとか、バイク型とかでちゃうとトランスフォーマーと差別化できなくなってしまうんじゃ・・・とか気にしなければ、造型自体は好み。しかし、ちょっと爆発につぐ爆発の豪快なアクションが多すぎで内容が薄すぎる。世界がほとんど滅びてんのに兵器だけは、ものごっついのがイッパイあるんだな・・・。 世界観や雰囲気はまるで別物ですが、3なんかと較べるとターミネーター愛は格段に感じるんだが、なんか浅い。物語やキャラクターが浅い。マーカス君もただのイイヤツだし。 T2ファンとしては、ジョンがT2でのT-800との友情を思い出し、マーカスを認めていくみたいなくだりがあれば、グっときたんだけどな。せっかくシュワちゃん無理矢理出してんだから、会ったとき一瞬でもいいから何かしらリアクションしてあげてもいいんじゃないか?(よくよく考えると、本作でのジョンは、T2のジョンが大きくなったってことではなく、むしろ、T2より前のジョンであって、T2の世界の未来ではスカイネットはぶっこわれてるから、T2の未来ではみんな平和に暮らしているというパラレルワールドが発生している可能性があるわけなんですよね。要するに本作は、T2より時間的には未来の話ではあるが、T1、T2より順番的には前の話ってわけであるという解釈で落ち着けばよいのだろうか。しかし、そうなるとサラ・コナーのメッセージに説明がつかなくなってくるわけで・・・以下ループ) ともかく、ジョンに全面的に魅力がないのが痛い。 期待を裏切るようなものではなかったですが、心に残る一本にはなりえなかったです。 続編というよりは外伝っぽいので、原題であえて外している数字を入れて「ターミネーター4」とした邦題には不満。ドラゴンボールでいうところのトランクスの未来編っぽいし。 出来の良い娯楽作ですが、続編はもういいかな。 [映画館(字幕)] 7点(2009-06-25 12:42:12) |
306. ダージリン急行
のびやかな景色や、映像が美しく、細部にいたるこだわりのセンスが独特で素敵です。小ネタも楽しいし、癖のある役者達の会話も面白い。そっけなくてダラダラしてるのに味があって、何故か全然退屈じゃない。こじゃれてていい意味でどうでもいいインドロードムービー。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-22 00:05:22) |
307. ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー
《ネタバレ》 一作目よりテンポもよくなり、派手さもアップし、ファンタジー要素が強まり、ずっと見やすく面白くなっておりました。ヘルボーイとリズの痴話喧嘩、ヘルボーイとエイブの友情、エイブの恋やら、ガス男の嫌味ったらしさとか、マニングさんのてんてこ舞い具合とか、キャラクターにも愛嬌があって楽しい。世界平和より恋を選ぶのも正直。 全体のストーリーそのものはどっかで聞いたことのあるようなつまらない話だし、人々に嫌われて苦悩するヒーローっていう流れにはそろそろ辟易気味。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-07 12:18:02) |
308. トランスフォーマー
幼少の頃オモチャ持ってたけど、アニメとかの内容は全然覚えてない。ファミコンもやったけど、難し過ぎてクソゲーだとかいって放り投げた記憶しかない。しかし、変型のワクワク感だけは、心の片隅に残っていた。そして、現代、まさかハリウッドに遠い昔の少年の心を呼び起こさせられるとは・・・。 車や戦闘機がウイーンガシャンギーガシャンと次々に変型する姿に、胸が踊りまくりました。物語は、のび太と鉄人兵団的で、どうでもいいんですが、軽くてヘボいけどやるときゃやる主役の兄ちゃんがいい味出してるし、結構笑えるのが良い。登場人物も多いながら、それぞれに見せ場もありロボだけの活躍に終わってないところも良い。 観終わった後、すれ違ったカッコイイ車を想像の中で変形させること請け合いです。 学校が変型する合体ロボットアニメ「ライジンオー」「ガンバルガー」「ゴウザウラー」あたりをもとにしたハリウッド映画を作ってほしいです。 [DVD(字幕)] 8点(2009-06-06 23:55:54) |
309. ハッピーフライト(2008)
大量のキャストを使いまくり、パイロット、スチュワーデス、客はもちろん、影でフライトを支える人々にもスポットが当たり、働く人々の苦労や喜びやカッコよさを見せてもらえます。飽きることなく一気に観れるのですが、どうも地味で映画を観たっていう気にならない。登場人物が多すぎるせいでエピソード集になっているのはいいのですが、後半結局パイロット側に重点が置かれてしまったせいで、散らばった魅力的なキャスト陣の物語は投げっぱなし。面白いんだけど、もう一歩物足りなさが残ります。 [DVD(邦画)] 6点(2009-06-06 00:36:41) |
