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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2100
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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321.  海難1890
作品の出来とかそういうことよりも、日本とトルコが合作でこの映画を完成させてくれたことが嬉しい。 1890年、エルトゥールル号遭難時。 献身的にトルコ兵の看病をし、遭難時に痛み、汚れた彼らの所持品の手入れをする串本の人々。 トルコ兵が奏でるトランペットに乗せて串本の人々が合唱する”故郷の空” 1985年、イラン・イラク戦争時。 日本人のために即決で対応してくれたトルコの官邸、トルコの航空会社。 危険を冒しても日本人のためにもう1機飛行機をテヘランに向かわせ、 テヘランの空港で見捨てられようとしていた多くの日本人に飛行機の席を譲ってくれたトルコの人々。 多少の脚色はあるのかもしれませんが、100年の時を経てつながる様々な真心に感動しました。 トルコの人々への感謝と共に日本とトルコ両国のますますの友好を願わずにいられない作品でした。
[映画館(邦画)] 8点(2015-12-22 17:35:13)(良:1票)
322.  ユーズド・カー
ロバート・ゼメキス監督、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮でお送りする 最高に安っぽくてプンプン漂うB級臭がたまらない典型的アメリカン・ドタバタバカコメディです。 通りをはさんで店を構える競争相手の2軒の中古車販売店がドタバタと抗争を繰り広げる、 ただそれだけの本当にくだらない映画です。 カート・ラッセルとジャック・ウォーデン。終始喧嘩を繰り広げる2人の演技も楽しいです。 本作の前の「抱きしめたい」など、ゼメキスの初期の軽いタッチのコメディって面白いと思う。 スピルバーグも本作のちょっと前には「1941」という珍品を撮っていますが、 今となってはこの2人がタッグを組んでもまず撮れない映画ですね。 序盤のフットボール中継に割り込んで自分達の店のCMを流す、その際のおバカアクシデントの挿入には爆笑でした。 ただ、この手の映画で2時間近くの上映時間はちょっと長い。90分程度がベストだと思います。 終盤のボロ中古車250台の爆走は、本作と同じく能天気な空気がたまらないカーアクション映画の傑作 「トランザム7000」を髣髴とさせる楽しさ。 あっ!ちょっと足りない!と思ったらナンバープレートがガタッ!でOKのラストも笑わせてもらいました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-12-16 15:37:40)
323.  ファミリー・ツリー
アレクサンダー・ペインらしいちょっとホロ苦さのある、苦味のあるコメディ。 決して軽い話ではないと思う。先立つ妻の浮気に、広大な土地をめぐる一族の様々な思惑。 それら重さのある要素をハワイの大らかさに実に旨く包み込ませています。 末っ子に母の運命を説明するシーン、土地の処遇についてマットが一族に説明するシーン。 重くなりがちな、話がややこしくなりがちなシーンも台詞を廃し、そっとさりげなく見せてしまいます。 偏屈な妻の父親が娘に別れを告げるシーンも良かった。マットと娘達(&姉のカレ)が病室の外からその様子を静かに見守る。 ハワイ音楽も巧く空気を和らげるのに一役買っています。 主要キャストが皆、それぞれに素晴らしい仕事をしています。 ジョージ・クルーニーはどんな役を演じても巧いなあと思う。いい円熟味も加わってきました。 長女を演じたシェイリーン・ウッドリーも好演。そして見逃せないのが彼女のカレの存在。 最初登場した時には、なんだこのアホな男は?と思ったけど、終盤までずっと家族と一緒にいる。 普通、フクザツな事情のある家族旅行にまでついて来るか?と思ったけど、 この男もコミカルな存在もまた、本作には欠かせない重要なピースとしてとても巧く機能していました。 奥の方でその様子を微笑みながら見ている。そんな感じでこのカレにも一緒にいて欲しかったとも思えましたが、 1つのソファーで、1枚のブランケットで3人がくるまってテレビを見る3人の姿に希望が感じられるラストでした。
