21. パンズ・ラビリンス
第2次世界大戦下のスペインという現実世界と、ヒロインのファンタジー世界とのバランスが絶妙な映画でした。全体的に重く暗く切なくそして痛い映画でしたが、観賞後は清々しい気分に浸れました。純粋に面白かったなと。あらすじが分かりやすく論理的にも破綻していないことが好印象だったのかもしれません。あと美術と音楽も良かったです。 [映画館(字幕)] 8点(2007-10-19 02:16:32) |
22. キサラギ
意外に面白かったです。5人のファンとミキとの関係が次第に明らかになっていき、そして、それと並行する形で事件の真相も解明されていくという脚本が、よく練られて秀逸です。遂に事件の真相が明らかになりホロリときた瞬間、パーンと弾けるかのように唐突に登場するミキのインパクトも凄かった(笑)。イメージ違い過ぎだって。 [映画館(邦画)] 8点(2007-10-14 00:39:45) |
23. ボーン・コレクター
《ネタバレ》 デンゼル以外に全く観るべきものがないという、キャストが豪華なだけの典型的な薄っぺら映画です。原作はどうだか知りませんが、こんな犯人と犯行動機じゃ納得が行きません。犯人が出てきても、それが一体誰なのか記憶の片隅にもありませんでした。どこに出ていたのか、もう一度見直そうかとまで思ったくらいです(結局、そこまでするほどの映画でもないかと思ってやめましたが)。5点は全てデンゼルに。アンジーは別にどうってほどでも。。。 [DVD(字幕)] 5点(2007-06-05 00:11:48) |
24. カポーティ
好き嫌い以前に人を選ぶ作品です。というのも、まずカポーティの行動原理と深層心理を理解するのが難しいです。彼は、親交を深めた犯人の男を救いたかったのか、単に自己の利益のために利用しただけだったのか、映画を観ていてもはっきりした答えは見つかりませんでした。そのどちらでもあったように思います。次に、そうまでして書き上げた「冷血」という作品がどんな作品なのか、この映画を観るだけではよくわからないという点です。一応朗読会において一部その本文が明らかになりますが、それだけでは不十分です。まあ、この点に関しては、興味があれば原作を当たって下さい、ということなのでしょう。そして3点目は、何よりも延々と静寂なシーンが続くという点。これは睡魔との戦いになります。もう少し話の抑揚を付けてほしかったですね。主演のホフマンが主演男優賞ですか?まあ、確かに巧いのでしょうが、元々クセのあるキャラクターを物まねにより演じたわけで、役得だという気がしなくもありません。 [DVD(字幕)] 5点(2007-06-04 23:45:32) |
25. 至福のとき
とても分かりやすい内容で、テレビドラマ的とも言えます。良い人と悪い人が両極端というのも昔のドラマにありがちな人物設定で、何処となく滑稽さを感じます。一応感動ドラマの部類に入るのだと思いますが、これと言った感動シーンは無く、終わり方もトカゲのしっぽ切りのようなぶつ切りです。ヒロインの女の子の下着姿だけが妙に印象に焼き付く作品ではありました。 [DVD(字幕)] 5点(2007-06-04 23:29:01) |
26. 南極物語(2006)
《ネタバレ》 どうしても本家本元との比較で語らざるを得ません。オリジナルは、取り残された犬達が次々に力尽きて死んで行く様が直接的に描写された作品で、愛犬家には(悪い意味で)堪らない作品でした。対して本作は、そういう悲壮感は全くありません。殆どが生き残るからです。チームワークを発揮して鳥を狩ったり、運良く基地に潜入して食料品を漁ったり、ヒョウアザラシからシャチの死骸を掠め取ったりと、実に適応力があり運にも恵まれています。主人公が必死になってお迎えに来なくたって、この先何年でも生き延びたんじゃないだろうか(笑)と思わせるくらい、南極という環境に適応しています。というより、南極の過酷さを実に甘っちょろいものにしています。この辺りがディズニー映画っぽいといえばそれまでなのですが、犬が可愛いから点は甘くなります。愛犬家には(良い意味で)堪らない作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-23 01:02:02)(笑:1票) (良:1票) |
27. ディアボロス/悪魔の扉
アル・パチーノ節が炸裂していました。本作では比較的地味な存在だなぁと思っていたんですが、やはり最後にアレが待ち受けていましたか。もう、アル・パチーノのために無理矢理脚本を書いているかのような大演説でした(笑)。話自体は、オカルトがあまり好きじゃないせいか、今ひとつ面白みに欠ける印象でした。法廷モノにしてしまった方がある意味良かったんじゃないかと思ったりして。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-05-20 02:44:15) |
28. ナチョ・リブレ/覆面の神様
ゆるーいコメディ映画でした。ジャック・ブラックの演技(という小ネタ)にはキレがありますが、逆に言うとそれ以外には特にこれと言ったポイントはありません。シスターのために作った歌を相棒のヤセの前で披露するシーンは最高でした。欲を言えばシスターの前で歌ってほしかったですが。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-13 14:42:49) |
29. 青いドレスの女
良い映画の雰囲気は持っているのに、その実は退屈な作品でした。そもそも、しがない機械工員だった男が、解雇をきっかけにハードボイルドの世界に一歩足を踏み入れた瞬間から、服装も言動も仕草も突如その世界の人間に染まっちゃうなんていうのはね…。いきなり銃なんか持っちゃって、躊躇なくしかも的確に発砲してるしで、ちょと設定に無理があるんじゃないでしょうか。あとはやはり話そのものが盛り上がらない、青いドレスの女に魅力がない、といったところで、デンゼル以外には殆ど観るべきものはありませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-13 14:15:47) |
30. スタンド・バイ・ミー