310. スター・トレック(2009)
スター・トレックのテレビシリーズはほとんど見たことがないし、馴染みのある顔はあまりいませんでしたが、意味わからん的なところはなかったので、それはそれほど関係なく、楽しめる人には楽しめるようになっているんじゃないでしょうか。 それにしても、ノンストップムービーは決して嫌いじゃないんですが、カメラまでノンストップのなのは困る。一瞬のうちに引いたり寄ったり回りこんだり右から撮ってたと思ったら次の瞬間には左から撮ってたりするので構図も何もあったもんじゃない。そのせいでアクションシーンはわけわかんないし、人がしゃべってるだけのシーンでもそういうことをやられるので集中できない。しかも、ほとんどのシーンでチカチカしてるもんだからとにかく眼が疲れる。(ここら辺に言及してる人がいないってことは、最近の大作って結構こういうの多いんでしょうか? 俺が大作慣れしてないだけ?) ともかく、ド派手の一辺倒でメリハリがなく、ストーリーもシリーズに思い入れがないせいか心に残るようなものでもありませんでした。観る前はB級だと思ってたんですが、スケール感のある大迫力のA級映画でした。あんだけすごい映像なんだからジックリ見せる部分ももっとあってほしかった。 [映画館(字幕)] 5点(2009-06-02 01:11:46) |
311. パプリカ(2006)
他人同士の夢が混じりあい、夢と現実が交差する妄想120%アニメ。夢の世界を使うとなると、一切の制約がなくなってしまうわけで、描き手が描きたいものは全て脈絡なく登場することが許されてしまうと同時に、受け手を置いてけぼりにする可能性が生じてしまう訳です。だからといって、夢の世界を描いてるのにあんまりわかりやすい世界でちじこまってしまってもつまらない。 で、この映画は、暴走具合がわかりやすくて豪快で気持ち良い。無茶苦茶な話ではあるのにシンプルな冒険活劇としても意外と成立していて面白い。この絶妙(もしくは微妙)なバランスはやはり、観る人を選ぶのかな。僕は好きです。 [DVD(邦画)] 8点(2009-05-31 17:04:54)(良:1票) |
312. ホテル・ルワンダ
《ネタバレ》 ルワンダの内戦、虐殺を描いた痛々しい実話。眼を背けたくなるような非道の数々。民衆を巻きこむな! 国内の動乱に他国が介入することは、なかなか難しいし、外側からでは本当の事がわからない。下手な軍事介入は、余計に自体がこじれて泥沼化させることもあったりする。一時無理矢理解決させたところで差別意識が消えなければ、また同じことが繰り返されてしまう。だから自分の国の問題は自分達で解決するのが一番良いとは思うんですが、やはりこんな一方的な虐殺だけは……。 劇中でも描かれていた通り、実話だとわかっていてもこれを観た観客達は「怖いね」と言ってディナーを続けるでしょう。だけども、知ることが全ての第一歩。こういうテーマを取り上げ、観た人を無関心から関心に変えたりする作品は決してなくなってはならない映画のスタイルの一つ。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-31 16:56:14) |
313. ALWAYS 続・三丁目の夕日
《ネタバレ》 良くも悪くも前作と同じことやってるなー、という印象。前作で人間関係は出来上がっているから、ストーリーは割かし緩やかではあるものの、キャストはがっちりだし、映像・演出も丁寧なので安心して見られます。 それにしても詐欺のくだりはベタストーリーと言えどあまりにも安易すぎて閉口しました(昭和の人間は人を疑わないなんてのは流石にありえないだろっ)。そしてクライマックスと思しき場面になってからがやたら長くてクドい。泣かせたいのはわかるが、二作目としてもっとサッパリ作るなり、それ以外にも変化球がほしかったところ。 なんだかんだ言っても結構このシリーズは好きだし、ひろこママの母性にノックアウトされ気味だったので、7点は堅いかな。こうなったら手を変え品を変え、延々と続編を作り続け、空席のポスト寅さんを狙ってしまえばいいんじゃないか? [DVD(邦画)] 7点(2009-05-28 14:48:07) |
314. 愛してる、愛してない...(2002)
《ネタバレ》 アメリとは役の質は近いし、それほど時間が経ったわけでもないのに、なんだかマダムっぽくなったオドレイ・トトゥの歪んだ愛情物語。 一つのストーリーを別の視点からみせるという手法は珍しくないが、とにかく展開が早い。ポップに始まった序盤からどんどん雲行きがあやしくなり、ぞくぞくとさせられました。時間を感じさせないよくできた映画で、オドレイの不思議な凄味は見ものです。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-27 10:12:01) |
315. グラン・トリノ
