441. コップ・カー
《ネタバレ》 シャレにならない事情で人気(ひとけ)の無いところまでパトカーで乗り付けたあげく、小学生にそのパトカーを奪われる。なんとも間抜けな話なワケです。コメディの脚本を、あえてサスペンスの演出で撮影したような変な味わいの一作です。北野武監督の映画のようでもある。それで、面白くなかったワケではないが、面白かったのでもない。不思議の一作。 [インターネット(字幕)] 6点(2018-02-25 20:19:36) |
442. ファニーゲーム
《ネタバレ》 不愉快なのは、本作の乾いたバイオレンスでも神経に触るような会話の応酬ではなく。救いがないってことで有名なあの「ファニーゲーム」とかいう映画を、近所のレンタル店ではないからって、わざわざオンラインの店から取り寄せて。どうせあんたの見たかったのはこういうのなんだろうって。20年前から監督に見透かされているような、それで後ろめたいような不快感。監督が観客に仕掛けたFunny Games。観ちゃったら、被害者。 [DVD(字幕)] 8点(2018-02-24 16:18:59) |
443. ポゼッション(2012)
《ネタバレ》 ただ単に悪魔憑きのお話。なんのひねりもない。お化け屋敷みたいなお話。一体どんな層をターゲットに作った作品なんだろう。誰かのために作ろうとしているような気がしない。音楽に夢中になる祈とう師ってのが、「死神の精度(伊坂幸太郎)」の千葉みたいで好き。でも、それだけだな。 [インターネット(字幕)] 2点(2018-02-12 13:22:19) |
444. トライアングル(2009)
《ネタバレ》 このループから逃れるために真っ先に殺らなきゃならないのは、あらためて乗船してきた自分(ジェス)だよなとかね。類似作を選ぶとすると、だいぶジャンルは違うけど「マルコビッチの穴」だなとかね。レビューするときの事考えながら見ていましたが(たいがいそういうのはイマイチのことが多い)。まさか、トライアングルって、自宅~幽霊船~トライアングル号だったのね。いやいや、重篤な事件を起こした人間の心象風景って、まさにこんなもんじゃないのか。現実が遊離している。虚構で何重にも上塗りされている。これは、いいです。【追記】他の方のレビューを見て、なるほど。あの運転手、出で立ちがただ者ではないんですよ。頭髪の形とか。それっぽいです。 [インターネット(字幕)] 9点(2018-02-11 21:07:45) |
445. 海底47m
《ネタバレ》 うーん、これはバッドエンドにすべき作品だったのではないでしょうか。妄想の末、間近まで来た救助の声を聞くことなくボンベが空になり、息絶える。なぜ助かるんだ、などと人でなしなことを思ってしまいました。でも、47mってちょうど良いですね。一気に上がっちゃえよって思ったり、潜水病というよくわからないのになんとなく躊躇したり。ちょうど、身動きとりにくい間合いですってなんだそれ。 [DVD(字幕)] 6点(2018-02-10 21:38:51)(笑:1票) |
446. デッドクリフ
《ネタバレ》 密猟者という殺人鬼が登場してからの方がむしろ怖くない、という不思議の一作。自然の脅威や、得体が知れない状態の方が怖いのですね。暗闇の後半は何が起こっているのか、何がしたいのかわからない状態。好きなところ(気弱な彼の最期、エンディングなど)もありますが、まあ点数このくらい。【追記】皆さんのレビューを拝見して、ほぼ同じ感想ではないですか。こんなにガッカリされた殺人鬼は初めてだ。ねぐらの壁に自分の名前が書いてある殺人鬼。アントン曰く「お前ら、そんなにオレを期待外れとか言うな~」。 [インターネット(字幕)] 5点(2018-02-03 14:33:07) |
447. 新感染 ファイナル・エクスプレス
