361. のぞきめ
《ネタバレ》 えー、予告編からだいたい予測はしてましたが駄作です。これなら去年の劇場霊の方がまだマシ。怖さのカケラもない演出、板野友美の大根演技、お話の破綻ぶり、と3拍子そろってます。何なんですかね、この話は。のぞきめに覗かれたら体がねじれて死ぬと。そのねじれると言うのも落ちるとか車にはねられるとか物理的な衝撃が加わっての話。あのおっさんや彼氏のように両目を潰せば結局死なずにすむんなら、結局のところ笑い飛ばしてれば何も怖いことはない。それを「話を聞いてあげれば呪いが解ける」とわざわざ出かけて行ってとり殺されてちゃしょうがない。板野友美の叫び声の「いぇやぁああっ!」と言うのはみっともなくてなかなか良かったです。ホラーで主役張るんならもうちょっとカラを破らないとね。 [映画館(邦画)] 3点(2016-04-02 22:00:30) |
362. ちはやふる 上の句
《ネタバレ》 原作未読。はい、すいません。広瀬すず目当てです。それ以外ありませんです。が、結構見れた。競技かるたの体育会的なノリもよく伝わった。広瀬すずの天真爛漫なキャラクターが、千早と言うありえないくらいにポジティブなキャラクターに良く被っている。お話はおそらく相当改変して2時間に入れたと思うが、ストーリー的にはまだおさわり程度だ。後編まで見なくては分からないが、前編として一応の起承転結は押さえている。ただ、端役のキャラクターが画一的に過ぎるのがちょっと気になった。肉まんとか完全にバカじゃないか。それは確かに団体戦の鉄則だが言っちゃいかんだろ?口に出しちゃ。そこで減点しようかと思ったが、広瀬すずが思いの外良かったのでやはり6点で。 [映画館(邦画)] 6点(2016-03-19 16:55:48) |
363. エヴェレスト 神々の山嶺
《ネタバレ》 原作既読。本作はまず公開時期に一言言いたい。去年のエベレスト3Dの後追い公開。これでは急ごしらえのバッタもんにしか見えない。内容は全く違うのに。本作は山に取り憑かれた男たちの狂気的なドラマだ。だが、映画からはその凄さが全く伝わってこない。序盤から中盤にかけての印象的なドラマが全て回想シーンとしてあっさり流される。あのグランドジョラス滑落からの生還は原作では最もインパクトのあるドラマだったのだが、それすらあっさり流されて羽生と言う男の凄さが伝わってこない。「足が動かなければ手で歩け。手が動かなくなったら指で行け」から始まる原作で最も有名なセリフをバックにヨタヨタと歩くラストはやはり全く響いて来ないのでした。 [映画館(邦画)] 4点(2016-03-12 14:24:07) |
364. 絶叫のオペラ座へようこそ
《ネタバレ》 これは珍作だ。それなりに笑える。冒頭からいきなりの三文オペラ。「ひでーな、これは」と苦笑してたら会場拍手喝采。その後、娘は多部未華子風の美女に育ち、ケッタイな連中とケッタイなミュージカルを演じる。もっとドギツいスプラッタームービーを予想していたら思いの外笑える映画でした。その後も「オペラ座のたたりを江戸時代の歌舞伎でやるぞ」とばかりに勘違い日本のオンパレード。極めつけはクライマックスに現れるデスヴォイスを効かせた歌舞伎ロック野郎。何と言うか見てて飽きないです。まぁあくまで珍味ですが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-03-07 22:42:12) |
365. カリフォルニア・ゾンビ逃避行
《ネタバレ》 うーん、いろんな面で中途半端な映画でした。オープニングはコメディ風だが中に入るとこれがコメディじゃない。むしろラストは陰鬱。青春映画にしてもみんなあっさり死にすぎる。主役はヘタレのはずがゴルフクラブの一振りでゾンビを倒す。銃規制賛成だと銃を持つのを拒否するがクライマックスであっさり宗旨替えして銃を撃ちまくる。何もかもがあれれ?と言う展開。コメディに徹したゾンビランドには足元にも及ばない出来でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-03-02 23:08:57) |
366. ラブリー・モリー
