341. 或る夜の出来事
面白い!思わず微笑み、笑い、楽しくなっている自分が居た。バスの車中で歌い踊るシーン、ヒッチハイクのシーン、ラストシーンと見所&楽しみ所が満載なのだからやむを得ない。現在の眼からみれば単純で他愛のないストーリーにもかかわらず、どうしてこうも面白いのだろう?。映画の技術はたしかに長足の進歩を遂げた。しかし、映画に必要なのは、いつの時代も製作者の心意気や思い入れだと私は思う。莫大な制作費を使って特撮するならそれもいい。だがしかし、それをなぜ我々観客が観る前から「知ってあげる」必要があるのか?そんなモノ「面白さ」と何の関係もないだろうに....。見終わったあと、そんな余計なことまで考えてしまった。 9点(2003-12-26 16:31:33)(良:1票) |
342. フルメタル・ジャケット
前半は傑作。「メタル」の前半+「プライベート・ライアン」の前半=私喜ぶ。「メタル」の後半+「ライアン」の後半=私喜ばない。ただし,「メタル」の前半>「ライアン」の前半,かつ「メタル」の後半>「ライアン」の後半である。あたりまえだが。 7点(2003-12-25 17:13:10) |
343. らせん
リングと共に劇場で観た。TV版「リング」を下回る出来の「リング」にも驚いたが,TV版「リング」の監督がこのような映画を撮ってしまうなんて。そういう意味でいえばこの映画はホラーである。映画の内容はほとんど覚えていない....が,そういえば怖いシーンで,隣の客の足が「ピクッ」と動くたび,笑いをこらえるのには苦労したなあ。あと,帰り際に女子高生が「なにこの映画。チョー意味分かんね~」と低いトーンで話していたのはマジで怖かったぞ。これぞホラーである。 1点(2003-12-25 16:47:38) |
344. リング(1998)
TVドラマ版「リング」が面白かったので劇場に出かけてみたが,こちらの「リング」は全くどうでもいい映画。貞子を人口に膾炙させたことは評価?できるが,反面,日本に沢山いらっしゃる「貞子」さん達にとっては,全くハタ迷惑な話であったろうと優しい私は考える。恐らく,全国の貞子さん(特に学童)は,名前のことでからかわれた経験が一度はおありなのではないだろうか?。であるからして,ここは思い切って,「きの子」とか「きな子」といった無難なタイトルに改題してはどうかと思うのだが....。そうだ!「ななこ」でもいいぞ。もちろん,「ななこ」が出て来るなら私は喜んでビデオを再生する。 3点(2003-12-25 16:16:56)(笑:3票) |
345. ツィゴイネルワイゼン
サラサーテのレコードをかける導入部が印象的。この映画をみてからは,映画を必ずしも「理解する」必要はないと考えるようになった。そういう意味で,自分にとっての記念碑的作品。なので満点。 [地上波(字幕)] 10点(2003-12-25 15:32:04) |
346. バンド・オブ・ブラザース<TVM>
毎回冒頭に流れる生存者へのインタビューが,エピソードに重みと説得力を与える。エピソード形式・トータル10時間の大作だが,迫力のある戦闘シーンと深い人間描写とで観る者を全く飽きさせない。最近の戦争映画といえば「悲惨さ」とか「戦いの中の愛」みたいなテーマばかりで食傷気味だったのだが,「バンド~」は戦争という極限状態だからこそ生まれる、お互いを思いやる気持ちや誠実さなどに焦点をあてており好感を持ってみることができた。確かに「ウインタース小隊が勝利の喜びに満ちていたその裏では,目を背けたくなるような現実があったのではないか?我々は,戦争というものに対し無邪気過ぎないか?」という指摘はあり得るだろう。だが私は思うのだが,例えそのような悲惨な事実が戦時下にあったとしても,同時にこのような馬鹿正直というか,能天気なくらいにまっすぐな姿があったことも,また戦争の真実なのではないか。だとするなら,やはりそういう戦争映画は作られるべきだと思うし,その担い手はアメリカをおいて他にはないのではないかとも思う。とまれ「バンド」は,最良の戦争映画のひとつである。もし,これを読んだあなたが未見であるなら自信を持って勧めたい。 9点(2003-12-25 12:45:34) |