[DVD(字幕)] 8点(2015-12-15 22:36:06)
324.  フレンチ・キス 《ネタバレ》 
メグ・ライアン主演で自らも製作に名前連ねているラブコメの佳作。 いつものメグ主演のアメリカン・ラブコメとは趣が異なる、 異国でのラブストーリーと色んな追いかけっこがあるちょっとしたドタバタ・イン・パリも楽しい。 前半のメグはご機嫌ななめで大声を張り上げるシーンも多く、今ひとつかな?とも思ったのですが、 それだけにケヴィン・クラインと恋に落ちる後半のメグが余計に可愛く感じられます。 フランスからはジャン・レノとフランソワ・クリュゼが登場。2人ともいい味を出しています。 ケヴィン・クラインの役もフランス人俳優でも良かったのでは?という思いもあるのですが、 (例えばクラインの役がジャン・レノだったらどんな感じになっていたかな?) 本作のケヴィン・クライン、ちょび髭をはやし、コミカルで怪しげな風貌ですがそれでいて男の魅力も十分醸し出す。 やはり巧いしいい俳優だなと思います。 前半の早い段階で主要登場人物が顔を揃えた時点で大方のストーリーは誰にでも分かるお話ですが、ラブコメはこれでいい。 最終的に誰と誰が恋に落ちてどんなハッピーエンドになるか。 見る者の期待通りのハッピーエンドに至るまでを安心して気分良くストーリーが楽しめて、ヒロインが魅力的ならばそれで十分であると思わされる作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-11-28 20:47:33)
325.  はじまりのうた 《ネタバレ》 
ジョン・カーニー。この名前を見るのは「ONCE ダブリンの街角で」以来久しぶりですが、 本作も「ONCE~」と同じく、都会の片隅で少し淋しさを抱えた男女が出会う。その2人に共通するのは音楽。 その時々の登場人物の心を表すかのような作中で歌われるその歌詞も、 音楽が人の心を動かし人を結び付けていく様も、飾り気の無い素朴な描写がいい。 冒頭、1人の女性がバーでギター1本で弾き語っている。この歌詞がまたいい。 それに耳を傾ける、1人の音楽プロデューサー。 今は落ちぶれてしまっているが、まだ粗削りなその弾き語りに、彼の脳内であっという間に他の楽器が加わりその曲を肉付けしていく。 弾き語りの歌詞の素晴らしさと共に、この男の音楽を愛する気持ちとその才能が見事に伝わってくる。 ニューヨークの街角でアルバムを録音していく。キーラ・ナイトレイの歌もその表情も素晴らしい。 そのハイライトがビートルズの「レット・イット・ビー」のルーフトップ・コンサートを思わせるビルの屋上での録音風景。 そこに離れて暮らす、マーク・ラファロ演じるプロデューサーの娘のギターが加わる。 キーラの魅力を随所に見ることが出来る作品ですが、 才能はあるけど生き様は少々不器用、人間臭さのあるプロデューサーを演じたマーク・ラファロの好演がこの作品を支えていると思います。 ジョン・カーニーの作品を見るのは「ONCE~」以来2度目ですが、もっともっと映画を撮って欲しいと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2015-11-08 15:21:07)(良:1票)
326.  第2章 《ネタバレ》 