《ネタバレ》 ラブリー・モリーって看板に偽りありですねえ。全然ラブリーじゃない、むしろこんな人が近くにいたらたまったもんじゃない。見てるうちにこの人の暗い過去がだんだん見えてくる。たぶん子供の頃父親に虐待を受けてたなとか、ヤク中で病院に措置入院してたなとか、たぶん夫となる男も彼女の過去はある程度知りつつ結婚したんだろうと思うが、それにしても何で両親と暮らした、おそらく暗い過去を抱えた家で暮らすのか?案の定、暮らし始めてすぐに異音を聞く。これは警報も鳴り夫も聞いてるので幻覚じゃないはずなのに、その後の彼女の騒ぎはどう見ても彼女の幻覚くさい。何だかよく分からなくなり最後はご想像にお任せしますとばかりに観客にぶん投げて終わり。で、ラブリー・モリーって結局何なんだよ?一体。と言う映画です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-03-02 22:45:17) |
367. ペインレス
《ネタバレ》 スペイン内戦って本当に熾烈を極めたのねと言うのはよく分かる。が、痛みを持たない子供たちの気持ちは今ひとつ伝わらない。いくら痛みを知らないからといって、爪を剥ぎあったり、腕に火をつけたりするだろうか?自分が傷つくのは見て分かると思うが。血が出たり皮膚がただれるのを見ても何も感じないのだろうか?彼が拷問士になるのもわかるような気がするが、本当に恐ろしいのは痛みを知っていて他人の痛みを感じない人なのだ。映画自体は真面目だが、だからこそ感傷に流れたようなラストは納得がいかなかった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-03-02 22:11:16) |
368. パトリック 戦慄病棟
《ネタバレ》 途中までは比較的いい雰囲気で話が進むのに、終盤しっちゃかめっちゃかのB級に突入してしまう作品が割とある。本作もそう。ゴシックホラーのような古びた洋館の中での居並ぶ植物状態の患者。灯台守りをする謎の男。ここまでは良かったが、寝たきりのパトリック君が暴走を始めてからはだんだんおかしくなった。パトリック君に実は意識があったのはいい。しかし、自分に見えていない外界の様子まで理解してて、人を操り、機械も操り、何でもし放題になると「んなことないだろ!」と言わずにはおれん。ところで、あのおっちゃん、結局何がしたかったんだろうか?何だかこの映画自体が何がしたかったのかよくわからない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-03-01 20:53:35) |
369. ヘイトフル・エイト
《ネタバレ》 さすがタランティーノ。凄惨描写は相変わらず。しかしR18で承知の上で見たい人が見に来るのだから特に問題はない。良くも悪くもこれがタランティーノなのだ。割り切って見よう。今回は密室ミステリーと銘打っているが、真犯人は誰だ的な話ではない。真犯人は最初から分かっている。要するに生き残りを賭けた殺し合いだ。一応の主役であるウォーレンことサミュエル・L・ジャクソンも、とんでもない奴だが、基本的に彼の視点で映画は進行する。8人(正確には9人だが)も登場人物がいたら誰が誰やらになりそうだが、そうならないのは主役に視点を固定して彼の視点で描いているから。この辺はさすがタランティーノ。映画作りに関してはプロだ。そして彼の映画でカタルシスを感じることが出来るのは「悪い奴は報いを受ける」事を過激に実践しているから。今回も真犯人は最後に残酷に殺される。ウォーレンとて例外ではない。情け容赦なし。 ところで2点ほど腑に落ちない点がある。ボブが馬小屋でのウォーレンとの会話でトラップに引っかからなかったのは何故か?と、床に落ちてたジェリービーンズからウォーレンは何に気づいたのか?何か見落としたのかもしれない。もう一度見ようかな。人格疑われるんで人知れず。 [映画館(字幕)] 7点(2016-02-27 16:05:30) |
370. アウェイクニング