347. CUBE
面白い!こういう映画大好き。シュールな設定もいい。大金かけてもしょーもない映画ばかりがはびこる中,低予算でもこれだけ出来るということを示したB級映画の鑑。これを面白いと思う人と面白くないと思う人の間には,映画の趣味に関して超えられない壁があると思う。 9点(2003-12-25 11:55:02)(良:1票) |
348. ライフ・イズ・ビューティフル
ベニーニの機関銃のようなしゃべりと洒落たユーモアで見せる前半を8点だとすれば,収容所に入ってからの物語は3点くらい。最後まで明るいトーンで描きたかったのなら舞台を収容所にすべきではないと思うし,グイドの不屈の明るさにスポットをあてるなら,収容所の悲惨さと対比させたほうがよかったのでは?。というか,そもそもそのあたりの対比がこの映画の最大の見せ所&泣かせ所でしょうに。ファンタジーなのは分かるけれども,収容所自体がファンタジーになっちゃうのはいかにも中途半端。このダメ演出がせっかくのキャラとストーリーを潰しているという印象を持った。 5点(2003-12-25 11:29:11) |
349. グローリー
マシューについては賛否両論あるみたいだけれど,私はどちらかというと「否」派。グールド?大佐役は難役で,こなしきれてない印象を受けたから。ただし,その演技で作品がダメになるほど酷いというわけではなく,彼は頑張ってギリギリのところで踏ん張っていたと思う。作品自体は正攻法のソツない演出で手堅くまとまっており,見て損はない良作。特にケチをつけるところもないのだが,傑作か?と聞かれると素直にウンと言えないのは何故だろう?。優等生過ぎるんだろうか(私のズウィック評は全てなんかこんな感じ。ファンの方ごめんなさい)。 8点(2003-12-25 10:57:48) |
350. 情婦
レビューの好評価どおりの素晴らしい作品。ややもすれば重くなる題材だが,ビリー・ワイルダーのテンポのよい軽妙な演出が冴える本作はむしろ爽快&痛快。ラストのどんでん返しには本当に唸らされた。ただただ惜しいのが邦題。あれじゃ別種の映画と誤解されてもしょうがないし,実際私もこのレビューを読むまで法廷モノだとは思いもしなかったから。 9点(2003-12-25 10:25:45) |
351. 激突!<TVM>
傑作。一発のアイディアを活かす演出は,素晴らしいとしかいいようがない。この監督の次の作品を早く見てみたい。 10点(2003-12-24 18:06:18)(笑:2票) (良:1票) |
352. パピヨン(1973)
子供の頃に父と一緒に観たのが最初です。真っ暗闇の独房の中,マックィーンがゴキブリ?を食らうシーンで,父が「お前ならこんな時どうする?」と私に問うたのが印象に残っています。それ以来,刑務所モノといえば「パピヨン」が基準。私にとっては,「不屈の男」度を判定するメートル原器ともいえる作品(というか人物)。 8点(2003-12-24 17:39:41) |
353. U・ボート
鉄と血と汗と硝煙。ハードボイルドな男の映画。大戦時,大叔父は潜水艦乗りだった。胸が痛い。 [映画館(字幕)] 9点(2003-12-24 17:17:46) |
354. ザ・コミットメンツ
地味だけれどいい映画。ほろ苦い青春..でもベタベタしない。こういうの好きですね。さして期待もせずにレンタルで借りたのですが,何度も繰り返して観た記憶があります。なにより音楽が素晴らしい。無名の若者をキャストしたのも好結果につながっています。 8点(2003-12-24 16:07:28) |
355. ブルース・ブラザース