ニール・サイモンが原作・脚本の大人のラブコメ。 実生活でも彼のパートナーであったマーシャ・メイスン。そして他の作品でも彼女とW主演を演じたことがあるジェームズ・カーン。 ラブコメと一口にいっても色々。10代から20代の爽やかなラブコメもいいですが、本作はそこから10年、20年と時を経た男女のラブコメ。 ニール・サイモンのこんな年代のドラマにはやはり独特の味わいがあります。 本作のマーシャ・メイスン、ジェームズ・カーン、 あるいは「グッバイガール」のリチャード・ドレイファスのような味を持つ男女が彼の作品にはよく似合います。 ニューヨークの人らしい、NYの地名や通りの名前、”ヤンキース”などの台詞の中へのさりげないNYの登場のさせ方も好きです。 洒落ていて、しかしその中に漂う人間臭さや人間の不器用さ。 40代前後、揺れ動く世代の心の機微を描き出し、ほろ苦くも最後は幸せな気分にさせてくれる。 邦題「第2章」原題”chapter two”の通り、人生まだまだこれから。 人生の第2幕の扉を今まさに開けようとするサイモンらしい男と女のドラマです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-25 13:22:56)
327.  パレードへようこそ 《ネタバレ》 
80年代のイギリス。サッチャー政権下、炭鉱ストライキと炭鉱町の人々の人間ドラマ。 「ブラス!」などイギリス映画でよく見られるテーマですが、イギリス映画らしさとその誇りが随所に垣間見える作品です。 本作は実話に基づく、ウェールズの田舎町の炭鉱労働者と、 それを支援しようと立ち上がった同性愛者の活動家達の共闘の物語。 重くなりがちなテーマですが、同性愛者の若者達が作品の中心にいることもあって、いい意味で明るさや躍動感がある。 ビル・ナイ、イメルダ・スタウントンらイギリスの名優達が演じたウェールズの炭鉱町の名も無き庶民達との心の交流の軌跡に心が温まる。 80年代、第2次ブリティッシュ・インベイジョンの時代でイギリスのミュージックシーンにも勢いがあった頃の挿入曲が作品に躍動感をもたらす。 「皆さんがくれたのはお金じゃない。友情だ。」とゲイバーでスピーチする炭鉱の組合の代表者。 まさにこの精神がこの実話を生み出したんだろうなと思う。 炭鉱夫の男達と同性愛者だけでなく、炭鉱町の妻達をはじめとする女性達の心情もうまく挿入されています。 実際に行われたというラストの労働者と同性愛者達のパレード。掲げられた数々の旗が誇らしげで感動的です。 まだまだ同性愛者たちが市民権を得る前の時代のお話ですが、 イギリスで彼らが市民権を得る第一歩になったのが、今度は炭鉱の労働組合の側から差し伸べられた連帯であったという。 人のつながり、確かな心のつながりを感じる実話に基づく人間ドラマでした。
[DVD(字幕)] 8点(2015-10-25 13:11:46)(良:1票)
328.  マイ・インターン
ナンシー・マイヤーズらしい良質のハートウォーミング・コメディ。笑いドコロも十分です。 この人の映画にはよく子どもたちが登場します。 本作のアン・ハサウェイ演じる主人公は1人でアパレルのネット通販の会社を興し、 あっという間に大きな会社に成長させた仕事に家庭に頑張る女性。 やはり本作でも家族や子どもとのドラマを実にうまく挿入しています。 本作のアン・ハサウェイ、「プラダを着た悪魔」を思い出します。 家庭を持ち、独立して会社を興した「プラダを着た悪魔」の女の子の数年後といった感じもしますね。 アン・ハサウェイはこういう恋に、家庭に、仕事に頑張る女性の役がよく似合います。 本作は勿論彼女が主人公なのですが、デ・ニーロが演じる、余裕と品とあたたかみを感じさせる溌剌とした70歳が実にいい。 僕は40代のおじさんですが、デ・ニーロ演じるベンには同じ会社勤めの男として見習いたいところが沢山ありました。 最近ちょっと疲れ気味ですが、人生まだまだこれからだよな。 ベンのような70歳になれるよう頑張らなきゃなって元気をもらいましたよ。 ナンシー・マイヤーズの映画では「ホリデイ」でも見られますが、 本作でもさりげなく少しだけ挿入される映画ネタにニッコリさせられます。 鑑賞後は気分良く映画館を後に出来る佳作です。
[映画館(字幕)] 8点(2015-10-15 21:30:12)(良:2票)
329.  マリリン・モンロー 瞳の中の秘密 《ネタバレ》 