《ネタバレ》 ニセ羽生結弦(コン・ユ)とニセ日本人メジャーリーガー(マ・ドンソク)がメインとサブ。オープニングの鹿のシーンと共に、B級感たっぷりのこの感じ。彼の国でもB級映画だったのでしょうか?残念なのは、バス会社の取締という中年男性。パニックな状況での全体最適を提案できる(憎たらしいけど)紳士だと途中までは見ていましたが、最後はただの利己的な人(悪役)になってしまいましたね。しかし、畳みかけがうまくって、一気に見てしまう。列車のシーンは、ワールドウォーZの城壁のシーンより切実に怖い。自分がかまれたと気付いた後の主人公の行動。最後のくだり。これは傑作ですよ。なお、これがワタシの韓国映画初視聴。だいぶ、損してたなと思いましたよ。 [DVD(字幕)] 9点(2018-01-31 07:58:12)(良:1票) |
448. LOFT -完全なる嘘(トリック)-
《ネタバレ》 ハードルを上げすぎてる邦題のことはともかく。トリックって完全なる嘘のことだったのかよ、ってこともさておき。後日談で、トムが自裁未遂の彼女の自殺幇助をしたということになっているけど、法的に処罰を受けるなければならないのは、マルティスを除いた全員ではないのか。ワタシは、本作を5人の男たちが事件の真相に迫るってとこから、「キサラギ(2007)」を思い出しつつ見てましたけど、エロいことばっか考えているオランダ人より、純情でオタクな日本人の方がやっぱ好きだよ。 [インターネット(字幕)] 4点(2018-01-30 17:22:10) |
449. スパイダーマン:ホームカミング
《ネタバレ》 サム・ライミ以降の何か意味ありげな雰囲気から一線を引く。「漫画の実写化」であったことをあらためて思い出させてくれた一作。ピーターの体の頑丈っぷりは、未来少年のそれに似て(コナンです)。遠景でスパイダーマンが活躍していた画が多かったと思いますが、そこは好き。蜘蛛の糸が絡むところがない広々としたところで、とにかく走るスパイダーマンはかわいかった。とはいえ、アイアンマンにしっぽ振ってるスパイダーマンは魅力度が落ちるなあ。 [DVD(字幕)] 6点(2018-01-21 13:45:58) |
450. 怒り
《ネタバレ》 原作未読。おそらく、「正しく怒りを表明することの困難さ、理不尽さ」がテーマの物語だったのではないか。渡辺謙の地域住民に対する愛子にまつわる怒り、広瀬すずの同級生の男の子の米兵に対する怒りなど。だとすると、犯人の「怒」がなんか不調和なんですよね。同情されたから?犯人側にも(怒りの)事情が欲しい。「人を信じることも信じないことも、どう転んでも救われない」という悲しい話ともお見受けしました。であるならば。三人とも犯人じゃなかったって方が、趣深いかも。そうすると、観客は、三人の誰に比重をおいてこいつが怪しいと気持ちをいれて見ていても、救われない話になります。そんな後ろめたい終幕もありでしょう。 [DVD(邦画)] 5点(2018-01-07 23:53:36)(良:1票) |
451. 続・深夜食堂
《ネタバレ》 本作はTVドラマのファンが、レンタル店で借りることを想定して作ったものです。あいや、いまやすべからく、TVドラマの映画版はそうなのだと思いますけど。だから、ストーリーを原作漫画に寄らないということのみ映画仕様で、ほとんどTVドラマと変わらない本作のあり方は正しいと思います。余貴美子さんとのマスターの関係だけがいらないような気がしますが。 [DVD(邦画)] 7点(2017-12-11 21:37:43)(良:1票) |
452. バーニング・オーシャン
《ネタバレ》 主人公らしき人(マイク)はいるが、ヒーロー然とはしていない。なるほど事故の起きそうな職場だと思わせる前振りだけど、ダイブ長いなあ。実話ベースに不謹慎なのですが、大規模な火事場見物をしたという印象。 [DVD(字幕)] 5点(2017-12-03 11:25:49) |
453. 映画 聲の形
《ネタバレ》 これは、つらくて息苦しい視聴体験でした。この手の話、自分の傷に触れないで見ることができた人いるんでしょうか?ワタシ、顔に×こそ浮かんでいませんが、周囲の人々ときちんと関わりを作れているのか、心許ないところがあります。ラストシーンの石田のように、憑きものが落ちるように世界がクッキリ見えることがあれば、そのときはワタシも泣き出してしまいそうです。 [DVD(邦画)] 9点(2017-11-19 14:15:26)(良:1票) |
