21. 神聖ローマ、運命の日 オスマン帝国の進撃
拡大するアジアの脅威(イスラム)に対して共同歩調がとれないキリスト教圏。 なんというかこのご時勢に映画にするにはなかなか対象にされそうで恐ろしい気もするが、 内容がそれほど踏み込んだものでなく、かなり中途半端な映画。 あえて映画にするのであればもっと時代に応じたつくりも出来るだろうに、 そうするわけでもなく能天気に作りきったさまはある意味お見事。 大スペクタクルはないし、盛り上がりにも欠けるが、 歴史映画が少ない昨今がんばってつくったことを評価して一応、及第点とします。 [DVD(字幕)] 5点(2016-03-16 18:30:04) |
22. ミッシング ID
導入から前半の間はテンポが非常によくてなかなかよい出来だと思う。 主人公が覚悟を決めてから、つまり本編がすべりだしてから、非常に凡な作品になる。 主人公の成長(というよりも覚醒)を待つかのように敵グループは序盤まぬけな失敗を繰り返し、 調度主人公がクリアできる範囲の攻撃を繰り返す。 後半になれば主人公は中堅スパイ並みの能力をもった存在になり、 私はこれが主人公補正というやつか。と最近覚えた新語の意味を解釈するのである。 ハードボイルドっぽい起。あれなんだそれという承。そんなとこにむかうんかい。という転。 そして問題の解決どころかそれいじょうの結。 ああ多分ライトノベルなのね。 [インターネット(字幕)] 5点(2016-01-02 20:37:04) |
23. モンスターズ/地球外生命体
素晴らしいアイデアの詰った映画である事は確かな作品。 それはそうなんだけど、どうだろう。やはりもう少し面白くして欲しかった。 生活に密着した怪物は新しく、徐々に侵食される地球。 攻撃すればするほど、殲滅より程遠くなっていくさまはいろいろと考えさせられる、 となかなか深みのある映画。監督も細心を重ねて作っている事がよくわかる。 ただコレという面白さがなかった。普通の町並みに化け物の巣があったり、 いきなり襲われたりどれも、身を乗り出したくなるほど興味が惹かれるのに、 消化不良のまま物語が進んでしまい、とかく残念。 もっと予算があれば、と思わせるには十分な技術を見せていただきましたが、 次はきっちりとカタルシスを与えていただきたい。 [DVD(字幕)] 5点(2015-12-26 15:04:38) |
24. THE DAY ザ・デイ
全くアイデアがないSFアクションパニック映画。 普通では考えられないほどのオリジナリティのなさには逆に脱帽。 本来ならばこれでは評価に値しないのですが、 内容がそれなりに観れてしまうところがこの作品の凄さ。 設定にアイデアがない分、アクション、画面作りで勝負しています。 脚本はたぶん映画ファンなら二人に一人がこれ以上か同等のものを書けるのではないか と訝るべきクオリティですが、編集と撮影でここまでにはもっていけるということですね。 痩せ型で色白の人々がとぼとぼあるいて、廃屋の罠にいって襲われる。 しかし罠を仕掛けたというほどの罠はなくて、ただ強引に襲ってくる。 武器も持ってないのでそこそこ戦える。双方の代償が大きすぎて生活の手段に見えない。 この生存競争を繰り返していたら、そらもうすぐ滅亡でしょうね。脚本ゼロ点です。 それでも観れる作品という事で職人監督として有望な方かもしれません。 [DVD(字幕)] 5点(2015-12-25 12:00:22) |
25. まほろ駅前狂騒曲
《ネタバレ》 主演二人の絶妙な空気感だけで2時間持たせた映画。 前作では彼らとそれをとりまく街の人物紹介をベースにしており、 かなりまとまった作品であり、今回は二作目ということでそれらを省略してより物語が大きく飛躍する。 もんだと思っていましたらそこまでのダイナミズムはありませんでした。 ゆるい空気のなかそれでも懸命な人々を描く、 面白いんだけどどこか全体に物足りなさを感じてしまいます。 またストーリーもいびつでまとまりに欠けており、 つぎはぎな印象を受ける。例えば預かっている女の子がバスのなかでは何もしない。 この映画の一番の事件で何もしないのならば、 最初からいらないはずで、どうもエピソードを上手く混ぜられていない。 とってつけたようなラストのメッセージは噴飯モノで、 映画とあんまり関係がない。 とにかくラストにそれっぽいメッセージを主役にしゃべらせるシステムを、 どうにかしないととてもじゃないが邦画のレベルは上がらない。 [DVD(邦画)] 5点(2015-12-22 19:05:20) |