1人の女性ノーマ・ジーンと1人の女優マリリン・モンローを見事に描いた実に見応えのあるドキュメンタリーでした。 マリリン・モンローのストーリーについては語りつくされた感があり、 (勿論彼女の死因など、恐らくは永遠に謎のままのものもありますが・・・) 本作も特に目新しいMMのストーリーは出てこないのですが、 そのマリリン・モンローのストーリーを肉付けしていく当時の貴重な映像の数々、様々な女優が演じたマリリン。 それらを食い入るように見ている内にあっという間にマリリン・モンローのストーリーは終わってしまいました。 そう、あまりにも短い彼女の生涯でした。  女優マリリンの後期は、本作でもかなり時間をとって描かれている通り、どの監督ともうまくいかなかった。 ローレンス・オリヴィエ(「マリリン 7日間の恋」でも取り上げられたオリヴィエがマリリンに放ったある一言は本作にも登場します)、 ジョージ・キューカー、再びコンビを組んだビリー・ワイルダー、ジョン・ヒューストン。彼らの苦悩もまた取り上げられています。 一方でケネディ兄弟との関係は完全にスルーされています。 ケネディを匂わせるのは唯一、ハッピーバースデー、ミスタープレジデントのみです。 「恋をしましょう」でのイヴ・モンタンとのエピソードも本作はスルーしています。 以上のように一方的にマリリンを擁護している訳ではなく、かと言って必要以上にスキャンダルに焦点を当てることもしない。 出来る限り等身大のMMを伝えようとしたのでしょう。  皆に愛されたコメディエンヌ・マリリン。世紀のセックスシンボル・マリリン。 この世界から愛された女優マリリンのイメージに対するノーマ・ジーンの苦悩もまたじっくりと取り上げられています。 彼女の心の内を代弁するかのようにマリリンを演じた様々な女優たちの演技もまた見応えがありました。  マリリンが映画に登場し始めた頃、その多くはモノクロの作品でした。 しかし、彼女が一気にスターとなった「紳士は金髪がお好き」「百万長者と結婚する方法」・・・。 これらカラーの作品に登場するカラフルな衣装に身を包んだ彼女の姿はとても美しい。 「彼女は自信を持ってカメラの前に立つことができなかった。でもカメラの前に立った瞬間、彼女とレンズは恋をした。」 「百万長者と結婚する方法」の監督、ジーン・ネグレスコのこの一言がとても印象に残っています。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-29 21:18:17)
330.  結婚宣言
パワフルに迫ってくるソフィア・ローレン。 そしてそんな彼女に振り回されるマストロヤンニ。 これはもう、あまりにもお馴染みのこの2人の姿。  デ・シーカの「昨日・今日・明日」や「ああ結婚」など、 イタリア映画の伝統芸とも言える艶笑喜劇でおなじみの名優にして盟友の2人。 本作でも鉄板の安定感でとても楽しい掛け合いを見せてくれます。 この2人のこのパターンの映画は何本見ても全く飽きが来ない楽しさがあります。  昼は教会の学校で教師をつとめ、夜は”命の電話”の相談員をつとめる、 典型的堅物のマストロヤンニ演じるドン・マリオと、 ”命の電話”に電話をかけてきたことがきっかけでローレン演じるヴァレリアの2人が互いに惹かれあうのですが、 ドン・マリオのカトリックの伝統に縛られた神父さんという立場が作品をとても面白いものにしています。  マストロヤンニは終始神父さんの黒い服と黒縁眼鏡の地味な衣装。 それだけにゴージャスなローレンが頻繁に着せ替えを見せてくれるカラフルな衣装が作品の中でとてもよく映えています。 巨匠トロヴァヨーリの音楽も相変わらず素晴らしい。 この2人が主演で、キャスト以外にもイタリア映画界の大物が顔を揃えるイタリア映画でありながら、 なぜか英語であることだけが残念。やはりこんなイタリアン・コメディには、 「ボンジョルノ!」といったイタリア語の響きが似合うと思うのですが・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2015-09-14 20:20:40)
331.  ジミー、野を駆ける伝説 《ネタバレ》 