《ネタバレ》 なんというか奇跡的傑作。もう大好き!。どのくらい好きかというと,サントラを買って聞きつぶして2枚目を買うくらい好き。だってアレサ・フランクリンでしょ,レイ・チャールズでしょ,ジェームス・ブラウンでしょ...。もう何回も観ましたけど,最初観たときの驚愕と感動は今も健在。最高のミュージカルでありコメディでありアクション映画であると思います。トンネルの中でジョン・ベルーシがサングラスを取るシーンなんて,もうカッコよすぎます。追記:またまた観直した。いや~やっぱいいなあ。特にラストシーンに至るところなんかは無理無駄!無理無駄!の連続で何度観ても本当にアホらしい。パトカーがクラッシュ山に突っ込むシーンでは突っ込む前から既に飛んでるし,SWAT隊のアホのように繰り返される「ハッ・ハッ・ハッ」という掛け声も無意味で実によろしい。ところでこの映画,これだけ銃撃・事故・攻撃?があるにもかかわらず,誰一人とて死なないし怪我しないのだ。素晴らしいではないか!しかも主役の2人は金でも名誉でも地位でもなく,ただただ孤児院を潰さないために突っ走る。全てのドタバタは神のため,孤児のためなのであ~る。それがどうしたって?どうもしないのがこの映画のいいところ。とにかく,この映画1本で並の映画の5本分くらいの価値はある!誰がなんと言ってもそれは撤回しないぞ!! 10点(2003-12-24 15:47:27)(良:3票) |
356. アニマトリックス
1つ1つのエピソードに個性があって,思ったより楽しめた。特に短距離送の話が好きだな。私はアニメマニアでもなく,かといってマトリックスに思い入れがあるわけでもないのだが,それが却って良かったのかも知れませんね。 6点(2003-12-24 15:21:16) |
357. シンドラーのリスト
ホロコーストのドキュメント映像が2時間続けば,多分ほとんどの方は逃げ出すだろう。ユダヤ人の悲劇を題材にした「娯楽」映画に感動する自分が見えないのなら,それはやっぱり偽善だと私は思う。この映画がなんらかのキッカケになるのならいいが,「この映画で悲惨さを知った!でもドキュメントは気持ち悪いから嫌」みたいな意見を読むと,心の底からゲンナリする。 5点(2003-12-24 14:44:43)(良:1票) |
358. プライベート・ライアン
「兄弟4人全員を兵隊にとったが,3人が死んだから残りの1人を8人で救出する」...馬鹿馬鹿しい。このストーリーのどこにどう感動しろというのだろう?。兄弟全員を戦場に送り込んでおきながら,戦意高揚のための神話作りにそれを利用し,さらに多数の犠牲者を生み出すなんて到底納得できない。兄弟全てが戦死した親などゴマンと居ただろうし,親の悲しさは失った子の数で計れるもんでもなかろうに。それを1人だけ助けたからどうだというのか?。余計なお世話だが,この作品を観て「戦争の悲惨さ」とやらを感じ取れるなら,そういう親達の「悲惨さ」をより強く感じるべきではないか?。「戦争の悲惨さ」って,単に肉が飛び散り血飛沫が飛ぶことなんだろうか?よく勘違いなさっている方を見かけるが,あなたが悲惨だと思っているのは「戦争」ではなく単なる「戦闘」である。映像になっていないことを都合よくオミットした,単純で偽善的な物語とテクニックのみの作品。オマハ・ビーチの戦闘シーンのみ評価。 3点(2003-12-24 14:08:49)(笑:1票) (良:5票) |
359. キル・ビル Vol.1(アメリカ版)
「ヤッチマイナ!」の号令一下,タランティーノがやりたい放題やってしまった(ように見える)映画。おもしろがり体質の方は楽しめるが,正直あざとい。タランティーノは好きだから1回だけ許すが,こんなコトばかりやってると怒られるぞ。知らないぞ。 6点(2003-12-24 13:45:32)(笑:1票) |
360. ガタカ
前半はストーリー,キャスト,映像が見事に釣り合って「これは!?」と思わせるが,殺人事件が起こるあたりからいわゆる「普通の話」になってしまい残念。前半の勢いを保つか,あるいはあっと言わせるような斬新な展開であったなら,ブレードランナーと並ぶSFの傑作になったかも。スタイリッシュな映像と造形で,無機質な未来観を表現するA・ニコルのセンスとキャストには感心する。 6点(2003-12-24 13:26:47) |