21. キングダム/見えざる敵
《ネタバレ》 ○オープニングの石油消費量の立体グラフに旅客機が突っ込む。掴みは完璧だった。○サウジはアメリカで溢れている。イズ・アル・ディンの青少年育成施設では、アメリカのゲームが出てくる。ファリスはアメリカのアニメ「超人ハルク」に影響されて警官を志し、アメリカに理解を示しながらもアメリカのせいで死に至る。フランもアメリカ製の爆弾で死んでしまった。このあたりの皮肉が痛烈。テロ以外では死ぬのが全員アメリカ人以外と言う狙いも極端だが頷ける。○両国の人間が「皆殺しに」と思ったままエンディングを迎える。たとえトップを殺しても後釜がいくらでも出てくる歴史を分かってないアメリカ人が惨め。○偏り過ぎではあるが、アメリカとサウジの関係を知るきっかけになり、観る価値のあった作品。救いのない終わり方だが、変なカタルシスがなく好感が持てる。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-05 12:45:24) |
22. 鬼が来た!
《ネタバレ》 脚本が本当によく練られている。あのオチは正直やられた。そして、音楽の使い方がとても上手い。いろんな戦争映画を観てきたが、どの国だって戦争は嫌なもの。それが十二分に現れた作品。観る人を選ぶ映画であろうが、とことんリアリズムに拘り、エグいシーンもお構いなしに映し出している辺りは非常に好感が持てる。子供を殺すシーンはかなり驚きはしたが。学校ではこんな映画は上映できないが、皆に観てもらいたい作品の一つである。そして、中国映画であることも忘れてはならない。 [DVD(字幕)] 8点(2008-09-15 00:09:34) |
23. それでもボクはやってない
《ネタバレ》 周防監督の魂が乗り移った作品。監督の言いたいことは十二分に伝わるわかりやすい作品。途中の展開とタイトルから有罪になるのはわかってしまったが、やはり憤りを感じずにいられなかった。残念だが、これが日本の現実で、もはや伝統と化しているのだろう。自分がこんな目に合うなんて考えてもいないが、いざこうなったら自分の性格柄この映画の主人公と同じようなことになってそうでそれも怖い。これだけ観客に伝われば十分だと思うが、映画という観点から考えると、ドラマがない。それほど長さを感じなかったのだが、頑なに否認を続ける主人公の心理と、したくないと断っていた仕事を引き受けた女性弁護士の心理がごっそり抜けている。そこがなくてもある程度主人公に感情移入できるようにはなっているが、その辺りの描写があればもっと深い作品になったと思う。 [地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 00:02:52) |
24. ノー・マンズ・ランド(2001)
《ネタバレ》 戦争という状況が生み出した悲劇をものの見事に表現した見応えある作品。一番凄いのは、監督がボスニア人で実戦経験のある人であることだ。そんな人間がこれほどまでに中立に描けるのは凄い。そして惜しいことに、日本の配給会社はこの映画をコメディとして売ろうとしていた。確かにブラックコメディだが、そこをあえて押すべきではない。どんな映画でも興収を上げるためなら何でもする日本の配給会社は、チキから見たマスコミそのものだ。でも、幸い変な邦題を付けていないだけマシかもしれない。 [DVD(字幕)] 8点(2008-01-15 23:09:37) |
25. ロード・オブ・ウォー
かなり重たいテーマだが、案外さらっと描いている。こうしなきゃいけないという提言こそないが、みんなが知らない世界を見事に表現している。それにしても、銃弾が完成して人を貫通するまでのオープニングは秀逸。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-21 09:24:30) |
26. ミリオンダラー・ベイビー
《ネタバレ》 ○2回目の鑑賞。最初に観た時はそれほど感じなかったが、素晴らしいラブストーリーだった。○以前までイーストウッド主演に無理のある作品が続いたが、これは良い。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-12 12:02:43) |
27. ロッキー・ザ・ファイナル
《ネタバレ》 スタローンもこんなドラマを撮れるのだと感心した。60歳でのカムバックは無理があるが、いかにもスタローンらしい。変に感動を押し付けてこないあたりは好感が持てる。それにしても、最近影を潜めていたスタローンが「ロッキー」に「ランボー」にと畳み掛けてくるなあ。なんだかんだで、これで「ロッキー」シリーズも終わりかと思うと少し寂しい気持ちになる。 [映画館(字幕)] 8点(2007-05-01 23:29:32) |
28. ホテル・ルワンダ
ジャーナリストや主人公の台詞に何もしてくれない当時の国連や世界の国々を描写しているが、それがこの映画のすべて。どこかで戦争していてもまたやってるわぐらいでテレビを見ていた自分が恥ずかしくなった。 [DVD(字幕)] 8点(2007-04-10 20:14:01) |
29. 天使のくれた時間
《ネタバレ》 こうして忙しい時代に生きていると自分を振り返る時間がないのだと改めて感じた。そういう意味で、そんなきっかけになればという作品だと解釈しているが、何よりキャストが素晴らしい。ティア・レオーニもニコラス・ケイジもドン・チードルもそれぞれが存在感を遺憾なく発揮している。 [DVD(字幕)] 8点(2006-10-19 01:10:43) |
30. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
《ネタバレ》 ○単純に面白かったといえるエンターテイメント作品。主演の2人もまさに適役であった。○主人公の成りすましがコロコロ変わるテンポの良さと、程よい追っかっこが絶妙であった。○終盤の更生に至る場面が個人的に少し物足りなく感じたが、全く飽きさせることない作品であった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-09-02 15:26:46) |
31. メメント
《ネタバレ》 ○久しぶりに鑑賞したが、ほとんど覚えていなかった。自分があまり評価していなかったことも。○遡ることで徐々に事実が明らかになるが、時系列を元に戻したとしても、登場人物の台詞などから整理して肉付けしないと事実が浮かび上がってこない。伏線の張り方は見事だった。○また10年後に見たら忘れてるのだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-09-02 11:24:39) |
32. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 話自体は小説も読んだので知っていたのですが、思っていたよりも重苦しく、緊迫感もあり、いろんな意味ですごい映画だと思いました。序盤からユダヤ人の迫害が全面に出てて、苦しい仕打ちを受けたことが良くわかりました。後半、主人公が場所を移しながら、戦場から逃げていく様はとてもリアルでした。エイドリアンブロディもはまり役で、軍曹の前でピアノを演奏するシーンやエンディングのラジオでの演奏シーンも心打たれました。 [DVD(字幕)] 8点(2006-09-01 22:23:07) |
33. クライム&ダイヤモンド
《ネタバレ》 まさに掘り出し物的な映画。やはりこの映画の一番の見所は、回想シーンが現代に繋がるところ。登場人物の設定も面白いく、軽快なテンポで、観終わった後の爽快感はなかなかのもの。 [DVD(字幕)] 8点(2006-09-01 17:45:04) |
34. アンブレイカブル
《ネタバレ》 ○シャマランの前作はあまり好みじゃないが、これは評判に反して素晴らしいと思う。○ヒーローの斬新な描き方。他のヒーローモノと違いすぎて気付かなかったが、これは間違いなくヒーロー映画。○ブルース・ウィリスとサミュエル・L・ジャクソンは「ダイ・ハード3」以来5年ぶりの共演。前作とは全く違う役どころだが、それぞれかなりの好演。○嫁と息子のサブストーリーが良い味出してる。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-30 14:05:03) |
35. ダウト ~あるカトリック学校で~
《ネタバレ》 ○クロと疑い、それを証明するために嘘までつくシスター。その疑惑が晴らされてクロになることで困る人々。その両者の状況を時折挟まれる神父の説教が非情に示唆的で面白い。○演者も豪華で、演技合戦も見もの。 [DVD(字幕)] 7点(2018-02-12 00:24:56) |
36. アメリカン・サイコ
《ネタバレ》 ○クリスチャン・ベールの演技に引き込まれ、最後まで鑑賞できた。○現実味のあるなしにかかわらず殺しのシーン(探偵などの関連シーン含む)はすべて妄想だろう。○同僚が新しい名刺を出す度にやめろと思ってしまう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-07 10:29:53) |
37. JUNO/ジュノ
《ネタバレ》 ○突然子供のできた主人公は、周りの支援にこそ恵まれたが、父親になる存在がいないに等しかった。それをマークに重ねたが、その彼が一番子供で、彼女の理想像が一気に崩壊する。○そこから父親に当たるポーリーとくっつくのはやや強引だが、良い流れだった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-03 15:45:23) |
38. サイドウェイ
《ネタバレ》 ○だらしなくて、ネガティブで、認めてくれる人もいなくて、でも良いやつ。そんな奴いるな。自分もどちらかといえばそっち側の人間なもので共感できるところはある。○人妻を寝取った相方の代わりに財布を取りに行くシーンが最高に笑える。そんな勇気ある癖に、女の前でヘタレとか。その辺の勇気加減が絶妙だった。○最後にマヤの電話を元に訪ねるが、ノックして終わりなんて意地悪。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-03 15:42:32) |
39. マシニスト
《ネタバレ》 ○主人公が幻想を見ているのは、割と序盤で分かるのだが、それを逆手に取った演出だった。○色調も見事で、作風とマッチしていた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-29 23:14:44) |
40. 21グラム
《ネタバレ》 ○展開も21グラムの意味も徐々に分かってくる時系列。いろいろとルールを破っているが命とは何か考えさせてくれる作品。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-05-29 09:40:53) |