近年のケン・ローチはコメディと事実、史実を元にしたドラマを交互に撮っていますが、 この人の作品に込めた思いや、描く対象は若い頃の作品から全くぶれることが無く一貫しています。 いつの時代を、どの国を作品の舞台としても常に彼の心は日々を懸命に生きている人々と共にあります。  「麦の穂をゆらす風」でも彼はアイルランド内戦を描いていますが、 本作はその時代を生きた、実在した活動家ジミーと彼を慕う名も無き人々のドラマに取り組んだ作品となっています。 彼らは“Jimmy’s Hall”(ジミーの集会所)に集い、好きな音楽に耳を傾け、ダンスを踊る。 ささやかな自由を楽しむ人々をケン・ローチらしい優しさにあふれた視線で描く。 しかし、そんなささやかな自由すら許さず共産主義者と決めつけ、彼を迫害しようとする教会とは一体何なのか。  ジミーという実在した活動家と、彼を慕い彼の元に集う名も無き人々。 本作に登場する名も無き登場人物は全て、この時代に実際にアイルランドに生き、 ささやかな自由を求めながら日々を善良に懸命に生きた、名も無き実在した人々の姿でもある。 静かな語り口の中に自由を讃えるケン・ローチの思いが感じられる作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2015-08-20 22:50:54)
332.  シェフ 三ツ星フードトラック始めました 《ネタバレ》 
人生に行き詰まりそうになる前半と、そこから人生の視界が明るく開けてくるかのような後半という分かりやすいストーリー。 陽気な作品のノリ。そんな陽気な雰囲気を盛り上げるラテン系の音楽もとてもうまく作用しています。 前半のレストランではネット時代のビジネスや、離れて暮らす親と子の関係の難しさが描かれる。 一方後半のフードトラックの旅。 夏休みの息子と常に一緒に過ごし、客の反応がダイレクトに常に伝わり、常に客と手が届くような距離間がいい。 前半にネットを通じてバトルを繰り広げた批評家とも面と向かって腹を割って話せばほら、こんなにちゃんと会話が成立する。 様々な心の触れ合いに心があたたまる。 かと言ってネットを否定している訳ではなく、要はバランスなんだなということを感じさせてくれます。 アメリカン・ハートフルコメディの良さが随所に感じられる佳作です。
[DVD(字幕)] 8点(2015-08-17 14:25:16)(良:1票)
333.  GF*BF 《ネタバレ》 
見る前の予備知識はグイ・ルンメイ主演ということだけ。 この軽い感じのタイトルからラブコメをイメージしていたのですが、とんでもない! 1人の女と2人の男の恋と友情。80年代の高校時代から90年代、そして今に至るまで。 変わりゆく台湾の世相の中で、変わりゆき揺れ動くそれぞれの時代の3人の心と関係を見事に描いた作品です。 それにしても、学生時代までのグイ・ルンメイ、こんな彼女は初めて見ました。 大声でよく笑いよく喋り、陽気で活発で勝気な女の子。 しかし時代の移り変わりと共に3人も少しずつ成長し、ずっと昔のままの3人ではいられない。 思い通りにはならない人の心、そして人生。 青春時代を経て描かれる彼らが大人になってからのドラマはなかなかの見応えがあり、 冒頭からつながるチョンリャンのラストの姿が感動的です。 これは切なくほろ苦い青春映画、ラブストーリーでもあり人生のドラマでもある。 所々にグイ・ルンメイのデビュー作「藍色夏恋」の中の彼女を思い出しました。 女子高生役の彼女の姿、彼らがバイクで疾走するシーン(「藍色夏恋」は自転車でしたが)、 後半のメイバオが無言でチョンリャンをビンタするシーンなど・・・。 彼女を知るきっかけとなった映画でしたが、もう13年も前なんだな・・・。 変わることの無い彼女の美しさを見ることができる作品でもあります。
[DVD(字幕)] 8点(2015-07-30 22:11:06)
334.  ビバリーヒルズ・コップ
やはりエディ・マーフィーと言えばこれですね。 人懐っこい笑顔、怒涛のように繰り出される軽妙な台詞まわし。エディの魅力が存分に出ています。 それをしっかりサポートするのが、結果的にエディと共に悪に立ち向かうことになるビバリーヒルズの地元警察の2人の刑事。 規則や原則に縛られた2人と自由奔放なエディの刑事ぶりとの対比が面白く、 彼らの存在が更にエディの魅力を際立たせています。  序盤、エディ演じるアクセルがバーで機転を利かせ、 バーで強盗を逮捕した際のウソの報告に対し正直に本当のことを喋ってしまう彼ら。 しかし事件解決後は上司も一緒になって、更にその上を行くような壮大なウソの報告を。 アクセルとの数日間で彼らもデカとしてすっかり頼もしく?なっていた姿に思わずニッコリさせられる。 ラストの「まあビールくらいならいいだろう」も同じく。  大ヒットしたサントラ、グレン・フライの“heat is on”に ハロルド・フォルターメイヤーのアクセルFのテーマも印象的。 本作といい、数年後の「ミッドナイト・ラン」といい、 この頃のマーティン・ブレストのこんな小気味いいコメディは面白かった。 またこんなコメディを撮って欲しい監督の1人です。