誰もが知っているメジャータイトルで、3~4度めになったと思いますが、あらためてDVDで鑑賞しました。4人の主人公達と自分は完全に同世代なんです。初めて観たのは公開時で、まだ15の頃でした。クリスやテディが当時の自分よりずっと大人っぽく見えたものですが、今の自分にはほんの子供にしか見えない。なんか、そういった辺りにノスタルジーを感じてしまう自分は歳を取ったということなんでしょう。それにしても、特にこれと言ったイベントや見せ場があるわけでもないのに、これほど楽しめる映画ってそうないと思います。今回観て驚いたのは、あのヤンキーのリーダー(嫌なやつ)が若き日のキーファー・サザーランドだったとは! [DVD(字幕)] 8点(2007-05-09 00:05:35) |
31. レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
この手のファンタジーな空気は少々苦手です。ジム・キャリーは好きなんですが、本作の彼の演技はどうも鼻に付く感じがして…。悪役だったから、役柄が嫌いだったのかもしれませんけど。女の子が可愛かったのが救いでした。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-08 23:44:24) |
32. オールド・ルーキー
野球を題材にしたスポ根モノとくれば、王道中の王道です。よほど失敗しなければ普通に楽しめる映画になるのだと思いますが、本作もその例にもれず万人に受け入れられるよう無難に仕上げられた作品という感想です。現役を退いた後ロクにトレーニングを積んだわけでもない人間が、30代後半で98マイル(156km)の速球を投げられるようになったこと自体が嘘のような話ですが、実話だというから恐れ入ります。しかも比較的最近の話だということではないですか。夢を諦めかけた20代後半~30代前半の元アスリートに希望を与える作品ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-08 23:30:59) |
33. ヒート
アル・パチーノとデ・ニーロという超大御所2人の共演とくれば否が応でも期待が高まりますが、その割にはそれほど面白くない映画でした。前半はまだ良いのですが、後半がグダグダです。その結果170分というのは、構成の面で失敗したと思います。無駄なシーンが多いせいか、「いい加減早く終わらないか」という気分になってしまいました。両巨頭ではアル・パチーノの方が個人的には圧倒的に好きなのですが、本作ではデ・ニーロの方が存在感がありました。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-05-08 23:16:43) |
34. ナイロビの蜂
正直言って期待はずれでした。得てして社会派ドラマというのは、その世界に没入できなければ退屈に感じることが多いものです。テッサの取った行動は社会的には正義かもしれませんが、どうもその奔放な性格が災いして、最後まで感情移入できませんでした。それと、やや文芸的な線を狙いすぎているような気がして、もう少しエンターテイメント性を持たせてくれた方が面白い作品になったと思います。一応、サスペンスでもあるわけですので。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-02 02:43:20) |
35. ワールド・トレード・センター
不謹慎かもしれませんが、これだけの大事件を扱った映画にしては、描かれたテーマはただの夫婦愛もしくは家族愛ってのは、何ともスケールが小さい。まあ確かに人間1人1人の人生にスポットを当てて行けば、世界がどうなろうとも、行く着くところは最愛の人との絆ってことになるんでしょうか。それにしても、2700名以上が亡くなったあの日、奇跡的に2名の命は助かったって事実を手放しで喜んでよいものかどうか。2人が病院で妻との再会を果たした陰では、残り大多数の家族は絶望の淵にいたってことを考えると。 [DVD(字幕)] 4点(2007-04-30 01:22:58) |
36. NOTHING ナッシング
ちょっと悪ふざけが過ぎたかなぁという感じ。ほんとに何も無いから、苦労して引っ張ってるのがありありなんです。何も無い背景の中で冴えない男2人だけというキャスティングは、さすがに辛かった? [DVD(字幕)] 4点(2007-04-29 18:20:05) |
37. メラニーは行く!
《ネタバレ》 皆さん書いているように、邦題から受けるイメージと作品の雰囲気とがアンマッチなんですが、おそらく「キューティ・ブロンド」のヒットにあやかって同じ路線の映画であるが如く見せかけたかったんでしょう。この作品、退屈ではないのですが、設定が破綻してます。7年も旦那のことを顧みず一人勝手気ままに生きてきた女が、結婚式の最中に突如心変わりって、あり得ないにも程がある。しかも、そうなったのは偶々離婚届に自分がサインし忘れていただけのことで、本人は離婚が成立していると思い込んでいたんだから、尚更その段階から心変わりするってのは無理が有るんじゃ…。そもそも、メラニーが7年ぶりに帰って来て旦那と初めて顔を合わせたシーン、あの表情には一かけらの愛情も感じませんでしたけどね。 [DVD(字幕)] 5点(2007-04-29 18:01:44) |
38. L.A.コンフィデンシャル
あまり複雑にしすぎず、適度なサスペンスとアクションで娯楽性を追求していることが功を奏しています。エド(ガイ・ピアース)よりもバド(ラッセル・クロウ)に肩入れして観ていた分、ラストはやや微妙な結末でした。あと、ケビン・スペイシーがイマイチ存在感の薄いキャラだったため、役損していた気がします。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-04-29 17:42:28) |
39. マイ・フレンド・フォーエバー
やはりラストのスニーカーのシーンでホロリと来てしまいました。不治の病を題材とした少年の友情物語として、話そのものはベタかもしれませんが、主人公2人の爽やかさが作品を上質に仕立てています。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-04-23 01:24:51) |
40. イノセント・ボイス 12歳の戦場
戦争の無情さをダイレクトに訴えかけてくる良作です。貧しいながらも健気に生きるチャバの姿が、逞しくもありいじらしくもありました。チャバが川原で銃撃戦に巻き込まれたとき、生まれて初めて銃を手に取ったシーンが印象に残りました。 [DVD(字幕)] 8点(2007-04-23 00:36:55) |