21. 悲しみが乾くまで
《ネタバレ》 邦題がなんだかなーだったので期待せずに観たが、思わぬ佳作を発見した気分。冒頭からすごく丁寧な画像に惹きつけられ、なんだろう?と思うウチにドラマに引き込まれ・・ただちょっと麻薬中毒からの再生を綺麗に描きすぎというか「そんな簡単なもんじゃないだろーよ」と思わず画面に突っ込み入れたくなるシーンもあったが、それを見せたかったんじゃないのかも知れない。扱ってるテーマが重いのに表立って非道い人間が出てこないのも後味の良さにつながっている。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-18 17:09:59) |
22. デトロイト・メタル・シティ
松ケンはどうしてこうキモイ役がはまるのだ。大河なんかに出てかっちょよく振る舞ってると何故か大根に見えるのに、役がキモければキモイほど彼の持つ天性の役者魂というか演技力が冴える気がする。松雪さんもこういう役の時ほど好きだ。そして母ちゃん役の宮崎美子、相変わらず泣かせるなぁ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-04-18 17:02:12) |
23. ブロークン・イングリッシュ
外国人の友達が絶賛していたので期待しすぎてしまったか。アメリカ人がフランス映画の雰囲気を出したくて頑張ったらこうなっちゃいました、という中途半端な印象。盛り上がりどころがどこなのかよく分からなくてイライラした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-04-18 16:40:29) |
24. チーム・バチスタの栄光
面白かった。原作未読、ドラマは映画の後にチラ見しましたが、仲村トオルより阿部ちゃんの芝居の方がキレがあるようで私は好み。で、その阿部ちゃんが出てくるのが遅いせいか序盤の展開にグダグダ感があり、コメディなんだか何なんだか?と早くも気分がダレそうになってしまった。田口先生が原作では男性、というのも先にこっちを観てしまったので面食らったが、レビューを読む限りドラマの方が展開や人物描写などにじっくり時間をかけられるだけ見応えがあるのかもしれない。しかも映画には「それ必要?」と思うようなシーンもチラホラ。本業ミュージシャンだとか芸人だとか、生粋の役者じゃない人々がなかなか良い味を出していて、そこは面白かった。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-04-18 16:27:47) |
25. シルク(2007)
《ネタバレ》 外国映画だけれど、日本の役者さん達がとても良かった。はるばる最果ての国まで・・のはずが妙に簡単に日本に行き着いてしまう。しかも何度も。外国人が抱きがちな日本へのなんじゃそりゃ的な幻想はチラチラ感じなくもなかったが、「ナイナイ!」と斬り捨てるほどでは無かったかと。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-04-18 16:25:59) |
26. 情愛と友情
原作未読。イギリスの田園地帯のお屋敷の情景が美しく、ブライズヘッドのシーンにはうっとり。チャールズにとってはブライズヘッドにまつわる全てが永遠の憧れをの真の望みがどこにあるのか、最後までブレブレで若干分かりにくかった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-04-18 16:24:41) |
27. ナチョ・リブレ/覆面の神様
笑いもユルイがそもそも全体的な構成がユルユル。子どもと一緒に観ても安心という点では良かった。が、特にプロレスファンでもない私にとってはジャック・ブラックの百面相以外に観るべきものがなく、演出やプロットの荒さだけが印象に残った。勧められて観ただけにちょっと残念。ちなみに一緒に観ていた小中学生には、意外にもナチョよりヤセが人気だった。 [DVD(吹替)] 4点(2012-01-08 10:01:23) |
28. アメリ
《ネタバレ》 ミヒャエル・ゾーヴァが大好きなので、彼の作品の登場人物が動いているところ(!)が観られる貴重な作品としては思い入れ大。ただその点を除けば、一つ一つのシーンを切り取ってみれば可愛いらしげな絵になっているものの、やってることを冷静に観ればこんな面倒くさい女もいねえだろうと思ってしまうあたり、何とも感情移入しにくい作品でした。ま、最後は勇気を出して本物のお花畑に飛び込めたみたいで良かったね、と。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-25 23:52:30) |