[DVD(字幕)] 8点(2015-07-20 14:01:56)(良:1票)
335.  パワープレイ 《ネタバレ》 
どこかの政情不安な状態の国の様子を伝える映像のような迫力ある冒頭。 軍部において同士が集められクーデターの計画が練られていく。 その過程での体制側との息詰まる駆け引きが描かれる前半から中盤。 そしてクーデターが実行される後半、更には思わぬ展開が待ち受ける最終盤まで、 作品は張り詰めた緊張感を見事に保ち続けます。 クーデター計画に対する体制側の大物登場人物は、 警察官僚のトップを演じるドナルド・プレザンスが1人で引き受けている感じですが、 こういう役を演じると流石の凄味を見せる名優プレザンスが充分に作品を引き締めます。 前から見たいと思っていた映画でしたが、 期待通りの「硬派」「骨太」「重厚」、こんな言葉が似合う見応えのあるポリティカル・サスペンスでした。
[DVD(字幕)] 8点(2015-06-27 20:00:17)
336.  ロッキー 《ネタバレ》 
ロッキーが試合をするのは、冒頭の場末のリングと、ラストの華やかなアポロとの試合のみ。 ロッキーが暮らす寂れた町。そこに暮らす人々の人間模様と風景の描写、 そしてそんな町に住むロッキーとエイドリアン、不器用な2人のロマンス。 ボクシングの試合よりもむしろ、 試合に至るまでのロッキーと同じ町に暮らす男や女のドラマに重点が置かれていますが、本作はそれがいい。 そんな場末のリングに上がるボクサーに突然あんなチャンスが巡って来ることも実際には無いだろうし、 チャンプと最終ラウンドまで互角に渡り合えることも無いだろう。 それでも、こういう映画にはこんな単純で分かりやすいストーリーがいい。 そして、あの勇気のテーマ曲。テーマ曲が心に残る映画として真っ先に思い浮かぶ作品の1つ。 試合が終わり、あのテーマ曲が流れる中、「エイドリア~ン!」「ロッキー!」、 そして余計なものを省いた、その思いが成就するラストは何度見ても感動的。 僕は子供の頃から今に至るまで、サクセスストーリー大好き人間なので、随分前のことになりますが初見の時には、 「勝て!勝つんだロッキー!」と思って見ていましたが、やはり本作にはこの結末が良かったのだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-06-23 19:26:51)(良:2票)
337.  レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う
カウリスマキ流バカコメディ第2弾。 前作の方が笑ったかな・・・?という気もするけど、 多分本作を先に見ていたら、そういう感想にはならなかったかも。 相変わらずのとんがったつま先と、あのトサカ頭。これだけで笑ってしまう。 特に青いカウボーイハットからトサカが突き出たおっさんの風貌が面白すぎです。 ちょっとトホホな脱力系の笑いドコロも健在です。 モーゼが登場し、いつ海を割って進むんだ?と思っていたら、 もっと手っ取り早く水の上をスタスタと歩いて渡ってしまうところには笑っちゃいましたよ。 彼らの音楽は前作以上に聞かせてくれたと思います。 「ゴー・アメリカ」と同点、8点とさせていただきます。
[DVD(字幕)] 8点(2015-05-29 22:47:16)
338.  潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ 《ネタバレ》 