《ネタバレ》 こんなにもスラッとしてて、堂々と立つ老人が他にいるだろうか。 クリントさん演じるウォルト氏は偏屈で頑固なクソジジイながらも、はんぱない哀愁が漂う。しかし、やはり優しい人々には強く出れず、彼のウーッという唸り声に愛嬌を感じ、男同士の会話に粋を感じ、このジイさんかわいいナイスガイじゃないかと、和みムードにニヤニヤ。 しかし、コメディタッチから一変、終盤は現代劇とは思えない西部劇臭が漂う。 怒れ!無敵のガンマン!悪党どもに鉄槌を! と、やはりどこかで予定調和で爽快な西部劇的クライマックスを求めていた僕は、最後にこの映画が現代劇だということを思い知らされてしまったのでした。 若者には未来があり、未来は若者ものだ。俺の時代は終わったと言い残したかのようにして、イーストウッドは永遠になったのでした。合掌。 これで次回作、自分主演の西部劇撮ったりしたら笑うけど。 [映画館(字幕)] 8点(2009-05-26 13:37:22)(良:2票) |
316. 油断大敵(2003)
話と役者は良いですが、ヤマもなくゆったりしすぎててどうにも地味。少し時間がたてば忘れ去ってしまいそうな映画です。 [DVD(邦画)] 5点(2009-05-19 18:37:30) |
317. スラムドッグ$ミリオネア
《ネタバレ》 インドのスラムで育った男が、どうして難問のクイズの数々に正解できたかを一問毎に繰り返していくだけなのに、編集の巧さか、決して退屈はしない。彼が語る苦難の回想は、音楽・映像に力があり、真に迫っています。 しかし、ストーリーは彼の人生で見聴きしたことに関する問題が出ただけというご都合主義の数々でできています。そして、それを「運命」の一言で片づけてしまう乱暴さはどうなんでしょうか。大衆性を高めわかりやすくしすぎた結果か、展開に意外性もなく色々と浅さが目についてしまいました。 安っぽいクイズ番組の設定なんか、この映画には実は丸ごといらなかったのでは?とさえ思ってしまいましたが、スラムの少年の過酷な半生を一変させるのが、安全でくだらない現代的クイズバラエティ番組というのが、これは昔話じゃないんですよ、という事をわからせてくれているのでしょう。僕らがお茶の間でくだらないテレビを観ている間にもスラムの人々は必死で這い上がろうとしているんですよ、と。 なんだかんだいっても、ジャマール君が正解するたびに拍手したくなったし、最後まで楽しめたことは間違いありません。 ヒロインのラティカは、少女時代も大人時代もとても可愛かったし、みのもんた以上の腹黒感を出していた司会者も良かったです。 三銃士は、僕もダルタニアンだと思ってました…。 [映画館(字幕)] 7点(2009-05-19 01:36:23) |
318. GSワンダーランド
《ネタバレ》 栗山千明が男装して、GSをやる。それ以上でも以下でもないですが、このキーワードで観たいと思った人は、充分に楽しめるレベルで作られてると思います。ショートカットの千明嬢はいつも以上に輝いておりました。 予算の問題か、ほとんどが屋内のシーンで60年代後半の日本の風景があまり見れなかったのは少し残念ではありますが、楽曲やら色調やら演出やらには拘りと愛を感じました。脚本がイマイチなのと、主人公たちの熱意があんまり感じられなかったため、こちらのテンションもイマイチ上がりませんでした。意外なエンドロールにはちょっとビックリさせられました。 [DVD(邦画)] 7点(2009-05-16 21:01:00) |
319. デス・レース(2008)
囚人同士で殺し合いのレースをさせるというB級設定ながら、ド派手なカーアクションが堪能できました。無実の罪で投獄されながらも、邪魔ものは躊躇なくぶっ殺しまくるのはジェイソン・ステイサムの十八番ですな。おまけ程度なサスペンス以外は、ほとんどがレースシーンばかりで疲れますが、なんでもアリな勢いに好感が持てました。おいおい、と突っ込みながら楽しみましょう。 パネルを踏んだら武器が使えるっていうのは日本人ならマリオカートを思い浮かべるでしょうが、デストラクションダービーとかロックンロールレーシングというB級で大味な洋ゲーそっくりだな、と昔ハマったマイナーなテレビゲーム達を思い出したのでした。 女所長の顔怖かったなー。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-16 20:55:24) |
320. トウキョウソナタ
《ネタバレ》 重い・・・。重すぎる。見ている間中、重しを上から乗っけられているようなしんどい気分でした。ここまで現代的で普遍的で平凡な不幸って一番観ていてきつい。こういうのって一番映画で観たくないものかもしれない。後半からは雰囲気が変わり、ちょっとだけ非日常な展開を見せ、妙に綺麗なラストに落ち着きますが、その嘘臭さが美味いのか不味いのか僕にはわからないです。どんなホラー映画の化け物や悪霊より、ずっとリストラや家族崩壊の方が怖いですよ、監督。 [DVD(邦画)] 6点(2009-05-13 12:22:06)(良:1票) |