26. ドラキュラZERO
凡庸極まりない作品。 序盤の殺陣が秀逸で歴史モノ映画として面白そうな雰囲気でしたが、 闇の力を手に入れてからはどんどんパワーダウンしていき、 ラストに至っては非常に貧弱な内容。ドラキュラじゃなければ面白かったのに。 主人公から全てのキャストまでかなりよい演技でセットなども趣があって、 設定にのめり込みたいのにそうはさせじとどうしょうもない脚本に突き放されました。 ホンが悪いと全部が輝きませんね。 見せ場の点では、こうもりなんかがそれなりに目新しいけれども、 それだけでは『ZERO』を名乗るのはちょっと・・・ 既存の原作準拠ではないヒーロー映画を作りたかったのでしょうが、 もう少し思い切った設定にしないと勝負ができないのではないかと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2015-12-22 16:26:26) |
27. プリースト
なんか『レギオン』に似てるな~と思ってたら、同じ監督だった。 と書こうと思いながらコメント見たら前の人も書いている。みんな通る道なのね。 世界観があるのはいいけれども少しオタク気質が強いかも。 エイリアンのような吸血鬼のデザインは新味があったがもはや別の化け物。 とにかくアメリカ人は手裏剣が好きですね。サイバーパンクでの採用率は半端ないのではないでしょうか。荒廃した管理社会の設定は面白かったが、もう少し人々の生活観がわかるようなギミックがあればさらに厚みがあったのではないかと思う。漫画原作ではどう描かれていたのでしょうか。神様を悪に対抗する手段として描くことはそろそろ止めたほうがいいのではないかと真面目に思ったりもした。 にしてもこの次の作品がレギオンなわけでもう少しオリジナリティがないと、 この監督生き残られないだろう。 [インターネット(字幕)] 5点(2015-12-19 14:48:50) |
28. 宇宙兄弟
原作におんぶにだっこな映画。 それだけならまだしも原作の持つテーマを半分しか使わないで、 なおかつ甘く味付けするというダメな脚本。まあ才能が無いとかではなくて、 そうしなければ映画化できない現状があるということなんでしょう。 原作は夢に向かって最善を尽くすという生き方と どうあがいてもダメなときはダメ。という科学的な事実の狭間で、 それでも少しでもましな結果を求めていくといういわば極限の戦いを日常的な空気の中で 描いているよく出来た作品であるが、今回は夢に向ってひたむきってステキよね。 程度の安っぽいロマンに包まれた作品である。 それでもこの映画がそこそこの域にとどまれたのはキャストの努力と原作の地力がゆえでしょう。 多分、こういう感じにしろ、とさえいわれなければ脚本ももっと良い物だったのかもしれません。 販売戦略ほど下等なくせに幅を利かせている考えかたってないよね。 [DVD(邦画)] 5点(2015-12-16 14:20:01) |
29. パーフェクト・プラン
映画ファンならば、誰しもがまたか、と思うような題材。 平凡ながらやや貧しい一般人に突如ふりかかる悪魔の誘惑。 やはり物事は思い描いたようには進まず・・・・ というよくもまあ、これだけ手垢のついたプロットにGOが出たもんだ。 さぞかし新味のある切り口なのだろうと食傷気味ながらも鑑賞。 なんてこったひねりってもんがまったくねえ。 これは逆に勇気のある選択かもしれない、それなりに面白く鑑賞できた。 よく使われる題材=安定した面白さ が最低限保障される公式として成り立つのであれば、地道につくればそこそこに面白い。 という事は当然で、これを『家庭料理は一工夫しない方が大体良い。』理論と名づけます。 しかし、もう少し山っ気があってもいいんじゃないかな。 というわけで5点献上。 [DVD(吹替)] 5点(2015-12-15 11:57:09) |