海辺の小さな町、老人2人のひと夏の心温まる友情のドラマ。 ユーモラス、それでいてどこか哀愁漂う。このバランスが実にいい。 作品の季節は夏真っ盛りの頃ですが、作品の空気はどこか夏の終わりの寂しさのようなものも感じます。  元船乗りで人生を豪快に生きてきたリチャード・ハリス演じる男と、 元床屋で人生を地味に生きてきたロバート・デュバル演じる男。 こんな場合、映画の中で圧倒的にオイシイのは豪快なじいさんを魅力いっぱいに演じたハリスの方なのですが、 ロバート・デュバルの静かで繊細な演技があってこその作品だと思います。 人生の黄昏時を感じるコメディですが、だからこそ若さが眩しいサンドラ・ブロックの存在も効いています。  2人それぞれに思いを寄せる女性がいるけど、1人暮らしの身。1人には息子がいる。 はっきりとはさせませんが、息子との関係は微妙なよう。 2人乗りの自転車、花火大会、釣りに来たはずが素っ裸で川に飛び込み大はしゃぎ。 などなど、性格は全く正反対ですが孤独で淋しげな2人が出会い友情を温めていく描写の1つ1つが素敵です。 2人の友情の終わりは実にあっけなかったけど、最後は友人の腕に抱かれてラストメッセージ・・・。 なんてことは現実にはなかなか無いもんな、とも思えるラストでした。
[DVD(字幕)] 8点(2015-04-11 20:56:00)
339.  アルバート氏の人生 《ネタバレ》 
製作・脚本も自らが手掛けたグレン・クローズの“入魂”を感じる作品です。 彼女の男装に関しては、男装の中にも随所に女性を感じさせます。 メイクや1つ1つの所作でもっと男らしさを表現することは出来たと思います。 しかし本作の物語を考えると、当然グレン・クローズも相当こだわったのであろう、 少し不安定なバランスの彼女の男装ぶりは素晴らしかったと思います。 ベッドに横たわり、静かに目を閉じる彼女の本作最後の表情からは「やりきった」という充足感のようなものを感じました。  翌朝、アルバート氏の姿が発見された際にアルバートの人生について語る医師の一言には、確かにそう感じさせるところはあります。 しかしその後の、生まれたばかりの子どもとヘレンとペイジとの、ささやかな優しさを感じさせるラストが良かったです。
[DVD(字幕)] 8点(2015-04-05 00:35:32)
340.  美しき冒険旅行 《ネタバレ》 
文明社会に住む人間、しかもか弱い少女と幼い弟を突然未開の地へと放り出す。 妙に体にピタッとした白いブラウス&ミニスカで未開の地を冒険するジェニー・アガターが大健闘です。  果てしなく未開の風景が広がるオーストラリアの砂漠の厳しい自然。水も食料も無い。 そしてWALKABOUT(大人になるための儀式の旅)途中のアボリジニの青年との出会い。 ニコラス・ローグ自らが撮影を担当したオーストラリアの大地の映像は神々しく美しい。 しかし美しくも自然は厳しい。生存競争に敗れた動物には、やがて蝿や蛆が群がり骨だけの無残な姿になる。 本作を見るほとんどの者は文明社会の住人であり、この姉弟と同じ価値観、目線で本作を見るでしょう。 様々な動物や美しい鳥も登場します。アボリジニの青年の狩りのシーンは残酷でもあるのですが、 この土地で過酷な自然環境の中に住むアボリジニの青年にとっては、そんな動物も鳥も生きる糧。食糧。  しかし姉弟とアボリジニの青年が出会って以降は平和な時間が流れます。 しだいに弟はこの青年になついていく。青年は姉に恋をする。 言葉は通じなくとも文明社会の住人と未開の地の住人の意外にもほのぼのとした交流。 でも、最後には哀しい結末が・・・。  こういう映画によくみられる白人や文明社会への問題提起や批判を前面に押し出している訳でもありませんが、 終盤、突如人間が造ったアスファルトの道が現れる。道路に沿って立つ電柱と電線に不思議な違和感があります。  ラストで元の世界に戻った少女はすっかり大人になっていました。 恋人がビジネスと厳しい競争社会の現実を語っている。 彼女はそんな話はうわの空で、厳しい生存競争があったオーストラリアの日々を思い出している。  あの日々は彼女にとってもWALKABOUTということだったのでしょうか。
[DVD(字幕)] 8点(2015-03-06 17:32:19)
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