29. クレイジー・ハート
《ネタバレ》 ジェフの歌は予想以上に良かった。本場のブルーグラス・フェスを見たことあるがもっとグダグダのおっさんがいっぱい登場していた(笑)。いやむしろこの映画に足りないのは正にそのグダグダの修羅場感かも知れない。話の展開が一々予想通りで綺麗にまとまりすぎな印象で、ジェフのカントリー歌手デビューPVかと思うほど淡泊な印象。あっさり完了したアル中からの更正も、その後のとんとん拍子の成功も、あまりにも淡々と描かれていて拍子抜けした。オスカー受賞に異論はないが、還暦近いオジサン達に現実の厳しさを叩きつけない甘い映画なのかも知れない。ラストで元鞘に戻らないのが救い。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-25 23:33:59) |
30. パニック・ルーム
《ネタバレ》 またジョディが頭脳プレイで勝つパターンか。もう絶対そうなるって分かってる安心感半分、退屈半分。我らがスーパーガール・ジョディの見せ場を作るためのしわ寄せとなった数々の突っ込みどころをスルーする心の余裕があれば楽しめます。犯人達の隙を突いて一瞬外へ出るシーンは本気で心臓がバクバクしました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-11 01:37:55) |
31. しあわせの隠れ場所
《ネタバレ》 リー・アンがマイケルを拾い助けるシーンの展開の唐突さに「は?」と思ってしまった。話が進むにつれて彼女の男気溢れるキャラの魅力がじわじわと見えてきて、あの唐突な行動さえも彼女らしさとして納得できるようになるのだが・・。実話ベースにしてはほとんどファンタジーかと思うほど極悪人が存在しない出来過ぎな展開で、子供に見せることを意識してあくまでもお行儀良く作られている印象は否めなかった。それでもところどころ面白いシーンがあり、特にリー・アンがアメフトのコーチングをするシーンは痛快! [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-04 23:45:35) |
32. 女の子ものがたり
《ネタバレ》 原作は、田舎の底辺環境に生きる少女達の荒んだ生活、その救いがたいリアルな日常が乾いた表現で淡々と描かれ、ままならない毎日をどうにかこうにか繋げて生きる主人公たちに心を寄せて思うところ多々・・・という読み応えのある内容だった。が、それだけに期待してしまったこちらの作品は、予想以上に小綺麗にまとまった内容と優等生な主人公に思い切り肩すかしを食らった。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-05-29 15:28:21) |
33. 櫻の園 -さくらのその- (2008)
《ネタバレ》 女優というかタレント女子たちの演技はどうにもこうにも学芸会な雰囲気で、福田沙紀の目のデカさばかりが印象に残った映画。原作・旧作を観ぬままいきなりこれを観てしまったので作品として評価しにくいが、櫻の園と聞いてこの映画を思い出す、という状況は早めに何とかした方がよいのだろうか?見所は、話が進んでもなかなか散らずにやたら長持ちする満開の桜景色。というわけで桜と若手タレントを一緒に愛でる男子向けお花見映画として需要があるかと。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-05-29 14:43:23) |
34. 息もできない
《ネタバレ》 手負いの獣のようなサンフンは、愛し方も愛され方も分からずひたすら自分の暴力衝動を持てあます。その姿は哀しくもいじらしく、やっかい者でありながら親友や義姉に愛されるのも分かる気がする。主人公2人を見ていると、家庭という安住のベースを持たない人間は自分を大切にしないということがよく分かる。ついでに、彼らに感情移入できるか否かも観る側の育った環境や家庭観によって大違いとなる、ということがここのレビューを読んでいるとよく分かる。サンフンのやり場のない憤りやヨニの他人に期待しない諦めの姿勢、その奥底の悔しさや哀しさを察して勝手に心が痛くなる自分のような人間は、残念な子ども時代を享受した分、大人になってからこういう映画を深く味わえるというご褒美がもらえるのだ。それにしても高利貸しから焼き肉屋に転身したマンシク、アンタいい人過ぎ(笑) [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-29 14:29:39) |
35. のんちゃんのり弁