30. ダーク・シャドウ(2012)
バートンらしさが十分に出た凡作。 バートンファンなら楽しめるのかもしれないが、 このセンスよさげなファンタジーにどうにもノリきれない。 ブラックユーモア自体、文化的な違いなのか嗜好の違いなのか 率直に楽しめるようなモノではなく、 自由すぎる設定もありでついていく事に嫌気がさす。 それでも世界観や動きの撮り方などやはり一流監督らしい作品ではあるので この点数で。 [映画館(字幕)] 5点(2015-11-08 11:40:59) |
31. アフター・アース
確かにシャラマンの映画は変だ。変を売りにしているわけではないし、売り物に出きる変さでもない。 そしてこの映画は親バカ映画で、荒唐無稽でナオカツご都合主義に溢れている。 でも酷評している人々の意見に同調しにくい、みんな言いすぎじゃなだろうか。 普通の映画なのにうわさが評価を下げている気がする。 ただの凡作。酷評するほどでもないと思う。見所はちょろちょろあるし・・・ ただしいくらなんでも、実は地球でした。じゃじゃーん。で題名『アフター・アース』はさ、酷いよね。 [映画館(字幕)] 5点(2015-11-07 18:20:14) |
32. プレデターズ(2010)
評価はしにくいが好き。 本来プレデターの面白さは彼らの武装や能力による圧倒的な戦闘力に、 人間が根性で立ち向かうという構図にあると思う。 今回の作品では映画の軸であるべきプレデター自身の描き方が不足気味で、 人間たちのキャラクターのほうが強いところに問題がある。 ハイテクムキムキ殺人宇宙人より濃いメンバーを描くのはさぞ大変だろうが そんなにやらない方が良かった。徒労である。 しかし、深夜オールナイト上映におっさんが一人で行く映画としては、 こーいうのがいい。 [映画館(字幕)] 5点(2015-11-07 16:40:39) |
33. RED/レッド(2010)
製作段階では随分と盛り上がったのであろう映画。 やりたい事をやっている間は随分と面白いのだけれども、 一通り考えていたことが終わるとあっという間に失速してしまった。 ものがたる力、と私は捉えているのですが、 ストーリーを薦めていく推進力があっても、巧く御せていないが為に 勿体無いことになってしまった。 アクション映画は今で言えばステイサムみたいなキャラクターが 作り手も見る側も大暴れする爽快感に視点がいく。 老人の大暴れというとコメディ的な味付けはできてもなかなか映画の柱にはなり得ないようだ。 スターの健在っぷりを愉しむには良いと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2015-11-07 14:16:14) |
34. YES/NO イエス・ノー
ワンシチュエーションの設定としてはまあ良い着眼ではあった。 のだけど普通この手の映画では極限下で暴かれていく本性がテーマになるのに対して こちらは本性(側面)が暴かれることで極限下に(より)陥るという順番。 じゃあさ、このシチュエーションはいらないんですよ。 普通に友人が暴露しても同じストーリーに構造上は出来てしまうわけで、 全くシチュエーションが機能していません。 ワンシチュエーション映画、雪山のリフト、棒に刺さっている、棺かつ土の中、なんかしらんが鉄の扉の中、ビルの壁など等。 まあわんさとあるんですけれど、基本は『十二人の怒れる男』で、それが『キューブ』で変換されたと思うのですが、 再変換は何時になったら巧くいくのでしょうか。 手段と目的をどうか混同しないで頂きたいな。 年間100本以上観る人間なら通る道ですが、これより見るべきものは年間100本以上ある。 [インターネット(字幕)] 5点(2015-11-04 18:57:51) |