《ネタバレ》 雰囲気はなかなか良かった。20世紀初頭のロンドン。人々がスピリチュアルな物に癒しを求めていた時代に、真っ向から喧嘩を売るかのように科学捜査と論理的思考で幽霊の正体を暴いていく。何故、主人公がここまで頑なになったのか、そこまで謎解きにうまくつながっていれば文句なしだった。まぁ充分な出来かと。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-21 15:49:36) |
371. モーガン・ブラザーズ
《ネタバレ》 スプラッタ系コメディって見る客層を選ぶし失敗したら目も当てられない駄作になるんだけど、本作はなかなかうまくできています。ゲラゲラ笑うシーンはないけど、時折プッと吹き出すシーンが絶妙に配置されてて、何と言うか見てて飽きないです。 そうか、生きた人間をミンチにすると良い成分が分泌されて良い肥料になるのか。この兄弟ならそう言う発想に至っても全然不思議はないですね。何だかオツムの足らない弟にイラつく兄ちゃんの気持ちがちょっとだけわかる気がした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-02-18 22:00:22) |
372. トランストリップ
《ネタバレ》 この作品、途中までは「何これ?」的な感じだったが、だんだん主役のアリシアに感情移入し、最後は打ちのめされた。こんな明らかにメンタルを病んでいる繊細で人見知りする子を英語もほとんど通じない外国に送り込む彼女の親にまず怒りを覚え、いとこのサラ以外のメンバーの無神経さやデリカシーのなさにも苛立ちを覚え、最後の理不尽な展開に「そりゃあんまりだろ!」と怒った。確かにアリシアは扱いにくい子だが彼女なりに溶け込もうと努力してるじゃないか。その理不尽さに心を打ちのめされたが、映画としては完成度の高い良作。エンディングの幾何学模様は美しかった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-17 23:07:58) |
373. モンスターズ/新種襲来
《ネタバレ》 前作に比べて制作費は一桁上がったんじゃなかろうかと思えるくらいの派手な予告編。それにつられたわけじゃないけど、ともかく見に行きました。が、ギャレス・エドワースは本シリーズを単純な怪獣映画にする気はどうしてもないようだ。怪獣はたくさん出てくる。小っちゃいのは地面を高速に走る。だが、今作でも怪獣と人間のからみは全くない。最後の超巨大怪獣も出てきただけだ。しかし、ストーリーはそれなりに見れたのでこの点数で。ただ少し気になるのは、なぜここまで頑なに怪獣と人間をからませないのか?ひょっとして「怪獣映画を楽しむ人に本当に怖いのは人間だと言う事を教えてあげよう」と言うような考えはないよね?だとすれば大きなお世話だけど。 [映画館(字幕)] 6点(2016-02-17 22:45:47) |
374. オデッセイ(2015)
《ネタバレ》 少しでも良い環境でと思いIMAX3Dで。だが3Dの不自然さが目に付いた。火星や地球の表面がデコボコし過ぎに見える。時折良い効果もあるが何だろう?特にいらないように思える。肝心のストーリーだが、これもリドリー・スコットとしては、いや大ベテランとなったリドリー・スコットだからこそか、無難にまとまり過ぎているように見えた。火星からの脱出劇だがどうしても長いスパンになる。緊張感が続かない、間延びしたサバイバルだ。その割にディテールは結構雑。火星にあんな暴風が吹くわけがない。地球と火星の間は電波が届くのに10分はかかる。テキストでもリアルタイムの会話は不可能だ。何だか火星というよりも地上のどっかの砂漠かのような印象が途中でわいてきた。彼の救出方法もこれしかないだろうと思っていたら案の定だった。「エイリアン」や「ブレードランナー」で目の覚めるようなビジュアルを見せてくれたリドリー・スコットも、もはやこんなものなんだろうか?それなりに期待していただけに残念な出来だった。 [映画館(字幕)] 5点(2016-02-06 18:59:48)(良:1票) |
375. 残穢 -住んではいけない部屋-