454. エクストーション
《ネタバレ》 「オープン・ウォーター」と「96時間」をつなげて見たような印象。加えるのならば、ゆすりの映画がうまく思い出せないんですが、あえて言うなら「刑事コロンボ/構想の死角」(あの商店のおかみさん。強引?)。最後力尽きつつも…という展開は、「砂漠の冒険(1970)」(さらに強引?)。えー、とにかくえらいコストパフォーマンスの高い映画でした、といいたい。ビデオタイトルの副題の是非については、他の方にゆだねたい。 [DVD(字幕)] 8点(2017-11-18 13:45:36) |
455. 男はつらいよ 奮闘篇
《ネタバレ》 兄妹二人っきり、そして親切なおいちゃん、おばちゃんに身を寄せて暮らしている。ってのがベースだと思っていましたので、生みの母親が元気であるなどとは思ってもみませんでした。「ひり出して、ほっぽった」にしろ、経営者の息子だと思うと、少し印象が変わってしまいます。 [インターネット(邦画)] 6点(2017-11-05 17:13:07) |
456. 男はつらいよ 寅次郎相合い傘
《ネタバレ》 リリーさんの寅さんシリーズにおける特別感が理解できない、むしろ不協和音とすら思っていたモノです。本作を見て、シリーズにおけるリリーさんの立ち位置がやっとわかった次第です。皆がお似合いであると思っていたのに、の人だったのですね。相思相愛であるにも関わらず、寅さんがフッタ形になっちゃった女の人。1:04:00頃のパパさんから「いつ結婚するか」聞かれたときの寅さんの表情がすごい。完全に笑っているのに、笑っていない。惚れてたんだよ。啖呵売のシーンが多いのも本作の好きなところです。 [DVD(邦画)] 8点(2017-10-29 20:16:16) |
457. ノー・エスケープ 自由への国境
《ネタバレ》 これは…。第一感は「勇気」。銃火器インフレの昨今に、ライフル一挺と猟犬だけを武器にして映画を撮ろうとする「勇気」。理不尽な襲撃者からの逃走劇といえば「激突」なんですが、見終わった今は、タフな男が登場した「ダイ・ハード」を見たときのような満足感。ゆきずりの逃亡者との別れ別れになるシーン、とうとう助けを叫ぶシーンとか好き。見るべき一作。 [DVD(字幕)] 9点(2017-10-29 10:51:53) |
458. 22年目の告白 -私が殺人犯です-
《ネタバレ》 なかなかの変態映画なんですが、映倫区分はG(どなたでもご覧になれます)。絞殺シーンもさることながら、ラスト間際の千堂の壊れっぷりは相当なもの…。なんてなあ。元少年Aの例の手記をなかったかのように、この物語を消費しているワタシ自身がイヤなんだ。…面白かったです。 [DVD(邦画)] 8点(2017-10-15 19:54:32) |
459. SCOOP!
《ネタバレ》 大学教授、建築家、弁護士なんてやってきたけど、ホントのオレはここにいるんだと福山雅治はいっているよう。たぶん素に近いし、本作の都城が一番かっこいい福山なんだと思います。しかし、だから面白いかというとそう良いわけでもないんだな。吉田羊との濃いめのキスや二階堂ふみとのベッドシーンなんて全く必要性を感じないのだがなあ。リリー・フランキーとの絡みは、「そして父になる」のときにおいしいところを持って行ったリリーさんへの意趣返しのよう。 [DVD(邦画)] 4点(2017-10-15 10:27:59) |
460. 三度目の殺人
《ネタバレ》 三隅の企て(とワタシはみたい)がピッタリはまったときには、是枝監督最高傑作!と思ったのだが、映画館からの帰り道で妙な違和感。結果、最期まで十字架を背負わなければならなくなった咲江(良心的であるならあるだけ耐えられない)。三隅に振り回されっぱなしだった、有能な弁護士のふりばかりをしていた重盛(当初否認していた事実をあの場で知るとは)。物語を追うにつれ、三隅のキャラが濃くなるにつれ、他の登場人物の扱いが雑になってなかったか。 [映画館(邦画)] 7点(2017-10-14 16:11:29) |