《ネタバレ》 ととや登場の演出はすごく良かった。私なら、カウンターで岸部一徳が一人で料理作ってるところ見ながら白いご飯だけでお腹いっぱい。細腕ヒロインが逆境にもめげず頑張る健気なストーリーなら割と好きなんだが、小巻は全然健気に見えない。確かにあのダンナはどうしようもないが、そこから自立したい、自己実現したい!って突き進む小巻の姿はひどく自分勝手。甲斐性無しでも子どもにとっては大好きな優しいパパとして描かれているのに、そんな子どもの気持ちを思いやっての葛藤なんて微塵もなく、ひたすら夢に向かって前進あるのみ!のヒロインだなんて、全然共感できない。挙げ句の果てに幼い子どもの前で殴り合い&罵り合いのケンカして、その後平然と一緒にご飯食べながら冷静に離婚・再婚話、子どもが泣き出せば白々しく抱き合って仲良し演出とかありえなさすぎで腹が立った。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-05-04 17:08:18)(良:1票) |
36. クワイエットルームにようこそ
《ネタバレ》 面白かった!!役者陣がめっちゃツボ。内田有紀は文句なく綺麗だし、優ちゃんはガリガリ&ゴス系メイクでもやっぱり可愛い。りょう・クドカンもはまり役だし、妻夫木くんもいい味出してた。大竹しのぶに至っては、彼女しかいない!ってくらいの怪演ぶり(笑)。精神科閉鎖病棟という重い舞台ながら、随所にその重さを吹き飛ばす笑いが散りばめられている。ストレス溜まると摂食障害気味になる自分にはむしろこの軽さとラストのバッサリ感が救い。監督としての松尾スズキ作品は初めて観たが、予想以上に面白くて今後に期待。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-04-30 16:07:43) |
37. 南極料理人
《ネタバレ》 小学生2人と笑い転げながら見た。おにぎりやラーメンがめっちゃ美味しそうなのはもちろんだが、日本人の食卓がいかにバラエティに富んでいて素晴らしいかがよく分かる。(他の国の越冬隊員はいったいどんな食生活をしているのだろう?)だからこそ、腕の良い料理人が一人いれば、極寒の僻地での野郎だらけのむさい暮らしもそれなりに楽しそうに見える。でもどんなに素晴らしい料理でも、休日の遊園地で家族と食べるジャンクフードの味には敵わない、ってところがミソ。嬉しくなる映画。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-02-16 14:30:47)(良:1票) |
38. 地球が静止する日
《ネタバレ》 おなじみハリウッドの「地球防衛軍アメリカ」自虐映画。ただ、人間は一度滅びた方が地球のためだ、ということが子供にもよく分かるという点では、それなりに教育的価値のある一作である。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-16 14:20:35) |
39. イントゥ・ザ・ワイルド
《ネタバレ》 生い立ちはともかく、旅立ち以前の主人公をとりまく環境は充分恵まれているように見えたので、このような壮大な計画を実行に移す動機としては若干疑問が残った。しかし旅の途中での出会いと別れのエピソードはそれぞれに味があり、2時間半という長尺が気にならなかった。話が進むにつれ、自分に向けられた愛情を頑なに拒絶し、多くの人の気持ちを傷つけることも厭わず我が道を行く主人公の若さ故の傲慢さが、どんなふうに実を結ぶのか結末を知りたいという気持ちになっていった。そして、彼が孤高の旅路の果てについに得た英知が「人は一人では幸せになれない」という真理だったという完璧なカタルシス。 予備知識ゼロで観たが、実話ベースにしてはあまりにも都合良く出来過ぎな展開と思える部分もあったものの、映画としてのエンターテイメント性を考えればかなり上出来だと思う。監督ショーン・ペンの今後に期待。餓死寸前(?)まで身体を張った主演のエミール・ハーシュの役者魂にプラス1点献上。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-02-16 14:08:40) |
40. イースタン・プロミス
100分でこの濃さはすごい。クローネンバーグと言えばエログロドロドロ系をつい想像してしまうが、この作品は全編を通じバイオレンス色は強いものの何故か端正な印象。それぞれの人物描写もストーリー展開もよく練られていて、100分まるまる濃密な描写が続く緊張感が心地よい。ところでヴィゴのスーツ姿はとんでもなく美しい。それだけでも眼福なのだが、サウナでの全裸死闘シーンというおまけ付き。やっぱりこの中味があってこそ衣装も決まるのだなぁと妙に感心。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-03 14:51:14) |