35. 噂のギャンブラー
それなりに熱意はあるもののもうひとつ自分に納得がいっていない若い女性が ある日、今までとは違う世界に飛び込みじぶんらしさを武器に成長しながら、 偉大でかつ変人の上司に導かれ、またなにかしらの示唆を与える役目をする。 という事はこれはあの名作『プラダを着た悪魔』と同じプロットですね。 という事は同じような題材でもここまで凡庸になり、 ときには名作にもなるという事の証左。 俳優もいいだけに流し観程度でみるには苦は無いけれど、 あえて観る必要は・・・・・ なにが凡作と名作を分けるのかを確かめたい方には良いかも。 [DVD(字幕)] 5点(2015-11-04 18:43:23) |
36. ローマ法王の休日
コストパフォーマンスが悪い。 シニカルでユーモラスではあるが面白いわけではなく 全てにおいてよく言えば抑制の効いた演出。上手ではあるが、 それで良くなっているわけではない。 巧くて卓見。 しかし面白さはそこまででもないし冗長。 独りよがりとまではいえないが、 やや自慢たらしい。 シェスタがあって時間を守らない国の芸術家先生の映画である。 [DVD(字幕)] 5点(2015-10-24 17:40:26) |
37. ダイバージェント
管理社会ものとして設定は斬新。 斬新さだけであることが非常に残念。 アクションシーン特にクライマックスは多分それなりの演出だったのではないかと思うが、 その頃にはうんざりしているのでどっちらけである。 本来であれば心理戦ですすめられるような設定なのだが、 そこまでの脚本ができずにこんな結果だったのだろう。 とりあえず次回作はつくらないでもっと別なことにチャレンジしてほしい。 [DVD(字幕)] 4点(2016-04-27 17:44:47) |
38. 喰女-クイメ-
とにもかくにもつまらない作品。 現実の世界とお芝居がリンクしてその境界があやふやになって・・・ となにやら上手いアイデアの気がしたけれど全くはねない。 登場人物に魅力が無く、ストーリーには下敷きがあるので展開にも期待ができず、 物語が進みだすまでにも時間がかかるので正直言ってだるい。 短い時間でもこれだけテンポが悪いと辛い。 三池監督なら途中で気づいたろうになんでこのままになったのか。 [インターネット(字幕)] 4点(2016-03-16 18:13:46) |
39. シグナル
とんでも映画を面白く観ることにかけては自信があるのですが、 なぜ賛否が分かれるかがよくわからないくらいに面白さを感じませんでした。 果たしてこれはとんでも映画なのでしょうか、 私見ではこれはただの長ったらしいSF映画という感想。 アイデアとしてみるべきものが本当にあったのか、 だいぶこちらが前のめりに理解しようとしないわからない面白さだったのではないかと思います。 いや難解というよりは空白・間を入れすぎなような・・・ 足の変化だけがポイントであと新鮮なものは感じなかった。 [DVD(字幕)] 4点(2015-12-25 11:36:27) |
40. アイアン・ドアーズ
ソリッドなワンシチュエーション映画。最近山ほど作られているワンアイデアで勝負の映画。 低予算での映画作成にはうってつけでキューブのナタリ監督に続けとばかりなんでしょうが、 キューブはシチュエーションの凝り方、アイデアなど確かに素晴らしかったですが、 むしろそれらを支える人物描写や罠のおそろしさなどの演出が際立っていたのに対して、 例えばこの作品では、一つの状況の中で起こる出来事に規則や意図がなく、 ただ無限の力で人が押し込められる姿を傍観することを強いられる。 ただなぜかそう。というだけで、そこにアイデアや工夫が感じられない。 結果としてやたらと冗長で理不尽な思いをしながら見ることしか出来ない。 ラストも可能性を感じさせるものとは言いがたく、投げやりな印象を受ける。 [DVD(字幕)] 4点(2015-12-20 13:02:56) |