《ネタバレ》 うーん。残念賞だ。ホラーなのかミステリーなのか中途半端。監督はきっと真面目にホラーが撮りたかったと信じる。だから昨今のホラーにありがちなコケ脅し的な演出は一切使わなかった。それは良い。良いが、怖さの演出は足らなかった。本当に怖いと感じる演出は難しい。是非、再度チャレンジして欲しい。それと、原作未読だが、クライマックス以降の展開にははっきり不満を感じる。結局はっきり見せて終わりでは台無しだと思う。やっぱり残念賞だ。 [映画館(邦画)] 6点(2016-01-30 16:30:10) |
376. イット・フォローズ
《ネタバレ》 この猛寒波の中、全国20館上映を見るのはホラーファンの使命と足を運びました。が、予告編で感じた悪い予感が当たった。こりゃダメだ。不気味な者がヒタヒタと追いかけてくると言うシチュエーションを描きたかったのは分かるが、それだけでは作品にならない。あまりにもお話が破綻しすぎている。見てて主役その他の行動に「何で?何でここでこういう事する?」と疑問に思う事10回以上。一番訳が分からないのはプールのシーン。何がしたかったのか分からないまま終わる。あれはお化けを感電させたかったのか?銃で撃っても平気な相手が電気なんかで倒れるのか?冒頭とラストも全くつながってないし、疑問点だけで埋め尽くされる映画でした。 [映画館(字幕)] 2点(2016-01-24 13:31:24) |
377. ザ・ウォーク
《ネタバレ》 これを今は存在しないビルで映画化したのは本当に凄い。どこまでがセットでどこからがCGか全く分からない。このビジュアルだけでも賞賛されて良い。映画は現実にないものを体験する場だ。この作品は綱渡りに至るまでの準備期間に重きを置いているが、やはり見所はクライマックスの綱渡りシーンだ。見て初めて知ったが相当長いことロープにいたのね。これはやはり狂気の技だ。この狂気は見ておいて損はない。そう思った。おすすめ。 [映画館(字幕)] 8点(2016-01-23 20:46:17) |
378. ブリッジ・オブ・スパイ
《ネタバレ》 さすがの安定のスピルバーグ印。脚本、演出、映像ともに申し分ない。民間人弁護士によるスパイの交換交渉と言う地味なテーマだが、スパイ機撃墜のスペクタクルもあり、敵国のスパイを本気で弁護する理由が合衆国憲法を守るためと言うのも素直に納得できた。これ、一番の影の功労者は東独大使館の若い男ではなかろうか?そしてかすかに微笑む彼を見て「この男は使える」と一瞬で見抜いたドノバンの眼力も確かだった。見終わった後の納得感、満足感の高い良作。 [映画館(字幕)] 8点(2016-01-11 21:48:08) |
379. 完全なるチェックメイト
《ネタバレ》 将棋はヘタの横好き。チェスは全くの無知。の私が本作を見てそのチェックメイトの凄さが分かるのだろうか?と思ったが案の定、それは全く分からなかった。が、チェスの世界の厳しさは理解できた。ボビー・フィッシャーが精神を病んで行く過程はいかにもありそうで怖い。相手のボリス・スパスキーも同様に病んでいると分かるのはリアルだった。もう少しチェスを勉強して見れば伝説の対局の凄さが理解できたのだろうか?ちょっと残念だった。まぁ得難い体験でした。 [映画館(字幕)] 6点(2016-01-11 21:02:31) |
380. クリムゾン・ピーク
《ネタバレ》 映像はとても綺麗です。ただ終盤は結構凄惨になります。なぜこれがR15なのかと思ったが、終盤の血みどろの戦いのせいか?それともトム・ヒドルストンの尻が見えたからか?映倫は結構厳し目だと思った。 画の美しさに比べてお話がいささか切れに乏しいと感じるのは私だけか?真っ赤な宝石、厳しそうな母親の肖像画、湧き上がる赤い泥、地下室にある泥の溜まった桶、謎の録音シリンダー、と印象的なアイテムがたくさん出てくるのに、それらを組み合わせて目の覚めるような展開を期待したのに肩透かしでした。ラストもあっさりしすぎ。 その中では、愛する弟からにっくきあの女を愛してると言われて嫉妬で怒り狂いナイフでサクサクと突き刺すジェシカ・チャステインはなかなか恐ろしくて良かったです。 [映画館(字幕)] 7点(2016-01-09 19:22:55) |